ぜぜ日記

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2015年12月に読んだ本

師走ですね。お元気ですか。無事ですか。 毎年ながらあっという間の年末という感じもあって、あいかわらずやりたかったことができていない、とも感じています。

人目を気にせぬ勇気を持とう。 書をもって街へ出ることをテーマにしていましたが、そんなに読めていません。いわんや、2015年に読んだすげー本、みたいにはまとめられない。 とはいえ、今月読んだ本だけでもとりあげていきます。

すきやばし次郎、旬を握る

すきやばし次郎 旬を握る (文春文庫)

すきやばし次郎 旬を握る (文春文庫)

1994年にヘラルド・トリビューン・インターナショナル誌で世界のレストラン第6位に選出されたり、昨年はオバマ大統領来日の際に安部首相と会食をした超名店の店主、小野二郎に密着し、寿司についての考え方や技術を聞き出して解説したたいへん有用な本。写真が多くてたいへん便利。 なにより驚かされるのは、その味をさらに向上させるための工夫や試行錯誤をしつづけていること。 寿司モチベーションが上がってきたし握っていきたい。

もちろん、握るためではなく寿司を愉しむためにもよいと思う。副読本は体に美味しい魚の便利帳かな。

革新幻想の戦後史

革新幻想の戦後史

革新幻想の戦後史

共産主義日教組、大学運動、論壇・・・といった革新思想の流れが、どういったところから出てきて、どうなっていったかを著者の視点も交えつつ客観的に描いている。分厚い単行本だけれど読み応えもあり読みやすい。

革新幻想とは、反体制な側面もあり理想主義的ともいえるけれどより人類を進歩させよう、平和な世の中にしようというたいへん前向きな考えだったはずだけれど、、知識人たちの地に足のついていなさや、いつからか論壇でのプレゼンスや組織自体を目的としてしまって大衆から失望されてしまっているように思える。

スペインのポデモスのこと言葉は重い。 「左派は庶民に語りかけていない。庶民に届く言葉を発さなければ左派は勝てない」

個人的には「戦後」以降の革新勢力の趨勢や状況についてつながりが気になった。 労働組合農文協などはなぜその領域からでて原発再稼働反対や安保法制について明示的に主張するようになっているのか。社民党民主党の凋落、若い世代からでてきた革新勢力と前の世代のそれとのかかわりなどどうなっているのか、知りたい。

料理のコツ 解剖図鑑

料理のコツ 解剖図鑑

料理のコツ 解剖図鑑

絵が大きくて情報量は少なかったけれど知らないこともあっておもしろい

知らなかったことをいくつかピックアップ。それぞれに簡単に理由も解説されている。

  • まるごとのジャガイモは水から茹でる
  • 緑黄色野菜を茹でるときはふたをしない
  • じゃがいも、さつまいもの裏ごしは熱いうちに
  • にくずれしにくい粘質の芋(メークインやインカのめざめ)と、ほくほくとした粉質の男爵やキタアカリをつかいわける
  • ひき肉は成型する前に塩をしてよくねる
  • 魚を煮るときは落し蓋をする
  • 最初に入れるスパイスと最後に入れるスパイス

イベント

すし教室

中央市場で開催されていたので参加してきた。 参加者32名に講師6名ほどいてかなり丁寧に教えてもらえた。テーマは12月ということもあってパーティとしてのてまり寿司やちらし寿司メインであったけれど、いろいろ質問することができた。 参加費2500円はお得。

魚のさばき方から和食(中級)などいろいろな教室が日々開催されているなかですし教室は男性の割合多いらしい。みんなすし、目指そう!

とろあえずすし桶欲しくなってきた。

つくったもの

  • シュトーレン
    • クオカのレシピを 参考につくってみた。かなり手間かかるしお金もかかるけれど、美味しい。準強力粉が手に入らず強力粉オンリーでつくったらスコーンのようなさくさくさになった。 2本で材料費2000円くらいかかっている。ドライフルーツとアーモンドプードル(からつくったマジパン)、バターが高い。
  • パウンドケーキ
    • シュトーレンの残った材料でつくった。たいへん美味。粉の配合についてはお菓子大先輩から指南を受けて、ちょびっと強力粉をいれたところしっとりさくっとしてよかった。
  • ローストチキン
    • 先輩から丸鶏をもらって、調理してね♪とのお達しが出たので焼いた。たいへん美味だけれど、切り分けるのと後始末がたいへん。調理は楽しい。あとで残った肉と骨を鍋にいれてリゾットにしたら脂がたいへん染みてこれもよし。
    • いろんな鍋をしました。やっぱり、野菜が美味しい。きのこうまい。白菜おいしい。白ネギ、特に下仁田ネギは最高だった。にんじんやたまねぎをいれてもあり。ほか、いろんな葉物をいれてもよかった。今年は春菊があまり香りのっていないかな。時間があるときは鶏ガラから出汁をとる、なければ、合わせ出汁に味噌と醤油をいれて即席。とり野菜みそ好きです。もっと鍋したい。くじらとかいのししとかふぐとかぶりとかいれたい。

2015年11月に読んだ本

あっという間に12月になってしまった。 例年になく暖かかった11月に読んだ本を感想を書いてみます。すくなかったのは暖かかったからでしょう。

わかる古事記

左ページはマンガで右ページは半分活字な本。 わりと知らないことも多くておもしろかった。まさに神話的で、人情味と残酷さが同居する世界。現代の物語にもモチーフが生き続けているのはすごいなあ、と思う。

好きなエピソードは神功皇后の聞いた神のお告げと知略、サホビメ(沙本毘売命)の兄弟愛あたり。兄弟・兄妹げんか物多くておもしろい。 神話の編纂によって正当性を主張するというのはある程度大きくなった会社が社史をつくるのに似てる?

変貌する民主主義 森政稔

変貌する民主主義 (ちくま新書)

変貌する民主主義 (ちくま新書)

  • 作者:森 政稔
  • 発売日: 2008/05/01
  • メディア: 新書
これは、ポピュリズムと非難された小泉政権を念頭に置いて書かれたと思われる、2008年5月に書かれた新書であるけれど、かなり示唆深い本であった。関連情報を調べてまた読み直したいと思った新書はなかなかない。

民主主義という現代ではただひとつの政治体制として認められている概念の変遷を描いているなかで、気になったトピック

  • かつては福祉重視であった新自由主義と、現代の自由主義
  • 保守の変遷
  • 左派が右派を呼び込んだ
  • ポピュリズムは国民とメディアの共犯。外部にいるとの錯覚をもたらす
  • トクヴィルが右派からも左派からもいいように援用されている

レーガン小泉政権新自由主義では、勤労意欲と不正を糺すというモラリズム(道徳主義)がポピュリズムを後押ししている。 モラリズムへの入れ込みが政治的自由をうばい、社会にコンフォーミズム(画一への強制)をもたらす。これは戦後マッカーシーイズム下のアメリカでも戦争下の日本でもおきたことで丸山真男をはじめとする戦後政治学も批判してきたこと。

民主主義で対応できないこと。たとえばアメリカの大統領選は中東の民衆に大きな影響をもつが投票権アメリカ市民権のあるものに限られる。いま、ここにいるものだけであり子どもや未来の人間、また自然や動植物については影響されない。なかには政治をスキップして直接行動するNGONPO、ボランティアも増えつつあるがこれの位置づけはどうなるか。

民主主義、というもはや自分たちの世代では所与のものである概念がじつはどう変わってきているかを考えるきっかけにもなった。 これからの民主主義、どうなるだろうか。。

トリフィド時代

平田さん一押しのSF。ある日に世界中で見られた「流星群」をみた人がみな盲目になってしまい、わずかに残った目の見える人々と多数の盲目の人々による文明と人間性の試練。そして野に解き放たれたトリフィド。 冷戦期に書かれたこの状況設定はゆるやかな終末ものとしてかなりおもしろいのだけれど、悲観さを感じずにはいられない。

僕らの中の発達障害

知っていたことも多いけれど、発達障害の方や、そのご家族や周囲の方のことがちょっとだけわかるようになる新書。 発達障害のひとがいることで、定型発達のひとだけのコミュニティに「気付き」を得られるようになるという指摘は興味深いけれど、どうなんだろう。現代社会の必修科目かもしれない。

展覧会

太秦江戸酒場

いってきました。西村くんが書いているように江戸感はなかった。場所はおもしろくて美味しいお酒を飲めたのでよし。

あと、いろいろ写真を撮れて楽しかった一緒に行った野郎どもを撮るのは雰囲気もあって楽しかったのだけれどすこしだけ様子を共有します。

挑戦した料理

このところやったことない調理にいろいろ挑戦しているので書いてみることにした。

  • 燻製。ささみジャーキーなど。前職の福利厚生でもらった燻製器をつかっています。煙と温度の管理が難しいけれどおいしくできる。またやりたい・・・
  • 鶏ガラから出汁をとって、ポン酢も手作りして水炊きしたけれどかなり美味しかった(鶏肉は安いやつ)。まだまだ試行錯誤したい。
  • 紅玉もらったのでアップルパイにしたけれどめっちゃ美味しかった。きれいに切りやすくするにはどうすればいいんだろうか。
  • ラフランスもらったので洋なしのタルトつくった。美味しいけれど、赤くなる。綺麗に焼くのは難しい。

12月は鳥まるごとローストするのとシュトーレン作るのと、おせちの仕込みをやりたい。

誕生日

じつはこっそり誕生日を迎えました。いつのまにかもういい年です。彼女募集中です。

仕事ではいろいろさせてもらっていますが、なんでもやりすぎて技術力を高められていないかも。もっと潜っていけるようにしたいところ。しかし、一番難しいのは技術ではなく、ユーザの要求をどう落としこむか、業務にどう変革をもたらすかとも思っていて、その組織を動かす人間力的なところと技術とのバランスにも悩む。お金稼ぐの難しい。健全なお給料と休みをもらって安定しつつみんなの役に立つお仕事するの難しい。

持続可能なビジネスモデル、どこにあるんだ〜。

2015年10月に読んだ本

先月に引き続いてあまり本を読めていない。

ちゃんと読んだのこれくらい。 dai.hateblo.jp

文化的なことはなにかしたかなと振り返ると、巨大なカボチャをくりぬいてカボチャプリンをつくったり、もらいものの紅玉でアップルパイをつくったり鶏ガラから出汁をとったり自家製ポン酢をつくって水炊きをしたりとごはん関係ばかり。 普段作らいないものをつくるのはレシピを読み比べたり、慣れない道具をつかってみたりと試行錯誤感があって楽しい。反省点も多いけれど、システム開発とかと違って失敗してもまあそこそこ美味しく食べれるので幸せ。便利です。

ごはん以外はどうだったかな・・・。

あとはひさびさに東京に行ったりしました。

11月もがんばるぞ。

人体について人間が知っていること 「からだの一日?」読書メモ

だいたい知っていることばかりじゃないかな、とあんまり期待せずに人の体をテーマにした啓蒙書読んだらわりと知らないこと多くておもしろかったのでまとめてみた。 怪しい研究成果もたくさんあるけれど、398ページ中、50ページほどの参考文献があるので興味ある人は出典元探してください。

「からだの一日?あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする」

からだの一日―あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする

からだの一日―あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする

括弧内はコメントです。

細菌と腸内環境

  • 健全な人体を構成するすべての細胞の中で、99%以上が皮膚や腹部などに暮らす微生物
  • 小腸には1mlあたりに1億個の細菌細胞がひしめきあっており、大腸にいたっては1mlあたり1000億個もの細菌細胞がいる
  • これらの細菌の総重量は1人当たり900gを越えると推測されている
  • 住みつく微生物は、個人の遺伝子構造や住環境、飲食物などによっても決まる
  • 母乳で育った赤ちゃんはビフィズス菌のコロニーができる傾向があり、人口授乳の赤ちゃんに比べて一般に胃腸の問題に悩まされることが少ない(これは微妙な話で本当かどうか気になるところ・・・)
  • 常在菌がいないと腸は正常に成長しない
  • (一部の)細菌が食餌からカロリーを得る効率を上げ、抽出したカロリーを脂肪細胞に蓄えるのを助けている
  • 太りやすさには、腸内細菌の種類が影響するのではないか?(これは、どの細菌が住みやすいかという遺伝や母親から受け継いだ細菌の影響もあるかもしれない)
  • 夜よりも朝のほうが炭水化物の燃焼が早い
  • 食物の消化管通過時間は、男性で55時間、女性で72時間と推測される
  • これはアルコールや食物繊維の摂取により早くなる傾向がある
  • 女性の場合、経口避妊薬を服用していると遅くなる。若い女性より年長の女性のほうが通過が早くその境はだいたい50歳くらい。このことは、女性ホルモンがなんらかの影響を与えていることを示唆している

感想) 体にいる多くの細菌を考えると、人体はそれらとの複合生命システムだという考えは人の存在の脆弱さを示唆していてなかなか魅力的ではある。 これを広げて地球もその表面にいる有象無象の生物との複合生命システムだと考えるとアメリカのニューエイジっぽいスピリチュアル感がでるのでやめておきたい。

腸内の細菌環境が体調に大きく影響を与えているというのはそうだろうな、とは思っていたけれど人為的な腸内の菌叢改善が行われた例はまだないようなので今後に期待。めっちゃ胃腸強い人間の腸内細菌をなんらかの手段で取り出して胃腸弱い人間に移したらどうなるのか気になる。

睡眠

  • あくびは単独で起きることもあれば、伸びや場合によってはペニスの勃起をともなうことがある
  • あくびは呼吸に特定の役割を果たしているとされてきたが、現在では伸びに近いものと考えられている。すなわち、睡眠と覚醒のあいだの状態で血圧と心拍数を増やし、筋肉と関節を動かす体の働きであると
  • あくびは、自分の考えや状態を言葉以外の方法で知らせる社会的な信号とも考えられている。あくびが伝染するのもこれで説明できるかもしれない
  • ヒトは子宮にいるころ(受胎後約11周)からあくびをし始めるが、他人のあくびが伝染するのは生後1年目で、それも2人に1人の割合だ
  • あくびが伝染しやすい人は他人の顔を見ることでその人の考えを読むのに長けているという仮説がある
  • 昼過ぎに眠くなるのはなぜか?食事をとったあとの胃の伸展に催眠作用があると考えられている。この過程にはインスリンが関与している可能性がある
  • しかし、実験では、ランチを食べると昼過ぎの停滞はひどくなるか長引くが、ランチを食べていなくとも停滞はあるためランチが停滞の原因ではないと思われる
  • 疲労が原因と推測される単独の交通事故の割合を調べると、午後4時頃は午前10時あるいは午後7時に比べて3倍にもなるという
  • クック諸島サンゴ礁島、プカプカ島では、島民は寝ている人の睡眠の深さや体の位置と動きによって35種を超える昼寝を区別するという
  • 昼寝が反応速度や注意力を改善させるという研究は山積している。学習能力も改善させる

感想) 昼寝を文化として定着させてほしいので広告会社の人がんばってほしい。

ストレス

  • ストレス耐性はセロトニン輸送体遺伝子によって影響される(ウディ・アレン遺伝子というあだ名がある)
  • マインドフルネス瞑想が不安障害や慢性の痛み、緊張亢進症に対する治療法になるという研究は多い(ウィスコンシン大学 リチャード・デイヴィッドソン)(ここらへんの健康とか性格についての研究は眉唾ものも多そう)
  • ストレスの軽減にはある種の音楽やユーモア、仲間づきあい(社会的支持)が効果的
  • 有酸素運動によって不安感を軽減することを立証する研究は多い。(不安感を減らすことは本当によいことなのか?)
    • 鬱症状にも効果がある。逆に運動をしないと鬱症状が頻発することを感じるという研究がある

運動

  • 午後遅く(夕方頃?)と宵の口は多くの運動に最適な時間と考えられている。筋肉も強く、関節ももっとも柔軟になる
  • また、この時間にトレーニングしたほうが筋肉も良く付く。気管も大きく広がり反応時間も短くなる。これは深部体温と関連があるとみられている
  • バランス感覚・正確さ・精密な動作を要するトレーニングは早い時間が適している
  • 寝ている間に昼間押しつぶされていた脊柱が伸びるため朝には一番身長が高い
  • 疲労の原因は筋肉ではなく脳、脳と筋肉をつなぐIL-6受容体ではないかと見られている
  • トレーニングによって学習能力と記憶力が強化され認知症を防ぐことが出来る(ほんとか?)
  • マウスの実験では走ったマウスはそうでないマウスに比べ、海馬に2.5倍の新しい細胞をつくっていた
    • これは、運動によって脳周辺の毛細血管の成長が促され、これによって血流が増え酸素レベルが上がり脳由来神経栄養因子(BDNF)の量が増えるためと考えられている
  • 中年のころに1週間に少なくとも2回運動した高齢者は、何もしなかった同年齢の人に比べて認知症や記憶喪失に悩む率が5-60%低いという
    • 特に高齢になってアルツハイマー症を発症する確率が高い遺伝子を持つ人にとって運動は効果的

感想) 運動して脳を鍛えたい

  • 早い時間にアルコールを飲むと、夕暮れに同じ量を飲んだときより深く酔う
  • 大麻やハッシッシのようなドラッグは時間感覚を伸ばす効果をもっている
  • 酒を飲み始めた後、血中アルコール濃度がピークになるのは10~90分後である
  • 女性のほうがピーク時の濃度が高い、これは女性の体は同体重の男性より多くの脂肪をもち、水分が少ないためと、分解する効率が低いためである
  • ほか、胃が空かどうか、睡眠をとっているかどうかで血中アルコール濃度は影響を受ける

感想) 昨日のみ過ぎてつらい

人の好みと性

  • 蠱惑的な顔の見知らぬ人が自分にじっと視線を注いでいる場合、その顔に惹かれ報酬を予期する脳内のドーパミン系が活性化される。そしてこの人が自分から目をそらすとこの回路の活動は停止する
  • ティエラ・デル・フエゴ諸島に「mamihlapinatapei」という表現がある。この言葉は世界でもっとも圧縮度の高い単語としてギネスブックに載っている。この語の意味は、「二人とも望んでいるけれど、どちらも先にそれをするつもりはないことを、相手がしてくれるのを望みつつ互いの眼を覗き込む」行為だそうである
  • 私たちの大半はきれいに左右対称になった顔立ちを好む。そういう顔は強い免疫系と優良な遺伝子を示唆するからだという。非対称性はしばしば胎児期に生じ、その原因は栄養不足、疾病、寄生虫、近親交配などの生物学的なストレスと考えられる
    • (と、書いてあるけれどこれは眉唾だと思う。非対称性な顔の人が、胎児期にどう過ごしていたか遡って調べられないし、胎児期に栄養不足や寄生虫がいるからと比較実験するのは倫理的にできないから)
  • 男女ともに異性の女性っぽい面立ちに惹かれる
  • 男性は排卵期の女性の顔をことに好む。どこが魅力的になったかは微妙とのこと
  • ヒトは類人猿のなかでももっとも匂いが強い(タスマニア大学の動物学者D・マイケル・ストダート)
  • 脇の下の匂いは性的興奮を誘う。これはヒトが二足歩行しているからではないか?これを嫌うのは文明社会の習慣かもしれない
  • 母乳を出している女性と一緒にされた泌乳していない女性は、性的衝動が17-24%上昇したという実験結果がある
  • 幼児期に誰にも触れてもらうことが極度に少なかった乳児には発達障害がみられた。(この調査はチャウシェスクの政権が倒されたあとのルーマニアでなされた。)
  • 恋が始まったばかりで無我夢中の男女はいずれも、血液中のコルチゾールレベルが高い
  • 恋する男性はテストステロンレベルが低く、反対に恋する女性の場合は高い(どう実験したんだろ)
  • テストステロンが増えると女性はより性的に積極的になり、このホルモンが少なくなると男性は攻撃的でなくなるようだ
  • 相手を特定せずセックスを求めるだけの情欲の段階では、アンドロゲン回路が作用する。好みの相手を追い求める恋愛感情はドーパミン系と強く結びついている
  • 相手との子どもを扶養し長い期間一緒にいたいと思わせる、ヴァソプレシンとオキシトシンの2つのホルモンがかかわる神経化学系と結びついている
  • 若い男性の大半は1日の内に合計3時間もの勃起を経験する。大半は就寝中である
  • レオナルド・ダ・ビンチ「(ペニスは)ときおりそれ自身の知性を見せる。男が刺激に反応して欲しいと願うときには、頑固に言うことを聞かないくせに、ときどき主の許可も意向も関係なく勝手気ままに動く。男が起きていようが寝ていようが、己の意思のままに振る舞う。男が寝ているときは起きており、男が起きているときは寝ている。男が動いてほしいときには、その望みを拒絶する。それが動きたいときには、男が抑える必要がある。だから、この生き物は男とは別の生命と知性をもつように思われてならない」
  • 勃起を開始して維持する血流を起こしているのは一酸化窒素。これがペニスの血管を囲む平滑筋に対する弛緩剤として作用し血管が拡張する
  • 射精の引き金がなにであるかはほとんど解明されていないが、腰椎にある小さな細胞群が射精を起こしているらしい。これが生殖器かたの知覚キュー(?)と脳からの性的な知覚を処理し、筋肉のけいれんを制御する信号を出し、脳の腹側被蓋野(オーガズムに達したときに活性化される快楽領域)の細胞とシナプスを形成するようだ
  • エストロゲンは語源とは違い、性的興奮にはさほど関与していないが膣をセックスのために準備し、触覚受容体の感度と反応を高める作用をする。性的興奮はこれらの受容体と生殖器周辺の特殊な神経終末から得られる
  • 少なくともイタリアの研究者たちによれば、Gスポットは実際にある。膣の数センチメートル奥にあり、体の前側で恥骨の裏側に位置するという。この場所は、男性で言えば前立腺に相当するスキーン腺がある。この場所をやさしく押すと痛覚閾値が40%あがり、オキシトシンレベルが通常の5倍にまではねあがる。このオキシトシン放出がセックスの鎮静効果を説明するかもしれない
  • オーガズムを感じる女性とそうでない女性がいる原因は、35-45%は遺伝に帰せられるとされるが、それ以外の原因もありそうである
  • オーガズムのときの脳活動は、ヘロインやコカインで快感を得られたときのパターンと酷似している
  • オーガズムをもっとも頻繁に経験する男性では、死に至る心臓発作を起こす可能性が半減する
  • 週に1,2度、セックスする学生は層でない学生に比べて免疫グロブリン(抗体)レベルが30%高かった。(因果か相関か・・)
  • 精液に含まれ、膣から吸収される数種の化合物(テストステロン、エストロゲン、プロスタグランジン)が抗鬱効果を有することを示唆しているが性病や避妊などの点から非推奨(せやな)

感想) セックス、健康にもいいっぽいのでもっと積極的にしていきましょう

風邪

  • アドレナリンとコルチゾールのレベルは夜間になると下がり、夜間にぜんそく発作が起きる頻度を何百倍にも増やす
  • 平均すると大人は1年に約2-4回、子どもは約4-8回風邪を引く
  • 子どもが風邪を引き、親がそのウイルスに対する免疫を持っていないとすると親が風邪をひく確率は40%ある
  • 風邪にかかった際、くしゃみは午前8時頃がもっともひどい。午後5時から8時は一番少ない
  • 咳は正午から午後6時のあいだにピークがくる
  • ヒスタミンやアレルゲンに対する皮膚の藩王は、就寝直前の夜がもっともはっきりしている
  • 医薬品も体内時計により影響を受けるようだが詳細はわかっていない。抗がん剤の副作用は時間によって変化があるようだ
  • ウラジミール・ナボコフ「眠りは世界でもっとも馬鹿馬鹿しい友愛会だ。会費をふんだくったうえに、ろくな儀式をしない」
  • 入眠は緩慢な過程ではなく神経の飛躍的な変化でありフリップフロップのようなものと考えられている。ナルコレプシーの患者はこのスイッチが不安定になっているようだ
  • 入眠時に発生する短い痙攣(ミオクロニー発作)は子どもより大人に起きることが多く、神経質な人や疲れている場合に起こりやすい
  • 睡眠が足りないとたくさん食べるようになるのはレプチンの供給が減るからだと考えられる
  • 同じ運動量、食事量であっても睡眠時間が短いほど太る傾向がある。
  • 東に向かうフライトの場合の時差ぼけの症状:ぼんやりとして元気が出ない、胃腸の不調、日中の疲労感、夜間の不眠
  • 西に向かうフライトの場合の時差ぼけの症状:早すぎる目覚め
  • 異なる時間帯を行き来した場合、脳の概日リズムは1日程度で修正されるが体内組織の末梢時計の修正は1週間以上かかる
  • 頻繁に時間帯をまたぐ国際線の客室乗務員を調査したところ、5年間従事すると記憶力や認知能力に問題がおきている
  • アメリカの総労働人口の15%ほどが夜間働いている
  • 三交代勤務を10年間続けた看護士は夜勤しなかった看護士に比べて乳がん罹患率が60%高く、大腸癌の罹患率も高かった
  • 17-19時間連続で起きているとその人の能力は血中アルコールレベルが0.05%の人と同じ程度になる
  • 午前3時と4時の間は夜間労働者のミス、自動車やトラック事故、鬱血性心不全胃潰瘍、乳幼児の突然死症候群、骨破壊、偏頭痛、ぜんそく発作がピークを見せる時間帯
  • F.スコット. フィッツジェラレルド「魂の中の真の闇夜では、いつだって時刻は午前3時だ」

感想) 人間的な生活リズムで働こう

感想

繰り返しになるけれど、人の性格や性的なこと、健康にかかわることはどうしてもキャッチーなものがもてはやされて、論文があってもその質を素人は評価できないように思うので、うのみにしないようにしましょう。

そういえば、大学受験まではぼんやりとバイオ・生命を研究したいなー、と思っていたのを思い出した。 人体も人間もまだまだわからないことだらけなので勉強・研究したい思いはある。

読んだ本 2015年9月

もはや10月も半ば過ぎてしまったけれど月例ということで9月に読んだ本を書いてみます。 業務に関わる専門書とにらめっこしていたりであんまり本を読めなかったうえに、読みかけてみたのも読みかけポイな感じです。よくない。

数量化革命

数量化革命

数量化革命

「測定なくして改善なし」というよくつかわれる言葉、これは誤引用ではあるが、測定の大事さを示唆している。 dai.hateblo.jp

この本の数量化とは、その測定についてのことなのでは、なにかヒントが得られないかと思ってタイトルだけ見て手に取った。

結論として、期待した本ではなく、あまりヒントを得られないまま、途中で読むのを挫折したのだけれどメモだけ残しておこうと思う。

これは抽象的な数学と実用的な計測の統合の歴史を記した本である。

過去の記録は、進歩と後退を繰り返した後に怠惰のうちに忘れ去るという図式は人類の歴史の典型的なパターンであることを示している。
プトレマイオスや、高度な数学体系やマヤ暦を生みつつも、スペイン人が中央アメリカに着いた時にはそれらを改良する姿勢を失ってしまったマヤ文化、北宋時代につくられた大時計を忘れ去り、暦法の欠陥をイエズス会士が修正するまで放置されていた中国。
プラトンアリストテレスに代表される計測に懐疑的な姿勢からどうやって、なぜ脱皮したのか

人類の進化は漸進的ではないの悲しい。

「(神は)寸法と数と重さによって、万物に秩序を与えた」(『ソロモンの知恵』11章20節)

RPGツクールを連想。

1275年から50年間。 機械式時計と大砲がつくられ、正確な時期は分からないがおそらくはポルトラノ海図、遠近法、複式簿記もこの50年間か、その直後に生み出されている。 ロジャー・ベーコンは虹の角度を計測し、ジョットは幾何学を念頭に絵を書き、楽曲も進化している。 これほどの変化は20世紀初頭まで訪れなかった。

これがなぜおきたかというのが本書の最初の山場なんだけれど、あんまりいい答えではなかった。

「文化はどれも、その夢の中に生存するものである。」(1934、ルイス・マンフォード、技術と文明)

意味不明だけれど一見深そうなのでどこかで衒学的っぽさを出すときに引用しよう。

「精神の奥深い願望は、精神の最も進化した働きにおいてさえも、自己の宇宙を前にした人間の無意識の感情に結びついている。すなわち、そこには親近性への要求があり、明晰さへの渇望があるのだ。人間にとって世界を理解するということは、世界を人間的なものにひき戻すこと、世界に人間の印を刻むことである。」(1942,アルベール・カミュ,シジフォスの神話)

好奇心が人を人たらしめている。とでも言い換えられるかな。

風が目に砂を吹きつけ、雨が足を冷たく濡らす地上では、無常が世の定めである

p56。レトリックメモ。

「(地球は)はなはだ腐敗し、ありとあらゆる悪徳と汚辱に堕しているので、ほかのすべての世界と時代の汚れと排泄物の吹き溜まりのように見える」 ティリャード 1958 エリザベス朝の時代象

という感じです。 おもしろいところがなくはないと思う。気になる人には貸します。

イベント

友人の結婚パーティ

大学のレストランでやったパーティ。ドレスもケーキも会場のかざりつけもいろいろ手作りですごい感じ。新婦にはお世話になっていたのと世話焼きであったので会場設営やカメラなど担当してた。 若者が多くて楽しい会でした。イベント運営の難しいところをちょっとだけ学べたかもしれない。

鴨川シャボン玉の会

恒例の会でした。 sixeight.hatenablog.com

様子です。

その他

所用で泊まりにいった旅館のお茶。美味しかった。

(世間的な)下半期に向けて

バック・トゥ・ザ・フューチャーの未来です。ドクと同じように未来でなにかを見つけよう。

「計測なくして改善なし」は誤引用

webサービスの性能改善や大企業に伝わるQC活動の文脈でよく使われる「計測なくして改善なし」*1、“if you can’t measure it, you can’t manage it.”という箴言について、某所で引用しようと思って調べてみたところ、これがしばしば誤引用されていることがわかった。

この言葉はマッカーサー元帥の部下であり、日本の産業界に統計学的手法をもたらし大きな影響を与えたというデミング博士による、と紹介されていることが多いけれど、デミング博士による言葉は、まるっきり逆である。

It is wrong to suppose that if you can’t measure it, you can’t manage it – a costly myth.
W. Edwards Deming, The New Economics, page 35.

孫引きで恐縮だけれど参照元はこちら。

Myth: If You Can't Measure It, You Can't Manage It - The W. Edwards Deming Institute

意訳すると「計測できなければ管理できないという考えは間違いだ」。

とはいえ、計測やデータが重要というのは前提なうえであって計測しなくてもよいということではないので注意。この言葉だけを切り取ると、計測しなくても(おれの人間力or直感or知性で)管理すればいいんだぜ!と、さらなる誤引用が引き起こされそうではある。

そもそも、まったく違った意味で引用されているにもかかわらず、だいたい納得して通じてしまっているけれど、これは、計測できる対象であるにもかかわらず、計測しようともせずに推測で改善しようとする動きがまだまだはびこっているからかもしれない。いちエンジニアとしてそういう状況を看過していて反省である。

この言葉については、定性的であったり、(すべてを)計測できないようなものにたいしても統計的手法をもちいたりデータの取り方を工夫して計測して改善していこうというのがデミング博士の趣旨であると自分は読み取りました。

そもそもプログラムの速度など計測可能なものについては、"Measure Don't Guess." 「推測するな、計測せよ」という情報工学界隈にて誰が言い出したかわからない*2格言で殴ったほうが誤解は少なそうである。

とはいえ、デミング博士がご健在であった時代と違って、ビッグデータという流行語に代表されるように計測機器(センサー)も進歩して取得できるデータの量も格段に変わっている現在ではまた違う教訓が必要かもしれない。

たとえば、「改善するために計測せよ」。どんな仮説を検証するのか、なにをコントロールしたいのか目的をもってデータとりましょう(自戒)

*1:もしくは「測定なくして改善なし」

*2:ベル研でUNIXの開発に携わっていたRobert C. Pikeという説もある。Wikipediaによれば彼の著書のNotes on Programming in Cに近い文章は書いてあるようだがそのものは見つからない

読んだ本 2015年8月

秋の風が吹いて、夏の終わりを感じるこの頃ですがいかがおすごしでしょうか。 涼しさに居心地の良さを感じつつも、あの焼けるような日差しと重い蒸し暑さがないことに寂しさも思えます。 夏の終わりの安堵と寂しさはなんなのでしょうか。

さて、2015年の夏も過ぎて行きました。 自分が何をなしてきたかはさておき、いつもどおりに読んだ本を振り返ってみます。

欲望のメディア

欲望のメディア (小学館文庫)

欲望のメディア (小学館文庫)

猪瀬直樹氏が冴えていたころの作品。 ミカド三部作のうちのひとつで、先月に読んだ土地の神話がたいへんよかったのであわせて読んでみた。

テレビを開発しようと苦闘した高柳博士や、警視庁刑務部長から読売新聞に転じ中興の祖となった正力松太郎、テレビのスターとなった力道山、日産の鮎川義介三木鶏郎田中角栄などなど多彩な人物からなる日本でのテレビビジネスの勃興を描いたたいへん愉快なノンフィクション。

ナチスのプロパガンダ機械からはじまり街頭テレビ、広告ビジネス、全国ネットワーク、放送網などなどすさまじい勢いで構築されたビジネスモデルと文化をもったテレビ、ほんとすごいと思う。これができて60年で制度疲労してビジネスモデルの問題点も露呈しているけれど、これからどうなるんだろなー、と思いながら読んでいた。

大本営参謀の情報戦記

大本営の情報参謀を務めた筆者が1989年に出版したもの。参謀の著書としてはもっとも遅い時期だろうか。 本人の自著がどれほど正確かはわからないけれど、情報参謀としての苦労や敵の動きを読むことなどかなり読ませる。 一番重要なのは、日本軍の敗因として過度の精神主義、情報の軽視、期待と予測の混同などを指摘していること。これらは現代組織でもよくみられることでまだまだ先の大戦から学ばないといけないことは多い。

さくっと読める文庫本でエンターテイメントでもありつつ考えるきっかけの多い本だった。

ほか大戦から学ぶ系だと、有名すぎるけれど「失敗の本質」もぜひ。さがせば分野ごとにいろいろあるだろうけれど、なにかおすすめありますか?兵站やってた人の良い本あれば読んでみたい。

業務システムのための上流工程入門

業務システムのための上流工程入門―要件定義から分析・設計まで

業務システムのための上流工程入門―要件定義から分析・設計まで

デマルコ氏のDFDとJ.マーチン氏のIE手法をもととした業務の記述方法が簡易に説明されている。 若干我流部分もあるけれど、非専門家に伝わりやすいようにカスタマイズされていて便利そう。自分もこういう書き方してみようかな。

システム開発を専門とする人よりも、開発会社に依頼することになる人が読んでおくとよさそう。

2003年の本ではあるけれど、業務システムに取り組むための方法論は現代でも大きくは変わっていないのかもしれない。 はやりのドメイン駆動設計でも、いわゆるユビキタス言語を取り出す部分と、業務システムを明らかにしていく部分は作業としては近いように思う。ただ、プロジェクト組織のありかたが変わっていそう。ここらへんのモダンな定石知りたいところ。

あと、コラム中で触れられている話題ではあるけれど、いわゆる上流工程の経験を重ねるためには、元請として案件を受託できるような営業力のある小さめのソフトハウスで働くのが近道ではないか、とのこと。その選択肢は自分の就職活動時には思い付きもしなかったけれど、もっと候補にあっていてもよいと思う。 たしかに、就活生になぜか人気のある大手SIerにはいると、たいていの場合、既存の巨大案件の末端を長く担当することになる。そして、単価が高いためにサブPM的な調整ごとばかりになって設計経験ほとんどもっていないか小さい機能追加くらいしか経験していない人が多くなっているようにも思う。利益を出すためのアウトソーシングが人を育てなくなっている。とはいえ、 たいていの偉い人はだいたいこれを理解しているのだけれど、巨大な組織とビジネスになっていて既存の構造からスイッチすることができずにいる印象。これからどうなるんでしょうか。

マンガ

地上はポケットの中の庭

地上はポケットの中の庭 (KCx)

地上はポケットの中の庭 (KCx)

尊敬する先輩が買ってきて読ませてもらった短編集。自己表現が苦手な人の話。よい。 もっと自分の意思をはっきりしろよ!と思って読んでいたけれど、思えば自分も曖昧な態度をとりつづけているしだめ。

ソラニン

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

きっとなにものにもなれないだろう共依存カップルを描いた話。 つらい。 ただ、いにお先生のマンガは、心のつらいスイッチを機械的に押してくる印象がある。

ダンジョン飯 2巻

話題作の第2巻。やっぱりダンジョンはわくわくするんだけれど、そのなかでもより生活面にフォーカスしている本作は着眼点がすばらしい。 モンスターの生態は博物学的でボルヘス的な感じさえあるし、ほかの冒険者の状況や、他種族との関係もよい。

ちょっとまえにインターネットまわりで魔王と勇者ものやオンラインゲームものがはやったりしているけど、その流れで再ダンジョンブームくるかもしれない。 小学2年のころ、スーパーファミコントルネコの大冒険をやって以来のダンジョニストのつもりではあるので自分も一石を投じたい。

とはいえ、テーブルトークRPGダンジョン&ドラゴンとか古典は知らないし、Wizardlyもちょろっとしかできてはないのでいい加減だけれど。 ダンジョンものだと、小学生時代に読んだトルネコのコミックスはおもしろかった気がする。話の筋は全然違うが。あとは、これまた児童書だけれど「選ばなかった冒険―光の石の伝説」も想像力を刺激したなーとか思い出した。ほかなにかあったかなあ。。

昴・ムーン

昴(1) (ビッグコミックス)

昴(1) (ビッグコミックス)

曽田正人のバレエマンガ。異常な才能と狂気をもつダンサー、昴の生き様とでもいうものを描いている。 自分の語彙と表現力の問題でうまく説明できないのだけれど、めちゃめちゃ迫力がある。狂気とでもいうような執念があって読むのが辛いところもあるけれど、後味は悪くない。続編のムーンではさらなる飛翔を描いていてこれもほんとよい。 バレエ、観たいなあ。

イベント

花脊松上げ

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松上げ見学のススメ 花脊編

京都のお盆といえば、五山の送り火が有名です。

京都市街を囲む山々に、それぞれ大文字・妙法・舟形・左大文字・鳥居形の火が浮かび上がるこの風習はなかなか見もの。特に、別にお金を払わなくてもいろんなところから見えるのがすばらしい。そしてこの送り火を見ると、夕方はちょっとずつ涼しくなってきていて夏も後半戦に入るなあ、と感じられます。

ただ、決して大文字焼きとは言ってはいけません。(広島風お好み焼きを広島焼きと言うのと同じくらい現地民から軽蔑される)


さて、その五山の送り火の8月16日前後に北の山中でひっそりと執り行われるある奇祭「松上げ」は京都市民にもあまりしられていない。

Wikipediaにも項目がないので簡単に説明すると、愛宕信仰に関連を持つ火の儀礼が盆の精霊送りと習合して火の祭礼になったと推測されるもの。とりあえず火をつかった綺麗で荘厳な山の祭りである(参考資料1)。

五山の送り火よりも歴史は長い、と雲ケ畑のおっちゃんが言っていた、と雲ヶ畑の松上げ運営を手伝っていた京大の農学研究科の院生が言っていた。

さらに特筆することとして、松上げは北山の各集落で実施されているけれど、細かいやり方が異なっているそうで文化的遺伝子・ミームの変遷を感じられそうなことが挙げられる。なぜこうなったかはいまでは推測することしかできないけれど、好奇心湧きませんか?


というわけで、昨日に花脊の松上げに観光気分で見に行ってみたのでレポート書いてみる次第です。

1.交通

場所は花脊。山村都市交流の森のそばの河原。

アクセス|山村都市交流の森


公共の交通機関だと京都バスが予約制でバスを運行していて出町柳から往復2,300円で90分ほどでいける。 ただし、このバスがつく19時ごろには場所取りは完了してしまっているのでおすすめしない。

http://www.kyotobus.jp/rosen/~pdf/matsuage27.pdf


やはりおすすめは自家用車。

街中からだと鞍馬街道を直進、そのまま府道38号線、京都広河原美山線で90分ほど。 途中、二ノ瀬あたりでは2015年3月に開通した二ノ瀬トンネル側をまわると狭い道を避けられます(GoogleMapも2015/8時点では対応していないし、2015年版の山と高原地図46 京都北山にも未反映)。途中、細くてすれ違うの難しい箇所もあるので対向車には要注意。杉林ばかいではあるけれど川沿いで涼しくて気持ちいい。
帰りはほぼ対向車なしかつ前の車についていく感じで夜の山道の割には早く帰れます。

駐車場は限りがある。18時ごろで所定の場所はもういっぱいになっていて、交通整理の兄ちゃんに聞くと自己責任で路上駐車くらいしか・・、となっていた。道路整理に警察官が数名いたのでひやひやしていたけれど、路上駐車で違反切符を切るような無粋なことはしていない。京都警察偉い。ここで、ちょうど会場より下流側の、歩いて5分くらいの道が広いところに停めたのだけれど、ここは帰りもスムーズで一番良い場所だったと思う。

今回は路上駐車してしまったけれど駐車場2000円くらいでも停める人いるとは思う。


日が暮れる前にいって場所取りすること推奨。18:30くらいだとまだ場所はあるけれど、一番いいポイントはでかいカメラと三脚をかまえた方々が陣取っている。19時くらいだときわきわ最前列すわれるかな。ただ、となりにいた常連っぽいお姉さんが今年は人少ないかな、と言っていたのでその限りではないかもしれない。

2.流れ

会場につくと、大笠のまわりに小さい松明がたくさんささっている。1000本以上あるという話もきいたがせいぜい300本くらいに見える。ふとUBWっぽさを感じる。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD, 18mm(35mm換算27mm), 0.1秒, f/10, ISO 800


真ん中の大きな柱は、大傘とも柱松とも呼ばれているようだ。 けっこう人は多いけれど、高齢者・写真愛好家・地元の人々のご家族といった方が8割くらいな印象。19時過ぎくらいに到着したバスはまだ若い人が多かった。

日が暮れるにつれてどんどん星が出てくる。 路肩にしいたレジャーシートに寝転がって、ガードレールに足をかけて真上を見ると星がたいへん綺麗。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD, 18mm(35mm換算27mm), 30秒, f/7.1, ISO 360
車が通って揺れたり、車のヘッドランプや人の懐中電灯がはいったりでなかなかうまく撮れない(言い訳)。もっと長いレンズフードあれば違うのかも。


ただし、道路を通る車のヘッドランプが眩しいので落ちつけはしない。
D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD, 70mm(35mm換算105mm), 1/100秒, f/5.6, ISO 6400
ただ、ヘッドランプ逆光、けっこうおもしろい。

観覧場所からは20:40ごろから動きを感じる。 そろらく、そのまえに春日神社あたりで事前の儀式があったのだろうがそれは見ていない。

我々から見えたのは、20:40ごろに橋の東詰あたりを松明をもった2人があるいてきて、大傘から見て対岸の小屋に村の男衆と集結。その後、めいめいに松明に火を灯して行列であるいき、橋をわたって大笠のまわりに集まる。ここでなにか祝詞のようなことがつぶやかれて焚火をつけ、すべての松明にはじから順に点火していく。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,170mm(35mm換算255mm), 1/8秒, f/6.3, ISO 1400
肉眼ではかっこいいんだけれど暗くて遠くてうまく撮れない。α7s欲しい。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 25秒, f/6.3, ISO 280
ピント全然あわせずに25秒切ったらちょっとおもしろかった。川に反射する火もきれいでした。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,170mm(35mm換算255mm), 1/13秒, f/6.3, ISO 1600
火のシルエットかっこいいし鳥肌立つ

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 1/13秒, f/4.5, ISO 1600
すべて点火したところ。ほんとはもっともっと綺麗なんだけれどうまく撮れない。広角な単焦点欲しい。

その後、集まってなにかの儀式をしているようだがよくわからない。その後、人が囲んで松明―その火のつく反対側には紐がついている―の紐をもってくるくると振り回しながら「こーりゃこりゃこりゃこりゃ、そりゃっ」と声をあげて投げ入れる。火の軌跡の放物線が美しい。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 6秒, f/4.5, ISO 200 シャッター開けて軌跡を写すの楽しいんだけれど、勢いと緊張感は伝わらない・・・

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 13秒, f/4.5, ISO 100
大傘に火が写ると綺麗なんだが軌跡と一緒に撮ろうとするとただ明るいだけの火の玉になる

なかなか入らないけれど、はいると拍手が湧く。こうして数十分続けると、上部が燃え盛って落ちてきて盛り上がりは絶頂!かと思いきや、まわりの常連さんと思しき方々はすくっと立ち上がって帰り支度している。

混んで帰るの遅れるのは避けたいと一緒に帰ったので結末は見ていない。

3.持ち物

なにもなくてもなんとかなるけれどあるとよいもの

  • レジャーシート or 折り畳み椅子
  • 上着
    • 当日は18度と街中と比べるとだいぶん涼しく、肌寒いと思う
  • 蚊取り線香・ハッカ油
    • ずっと蚊取り線香焚いていたから被害はなかったけれど川沿いだしそこそこいると思う。ぶよ除けにハッカ油あると安心。
  • ライト
    • 街灯はありません。歩くときに必要だけれどまわりのひとが眩しいので注意。赤いセロファン貼っておくとよいかも)。ただ、明るいうちに陣取れると必要ない。
  • 食べ物・飲み物
    • ちょっとした出店もあるけれど、持って行った方がよいかも・・・

4.メディア・参考資料

その他

  • 北山、もっと知りたい。秋口になったら廃村八丁に行こう(決意)
  • そういえば、花脊峠から大見にいったレポート書いていないな・・・
  • 18-270mm F/3.5-6.3安かったのに便利。しかし写真思ったようには撮れない。火を撮るの難しい。
  • フルサイズ欲しい。α7s欲しい。

読んだ本 2015年7月

暑いですね。夏ですね。最高ですよね。

家を出た時のむわっとした空気、見上げると白い雲とどこまでも青い空、蝉の声。 刺さるような日差しとアスファルトから立ち込める熱気。汗ばむシャツと風鈴の音。

夏休みの子どもの声が響き、街ゆく人影はまばら、生ぬるい風のなかで道路の果ては蜃気楼が滲む。 ようやく逃げ込んだ冷房の効いた部屋の気持ちよさといったらたまらない。冷たい麦茶のコップからは水がしたたっている。 夕暮れになると紫色の空とそよ風が心地よい。夕涼みには肉を囲んで友と佳き酒を酌み交わそう。

夏の恒例行事も大好きなんだけれど日常生活の暑さも苦しさも愛おしすぎる。ずっと夏でいてほしいとさえ思うけれど、ほかの季節があるからこそ夏の素敵さはあるんだろう。外で仕事するひとはほんとたいへんだろうし尊敬するけれど自分は夏が大好きです。

と、くどいことを書きましたが毎月恒例の読んだ本棚卸ししておきます。

はじめての現代数学

ちょっと大学1年生と話す機会があり、数学知っているふりをするために読んでみた。 数学者たちが未知を目の前にもがいて新たな視座を得つつも、そのことによってさらなる未知が生み出されていく過程は物語的におもしろい。 無限。無限。無限。カントール対角線論法つよい(小学生並みの感想)

滝山コミューン1974

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

60年代から70年代、革新政党自由民主党に肉薄するほど躍進した年。首都圏のはずれにぽこぽこでてきた団地の中でも、ほとんどすべての生徒が同じような団地住まいで意欲的で理想に燃える若い先生や主婦を中心とするPTAも力を蓄えていた滝山団地。そこでは実験的な集団教育がすすめられる純粋な環境がつくられていた。

その際に小学生として在籍していた著者が各資料や当時の在校生、先生、関係者にインタビューして当時の事象を掘り下げている。 当時の小学生視点ではあるがかなり読ませるノンフィクション。著者個人の一人称ともいえるため主観的な部分もあるが、だからこその臨場感と立体感がでているように思う。

全国生活指導研究会の集団教育についてはいくつかの本や資料から引用されているが、よくこんなことを考え付いたな、というもの。

いくつか引用してみる。

集団づくりは当面する集団の内部の民主化だけで満足することはできない。それは同時に、その集団の外にも絶えず民主集団を築き出そうとする。たとえば学級集団づくりは、さしあたって学級を手がかりとしつつ、それを民主的集団として形成していくとともに、そこにとどまることなく、他学級へ、全校生徒集団へ、さらに過程や地域諸集団へとその活動領域を広げていく。このように当面する集団の外に民主的集団を築き出そうとすることこそ、また、子どもたちをそのような民主的集団の現実的な担い手にまで形成していくことこそ、集団づくりの本来的なテーマなのである。(全生研常任委員会、学級集団づくり入門 第二版、1971)


生活指導は、思想の形成を重大と考えれば、考えるほど、行動の指導を重視する。子どもが現在もっている思想を、外側からあれこれといじくり廻しているのではなく、行動を指導することによって思想の発展・変革をせまることが、思想形成の基本的筋道だからである。(学級集団づくり入門 第二版)


「集団遊び」といっても、その遊びの種目にとりたててかわったものはなく、遊び一般の種目と同じである。それにもかかわらず、それを「集団あ遊び」とよぶわけは、集団と遊ぶなかで子どもたちに集団を学ばせ、集団を高めさせることを目的意識的に追求するからである。(学級集団づくり入門 第二版)


集団の名誉を傷つけ、利益をふみにじるものとして、ある対象に爆発的に集団が怒りを感ずるときがある。そういうとき、集団が自己の利益や名誉を守ろうとして対象に怒りをぶっつけ、相手の事故批判、自己変革を要求して対象に激しく迫ること―これをわたしたちは「追求」(原文ママ)と呼んで、実践的には非常に重視しているのである。(学級集団づくり入門 第二版) 総括を求めて仲間を殺していった赤軍と同じ論理。これはソ連の集団づくりから引き継いでいるのだろうか。

などなど。思想形成を堂々と自任している自負はどこからきているのだろうか。 そして、気になったのは戦後の新左翼の潮流が、それが憎んでいたはずの戦前の軍国主義と似たような集団主義や歌による高揚、班という軍由来の組織構造を利用していたのが興味深い。

権威に対抗するための教育が権威を生むというのは寓話的でもある。 今だから言えるかもしれないけれど、理想に燃えて意欲的であった方々が多い中で、子どもにどう育ってほしいかがよくわからなかった。民主主義の実践者?子どもの将来ではなく民主集中制の強固な組織をつくるための道具?小学生が組織に非協力的な生徒を追求(原文ママ)して総括を求めるとかゾっとする。

いっぽうで、この小学校から毎日四谷大塚に通い、当時も最難関であった筑駒に兄弟ともに合格した同級生のママは「有名大学への最短路だから」と著書で言い切っているのも味わい深い(それが、一般向け書籍だからのオブラートとは思うけれど)。

教育、70年代、新左翼、団地、西武沿線に興味のあるひとなら読むと得るものや考えるきっかけがあると思う。

自分の仕事をつくる

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

西村佳哲による、仕事についてのインタビュー集。おもしろいデザイナーさんやプロデューサさんが多い印象。 柳宗理パタゴニア、ルヴァン、象設計集団、IDEO、ヨーガンレールなどなど。

おもしろい考え方がいろいろ提示されているのだけれど、感じたのは、すばらしい仕事をしていてプロとよべる人はみな独自の哲学を持っていそうということ。また、調査や問題の理解にすごい時間をかけている人が多いのが気になった。 自分はどういう仕事をしているのか、これからしていくのかと振り返ると漫然としてしまっているように思える。 時間をかけてなにかを探求できてはいない。移り気な感じである。違和感、大事にしていこう。

人の砂漠

人の砂漠 (新潮文庫)

人の砂漠 (新潮文庫)

1980年に出版された沢木耕太郎の初期のルポルタージュ。 売春婦たちを保護していた共同体を描いた「棄てられた女たちのユートピア」や、屑屋で働きながらその周囲の世界を描いた「屑の世界」、80歳の女性詐欺師を描いた話、ソ連による取り締まりを覚悟しつつも漁をつづける根室の漁師、逆に本土よりも台湾に親近感をもつ与那国島の漁師、天皇に直接行動しようとした者達のその後を追った「不敬列伝」などなど。

知らない世界への好奇心だけでなく、暗澹たる気持ちになるものが多くてこの時代の清涼剤としてよいと思う。 この時代、この20代半ばの生意気な青年だからこそできた仕事ぶりだと思う。

特に、1965年に開かれた売春婦保護の共同体、かにた婦人の村がすごい。 ほとんどが知能障害をもつ彼女らをどう保護しつづけられるのだろう。いまもなお続いているようだけれどあまり情報はインターネットになさそう。いい本、ないだろうか? あと、日本で、こういう大多数が目を背けていないかのように扱う者たちへの福祉活動をやっているのがキリスト教系ばかりで仏教系はほとんどいないのはやっぱり気になる。

食は広州にあり

食は広州に在り (中公文庫)

食は広州に在り (中公文庫)

食エッセイ。中国の文化と日本の文化の差が見えておもしろい。 食べてみたい、つくってみたいものがいろいろでてきていてわくわくするけれど、日本では縁が無かったりかなり手間がかかるものが多く難しい。故郷の食のこと、全然わかっていない気がしている。

料理の四面体

料理の四面体 (文春文庫 (322‐1))

料理の四面体 (文春文庫 (322‐1))

おもしろ料理エッセイ。すべての料理は、火、水、油、空気を頂点とする四面体内部にプロットできるのではないか、という仮説はよい。複雑な手順を抽象化することで、発想を広げられるのよい。 いろいろ試したい。

旅する八百屋

旅する八百屋

旅する八百屋

ミコト屋さんの話。書いてあることもやっていることもおもしろい。ただ、書いていないことのほうが気になるところ。

気になったフレーズ

初めて訪れる場所は、窓口になってくれる人の存在によって、その魅力が何倍にも膨れ上がる」

マンガ

革命家の午後

革命家の午後

革命家の午後

松本次郎の短篇集。 エログロなモチーフもありつつ寓話的。 表題作では革命家が理想主義的に描かれすぎてはいるけれど、よい。

素晴らしい世界

素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス)

素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス)

浅野いにお。 人間関係と自尊心の機微を嫌悪感を抱くぎりぎりのところまで踏み込んで描いている作品。つらいし刺さるのだけれど、ちょっとそうさせられているように感じる。 元気が無い人は見ないほうがいいかも。。

世界の終わりと夜明け前

世界の終わりと夜明け前 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

世界の終わりと夜明け前 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

浅野いにお。シーンとキャラクタは好きなんですがなにか、ちょっとつながりがよくわからない。

8月の抱負

最高の夏にしようぜ!!! 並行して、もっと学問しようと思う。

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読んだ本 2015年6月

梅雨ですね。5月ごろよりは涼しくて過ごしやすいですが野菜がちょっと心配。 また7月に入って1週間ほど経ってしまいましたが先月に読んだ本を書いてみます。先月に続いて低調なうえに読んだ本以外にほぼ記事をかけていない。

戦後世界経済史

戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)

戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)

戦後の世界経済史について簡単にまとめられている便利な新書。 アメリカのインフレ対策と基軸通貨であることのジレンマなどあまり知らなかったことも多く勉強になる。

個別の歴史も主要国だけでなく南米でのインフレ、東西ドイツ再統合における問題、アフリカ各国独立と独裁、東欧のそれぞれの社会主義などにも触れられていて、調べていくきっかけになった。

ひとつ興味深かったのは、ユーゴスラビアではチトーによる社会主義からの経済改革によって企業は労働者自主管理制度となった。これは、労働者の無記名の直接選挙で選ばれたものたちが企業運営する制度で、製造・販売・価格設定・賃金を自分たちで決定できるようにするという、かなり自由市場に近い経済。 ただ、労働者たちが自分の取り分をできるだけたくさん奪い合い、企業の資本形成や社会の資本形成をも取り崩し投資自体を阻害してしまったために失敗しているという。

ここのポイントは2つ。ひとつは短期の利益を求めることで長期的な投資ができなかったと読めるけれど、それは株式会社であっても同じ要素はあるため同じ問題が起きるのではないか、ということと、労働者自身による民主主義が非効率をもたらすのではという示唆。

特に後者はけっこうつらくて、理想主義的なコミュニティによる運営はやっぱり理想でしかないのかもしれない。 これらの歴史からわかることは、トップダウン計画経済の失敗は明らかになっているけれど、資本主義と市場システムにも欠陥があること。 貪欲さが人々を豊かにしてきたのだけれど、これをどう制御するかは市場のデザインが課題と指摘されている。ここらへんはマクミランの名著「市場を創る」を想起するけれど、実際には制度変更すごく難しそう。

また、国家が成長するにあたりパターンがあるという指摘も重要。 まず、農地改革で土地が農民に解放され、自分で耕作し利益を得るというインセンティブから効率化が進む、これによって農業から軽工業へ労働力が移転し、これが輸出産業となって工業化が進み重工業へ投資できる資本が形成されていくという流れ。これは日本、韓国、台湾などに見られるもので、国内の有効需要を広げながら工業化にシフトしている。 ただ、これは、ボーダレスな経済で軽工業がすべて中国に抑えられている現在、最貧国はもうこのステップバイステップのパターンをとれないようにも思える。人材の育成や市場の制度、インフラの整備をしたり資本を投下するだけではなかなか軌道にのれないのだろうか、と思った。

前回のサブプライム住宅ローン危機での世界的恐慌のあと景気がわりと早く立ち上がった(ように見える)ことは、1920年代の世界恐慌における、保護主義に走ってしまったり効果のない対策しか打てなかったのと比べて経済学が進んでいるのかな。。

トヨタ生産方式

トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして

トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして

トヨタ自動車副社長を務めた大野耐一の名著、とされる本。 カンバンの定義や方式の詳細が書いてあるわけではなく理念的で歴史を語っている印象。

戦後間もない時期から、米国BIG3の少品種大量生産に対抗するには多品種少量生産しかないと読んで、これに対応する工夫を重ねて実現したのはほんとすごい。 ただ、トヨタであっても、その文化を根付かせるのに20年かかったのは気が遠くなる。一日にしてならず、ということか。これは、自動車が複雑な機械であるということも取引先が多いこともあるけれど、部品の生産から販売の現場まで一気通貫して変えていかなければいけないということでもある。

そして、なぜ一見不合理なカンバンを考え出して、数十年かけなければ成果が出ないものを確信をもって進めていくことができたのか、というのが気になるところではあるのだけれど、あまり書かれていない。

ほか気になった点として、最近ではどの業界でもよく言われる、なぜなぜ分析がだれだれ分析にならないように、と書いているのはみんなに伝えたいところ。 トヨタウェイが人を育てるとは聞くし、これが、人が育つ理由の一つとは聞くけれど、ほかのことも知りたい。

あと、これを読んで、著者が尊敬し傑物と評する豊田佐吉翁や豊田喜一郎よりもヘンリー・フォード一世をすごいと思えた。 この2人は、米国の自動車を目標とした、優れた発明家・企業家であることは疑いないけれど、馬車の時代に自動車を作り上げ、工場労働者を変え国民所得を押し上げたヘンリー・フォードとはビジョンの大きさが違う。 ヘンリー・フォードの話、もっと調べよ。

リーンスタートアップ

リーン・スタートアップ

リーン・スタートアップ

トヨタ生産方式を参考にしたシリコンバレーベンチャー経営の方法論。数年前に流行ってましたね。 さきにあげた大野耐一トヨタ生産方式を引用しているとのことで興味をもって読んでみた。

価値を持つ最小の製品/サービスをつくって仮説を検証する。 そのためにでバッチを小さく、A/Bテストやスプリットテストでお客様の反応を計測する。というのが概要。

ネット上にいろいろと概要が転がっているので探してみるといいと思う。 本文「リーンスタートアップ」を検索(人気順) - はてなブックマーク

仮説→構築→検証→ときとしてピボット、というサイクルをまわしていくことで素早く価値あるものをつくれるとのことだけれど、さいしょの仮説だけはやっぱり人次第。 ただ、アイデアを思いつくだけの人は無数にいるのでそれをきちんとつくってまわせるかどうかが分かれ目なのかも。

実感としては、初期の、アーリーアダプターを獲得したときの成長エンジンと、マジョリティに訴えかけるときの成長エンジンのかけかえが難しいし苦しんているところ多そうだなー、と思う。 なまじお客様や文化人とかから評価されていて、そこをかけかえられず、ずるずると行ってしまっているベンチャー多いような。

教養としての宗教入門

宗教とは人間になんなのか、とか既存宗教と新宗教の関連についてなにか書いてあるかなーと思ったけれど宗教自体の入門的解説でしかなかったので期待外れではある。とはいえ既存宗教について軽く書かれていてよみやすいので入門にはいいんじゃないでしょうか。

モーセ出エジプトの構造についての話はおもしろかった。これは、栄えているエジプトの地で外国人労働者として搾取されていたユダヤ人(ヘブライ人)が、苦難の道とはいえ搾取構造から抜け出して新天地にて新しい共同体をつくる話であり、正義の神が民に戒律を与えた話とのこと。出エジプトと違い民族は同じではあるけれど、現代日本でもニートブラック企業労働者が抜け出すことはあるのか・・と妄想してみたけれど、これこそ村上龍の、希望の国エクソダスそのものか。

発達した資本主義と科学の間で既存宗教はどこに向かっていくんだろうか。

映画

マルコムX

マルコムX [DVD]

マルコムX [DVD]

誘われて深夜に観はじめたのだけれど、再生してから200分以上あるとわかって衝撃を受けた映画。内容も衝撃的でたいへんおもしろい。 黒人解放運動の中でも攻撃的であった、という印象しかなかったタイトルにもなっているマルコムXの伝記。

一言でいえば純真なカリスマの遍歴。その半生はWikipediaを見てもらうとして、強烈で純粋さのある個性には神話的な魅力的があるし、当時のアメリカの人種差別の状況は凄惨。幼いころに白人にあこがれつつも、KKKに父親を惨殺され、ハーレムでチンピラとなっていて窃盗で逮捕。白人優位社会に疑問を抱き、戦闘的なブラック・ムスリム運動に改修、辞書を写し本を読み学習を重ね、戦闘的な黒人解放運動の弁士として頭角を現す。そして・・・

まったく印象違う作品だけれど、北斗の拳の次回予告、「凄まじい男の執念が天地を揺るがす。強き男は、死しても愛を語らず!」(CV千葉茂)を連想してしまった。

もうひとつ、(半)非合法組織についての示唆もあった。日本の過激派と同じように内ゲバに走るのも、先鋭化した強力な組織の必然なのかもしれない。

「コーヒーとミルクはよく混ざる(意味深)」

そういえば、昨年にふとした興味ではてな人力検索してみた回答にもあったな。 若い持期に大病していたり入獄・服役していたにもかかわらず大成… - 人力検索はてな

今後

2015年も半分経過。 先日、干支が一回り上の12歳年上の人としゃべっていて、12年後の2027年はどうなっているかを考えてみた。技術の進歩は生活をどう変えているだろうか。そこにどういう立ち位置でかかわれるだろうか。あるいは少子高齢化がますます進む日本でどう暮らしているだろうか。

外に出て学問しよう。

読んだ本 2015年5月

なにかと忙しく、もう6月も半ばに差し掛かってしまうけれど恒例の読んだ本を整理してみる。 そもそも、最近はどうもインターネッツにかかりきりで本をちゃんと読めていないのだけれど、まあこんな感じです。

土地の神話

土地の神話 (小学館文庫)

土地の神話 (小学館文庫)

猪瀬直樹が元気だったころの作品でかなりおもしろいノンフィクション。 東急創設時の話と、田園都市の理想と現実。渋沢栄一とその四男、渋沢秀雄からはじまり、東急を創設し拡大させた五島慶太を中心にその周囲の財界人の野望と衝突を描いている。

東急グループ創業の五島慶太強盗慶太の通り名もあって政財官を利用しての買収力つよすぎる。ちょっとした思いつきともとれる考えが、現代日本の(残酷な)通勤文化をつくっている。ここらへんはリアル桃太郎電鉄というか、勢いのある都市開発ですごい時代だったのだなあ、と思える。東急沿線、あんまり縁はないけれど、よく使っている人がよむとよりおもしろそう。

ほか気になったところメモ - 東急沿線も当初の渋沢翁の思いである田園都市的理想(の一部)とは別に、乱開発される一方だったのはなぜか - 阪急グループ創業者の小林一三(どうしても「いっさ」と読んでしまう)、私鉄ビジネスの創造者でかなりつよい - 明治維新後、首都を大阪に移す案などが大久保利通から出たが、これは却下。この理由として、開発されきっていた大阪に対して江戸、のちの東京には大名屋敷など広大な空白地帯があったため、としている。

解説にて、藤森照信氏の指摘が興味深い。 日本の歴史の転換の肝所には、きまって土地が顔を出す。水田の確立で歴史が芽吹き、班田収授の法で古代国家の基礎が定まり、これをなし崩しにした荘園によって貴族や寺院は支えられ、これを荒らして武士の時代。そして、秀吉の検地と家康の封土を基盤とする封建制で安定。明治維新では地租改正で封土を解体して近代土地制度を確立。大戦の折の農地解放によって基礎がつくられている。 本書ではここまでだけれど、バブル崩壊の象徴でもある地価崩壊も日本の高度経済成長の終焉を示している。次の社会変革ではどんな土地の変化がくるだろうか。

マンガ

コンバットバイブル 1-3

コンバット・バイブル―アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル

コンバット・バイブル―アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル

東寺の弘法市で3冊セット1000円で買った本。 ミリタリー的な要素を楽しみたくて買ったわけではなく(なくはないが)、サブタイトルがアメリカ陸軍教本完全図解マニュアルというところで、新平育成にお金をかけていてノウハウを貯めまくっている米軍のマニュアルの雰囲気や記述法をてっとりばやく見て取れるかなー、と期待していた次第。

内容は全編マンガで、教練軍曹が新兵に教えていくという形式。 米軍だけでなく、中国人民軍や自衛隊まで引き合いに出して、装備とその使い方から敬礼などかなり幅広くかかれている。創作で参考にするのにもよいかも。

2巻では、より実践的に、編成と行軍、ラペリングや山岳戦、爆弾の仕組みと種類と仕掛け方まで記述されている。PKOについての歴史と状況もそこそこ参考になる。

3巻は毛利元貞氏をアドバイザーとし、特殊部隊について書かれている。ボディガードとかSWATの突入などはちょっとおもしろかった。4冊目の情報収集編も読んでみようかな。

もやしもん 1-13

学生時代に5巻くらいまで読んでいたけれど、昨年に完結していたことを知って再読。結末と、ただひとつの特殊設定のつながりはさておき、あっというのまにいろんなところに旅していく流れとスピード感は好き。これだけの薀蓄マンガも珍しい。とりあえず、食と発酵と農業に興味でてきた。 いいマンガでした。

ゲンセンカン主人

ゲンセンカン主人―つげ義春作品集 (アクション・コミックス)

ゲンセンカン主人―つげ義春作品集 (アクション・コミックス)

つげ義春による短編集。全編異様な雰囲気に満ちている。 なんだろう、統合失調的とでもいうような感覚。もしかしたらすごい刺さる人がいるかもしれないけれど、どうだろう。不思議な気分になれる。

映画

めぐりあう時間たち

めぐりあう時間たち [DVD]

めぐりあう時間たち [DVD]

全編にわたって、これほど緊張感が張り詰め続けている作品は観たことない。 なにげない所作や発言の多くが人間関係の危うさを匂わせ、不安にさせる。

ストーリーとしては、時代も場所も違う3人の女性の象徴的な1日を重ね合わせて描き、なんらかの「辛さ」を伝えようとしているもの。

演技も舞台の造形も小道具もアングルも構成も丁寧につ くりあげられていて、たいへんつらい映画なんだけれど2回観たくなる。

テーマは、ゲイ・レズビアン統合失調症エイズの人たちと、その周囲の人々。解決しえない問題。

自分のまわりでこういう問題があったら、どう対処できるだろうか・・・。

主人公の一人は実在の小説家「ヴァージニア・ウルフ」、作品の「オーランド―」は50ページくらい読んで挫折しているのでまた取り組みたい。

霧島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

以前にわっちゃんが称賛していた映画なんだけれど、Google Playゴールデンウィーク一本無料貸し出しを機にようやく観ることができた。

高校を舞台に、ちょっとした事件をきっかけに高校生たちの階層と不安とすれ違いとを描いている映画。 苦い恋愛が描かれているでも、主人公の成長が描かれているわけでも、誰かの死が絵が描かれているわけでもないのだけれど、ひとつひとつの描写が心を抉ってくる。学校での片思い、ステージ上で笑われる、蔑まれるオタク、グループ内での表面的な付き合い、そして自分が何者にもなれない不安。観る人によって誰に感情移入するか、誰に同情できないかが変わってくる気もする。

個人的には、前田が友達のおなかに頭をぐりぐりするシーンが好きで、吹奏楽部部長が目の前でヒロキとその彼女がキスするシーンと、フウスケが先輩にしごかれるがきびしい。

そして、高校の眩しい風景にくらまされがちだけれど、そこから透けて見える、人と人がわかりあうことが難しいこと、あるいは不可能なことを暗に示しているのも重要。それを誰もセリフに出さないで表現するのも、ひょっとして霧島もこれがつらかったのではないかと思えることもすごいなあ、と思える。

それにしても、霧島、いったいなにものなんだ・・・

縞模様のパジャマの少年

縞模様のパジャマの少年 [DVD]

縞模様のパジャマの少年 [DVD]

友人が借りてきたので一緒に観てた。 ナチスドイツのホロコーストでの収容所所長の8歳の息子と、収容所にいる8歳の少年の交流を描くことで、人間が簡単に残酷になれることを描いている?

ストーリーを書いてしまうと、ひとつの単純な寓話。ほかの人に残酷なことをしていると、自分の子どもも同じ目にあってしまう。というもの。つらい話ではあるんだけれど、その印象しかなかった。もうちょっと人間の残酷さ、ふつうの人間がいともたやすく差別・虐殺に加担してしまうことを描いたほうがいい気がする。

チョコレートドーナツ

同じく友人が借りてきたので一緒に観た映画。 70年代のアメリカで、ゲイのカップルがネグレクトされていたダウン症知的障害をもつ少年を育てる、という話。 複雑な問題の境界での物語で、すごい迫力ある映画。

差別され続けるゲイ、ダウン症知的障害者・・・それぞれ難しい問題である。 そして一番大きいのは、血縁の親がネグレクトなどしている際に社会はどうできるのか。自分はどう動けるだろう。

「正義はない、けれど闘い続けないといけない」という劇中のセリフには、ありきたりではあるけれど重さを感じた。

前向きな話をすると、ゲイについてはたった数十年前までこれだけ差別されていたのに、いまやLGBTはいろんなところで聞かれるし、アイルランドでは国民投票同性婚が合法化されたりしていて社会は進んでは来ている。もちろん差別意識は残っているし、いまだに同性愛者を批判する人もいるけれど、それが見過ごされなくなっているようには感じる。 これらを獲得するために行動してきた人たちには敬意を抱く。多様性のある社会、いいと思う。 ただ、当事者がなかなか戦えない知的障害者はどうなっていくかを考えるとやや暗澹たる気持ちにはなる。

まとめ

あれ・・・?まともな本は土地の神話しか読んでいない?すこしずつ読み進めている技術書はあるし、読みかけ多いけれど読み切れていない。 読みたいのは多いけれどもうちょっとポイントしぼって読むべきなのかもしれない。

あと、読んでも十分内省できていない気がするのでビブリオバトルか箱文庫、したいなー。

その他

そういえば、歴史あるホソの会の会報ブログをつくって記事を3つほど書きました。

http://hoso.hatenablog.com/

ジョイナス

読んだ本 2015年4月

待ち望んでいた春もあっというまにすぎて、夜の道に栗の花の匂いが漂ってきたと思ったらいつのまにかに初夏の空気になりました。みなさまいかがおすごしでしょうか。

今月もまたちょいちょい読んだ本のメモを書いてみます。

疑獄と謀殺

疑獄と謀殺 (祥伝社文庫)

疑獄と謀殺 (祥伝社文庫)

なにかの本か記事でドミニカ糖事件という疑獄があったと聞いていたんだけれど、インターネットで調べてもあまり引っかからずに、本書にすこし載っていると知って読んでみた。

汚職や事件の追及の過程で重要な証人や渦中の人物が疑惑の死をとげるというケースをいくつか取り上げ、状況やどういった疑惑があったかを解説している。実話誌系によくある陰謀論かもしれないけれど、戦後の混乱をみるとさもありなんという感じ。

大戦中に接収されたり植民地から集められた莫大な金やダイヤモンドはどこに消えたか?混乱の中、GHQや旧軍関係者のなかに濡れ手に粟をしたものがいたという話。ほか、次期FX選定を巡るなかで怪死したもののあっさりと自殺とされ十分に捜査されなかった山口空将補。ダグラス・グラマン事件で自殺した日商岩井の常務・・・。

特に、ロッキード事件でも、関係者10数人が死んでいる・・・。ほかケネディ暗殺の調査などでもこういったことはあったようだけれど異常すぎる。いずれの事件も、不明な点が多いまま関係者の死をきっかけにうやむやになってしまう流れがある。真実はどうであったのか、わかる日はくるのだろうか・・・。 また、本書では疑惑を追うなかで、国会での疑惑の当人による証人証言や、株主総会の総会屋の活動などのうちキャッチーなものをいくつか収録していてなかなか興味深い。大金が動くビジネスは怖いです。 「謀略の昭和裏面史」ほど網羅性はなさそうであるけれど目次をなぞって興味のあるトピックを別途掘り下げるにはいいかもしれない。

はじめての家具づくりレシピ

丸林さんちのはじめての家具づくりレシピ

丸林さんちのはじめての家具づくりレシピ

読んでいて楽しい家具から建物!までを自分でDIYしている丸林さんによる、DIY入門講座。道具や用語の説明、箱作りからはじまっていろんなレシピがあっておもしろい。いろいろつくりたくなってくる。 特徴として、わりとアンティーク調が好きな人らしく、塗装に紙幅がさかれている。古民家や小道具屋で古い板をもらってきて、それをメインに据えるために、他の材料である新しい材を塗装するというのは素敵。 塗料としてはワトコオイル、木製食器用オイル、バターミルクペイント、オイルステイン、みつろうワックス、オールクラックアップなどなど・・・。木材の種類とサイズと価格表もついていてたいへん便利。

これを参考にひとつ本棚ベンチを作ってみた。見た目は華奢だけれどわりとしっかりしている(ように感じる)。

3時間くらいかけてベンチ本棚つくってみた -instagram

耐荷重はどれくらいだろう。表面をサンダーで磨くと手触りもよくなって便利。 材は桐の浮造の表面を焼いたもの?近所のホームセンターで180030017で2000円のものと、90030017で1300円くらいのもの。横着してカットはお店でしてもらった(ワンカット28円で9か所)。 製作時間は道具の調整とか試用とか含めて3時間くらい。 ドリルで下穴を開けておくとビスもまっすぐさせて便利。足に穴をあけた後、その穴の位置を天板と底板に印つけたけれど、ビスがわりとしっかりささってくれるのでこれは不要だったかも。ドリルドライバでビスを閉めるときに浮きがちなので手でおさえたけれどすこしずれたりした。どうするおがよかっただろうか。 ほんとは万力みたいなやつでしめてやるのがいいんだろうけれど30cm以上のを閉められるものはなさそう。 切り口とかにオイル塗りたいけれどこれはまたこんど。

ビジネスモデルYOU

ビジネスモデルYOU

ビジネスモデルYOU

変わった装丁の自己啓発書っぽい本。自分自身のビジネスモデル・ポジショニングを考えることで幸せに生きましょうよ、という趣旨。考えてみよう!書き出してみよう!みたいなコーナーが多く、まじめにやれば一人でセルフカウンセリングして内省できるかもしれない。いろんな人のサンプルが出ているけれどわりとアメリカンで興味深い。就活する人とか、働き方に悩む人が読んでもおもしろいと思うけれど、順風満帆な人が読むとどうなるかは気になる。。

創造都市ポートランドガイド

TRUE PORTLAND the unofficial guide for creative people 創造都市ポートランドガイド

TRUE PORTLAND the unofficial guide for creative people 創造都市ポートランドガイド

オレゴン州ポートランドを知っているだろうか。 友人が新婚旅行で行くということでこのガイドを買っていたものを読ませてもらったのだけれど装丁や表紙の調子、めちゃめちゃ雰囲気のいい素敵な写真が多くて、タイトルと相まって、最初は架空の理想都市のガイドかと思ってしまったくらい。

DIY文化と自由な空気がすごい楽しそう。スティーブ・ジョブズが大学に通ったという曰くもある(すぐ退学したが、タイポグラフィの授業だけはもぐりこんでいたとか)。都市の紹介でマリファナの値段とか書いてあってたいへん便利。

あんまり旅行は苦手だけれど行ってみたいなー、と思えたけれど、どうせ旅行をしても頭の中のイメージをなぞることしかできなさそうなのでやめておく。

いますぐ使える 山菜採りの教科書

いますぐ使える山菜採りの教科書 (012OUTDOOR)

いますぐ使える山菜採りの教科書 (012OUTDOOR)

山菜採りに誘われたので読んでみた。タンポポツユクサヨモギ、ハルジオンやカラスノエンドウあたりの身近なものもあれば聞いたことも見たこともないようなものもある。

旬の時期の一覧や、いくつかのアク抜き方法、種類別におすすめの調理法など掲載されていてたいへん便利。また、薬用の紹介もあって、薬事法的に大丈夫かは気になるけれどおもしろい。

たとえばアカメガシワは「葉と樹皮を天日乾燥し、胃潰瘍や胆石症に煎じて服用する。」とかイタドリは「根を天日乾燥し、利尿、淋病などに煎じて服用する。」ほか、催乳につかうというカラスウリなど

おもしろ薀蓄としては、アフリカ原産の帰化種であるベニバナボロギクは、ちぎると春菊に似た香りがすることから、第二次大戦時にアジア各地に出兵した兵士たちが昭和草や南洋春菊と呼んで、大戦時に持ち込まれたという話。 太い・細い、うまい・まずいにかかわらず、ほとんどのササやタケ類のタケノコは食用できると考えてさしつかえない。など。山菜、というより山と植物はやっぱり奥が深い。フィールドに行きたくなる。

小さいけれど写真も豊富。ただ、写真や文字だけではわかりにくいので実際にわかっている人に現地で教えてもらう必要はありそう。

人里・山地・海辺にわかれているけれど、もうちょっと細かい分布、この地域ではなにがとれるとかも知りたい。これはたぶん、地域別の山菜取り知見が必要なんだと思う。もちろん、そんなローカル知識を公開するメリットは少ないので実際に山菜採り体験とかに参加したりして直接話を聞いて目で見るしかないだろうけれど。

とりあえず、これをもとにワラビとりに行ってきてなかなか大量でおいしくいただくことができました。里山、めっちゃ楽しい。

わらび採りしてきました -instagram

図書館にあるものを見比べた限りでは情報量は一番あったけれど、ほかにいい本あれば知りたい。

計画と無計画のあいだ

ミシマ社という2006年創業の、「変な」出版社を起業した若者たちの物語。無計画さというよりは破天荒さがあっておもしろい。熱にあてられそうで、ややもすると自己啓発本に読めてしまうけれどエンターテイメントだと思う。出版業界の闇をみた気がするけれど、本は好きなので応援してます。結局、計画と無計画のあいだでどこでバランスするかは個人個人で考えるしかないのかな。

亡命ロシア料理

dai.hateblo.jp これはめちゃめちゃいい本で、何度も読み返したくなる。

映画

戦場のピアニスト

戦場のピアニスト [DVD]

戦場のピアニスト [DVD]

ナチスドイツ占領下のポーランドに実在したあるユダヤ人ピアニストの受難を描いた作品。侵略と抑圧の残酷さと過酷さが描かれていていろいろつらい・・・。いい映画なのだけれど、虚無に襲われそうになる。

ミルグラム実験スタンフォードの監獄実験、青い目と茶色い目の教室とかをみてもわかるけれど、役割と状況で自分も含めて多くの平凡な人間は、簡単に残酷になる。 これを防ぐには、やっぱり役割の設計に気を使うしかないのだろうか。倫理を保てる人間は、希少なうえに、影響力は狭い。

倫理を保てた数少ない人間に、ナチス軍人のヴィルム・ホーゼンフェルトがいる。劇中では主人公のピアノを聞いて情けをかけたように描かれているけれど、実際には多くのユダヤ人やポーランド人を救っていたそうだ。彼はなにが違っていたんだろう。異常なことが当たり前になったとき、彼のように現実に疑問を呈することはできるだろうか。すこし自問自答してみる。

ヴィルム・ホーゼンフェルト - Wikipedia

あと、人と映画を観て感じたところを言いあえるのいいな。と思った。相手がkawaiiガールだとなおさら。

イベント

花見

これまででもっとも楽しい花見ができた気がする。誘っていただきありがとうございました。

披露宴

お手製感あふれる友人夫妻の結婚式。みんなで準備することで一体感が生まれ、コミュニティができあがっていくさまがあったように思う。

東寺 弘法市

毎月21日に京都の東寺でやっている、よくわからない市。 東寺の広い境内やその周辺に300を超えるお店が出店している。 手製の食器やカバン、アクセサリーのほか、お祭りの屋台、ガラクタみたいな古道具もあれば、野菜や苗も売っていて平日にもかかわらずたくさんの人が参加している。ほんといろんなものがあって、いろんな人がいておもしろい場所。 2時間ほどかけて駆け足でまわって結果、古本を3冊ほど買った。Amazonマーケットプレイス最安値の半分くらいで買えたのでうれしい。 ほか、資産家のお屋敷においていそうな巨大な壺や飾りなどが目立ったけれど、もしかすると見る人が見ればお宝的なものもあるのかもしれない。ものだけでなく、手作りのものを売っているところでは作り手との出会いの場であるのかもしれないと感じた。京都だと、毎月25日に開催の北野天満宮の天神市や、毎月15日の百万遍知恩院の手作り市などが有名かな。

これまで

dai.hateblo.jp

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これから

もっと感性を磨きたい

料理と人生の亡命ロシア料理

すごい本を読んでしまった。

亡命ロシア料理

亡命ロシア料理

何かの折に評判を聞いて、ずっと読んでみたいと思っていた本なんだけれど、Amazonマーケットプレイスで20,000円超だったので気が引けていたところで新版が出ていたので手に取ってみた。出版から18年たって新版が出るってすごいと思う。

内容はソ連からアメリカに亡命した著者が現地でロシア料理を説明する流れ。 ただの料理本と違って、その過程で西と東で手に入る食材の違いや、文化と文明、料理と生きることについても触れている。食欲をかきたてられながらも、共産主義ジョークのようなキレのあるレトリックのユーモアに笑わされ、祖国を離れざるを得なかった筆者の文化を見る鋭い目からは切なさも感じる。料理本の姿をした優れた文明批評なんじゃないだろうか。

もちろん料理本としてもきっちりつくられている。ただ、ロシア料理につかえるような、マジョラムやサワークリームといった香辛料のほか、ヤマドリタケやビーツなどの食材、壺や大きなオーブンのような調理道具が手に入りにくくまだ試せてはいない。

気になったフレーズのいくつかを引用してみる。

まず、本文の一行目からやばい。

p7 愛を打ち明けるとき、日本人は手のひらを胸にではなく、胃のあたりに当てるという。日本人は魂が腹に宿っていると信じているのだ。だからこそ、ハラキリをして魂を外に解き放ってやるのだろう。自分の形而上的な本質を確かめるための、なんと苦しくも痛ましい方法だろうか。

切腹にそんな意図があるなんて知らないしニンジャスレイヤー感もある。

p15 お茶はウォッカじゃない。たくさんは飲めない。

アッハイ

p23 およそ文明が考え出したもののなかで、人間の尊厳にとってダイエットより屈辱的なものは何もない。禁酒にだって何らかの意味がある。例えば経済的な意味だ。

この仰々しい言い回しの小気味よさはなんだろう。ダイエットとか糖質制限とかやめよう。

p45 料理人は、たとえ素人であっても、しっかりした倫理的基盤をもたない意気地なしになる権利はない。誰でも好きなように食べればいいじゃないか。などという道徳的相対主義は、料理の道とは相いれないものだ。

この厳しい倫理をもって料理するアマチュアみたことない・・・。

p46 いい料理とは、不定形の自然力に対する体系(システム)の闘いである。おたま(必ず木製のでなければならない!)を持って鍋の前に立つとき、自分が世界の無秩序と闘う兵士の一人だという考えに熱くなれ。料理はある意味では最前線なのだ・・・。

たしかに料理は複雑系をコントロールする戦いなのかも・・・。自分ももっと気合いれていこう。

p47国際主義の理想が我らの祖国で実現したのは、料理の分野だけだった。

共産主義ジョーク・・・

p51 けっして誰もが白状するわけではないけれど、誰でも甘いものは大好きだ。とりわけ、大男とウォッカを飲む女は、この欠点を恥ずかしがる。

胸を張って甘いもの好きと宣言しよう

p53 (引用者注:シャルロートカという、甘くて脂っこくてとってもおいしそうな食べ物のつくりかたを紹介した後に)もちろん、シャルロートカを食べて痩せることはない。そのうえ、パンをたくさん食べるのは体に悪そうだ。しかし、人生とはそもそも有害なものなのだ——なにしろ、人生はいつでも死に通じているのだから。でも、シャルロートカを食べたら、この避けがたい前途ももうそんなに恐い気はしない。

これ、ほんと甘そうで美味しそうなので食べてみたい・・・つくるしかないかな。

p59 単純な人たちに言わせると、アメリカ国民の魂はベースボールに宿っているということになる。しかし、誰の目にも明らかだと思うのだが、合衆国の国民的スポーツはなんと言ってもバーベキューではないだろうか。天気のよい日曜日には無数の焼き網からの煙が、昔の開拓時代のように空に立ちこめる。アメリカ料理はステーキを崇拝しており、グリルはそのステーキの預言者だ。

たしかに連中のBBQ愛は熱狂的・・・。

p98 料理のできばえは準備に手間をかけるほどよくなる

はい。

p105 ロシア人とフランス人は、いったいどこが違うのか。答は簡単。フランス人はカエルを食べる。だからロシア人の方が明らかに優れているのだ。

これこんどフランス人話するとき使ってみたい。

p115 料理と人生、つい比較してしまう。どちらにおいても「人は生きるために食べているのであって、食べるために生きているのではない」という格言は正しい。しかし、本当のことを言うと、人は美味しく食べるために生きているのだ。 仮に、日常生活と冷めてしまったマカロニを比較してみよう。そのどちらにも意味を与えるのは刺激だと、すぐに思いいたるはず。予期せぬ恋、トマト・ソース、危険な冒険、唐辛子、宝くじ、ニンニク。

普通のひとは料理と人生を比較しないようにも思うけれど、いいこと言ってる。

p115 香辛料を好む民族は、生活も派手だ。カーネーションを売ってぼろ儲けはするし、ハイジャックはする、血で血を争う復讐には夢中になる。反対に、薄味の料理を好む民族は、無気力と絶滅の運命にある。ラトビア人やサーミ人がそうだ。

はい

p121 野菜スープは、レシピを厳密に守らなくてもよい。まるで自由詩のように自由だが、自由詩同様、趣味の良さと節度の感覚を必要とする。

いいこと言う。 たしかにレシピを厳密に記述することはできないので調理人の節度の感覚が必要だよなあ、とは思う。

ほか、料理とソ連、アメリカをネタにした評論はユーモアにあふれつつも情緒豊か、切り口鋭くて何度も読みたくなる。最後の章は涙がでてきそうになるほど。

繰り返すけれど、笑いと切なさを併せ持つ、稀有な料理本。つくるのは道具面食材面でハードルが高いのでこんど誰かロシア料理食べに行くかがんばってつくる会、やりましょう。

windows8 セットアップ記録

必要があってひさびさにWindowsマシンをセットアップした。いろいろ混乱したので記録を残しておきます。

未来の自分に向けてのメモという位置づけだけれど、あわよくば、自分のWindows環境をさらすことで、諸先輩方からイマドキなツールや設定を教えてもらえないかと期待もこっそりしています。

以前にWindowsマシンをセットアップしたのは、某社の隔離ネットワーク環境でファイルサーバに置かれたアプリをちまちま入れるとかしかなくてつらかったのでそれと比べると楽しい部分もあるけれど、不慣れなOSやツールでて時間がかかってしまった。

ちなみにPCはJoshinでめちゃめちゃ安かった展示品。展示品ということで値引き交渉しようとしたら店員のお姉さんが、展示品ですのでマケときますと言って税込50,000円ぽっきりで売ってくれた。あと付属品にドラクエXのライセンスもついててたいへん便利。 f:id:daaaaaai:20150417214931j:plain

まずは表示設定

  • エクスプローラ → 表示
    • 拡張子を表示にチェックを入れる
    • 隠しファイル・フォルダを表示にチェックを入れる
  • IME
    • スペースの入力を常に半角にする(shift + スペースで全角スペースも打てます)
    • しばらくデフォルトのMicrosoft IMEを使っているけれどいい感じ。IMEの癖に検閲するATOKはもういらないんじゃないかな

まとめてアプリをいれてくれるniniteでいろいろ入れる

Niniteというのはいろんなアプリをチェックボックスで選択してインストールできる便利サービス。若干怪しい気もしたけれど、そこそこ使われていてアドウェアいれられるとかはなさそう。

  • Chrome
    • 基本のwebブラウザ。複数Googleアカウントを切り替えられるようになって大変便利
  • Evernote
    • メモとして使っています。最近導入されたチャットはあんまりうまくつかえない
  • 7-zip
    • 安定して便利な圧縮・解凍ソフト
  • Skype
    • 個人的には全部Google Hangoutsでやりたいけれど、仕方ない
  • WinSCP
    • ちょっと使うのに便利なscp/sftp/ftpクライアント
    • GUIだけでなくスクリプトもかけて、サーバへの配布や処理を自動化できる(あまりやりたくはないけれど)
  • WinMerge
  • Dropbox
    • ファイル共有サービス使えない職場もあるけれど、ちょっとした設定ファイルを個人複数PCで共有するにはたいへん便利

コマンドラインからアプリをゲットするchocolatery

コマンドラインからいろいろアプリをインストールできる便利ソフト。かつ、レシピ的にできて便利らしい。niniteじゃなくてはじめからこっちを使えばよかった。 chocolatery

と、思いきや、けっこういれられないのがあったので手動でインストールしてしまった。次の機会があればいろいろ試したい。

手動インストールしたもの

  • sakuraエディタ
    • メモ帳が残念すぎるので・・・。かつて、インターネッツにつながらない閉鎖環境である程度の期間作業させられた時期があって、そこで唯一ファイルサーバにおいてあったテキストエディタなので多用させてもらいました
    • 使いこなせているわけではないけれどソートやマージ、矩形選択、マクロが便利
    • WinMergeWinSCPのデフォルトエディタに変更しておく
  • AutoHotKey
    • 使いこなすといろいろできて便利そうな、ショートカットとかキー操作連携をしてくれる便利ソフト
    • かっこつけて英字キーボードを使っているのだけれど(日本語キーボードよりもホームポジションがPC中心に近くて好き)、カナ変換を設定するのに使う
    • デフォルトだと、[alt]+[`]だけれど、[alt]+[space]に変更するスクリプトを書いた
    • スタートアップに登録するにはショートカットを下記ディレクトリに入れておく必要がある
    • C:\Users\${ユーザ名}\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
  • Caps2ctrl
    • CapsLockをCtrlキーに変換するソフト。AHKでCtrl変換はあまりメジャーじゃないっぽい
  • MinGW
    • msysをいれてWindowsでもgnuなコマンドを使えるようにする
  • cmder
    • ConEmuというのターミナルをいい感じに設定したパッケージ。詳細後述。
    • コマンドプロンプトつらいのでタブが使えたりいろいろ設定できて便利なこのアプリをいれておく
  • VirtualBox
    • 仮想サーバ
  • Vagrant
    • 仮想環境構築ツール
    • うっかり手で入れてしまった。これがあれば端末かわっても開発環境はそこそこすぐ用意できる
  • Office
    • 省略。バンドルじゃないと高く感じる・・・

cmderの設定

  • 全角文字を正しく表示するためにsettingのMonospaceのチェックを外す
  • デフォルトのlsでは日本語ファイルが表示されないのでインストールしたディレクトトリのcmder\config\alias に以下の設定をいれておく
    • ls=ls --color --show-control-chars $*
    • ほか設定があればここに書いておく
  • ユーザディレクトリの下に.sshディレクトリをつくって鍵を入れたりする
    • エクスプローラからは「.」ではじまるファイルやディレクトリを作れないのでターミナルからつくる必要がある

chrome拡張

  • iKnow
    • マウスオーバーで英単語を翻訳してくれる便利アプリ。これなしで英語記事読めない情弱です
  • autopagerize
    • 複数ページある記事を読んでいて下部にスクロールすると自動で次のページをページ末尾につなげてくれる拡張
    • これなしではインターネッツできないほど
    • webなんだから複数ページある記事なくしてほしい
    • Google検索で同じページで2回検索すると2回目の2ページ目以降がうまく表示されない不具合はある
  • atom
    • github社謹製のいい感じらしいエディタ
    • chocoでインストール失敗したので手動インストール
    • 試行錯誤中。とりあえず初期状態でもいい感じに使えそう

この頃覚えたショートカット

以下のショートカット覚えてそこそこ便利

  • [ウィンドウズキー] + [Q]で検索バーがでてアプリを高速に選べる
  • [ウィンドウズキー] + [E]でエクスプローラ開く
  • [ウィンドウズキー] + [X]でいろいろ管理系開ける

ほかにもいろいろありそうなのでチートシートつくって覚えていく予定

Windows8 つらいところ

  • PDFファイルをダブルクリックするとデフォルトのPDFビューアがフルスクリーンで開いてしまったり、Skypeひらくとフルスクリーンになったりして閉じるボタンやタスクバーが見えなくなって困惑
    • alt + タブで切り替えればいいんだけれど、思考が途切れる。マウスカーソルを下に持ってくるとタスクバーがポップしたり、上に持っていくとナビが出るだけでも助かるのに・・
  • 再起動時にアプリを落とす必要があるのけっこうつらい
    • Macだとアプリを開いたままでも再起動できて、アプリ開いた状態まで戻してくれてたいへん便利。テキストエディタやキーノートあたりで未保存のものもそのままの状態で開いてくれるの地味にすごい
  • エクスプローラが固まりやすい気がする
    • いいエクスプローラないですか
    • chromeっぽくタブがつかえるというcloverいい感じっぽそうですが中国製で開発者像が全然見えなくて怖いです(偏見)

参考

いろいろ参考にしたんだけれどここが特に参考になった。 Windows - 開発者がSurfacePro3を買ったらまずやること - Qiita

雑感

環境設定で1日つかってしまって徒労を感じた。やっぱりMac OS Xは環境設定わかりやすいし、ターミナルではじめからbash使えてたいへん便利だ。

ただ、Windowsは開発用途でなければそこそこ使いやすいとは思う。Windowsのユーザインタフェースが優れているというより、過去のWindowsに触れているからというデファクトスタンダードの力が大きいけれど。

Windows 8自体はおしゃれなタイルがかえってわかりにくい。ショートカット知っていないとまともに使えないんじゃないだろうか。それにもかかわらず、ショートカットを覚えていく道筋がわかりにくい。Windows8からPC触るという人はタイルを自然に使いこなせたりするのか気になる。

一方のMacはいいOSだと思うけれど、MacBookはここ数年で一気に無個性・均質化の象徴になっている気がする。 6年前にみんな大学貸与のFujitsuノートを使っている中、アルミボディのMacBookを使っていたsatzz先生はすごくかっこよく感じたけれど、今や勉強会やイベント、スタバでは猫も杓子も銀色のMacBookを開いている。規格化されたiPhoneが規格化されているからこそケースで個性を出しているように、PCも外装で個性を演出するのがは流行りそう。ベタベタシールを貼るのはあんまり好きではないです。

また、設定してから気づいたけれど、上記のようにたくさんアプリを入れたにもかかわらず、有料アプリはOfficeとここに書いていなくて消し去りたい某業務用残念パッケージだけ。デスクトップアプリケーションは高品質なフリーソフトありすぎてダンピング状態だと思う。流行りのフリーミアムで稼いでいるようにもあまり見えないしシェアウェアすらない。プログラマがお金を稼ぐのは難しい。

ところで、5年後、10年後のPCはどうなっているだろう。 ハードウェアは進歩して、軽くてバッテリーも長持ち、ディスプレーもきれいになってメモリも増強されているだろうとは思うけれど、OSやインタフェースはどうなっているのか。スマートフォンタブレットが高性能化して普及しているけれど、文章を書いたりスライド作ったり絵を書いたり、写真をレタッチしたりプログラミングしたり知的生産をしていくには現状ではパーソナルコンピュータにかなわないのでPCの地位をとってかわることはなさそう。

新しいPCをつくりだそうとしても、新しくPCを使い始めるスマフォ世代も考慮しつつ、PCを使い慣れているオールドユーザも相手にして、既存のデバイスやアプリを気にするとほとんど変えられなさそう。こういうスイッチングコストが高いものが普及しきってしまうと進化の袋小路に入り込んでいるかもしれない。脳と直結して文字入力できるブレーンマシンインタフェースでも実現できれば楽しそうだけれど、まだまだなさそう。自分が思いもよらぬイノベーションがでてくることを期待します。

とりあえずマイクロソフトと日本のPCメーカーはもっとがんばってください。

読んだ本 2015年3月

ここ数年では珍しく小説を3冊も読んだ月であった。やっぱりすぐれた小説にはパワーがある。かなり心にくるものがあった。でも大衆にはなかなか届かないんだよな。

ただ、なかなかまとまった時間をとって本を読めていない。これは電車通勤でなくなったことと、引っ越して作業机がなくなったことが大きい。これまでは食卓を兼ねていたものを使っていたのだ。また、自分で豆を挽いてコーヒーを淹れるようになってからはカフェでコーヒーに数百円もかけることがだるくなったし、近くにはまともな図書館がないしでなにか考えたい。今のところ会社の始業時間前と仕事終わった後に技術書をちょっとずつ読んでいるけれど、ほんとにちょっとずつでしかない。

とりあえず、いつもどおり読んだ本を棚卸ししておく。

バイバイ、エンジェル

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

笠井潔のデビュー作。思想的な推理小説とでもいうのだろうか。70年代のパリを舞台にしており、大学生の日常の空気感が伝わるような気もする作品。フランスを舞台にすることであらゆるものが幻想的かつ現実的になっている。

探偵役、矢吹駆は現象学的アプローチで事件の把握(≠解決)を試みるという異色さ。これは、事実の積み重ねからではいくつもの恣意的な解釈が生まれうるため真実を取り出すことはできないとし、「直観」を用いるものだという。

ただ、一見オチが唐突だったし、最後の対話はもと学生運動のイデオローグで転向した作者の代弁かと思うところもあるけれど、内容的には大好物でなかなかよい。 キャラクタもいい味をだしていて例えばワトスン役で20際の学生ナディア・モガールの語りなのだけれど、その感性・主体性・プライドの描き方がほんと好ましい。これ書いたのほんとに男か、という気もするし女性が読むとどう感じるかは気になる。

わたしは少し得意な気持になりひとりでほくそえんだ。青年たちが自分を巡って競争心や嫉妬心を燃やすことほど、若い娘を面白がらせ自尊心を満足させることはない。 (バイバイ、エンジェル p174)

何冊もシリーズ出ているので読みたいけれどエネルギー使うんだよな。。

虚無への供物

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

Wikipediaによると、小栗虫太郎黒死館殺人事件」、夢野久作ドグラ・マグラ」とともに、日本探偵小説史上の三大奇書とされているらしい。 じつは、学生時代、ドグラ・マグラがおもしろかったので続けて買ってみたけれど十数ページ読んで放置していたのを薦められたのを機に再読。

・・・なんで放置していたのか理解に苦しむほどおもしろく、いっきに666ページ読んでしまった。これはほんとすごい作品で、キャラクタと構成とメッセージ性でこれをこえるミステリーがありえるのかと不安になるほど。

1955年当時の文化に彩られつつも多数のメタメッセージが編み込まれ、現実と非現実が重ね合わさっているかのような展開。最後の二重の告発の重さがたまらない。はじめは1962年の発表だけれど、ノベルゲーム的なライトさも持ち合わせている。そしてFate / hollow ataraxiaで感じたアンチノベルゲームのメッセージに似た衝撃もある。探偵物のひとつの極致といってもよいと思う。 結末もたいへん優れているのだけれど、読み進めている途中で感じる、ドグラ・マグラとは別の方向で現実と非現実の間を行き来するような、不安感はたいへん貴重だった。

スローターハウス5

カート・ヴォネガット・ジュニアの傑作。もともとの日本語タイトルは屠殺場5号という名前だったけれど、屠殺は差別用語という誰が言い出したかもわからないセルフ抑圧がかかって改題した模様。あと、ATOKで屠殺が変換できないのほんと異常。IME差別用語を辞書登録しないのは、IMEとしての価値を毀損しすぎだと思う。誤用のサジェストみたく、差別用語を変換した際に指摘してくれるのが落としどころでは。

変換辞書をめぐるFAQ -ATOK

と、脇道にそれたけれど本書が傑作であることはかわらない。 第二次世界大戦時の連合国による虐殺、ドレスデン空襲を軸に、戦争の悲惨さを生死の無情さを滑稽にシニカルに描いている。凄惨な部分もありつつも笑える。そしてそれによって人の命の軽さが際立つ。

時間を行ったり来たり、現実にとっぴなSF世界を混合させるやり方は絵本的でもある。 同著者の長編ではタイタンの妖女(これもタイトルの翻訳微妙)が似た雰囲気もありつつもスケール大きくて好きだけれど、それと比べると人の脆弱さが浮かび上がるような文体と物語で味わい深い

流通大変動

よくある読みもの新書。百貨店の盛衰とかシアーズのイノベーションとウォルマートなど、けっこう知っている話が多くてあまり参考にはならなかったけれど、小売業の変遷とか流行のトピックを簡単に知るのにはいいかも。流通業といっても小売店にフォーカスをおきすぎていて、もっと中の、卸や物流、倉庫あたりの話が知りたいところ。

都市圏の流通の変遷だと、この資料がめちゃめちゃおもしろかった。

(PDF)商業ポテンシャルから見た東京の都心と郊外の変化

交通と商流の変化、都心と郊外の盛衰、都市のダイナミズムめっちゃおもしろい

2015/02/23 13:28

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

ちょっとまえに流行った本。 統計学は授業でやったけれど、ほんと手法の使い方に終始してしまっていてあまりちゃんと勉強していない。統計学の考え方と強力さがさらっと読めてよい啓蒙書な気がする。統計リテラシー、大事です。ただ、やっぱり統計学は大人の学問なので、現場のデータがあってからはじまるものなんだと思うので目の前のデータにどう使えるか、どういった情報があれば意志決定できるのか考えていきたい・・・

絵でわかるロボットのしくみ

絵でわかるロボットのしくみ (KS絵でわかるシリーズ)

絵でわかるロボットのしくみ (KS絵でわかるシリーズ)

写真ばかりのキャッチーなロボット本ではなく行列計算だらけのガチロボット本でもなく、そのあいだ。実例の紹介も豊富にありつつ、行列計算のこともきちんと触れている。やっぱりロボット、いいよなー。大学の実験でいろいろやったのに全然活かせていない。どんどんでてくるロボット情報を消費しているだけになっている。と、悲観はさておき、このシリーズなかなかおもしろそうなので図書館とかでめくってみたい。

イベント

増井さんのUI話

未踏のときにPMやってもらった増井さんの出版記念講演会(すごい先生なんだけれど、先生と呼ばれたくないそうなのでさん付け)に行ってきた。 泥酔指数とか、コロンブス指数など興味深い指標や、UIをつくるときの機微についてお酒を飲みながら聞くことができてよかった。宿題として各自いい感じの検索システムつくろうということになったので今年度の課題。

そういえば、増井さんの記事だと、このブックマークがおもしろかったので紹介しておく。

「みんなジョブズに騙されている」増井俊之教授が進歩の止まったコンピュータのUIを問い直す【TechLIONレポ】 - エンジニアtype

さやか「あのさあ、ジョブズがそんな嘘ついて、一体何の得があるわけ?私達に妙な事吹き込んで仲間割れでもさせたいの?まさかあんたホントはあのナデラとか言う奴とグルなんじゃないでしょうね?」

2014/10/02 10:59
b.hatena.ne.jp

雑感

最近はふたたびインターネッツ依存気味。空き時間があるとついニュースアプリをひらいたりSNSをひらいてソーシャルゴシップやらネタ記事やつぶやきを見てしまって時間を浪費している。 もっと本を読んで、先のことや今のことを考えて、人と話して美味しい物を作ったり体を動かしたい、とは思うのだけれど目の前の刺激に翻弄されている。その背徳感も含めて娯楽なんだろうけれど。