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うんこめも

自律分散うんこ製造システムについてのメモ

ACの法則の海外事例

ある自伝を読んでいてはっとなる記述があった。そのときはおもしろいな程度に思っていたけれど続けて読んだ別の自伝でもそれが触れられていて衝撃を覚えた。こいつらはACだ!ACの法則は海外にも通用する!と。

ACとはなにか

まずACとはなにか。id:softether登大遊さんのブログを引用する。

『AC』(エーシー)とは、筑波大学用語である。
筑波大学には5年程前より『AC入試』 (Admission Center 入試: http://www.esys.tsukuba.ac.jp/AC/) という入試制度がある。AC入試とは筑波大学独特の入試で、一般的な推薦入試ではなく、受験者自らが「問題解決能力」を持っていることを示すことによって入学することができる入試である。他大学でやっている「AO入試」とも少し違うが、まあ同じようなものである。

『AC』(エーシー)とは -登 大遊@筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻の SoftEther VPN 日記

ここまでだと慶応内部組とかその程度のラベルしかないように思える。しかし、AC入学者にはある傾向があるようで尊敬と畏怖、嫉妬と軽蔑の交じった言葉でACが使われているようである。

また、近年においては『AC』という用語の意味が拡大しており、ACというのは必ずしもAC入試で筑波大学に入学した者を指すのでなく、ACっぽいことをしている人やACのような考え方をしているような人のことをすべて包括して『AC』と呼ぶこともある。
この定義においては、たとえば情報界においては、有名なすごいオンラインソフトを作っているような人たちは大抵ACと呼ばれる。プログラミングが人並み外れてできる奴もAC、一日中ロボットを作っているような人たちもAC、ネットワーク機器のアクセス・インジケータのLEDを見てニヤニヤしているような人ももちろんACである。つまり、ACとは素晴らしいのである。

『ACな人』は、多くの場合は特定の専門分野に極めて深い興味を持っており、専門的知識もある。また、基本的に問題解決能力というものが備わっており、専門分野において問題を発見し、解決方法を生成する能力がある。この点において、『AC』は「オタク」の要素を持っている場合が多いが、通常のオタクに比べて問題解決能力が高いことが特徴らしい。

『ACな人』は、特異な考え方や、普通の人が絶対に面白いと思わないような面白い行動をするのが好きな場合がある。また自己主張が強い傾向があるようである。行動が変な場合は、一般人から見て明らかにそれを見るだけでACであることがわかる。ただし、外見だけではACかどうかわからないようなACもいる。(芸術系・体育系など)

どのような場合も、普通の人がACと話してみると、頭がおかしい人と会話しているかのように感じられるであろう。実際に頭がおかしいのである。


こういうのを自分の育ったところではトんがっているとかマジキチ(褒め言葉)、次世代人材()などと呼ばれていた。

こうした一風変わっていてなにかとがったものを持つAC人材。
なにが彼らをそうさせたのか、先天的なものなのか後天的なものなのか登さんがある仮説を提唱している。

ACの法則??

遅くとも13歳位までの間に誤ってまたは故意にコンセントなどに触って感電したことがある人は、AC になる。
そうでない人は、AC にならない。この法則には、8割以上程度の正確性がある。

ACの法則は感電にあった!! -登 大遊@筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻の SoftEther VPN 日記


念のため書いておくとこれは短時間で生み出された仮説だしサンプル数30程度できちんと調査されているわけではない。このブログ上でも多くの議論がある。

それでも興味深い。


さて、冒頭に挙げた例を紹介しよう。

ケース1.陸軍大将・統合幕僚議長・国務大臣

みんなご存じコリン・パウエル。湾岸戦争時や9.11時にはよくニュースにでていたよね。
NYのハーレム育ちの黒人ながら陸海空を含む全米軍のなかでトップである統合幕僚議長に上り詰めた伝説の男。
さらにはレーガン、ブッシュ、クリントンといった歴代大統領の信任も厚く、ブッシュjr時代には国務長官も務めた。軍人出ながらも穏健派でありイラク戦争の開戦に反対していたことを付記しておく。

さて、彼の自伝のマイ・アメリカン・ジャーニーは米軍とホワイトハウスの裏側からみた世界が描かれていてたいへんおもしろく、組織を動かすための示唆に富んでいる。

そのうち少年時代編に次の記述があるのだ。少し長いが引用する。

4歳のとき、サウスブロンクスに引っ越した。両親が働いていたので、母方の祖母のグラム・アリス・マッコイに世話をしてもらっていた。そんなある日、部屋で遊んでいた私は、ヘア・ピンをコンセントに突っこんだ。目もくらむような火花が飛んで、すごいショックを受け、床から突き上げられそうになった。私のいたずらを起こりながら、祖母が抱きしめてくれたのを今でも覚えている。両親が仕事から帰ってきてから、空気が険悪になって言い争いが始まるやら、ひどく叱られた私が泣きわめくやらで、大騒ぎになった。その日の記憶として一番強く残っているのは、ショックを受けたことや痛かったことではなく、自分が大切な人間だと言うこと、全員に見守られながら、どれほど愛され気遣ってもらっているかわかったことだった。

マイ・アメリカン・ジャーニー 少年・軍人時代編 19ページ

生まれてから大学入学までは29ページにおさまるなかでこれだけ紙幅を割いていることからどれだけ印象的だったかがうかがわれる*1。パナマ侵攻の決断と同じくらいの量だ。

組織人ながらも問題解決志向だったこと、原則に忠実な軍人であること、趣味でボルボを33台直しているらしいということからACっぽさがうかがえる。

マイ・アメリカン・ジャーニー“コリン・パウエル自伝”―少年・軍人時代編 (角川文庫)

マイ・アメリカン・ジャーニー“コリン・パウエル自伝”―少年・軍人時代編 (角川文庫)

  • 作者: コリン・L.パウエル,ジョゼフ・E.パーシコ,Colin L. Powell,Joseph E. Persico,鈴木主税
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ケース2 ベストセラー小説家

2例目はスティーブン・キング御大である。本を読まない人でも映画くらいは見たことがあると思う。ITやシャイニングといったホラーからスタンド・バイ・ミー、グリーン・マイル、ショーシャンクの空になどしんみりする話も多く書いている。

彼の自伝「書くことについて」*2はその自分の人生の描写が彼自身の作品と同じ感じで笑ってしまうのだけれど生きることと書くことについて迫力があって楽しめる。

(11歳のころに)兄は、”科学博覧会プロジェクト”なるものを立ちあげた。(中略)そのときにつくろうとしていたのは”デイヴの超スーパー電磁石”だった。(中略)実験では、乾電池を使わず壁のコンセントから直に電気を取ることにした。兄は道ばたに棄てられていた電気スタンドのコードを切り取って、被覆を剥ぎ、裸の導線を釘に巻き付けた。それからウェスト・ブロード・ストリートのアパートメントのキッチンの床にすわって、私に超スーパー電磁石を渡し、プラグをコンセントに差し込むようにと命じた。(以下略)

書くことについて 36ページ

そのあとは省略しておこう。なかなかACっぽい行動であるし、その後のクリエイターぶりをみてもACっぽい。
もしかするとこうした実験をするようなのはかなりACなので感電したからではなく、感電するようなことをするからACなのかもしれない。

書くことについて (小学館文庫)

書くことについて (小学館文庫)


まとめ

続けて読んだ自伝2つでACの法則が体現されており、登さんの仮説が補強?されたのではないだろうか。
これからの閉塞感溢れる日本を打破していくのAC的人材だと思うのでもっと研究が進んで欲しい。


ちなみに自分がいちばんACっぽいと思う筑波出身者は未踏プロジェクトやっていたころに遭遇した落合陽一さん。ACかどうかは知らないけれど実際にプレゼンを見て衝撃を受けました。

これはサンプル。

ほたるの価値観 - Do the Cocktorches Dream of Firebugs ...

いま見るとWikipediaの項目も充実していてかっこよすぎるしこれで同世代とか恐るべし感ある。
落合陽一 - Wikipedia



自分はどうだろう?学習机のコンセントに針金をいれて火花とばしたことはあるけれど・・・

*1:ちなみに文庫本で全三巻合計1004ページ。量は多いけれど読みやすいし歴史と政治の側面を知ることができるのでおすすめ

*2:旧訳は「小説作法」