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ダークナイト ライジングの感想メモ

ノーラン監督のバットマンサーガ完結編、「ダークナイトライジング」を観ました。ひさびさの映画です。

ちょっとだけ感想を書いてみます。

まず、オススメかどうかと言われると、前作のダークナイトを観ていると楽しめると思います。ただ、前作の、勧善懲悪に挑戦する重いテーマにグッときた人には物足りないかも知れません。ライトなドンパチハリウッド映画に飽きてるけれど芸術的で文学的で自慰的な映画は理解に苦しむという人には向いてると思います。あとやたら長くて暗めなのでカップルには向いてません。むしろ一緒に観て互いの不信感を醸成したらいいと思います。アン・ハサウェイはかっこいいのでぜひ観ましょう。IMAXで観ると映像も音も迫力があって楽しめます。


以下ネタバレ有


わりと演出もうまくて、悪役登場→敗北→強化→勝利というカタルシスなパターンがあって前作以上のエンターテイメントにはなっています。2時間半とすごく長いけど映像美と音楽の力もあってかずっと楽しめます。(IMAXすごい)


ただ冷静に考えるとストーリーの瑕疵はたくさんあるし整合性も怪しいし、前作と比べるとテーマもぼんやりしていて残念な感じもある。鑑賞後にレビューをいろいろ観てみたけど同じようなのが多かったかな。


一番興味深い評価は映画評論家の町山さんのもの。
音声なので時間かかるけど後編はおもしろい。(前半はストーリーの瑕疵の指摘だけなので聞かなくてもいい。。)
町山智浩のアメリカ映画特電 第111回 『ダークナイト・ライジング』前篇 ‐ ニコニコ動画(原宿)
町山智浩のアメリカ映画特電 第111回 『ダークナイト・ライジング』後篇 ‐ ニコニコ動画(原宿)


批評を越えて、こうしたらもっといい映画になったに違いない!と熱く語っている。
簡単に気になったところをまとめるとこんな感じ。
べインがゴッサムシティを占拠し革命状態にしたあとに、もっと民衆がそれを恐怖だけでなく受け入れる絵があればあの革命は大衆の善悪を揺さぶるものになったと思う。バットマンの存在が問題をもたらすというジレンマに、バットマン自身の苦悩や民衆からの批判があればバットマンの意義が鮮明になったかもしれない。そして最後はべインの暴力革命ではなくバットマンを民衆が自分たちで選ぶ、というのがあればライジング。

揚げ足をとったり元ネタを指摘して悦に入るのでなくて、こうだったらよかったのにと考えるのは楽しいし建設的だと思う。そういう批評をみるのは幸せな気分になる。


ディティールなのかもしれないけれど、自分が気になったのはべインの革命。(アン・ハサウェイのお尻は除く)
べインは、ゴッサムシティというマンハッタンのような島状の街を、橋やトンネルを潰すことで分離して、核兵器で支配した。さらに警察を無力化し、ギャングが銃で支配して金持ちが人民裁判される街に。これは内か外かは別としてニューヨーク1997というメタルギアソリッドの元ネタのひとつな映画と似ている。暴力が支配し、これまでの秩序が失われたアナーキーな街。そしてべインは「街を市民が取り戻す!」と宣言する。ここで人はどう生きるか描くのかなとわくわくした。

残念ながら、あとあと、この革命はバットマンを苦しませる手段でしかないとわかったけれど、周到な準備によってべインがなしとげたものだった。ここで大衆がもっと既得権益を攻撃して新秩序を打ち立てる方向に進んだらと思うとぞっとしないようなぞくぞくするような。。町山さんも言っていたけれど、あんまり街の人々の描写はなかったのがもったいない。Occupy New Yorkというデモもあったけど、これをリアルにやってしまえたらよかったかな。ここらへんをあの巨大な予算と豊富な人員でつくったのがあれば観てみたい。


前作の、勧善懲悪という概念への挑戦の、次ということで楽しみだったけれど、本作はわりと勧善懲悪だった。
エンターテイメントとしては楽しめたし終わった後の会話(男3人です為念)も盛り上がったのでよかった、かな。