ぜぜ日記

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入学する親類にアドバイスを送るなら

生活環境・リズムが変わってしまったことと、昨日から入社で会社人になったことのためか自分のことで手一杯だった。けど昨日はエイプリルフールだし、学校に入学したり進級したりした日だということにふと気付いた。

陳腐な言葉だけど、おめでとう。

ぼくも従弟が高校に入学したり、従妹が大学に入学して親元を離れたり、弟が大学院に進学したり、各学校で進級したりしている。
彼ら彼女らや、過去の自分を念頭に置いて、いまの自分が、一般的なそれらの入学者にどんなアドバイスができるか、ちょっと考えてみたい。

彼ら彼女らのため、というのも大きいけれど、アドバイスをすることで、その人のこともよくわかると思う。つまり自分のことがわかる。自分で自分のことを直接に叙述することは難しいし気持ち悪いが、他人へのアドバイスという媒介によってきっと自分のこともすこしわかる気がする。これを他者の目に晒すということは自分の内面を知られるということで恐ろしいけれど、まあご笑覧ください。あと年長者が年少者に、一方的にアドバイスを送る、という構造は父権主義的でちょっと気持ち悪いけれど、強制力0な愚痴といってもいいくらいなのでネタとしてとっていただければ幸いだ。

かなり主観的で狭い視野に立っているので突っ込みやコメントなど大歓迎。あー、恥ずかしい。

高校生になる人へ

(普通科の、そんなにトップレベルではない地方の進学校を想定)
義務教育である中学校を卒業し、自分の意志で選んだ高校に進学、おめでとう。
これまでの地元の中学校と違い、いろんなところから学生が集まっていると思う。
いままでとまったく違うコミュニティになってしまった分、目新しいと思うけれど、地方の一高校にすぎないことを忘れないでほしい。君とそこそこ同じような志向(一定の家庭収入・学力)をもった人間が集まっているバイアスもかかっている。君のいた公立の中学校のほうが、じつは多様性はあるだろう。それを忘れてはいけない。

さらに言えば、まだまだ外にはたくさんの県や、国がある。同世代のなかには16歳で会社をつくって仕事をしていたり、プログラミングや音楽などの分野で活躍している人もいる。いっぽうで10歳にみたないころから働いており、満足に読み書きもできない人や、明日の命の保障さえない人もいる。

高校では、きっと1年半もたたないうちに大半の人間が大学進学を考えることになるだろう。意味がないことではないけれど、それだけが選択肢ではない。勉強を続けながらも、外に意識を向かわせてほしい。きっと他の人間を理解できる感性のある人間になれると思う。そうなってほしい理由はそうでない人間になって欲しくない、というぼくの個人的動機だけれど。

勉強も、ただ良い大学に合格する、というだけでなく、広く勉強することをおすすめする。大学に入って、より社会に関わるようになったとききっと役立つはず。ただ良い(と世間で言われている)大学に入ることはわりと意味がある。良い先生や頭の良い仲間が多く、教育機会も多い。自己顕示欲も満たせる。やりたい分野、学部を定めたらできる限り良い大学を目指してよいと思う。

将来、どの道に進むか決めるのは難しいけれど、軽い見栄で決めるのは避けた方がいい。迷ったら東大など教養学部があるところがよいけれど、そう簡単にいけないのが欠点。

友だちと遊んだり、部活したり本を読んだり、ものを書いてみたり、いろんな人に会いにいったり、高校と言う制限のなかでもいろいろなことができる。納得できるようにするのは難しいけれど楽しんだらいいんじゃないかな。とても濃い3年間になることを祈っている。

この3年間で読む本は人生に大きく影響を与えうるので、慎重に大胆にたくさん読んでほしい。

たくさん本はあるけど自分が読んだのはその中でもごくわずかだし、君がどこまで読めるかわからないからあまりこれを、とはすすめられないけれど、家や図書館にある本の中で気になるものを選べばいいと思う。

http://www.k2.dion.ne.jp/~sa-shibu/koukou/index.html
こんなサイトがあるようだ。

大学生になる人へ

希望の大学への入学おめでとう。高校ではよく勉強していた結果だと思う。
これからの(約)4年間はいかようにも使うことができるとても貴重な4年間だ。奨学金と仕送りとバイトでお金の心配をせずに時間をいかようにも使うことができる。

簡単なことしか書かないけれど、良いサークルか部活に入りながらも、バイトやいろんなイベントに参加して、いくつものコミュニティに関わることは良いと思う。ぼくは学部の頃はひとつの部活にずっと閉じこもっていて、それは楽しいのだけど、ほかの大学生がとてもおもしろくて意義深そうなことをしているのを卒業間際にようやく気付けた。視野が広がると、選択肢が増えると思う。選択肢が増えると、迷う余地も増えるけれど、考える機会が増える。将来、研究するにしても働くにしてもこの激変する社会で生き残っていくには固定観念からはなれることが必要で、そのためにはいろんなものが必要だけど、考える力は必須だと思う。

視野を広げるために2つの旅行記をおすすめしたい。

「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 」は投資家として有名なジム・ロジャーズが車で世界をまわった記録。投資家と言っても相場やデイトレではなく、まだだれも投資していないところに長期の投資をすることでその分野が成長し利益をあげるスタイル。世界中のいろんな国をまわって、その現地で見たこと感じたことをその鋭い視点で描いている。そこからはこれからの世界がどうなるのか見て取れるし、その手段も学べる。特に旧共産圏やアフリカ、日本の章は必見。読みやすい。

「何でも見てやろう」
ジム・ロジャーズが富豪旅行ならこちらは貧乏旅行。1960年、海外旅行が一般的でない時代に、とんでもない貧乏旅行で世界を回ってきた記録。その時の世界の様子がわかるとともに、筆者の勇気、感性豊かな視点がすばらしい。


自分で選んだ学部が、これで良かったのか迷うときがくるかもしれない。過去の選択は重要だけど、乗り越えることもできる。信じることは協力だけど視野狭窄ももたらすので注意。

改めて大学合格おめでとう。

参考記事
集合地という意味でよいのかな
もうすぐ大学生になる人が読んでおきたい大学関連スレ51個まとめ*二十歳街道まっしぐら(FC2ブログ時代)

知人のブログにいい記事が会ったのだけど、closedになってるので書けず。。

大学院生になる君へ

アカデミックの道への一歩、おめでとう。モラトリアムと揶揄されるかもしれないけれど、長い人生のなかで焦らず力をためることのできる時期。アカデミックの道に進むにしても、会社勤めをするにしても良い2年間を過ごすことを期待しています。

研究、がんばってください。英語の論文たくさん読みましょう。先生とディスカッションしましょう。ドクターに進まないなら就職活動もちゃんとやってください。ドクターに進むかどうかはともかく夏のインターンはぜひいきましょう。希望の業界でなくとも得られるものは多いです。

実験系は拘束時間が長くてしんどいと思いますが、効率よく、成果を残せるよう考えてください。時間や努力があまり報われないかもしれません。

できれば他分野の研究者や学生、研究室外のコミュニティと関わると、研究面も大学院生活も豊かになると思います。この時代、一つの分野でできる研究は相当難しく狭いものばかりです。

院については思うことも多いですが、また話しましょう。

参考記事
卒業論文、修士論文関連のエントリー - 発声練習 量が多いけど気になるものをぜひチェック!
圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketing
たとえ死んだとしても生命科学の研究者を志してはいけない
放置系ブラック研究室で楽しく生きるにあたって - 糞糞糞ネット弁慶

ほかにも君の分野の研究者のブログをざーっと見ると面白いかも。
材料系だと少ないかもしれないけれど。。

以上。

かなり偏ってるな。。コメントや突っ込み大歓迎です。特に、おすすめ記事や本の紹介受付中。
なんで弟を念頭に置いた、大学院の部分だけ敬語なんだろ。。

daaaaaai