ぜぜ日記

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不動産投資の営業マンと会ってきた話

2013/4/29 当初、本記事では会社名を記載しておりました。しかし、代理人弁護士より、名誉毀損、信用毀損に該当するとして削除申立てがありましたので社名を削除し、一部の主観的な表現を修正いたしました。関係者にはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。

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お仕事をしていると、たまに会社の個人電話宛に営業電話がかかってくる。
最近は不動産投資が多くて、普段は問答無用に即切りなのだけれど、どういう人がどうやって営業しているのかすこし興味があって会ってみることにした。

けっこうおもしろかったのですこし整理してみる。


不動産投資の特徴

概要を簡単に書くとこんな感じ。

  • 1500〜2000万円程度のワンルームマンションを銀行融資で買う
  • それを家賃7-9万円で個人に貸す
  • 大家さん的な管理とかは会社員にはやってられないので家賃の3.5%で代行管理しますよ
  • 融資の返済と維持費は、その家賃と差し引きで、毎月5000円程度支払うだけでよいです
  • 毎月の支払は実質5000円程度で、不動産という資産を購入でき、年金機能もある安心の投資ができるね!

(これは相手の宣伝文句の数字そのままで多少は色ついてそうなので注意)


会社の特徴

やってる会社は自分たちでマンションの建設を企画・発注しているところとのこと。ディベロッパ兼営業。利便性の高い場所にワンルームマンションを建てていて、東京近辺で約50棟1500戸持っているらしい。でも50棟というのは1棟3,40戸からの単純計算のようで、あまり把握していなかったっぽい。。そしてここの管理業務をやったり賃貸仲介して入居人を探したりもしている。話しを聞く所では稼働率は97%くらい。そして、マンションの個室を自分たちで賃貸するのではなく、個人に不動産運用として購入してもらうというスキームらしい。素朴に考えると、50棟持つくらい資産があって、もし投資としてちゃんと利益が出るなら自分らで直接賃貸したらいいんじゃね、とは思う。


そして他には個人に購入してもらうだけでなくて、法人にも社宅として提供しているらしい。X社の女子寮とかも建てたとのこと(最寄り駅まで教えてくれた・・・)。ただ、法人向けと個人向けの割合はお茶を濁されたので実態はよくわからない。


営業手法

自分が会ったSさんは、30前半で既婚、はっきりしたストライプスーツに銀と黒のチェックネクタイの体育会系的な黒さで困ったような笑顔をする人だった。いろいろ聞くと教えてくれるけど、ちょっと誤魔化してるのがわかりやすい人。


具体的な勧誘方法は、テレアポで最初は説明だけと言う、そして会ってから説明して行く流れ。
テレアポテクは、自分がすぐに会ってもいい、とって拍子抜けさせたので分からない。


単純な方針は、2000万円の融資/負債を、月々の返済と家賃収入で相殺されるからとほぼ無いものであるかのような印象を与える感じ。不動産投資の簡単さをアピールして必要な資金は月々5000円程度ですとリスクの低さをアピール。

ほかはこんな感じ。

  • 家賃収入の安定性
    • ワンルームマンションの家賃は値下がりしない(95年以降にたったものはほとんど下がっていない)
    • 稼働率も97%と高い。空室があっても、月に払うのは8万くらいでリスク少ない
    • ファミリー向けの物件は家賃も下がりやすいけれど、ワンルームは下がりにくい。
    • バブルのあともワンルームの家賃は下がっていない。収入が下がっているので相対的にあがってきている。
    • 都内だと豊島区とかで25平米以下の建物は建てられない規制があって、需要はあるのに供給が少ない。値下がりしにくい。
    • 20年くらいで完済できてあとは家賃もらい続ける
  • サラリーマンは不安定だよ?
    • 収入も下がり続けている
    • クビになったらどうするんですか
  • 資産として残る
    • クビになっても収入が入る
  • 節税できます
    • 減価償却を支出に組み込むと、年収を低く見せることができて減税できます
  • 生命保険・年金機能
    • もし購入者になにかあったら借金を払わなくていい(ほんとか?)
    • 個人年金よりお得に、老後も家賃収入が期待できる
  • 安心の融資
    • 提携している金融機関が10くらいある、この多さが信頼の証らしい。本当かよ。融資の利率は1.8-4.0%くらい。あと投資用の不動産だと住宅ローンは使えないらしい。
  • 一部の人しかできない
    • 年収500万以上で社会的信用のある大企業のサラリーマンしかできません。選ばれた人しかできません。
    • 選ばれた人は、社会的信用をつかって投資できるのです。とのこと。


日本での不動産って買った瞬間から値下がりするのでは、というと、下がりますが減価償却47年で、資産価値がなくなっても家賃収入はある、とのこと。。あれ?さっき資産価値ありますって言ってなかったっけ・・。
期待利益が怪しいというリスクはなくはないけれど、はじめに思っていたほど、悪い商品ではないように感じる。もちろんこれは素人意見なのでプロだと観点も異なるとは思う。
ただ、電話営業で数打ちゃあたる方式であることと、この低金利な状況下で銀行から資金調達せずに営業コストをかけて投資を集めているという点が気になる。

実態

話しをしているうちに、素人なのでと言って説明させたり素朴な疑問と称していろいろ聞けた。

どんな人が買うのかと訊いてみると、購入者は、20代後半から50代前半までで、ほとんどすべてが不動産投資としての購入。複数戸買う人も少なくないとのこと。
テレアポ大変ですよね、と訊くと、なんでも、100回電話して1人くらい会えて、その会えた中で話しをしていくと5人に1人くらいは契約まで行くらしい。そして気になる歩合給は1契約で10万円ちょっと、とのこと。お給料は基本給+歩合給なんだそう。そしてSさんは1月に2.3件の契約がとれるらしい。これは相手が話してくれたことでどのくらい脚色されているかはわからない。


そして営業マンは50人ほどいる。営業はテレアポだけらしいけれど。「テレアポ営業だけなんですか?いい投資なら広告出してたた引き合いとか来ないんですか?」と聞くと、「広告費が高くなって不動産に値段が跳ねるんですよ」と返された。で、営業マンの人件費のほうが多いのではと訊くと匠に話題を逸らされたように感じた。

あとこれはたまたまなのかテクニックなのか分からないけれど、こちらが携帯の番号を教えていなかったからか、待ち合わせ場所に現れない事で、自分から電話をかけてしまい番号を知られてしまった。



まとめ

先入観で思ったよりもまともな会社でまともな商品に思えた。投資する側からすると、融資を用いることで現時点の財産にレバレッジをかけられるというのは利点かもしれない ただ、低金利な銀行融資ではなく一般人からの投資にたより、その個人が銀行融資を受けるという構造のリスク転嫁に違和感を覚える。しがないサラリーマンである自分の限られた財産と信用を投ずるのは、(今回は)辞めておこう。