ぜぜ日記

ブログです

福井のあわら温泉がなかなかよかった

福井県の北部にあるあわら温泉(芦原と書く)は1880年代に発見された新しめの温泉街です。不思議なよさのある泉質で入っているとなんともないんだけれど、そう熱くないのに体が温まる感じと肌の調子がよくなった気がします。ほかと泉質を比べられるほど温泉…

西野壮平写真展 Walk With Me を見物してきた@金津創作の森

3行まとめ よかった。2023/3/5(日)までなのでお近くの方は見に行きましょう。 ミクロとマクロな視点が交差してかなりおもしろい体験だった。現物をみないとわからないのでみんな行きましょう。 アクセスが悪いので公共交通機関の方は「あわらぐるっとバス」…

2023年京都の卒展まとめ

京都・滋賀のいわゆる美術系の大学の卒業|修了の制作|作品|研究の発表|展示会のまとめです。 意外と検索性が悪かったのでまとめてみました。 滋賀唯一の成安造形大学も場所は京都市京セラ美術館なのでタイトルは京都とまとめてしまっています。 嵯峨美術大学…

「ラオスにいったい何があるというんですか? 」(村上春樹)・・・旅に出たくなる旅行記

いちどルアンプラバンを訪れたこともあってラオス大好きなので読んでみた。期待とちがってラオスはほんの一章だったもののなかなかおもしろい (ちなみに村上春樹の小説は10ページくらいしか読んだことはありませんが、オウム関連のノンフィクションはよかっ…

「ドキュメント 日本の米づくり」(1987, 村野雅義)で米農家の悲哀を読む

たまたまみかけて*1買って読んでみた村野雅義の「ドキュメント米づくり」(1987)がびっくりするほどおもしろかった。 ドキュメント 日本の米づくり (ちくま文庫)作者:村野 雅義筑摩書房Amazon 1986年に福島県浪江町(!)の山側の標高600mほどのところにある…

名著「大日本帝国の興亡(1)暁のZ作戦」で日本が戦争を始めてしまった背景を知る

ノンフィクション作家のジョン・トーランドが1970年に世に出した1936年から太平洋戦争終結までを描いたノンフィクション*1。原題は The Rising Sun: The Decline and Fall of the Japanese Empire 。これは、ギボンのローマ帝国衰亡史 The History of the De…

2022年のふりかえり。人間とインターネット

本日12/30(金)になんとか仕事がおさまった。あまり落ち着く暇がなかったけれど、なんとか子連れ帰省の荷造りをして、これを書いている。 振り返るといろんなことがあった1年だった。 2月のロシアによる侵攻からはじまったウクライナでの戦争はまだまだ続いて…

「トウガラシの世界史」で読む作物と文化の共進化

トウガラシの世界史 - 辛くて熱い「食卓革命」 (中公新書)作者:山本 紀夫中央公論新社Amazon トウガラシという作物の来歴と、これがどう広がって各地の文化に影響しているかをトウガラシ大好きな研究者が書いた本。著者の山本紀夫さんは、1943年生まれで京都…

キンキーブーツ感想。ターンアラウンドなミュージカル

11月半ばにブロードウェイ発のすごいらしいミュージカルを妻と観劇してきました。妻とその観劇友達たちで確保していたチケットが浮いたのがきっかけです。 あらすじとしては、イギリスの靴工場の社長の息子チャーリーが、現社長である父の急死によって経営を…

2022年11月の家庭内コロナ感染の記録

4行まとめ 2歳児が感染して3日後に自分、そのさらに3日後に妻が感染して合計2週間ほど自宅隔離していた 子は2日で元気になって、自分(ワクチン4回接種済)は2日体調悪くてそのあと数日本調子ではない感じ、妻は1週間ほど疲れやすい感じだった 乳幼児のワク…

「食と建築土木」でみるDIY精神

食と建築土木 ((LIXIL出版))作者:後藤 治,二村 悟LIXIL出版Amazon 書店でタイトルに惹かれてぱらっとめくって、すぐにこれは傑作だとわかって買った本。 農村漁村にある人の手による工作物をいろいろ紹介しているたたいへんいい本でした。 干しダイコンをつ…

ATEM Mini で動画配信してハマったところいくつか

ちょっとした講演を Zoom で配信したり収録するのに運営に取り組んでいてビデオスイッチャー(ビデオミキサー?)として ATEM Mini をつかっている。いろいろ試行錯誤して、ようやく使えるようになってきたのでハマったところいくつかをメモ まずこれに目を通…

『マーガレット・ハウエルの「家」』を読んだ

周囲?で流行っていた流れで手に取りました。 tymikii.hatenablog.com マーガレット・ハウエル、自分は知らなかったのですが有名なブランドで、シンプルな服をつくっています。その創業デザイナーの住まいについての本です。 www.margarethowell.jp (シャツ…

ある論争

「わたし」はとある小さな会社で働く特筆することのない人間だ。ある友人が、いわゆるボーイズラブものの漫画を読んでいて、素朴に、あの職場のかっこいい人もこんなふうに素敵な人と出会って恋に落ちるかもね、と言った。 漫画上のものをきっかけとした他愛…

最近の悩み 2歳児の睡眠

たまたま見かけたユーフォニアム電車 賛否があるとは思うけれど、うちでは0歳2ヵ月ごろから部屋に一人で寝かせている。 こうすることで、お互いの存在で睡眠を妨げられないようになっていてとてもよい。 6か月になるまではSIDSとかも心配していたし、ときど…

ミス・サイゴン感想 戦争による別離の悲劇を描くトリッキーな名作

ミュージカル「ミス・サイゴン」を観てきた。 妻が観劇仲間と行く予定だったのが彼女らの都合が悪くなったことでお鉢が回ってきたのがきっかけ。 日本では1992年に帝国劇場でやったそうで、妻は、幼少期にテレビで紹介されているのを観てから気になっていた…

ゴールデンカムイ展に行ってきた

今年、大団円的に完結したマンガ、ゴールデンカムイの展が京都文化博物館で開催されていたのを見物してきた。 goldenkamuy-ex.com この和風闇鍋ウエスタンと表現されて、ファンも多かった傑作冒険活劇は、最終章前と最終回直前に、それぞれヤンジャン公式ア…

伊藤俊一「荘園」で学ぶ農地の成り立ち

このところ、なんとなく農地というものに興味があってその流れで手に取った。 荘園なんて歴史の教科書で地味にでてきた用語、と思うかもしれないけれど、じつは新書大賞2022で3位と注目されているし、日本の歴史を考えるうえでも土地は重要。 荘園 墾田永年…

技術オタクのビル・ゲイツの「地球の未来のため僕が決断したこと」はポジティブな気候変動対策本

「地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる」(2021, ビル・ゲイツ)を読みました。 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる作者:ビル ゲイツ早川書房Amazon みなさま知っての通り、ビル・ゲイツは Microsoft の創業者で世界的お金…

農作物の価格について、あるいはペティ=クラークの法則の行き詰まり

今月、尊敬するお二人が続けて新刊を出すことを知った。 1つは農業研究者の篠原信先生による「そのとき、日本は何人養える-食料安全保障から考える社会のしくみ」 そのとき、日本は何人養える?: 食料安全保障から考える社会のしくみ作者:篠原信家の光協会Ama…

キッズとカエル

子を連れて川に遊びに行った際、6歳前後のキッズ5-6人がカエルがいた!と騒いで石を投げつけていたので見かねて割って入っていろいろしゃべったんだけれどなかなかおもしろかった。 自分がつかまえて手にのせてみせて「なんでいじめるの」と聞いてみると、気…

安倍元総理暗殺事件、翌日の雑感

安倍元総理大臣が暗殺されるという衝撃的な事件が派生してしまいました。お悔やみ申し上げます。 さまざまなニュースを眺めていろいろ思うところがあったので雑感を書いてみます。本文章は事件翌日で参院選投開票の前日深夜に書いています。 情報源は、Web記…

政治・選挙について雑感

参院選が近づいてきた。 民主主義を憲法にも掲げている国なので政治のことを自由に語れるといいんだろうけれど、政治と野球と宗教の話は人にするべきではない、という人間関係の経験則もあるくらい政治の話は難しい。 難しい理由は大きくは2つあるように思う…

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」はド直球ド迫力の宇宙SFだった

※ 前半に未読者向けに紹介文を書いて、後半に読み終えた方向けにネタバレ感想を書いています。 プロジェクト・ヘイル・メアリー 上作者:アンディ ウィアー早川書房Amazon 未読者向け紹介 (お知らせ)2022/7/13までKindleで半額セールをしているので買いまし…

育児の便利グッズとあまり活躍しなかったグッズ(出生~2歳)

このところ周囲で出産や妊娠報告が続いている。めでたい。出産祝いになにがいいだろうと、1人の子どもをわずか1年10ヵ月育てた狭い経験を振り返ってみて、使ってよかったものや期待通りに使えなかったものを思い出しながら書いてみる。とりあえず、買ってよ…

「ヤバい選挙」で学ぶ制度設計の難しさ

日本のさまざまな選挙トラブルが紹介されていて楽しく笑顔で読める本でした。 ひとつの選挙に200人以上も出た村長選、架空転入、議員が書類送検/辞職し議員0になった自治体、選挙で稼いでいた泡沫候補者の話などなど。 ヤバい選挙(新潮新書)作者:宮澤暁新…

空前絶後の傑作SF「三体」3部作を読んだ。

劉慈欣先生ありがとうございます。太谢谢你了。翻訳者のみなさまありがとうございます。 三体を生んだ文化、読める文化、これまでの人生すべてに感謝。 ※ 本記事では、前半にはネタバレはありません。後半、空白で区切ってネタバレ感想を書いているのでご注…

「エネルギーをめぐる旅」、人類の未来を左右するエネルギー問題を考える

古舘恒介さんの「エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来」を読みました。 SDGsが定められる以前から石油の残存量は人類の未来を大きく制約するものとして立ちはだかっており、原子力発電や再生可能エネルギーなどさまざまな取り組みがなされてきま…

子育て1歳5か月-7か月か月

机の上まで手を伸ばしてカチャカチャします。 できることがどんどん増えている。 歩き方もすこししっかりしてきて、写真を見て誰か教えてくれるようになった(だれだれちゃんは?と聞くとバシっと指さしてくれる)。バナナの皮をむけるようになったりご飯を…

幼児連れ旅行について雑感

うちには1歳6か月の子どもがひとりいます。コロナ禍が再び盛り上がってきているところだけれど、流行の収まっていた時期にはちょっと遠出をしたりできている。 振り返ってみると、旅行しやすい時期としにくい時期があって苦労したり思ったより楽にできたな、…