うんこめも

自律分散うんこ製造システムについてのメモ

読んだ本 2015年5月

なにかと忙しく、もう6月も半ばに差し掛かってしまうけれど恒例の読んだ本を整理してみる。 そもそも、最近はどうもインターネッツにかかりきりで本をちゃんと読めていないのだけれど、まあこんな感じです。

土地の神話

土地の神話 (小学館文庫)

土地の神話 (小学館文庫)

猪瀬直樹が元気だったころの作品でかなりおもしろいノンフィクション。 東急創設時の話と、田園都市の理想と現実。渋沢栄一とその四男、渋沢秀雄からはじまり、東急を創設し拡大させた五島慶太を中心にその周囲の財界人の野望と衝突を描いている。

東急グループ創業の五島慶太強盗慶太の通り名もあって政財官を利用しての買収力つよすぎる。ちょっとした思いつきともとれる考えが、現代日本の(残酷な)通勤文化をつくっている。ここらへんはリアル桃太郎電鉄というか、勢いのある都市開発ですごい時代だったのだなあ、と思える。東急沿線、あんまり縁はないけれど、よく使っている人がよむとよりおもしろそう。

ほか気になったところメモ - 東急沿線も当初の渋沢翁の思いである田園都市的理想(の一部)とは別に、乱開発される一方だったのはなぜか - 阪急グループ創業者の小林一三(どうしても「いっさ」と読んでしまう)、私鉄ビジネスの創造者でかなりつよい - 明治維新後、首都を大阪に移す案などが大久保利通から出たが、これは却下。この理由として、開発されきっていた大阪に対して江戸、のちの東京には大名屋敷など広大な空白地帯があったため、としている。

解説にて、藤森照信氏の指摘が興味深い。 日本の歴史の転換の肝所には、きまって土地が顔を出す。水田の確立で歴史が芽吹き、班田収授の法で古代国家の基礎が定まり、これをなし崩しにした荘園によって貴族や寺院は支えられ、これを荒らして武士の時代。そして、秀吉の検地と家康の封土を基盤とする封建制で安定。明治維新では地租改正で封土を解体して近代土地制度を確立。大戦の折の農地解放によって基礎がつくられている。 本書ではここまでだけれど、バブル崩壊の象徴でもある地価崩壊も日本の高度経済成長の終焉を示している。次の社会変革ではどんな土地の変化がくるだろうか。

マンガ

コンバットバイブル 1-3

コンバット・バイブル―アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル

コンバット・バイブル―アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル

東寺の弘法市で3冊セット1000円で買った本。 ミリタリー的な要素を楽しみたくて買ったわけではなく(なくはないが)、サブタイトルがアメリカ陸軍教本完全図解マニュアルというところで、新平育成にお金をかけていてノウハウを貯めまくっている米軍のマニュアルの雰囲気や記述法をてっとりばやく見て取れるかなー、と期待していた次第。

内容は全編マンガで、教練軍曹が新兵に教えていくという形式。 米軍だけでなく、中国人民軍や自衛隊まで引き合いに出して、装備とその使い方から敬礼などかなり幅広くかかれている。創作で参考にするのにもよいかも。

2巻では、より実践的に、編成と行軍、ラペリングや山岳戦、爆弾の仕組みと種類と仕掛け方まで記述されている。PKOについての歴史と状況もそこそこ参考になる。

3巻は毛利元貞氏をアドバイザーとし、特殊部隊について書かれている。ボディガードとかSWATの突入などはちょっとおもしろかった。4冊目の情報収集編も読んでみようかな。

もやしもん 1-13

学生時代に5巻くらいまで読んでいたけれど、昨年に完結していたことを知って再読。結末と、ただひとつの特殊設定のつながりはさておき、あっというのまにいろんなところに旅していく流れとスピード感は好き。これだけの薀蓄マンガも珍しい。とりあえず、食と発酵と農業に興味でてきた。 いいマンガでした。

ゲンセンカン主人

ゲンセンカン主人―つげ義春作品集 (アクション・コミックス)

ゲンセンカン主人―つげ義春作品集 (アクション・コミックス)

つげ義春による短編集。全編異様な雰囲気に満ちている。 なんだろう、統合失調的とでもいうような感覚。もしかしたらすごい刺さる人がいるかもしれないけれど、どうだろう。不思議な気分になれる。

映画

めぐりあう時間たち

めぐりあう時間たち [DVD]

めぐりあう時間たち [DVD]

全編にわたって、これほど緊張感が張り詰め続けている作品は観たことない。 なにげない所作や発言の多くが人間関係の危うさを匂わせ、不安にさせる。

ストーリーとしては、時代も場所も違う3人の女性の象徴的な1日を重ね合わせて描き、なんらかの「辛さ」を伝えようとしているもの。

演技も舞台の造形も小道具もアングルも構成も丁寧につ くりあげられていて、たいへんつらい映画なんだけれど2回観たくなる。

テーマは、ゲイ・レズビアン統合失調症エイズの人たちと、その周囲の人々。解決しえない問題。

自分のまわりでこういう問題があったら、どう対処できるだろうか・・・。

主人公の一人は実在の小説家「ヴァージニア・ウルフ」、作品の「オーランド―」は50ページくらい読んで挫折しているのでまた取り組みたい。

霧島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

以前にわっちゃんが称賛していた映画なんだけれど、Google Playゴールデンウィーク一本無料貸し出しを機にようやく観ることができた。

高校を舞台に、ちょっとした事件をきっかけに高校生たちの階層と不安とすれ違いとを描いている映画。 苦い恋愛が描かれているでも、主人公の成長が描かれているわけでも、誰かの死が絵が描かれているわけでもないのだけれど、ひとつひとつの描写が心を抉ってくる。学校での片思い、ステージ上で笑われる、蔑まれるオタク、グループ内での表面的な付き合い、そして自分が何者にもなれない不安。観る人によって誰に感情移入するか、誰に同情できないかが変わってくる気もする。

個人的には、前田が友達のおなかに頭をぐりぐりするシーンが好きで、吹奏楽部部長が目の前でヒロキとその彼女がキスするシーンと、フウスケが先輩にしごかれるがきびしい。

そして、高校の眩しい風景にくらまされがちだけれど、そこから透けて見える、人と人がわかりあうことが難しいこと、あるいは不可能なことを暗に示しているのも重要。それを誰もセリフに出さないで表現するのも、ひょっとして霧島もこれがつらかったのではないかと思えることもすごいなあ、と思える。

それにしても、霧島、いったいなにものなんだ・・・

縞模様のパジャマの少年

縞模様のパジャマの少年 [DVD]

縞模様のパジャマの少年 [DVD]

友人が借りてきたので一緒に観てた。 ナチスドイツのホロコーストでの収容所所長の8歳の息子と、収容所にいる8歳の少年の交流を描くことで、人間が簡単に残酷になれることを描いている?

ストーリーを書いてしまうと、ひとつの単純な寓話。ほかの人に残酷なことをしていると、自分の子どもも同じ目にあってしまう。というもの。つらい話ではあるんだけれど、その印象しかなかった。もうちょっと人間の残酷さ、ふつうの人間がいともたやすく差別・虐殺に加担してしまうことを描いたほうがいい気がする。

チョコレートドーナツ

同じく友人が借りてきたので一緒に観た映画。 70年代のアメリカで、ゲイのカップルがネグレクトされていたダウン症知的障害をもつ少年を育てる、という話。 複雑な問題の境界での物語で、すごい迫力ある映画。

差別され続けるゲイ、ダウン症知的障害者・・・それぞれ難しい問題である。 そして一番大きいのは、血縁の親がネグレクトなどしている際に社会はどうできるのか。自分はどう動けるだろう。

「正義はない、けれど闘い続けないといけない」という劇中のセリフには、ありきたりではあるけれど重さを感じた。

前向きな話をすると、ゲイについてはたった数十年前までこれだけ差別されていたのに、いまやLGBTはいろんなところで聞かれるし、アイルランドでは国民投票同性婚が合法化されたりしていて社会は進んでは来ている。もちろん差別意識は残っているし、いまだに同性愛者を批判する人もいるけれど、それが見過ごされなくなっているようには感じる。 これらを獲得するために行動してきた人たちには敬意を抱く。多様性のある社会、いいと思う。 ただ、当事者がなかなか戦えない知的障害者はどうなっていくかを考えるとやや暗澹たる気持ちにはなる。

まとめ

あれ・・・?まともな本は土地の神話しか読んでいない?すこしずつ読み進めている技術書はあるし、読みかけ多いけれど読み切れていない。 読みたいのは多いけれどもうちょっとポイントしぼって読むべきなのかもしれない。

あと、読んでも十分内省できていない気がするのでビブリオバトルか箱文庫、したいなー。

その他

そういえば、歴史あるホソの会の会報ブログをつくって記事を3つほど書きました。

http://hoso.hatenablog.com/

ジョイナス