うんこめも

自律分散うんこ製造システムについてのメモ

現代日本でお金を稼ぐ2つの方向性

(注意1)この文章では具体的なお金の稼ぎ方が書いてあるわけではないです。
(注意2)こうあるべきだ、これが正しい、という意見ではなく自分の現状認識です。抜け漏れ誤解・固定観念があるかと思いますがやさしくご指摘いただければ幸いです。

「わたしは●●大卒なんだから年収800万もらえて当然でしょ」、「この難関資格をがんばってとったのだからいい給与がもらえるべきだ(もらえていないのは自分ではなくて社会が悪い)」みたいなことを聞く機会がありました。

苦労して働いている多くの方は信じられないと思います。しかし、大学までの、ペーパーテストで高得点をとると順位が出て評価されて周りからもちやほやされる世界で育つと、こういう意見を持ってしまうのも不自然ではないのかもしれません。
父親や親類が高収入だったり、付き合う社会が狭いのかもしれないし、かつての、女性が結婚相手に年収1000万円を求めている、みたいなニュースを聞いて育っているなかで、ペーパーテストが得意だったことにより(狭い)社会から評価をされていると自信過剰になるのも仕方ない、とも思います。

しかし、多くの方が体感しているように、学歴があればお金を稼げるわけではなありません。
もちろん学歴があれば、大企業に雇われやすく、高給を得やすいという傾向はあっても、学歴があるから雇われるという因果関係はありません。

よくよく見てみると、お金を稼ぐ構造をあまり知らない人がいるようなので書いてみます。
想定している対象読者は田舎にいる親類の高校生・大学生で、投資などすでに持っている人がより稼ぐのではなく、持たざるものが稼ぐことを念頭に置いています。銀行強盗やフィッシング詐欺などの犯罪行為や、ギャンブルは除いています。

さっそくだけれど、大きく2種類あると思う。

1.既存の利権構造の恩恵を受ける

世の中には、強固なお金を稼ぐ仕組みをもっていたり利権構造を構築している組織やコミュニティがあります。
すぐれた製品や販路、特許、版権、根強いファンをもつ企業はわかりやすいですね。一度つくった仕組みを維持していくだけでお金がどんどん入ります。株主に流れる分も多いですが、中核の従業員の分け前も多いです。

ほか、大きな退職金や天下りルートのある公務員もあります。
天下り、と悪いイメージのある言葉を使ったけれど、もちろん、専門知識をもった人間が民間で再活躍できるのはとてもよいこと。猪瀬直樹が「日本国の研究」で告発したようなあからさまな公金をどぶに流すような天下りはさすがに減っているとは思いますが、これもわかりやすい利権です。

そのほか、多くの檀家を抱える宗教組織や、文化芸術などで構成員をもつ財団、集金構造をもつ労働組合や、責任を負うとともに新規参入に門戸を狭める士業、玉の輿や資産をもつイエからの相続なんかもここに含まれるでしょう。

これらの組織は、その利権構造を維持する資本の論理や自己保存のような力が働いていて、定年や競争・死亡などで離脱するメンバーを補充し事業を維持するために、新メンバーを募集しているものです。

企業や官庁では新卒採用として、イエでは出産や、嫁婿探しとして。大学ではポストがあくと公募もあります。
もちろん、なかには、ある特定の血筋のものが出世を約束された同族企業や財団法人もたくさんありますが、組織内出世により利権構造の恩恵を受ける道が公開されている組織はとても多い。

そこで求められるのは、組織を運営していく高い能力だけではなく、組織の文化への適応具合や忠誠といったメンバーシップ。

採用されて出世していくには有用性を認めてもらうであったり、組織の意向をくんだ現場の人事権者に認められる必要があります。

そしてそこではペーパーテストの成績やその結果としての学歴はひとつの指標でしかありません。
大量に採用する場合に判断材料の一つとして学歴フィルターや同じ大学出身者を優遇するリクルーター制度や推薦があっても、選抜の一つでしかない。学歴があると多少は事務処理が得意なのかも、と思わる程度です。

そこから採用されるためには、各企業や業種によって違ったりいろいろ就活得意な人がいると思うので興味のある人は探してみてください。

生まれによって、利権構造の継承がほぼ決まっている人はよかったですね。社会に還元していってほしいです。

まとめると、利権構造の恩恵を受ける立場にいくと稼ぐことができます。いくつかの利権構造では門戸も開かれているのでがんばってください。

しかし、平家物語の冒頭にもあるように、盛える者は必ず衰えます。歴史を紐解くとどんな大帝国も衰退のときはあるようです*1
クレイトン・クリステンセンが指摘したような、イノベーションのジレンマもあり大企業でも絶対安泰ではありません。
かつて、炭鉱会社が東大生に人気で難関中の難関だった時代もありますが、いまや見る影もない領域も多いです*2

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

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2.すきまを埋める

上記の利権構造は長く続いた組織が多く、官僚主義的になりがちで新しいことが苦手なことが多かったり、需給を満たせないことも多いです。また、権力は腐敗していきます。
そこで生まれる隙間をみたすものはお金を稼げます。
いちばんわかりやすいのはベンチャーに参画すること。あたらしい事業をつくって稼いで、利権構造を構築する。

体制の変わり目や、技術の発展期はたくさんすきま、つまりビジネスチャンスは多いようです。戦後のヤミ市や、ここ20年でたくさんでてきたIT系のベンチャー企業はわかりやすいですね。
上記であげた利権構造もはじめはすきまから始まったものばかりです。

とはいえ、室町時代に運搬を担っていた馬借や車借のように、お金は稼いでいても、社会的には低くみられることはあったり*3、新興企業のライブドアの取締役らが粉飾で逮捕される一方、日興コーディアル証券東芝の粉飾では逮捕もないように、新興の組織は社会的に厳しくみられることも多々あるので、お金を稼ぐだけが目的ではない方はご注意ください。

すきまを見つける、という点では、高技能なフリーランス流動性の高い専門職もこちらに含めましょう。
求められるエンターテイメントを提供するということで賞金スポーツのアスリートや、芸能人、ゲームなどのコンテンツ系を創造していくもこちらに含まれますが、すでにある版権で稼いでいく段階になると1.の利権構造にシフトします。

また、そんなに稼げはしないことも多いですが、既存の組織が需給を埋められないところを埋めるという意味では、自営業やアルバイトな仕事もこちらに含めてもよいかもしれません。

まとめ

おおざっぱに図にしてみました。 f:id:daaaaaai:20180429141904p:plain 「すきまを埋める」を新興として左に、はじめにに挙げた「既存の利権構造の恩恵を受ける」を右において、それぞれのなかで専門的か、非専門的か、という軸をおきました。
「専門的」というのは技術を念頭においていますが、特殊なマーケットに対する仕事も含むかもしれません(麻薬の密売とか?)。抜け漏れ多数ある概念図なのでご笑覧ください。

リチャード・フロリダのいう、これからの社会では、高技能なクリエイティブクラスとマニュアルで動くマックジョブに分かれるという分類は、既存の利権構造をおそらく意図的に軽視していると思うのです。

クリエイティブ資本論―新たな経済階級の台頭

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このめちゃめちゃ乱暴な分類によって何が言いたいかというと、(少なくとも)現代日本では、既存の利権構造が強固なために、そこにメンバーとして加わるのがお金を稼ぐのには有利になっているけれど、組織が永遠ではないので利権を享受しているという認識がないと危なっかしいよ、ということです。
そして、これが問題なんだけれど、利権が強固であるゆえに、古い価値観によって、権力者への忖度や、非効率さが温存されたり、過重労働や、関連企業からの搾取が続いているのはなんだかなあ、と思うのです。

おしまい。

21世紀の資本

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*1:例外は、一定の規模を確保した宗教組織のように、領土が重要ではない組織かもしれませんがこれからどうなるでしょうか・・・

*2:しかし、ここらへんの話はよく聞けれど統計はどこかにあるんだろうか・・ http://www.jyoban-coalfield.com/omoide/omo_sepa/nakadagakusotu.htm

*3:1962, 笠原 一男, 一向一揆の研究