10日ぶりくらい。しかしゆるふわなのばかり読んでいる気がするな・・・。
技術書も読んでいるのだけど、咀嚼するのに時間がかかるしなかなかまとめられない。
例によって、ほとんどの本はほしい人がいたらあげます。気軽に連絡ください。
恋愛の格差 村上龍
どこかのヤングな婦人誌かなにかに村上龍が連載していたエッセイ。エッセイ集なのでやや散漫としているけれど、現代において恋愛は過去数十年とどう変わってきたか、ということについて幻想をぶち殺してくれる。構造改革、格差あたりの話題を追っていると知っていることも多いかもしれないけれど、いろいろおもしろいアイデアがつまっている。
特に「普通ということとは」「集団に名前をつけることによる思考停止」「『頑張れ』の誤謬」「自立の意味」など自分が無自覚に使っている言葉の問題を考えることができた。この現代社会で、恋愛はどうなっていくのだろう。少なくとも、過去数十年のステレオタイプに縛られていると幸せになれない気がする。答えはないけど、危機感はもてた。むむむー。
いちご同盟 三田誠広
教科書にも載っていた話。ありがちであざとい展開だけど、人物の心理描写を丹念にやっていて、薄い割に深い。
思索的で悩みがちな中学生が、明るいけれど思慮のある野球部のスターと入院している少女と出会う。テーマは、中学生の思考、愛、自立。だろうか。この年で読むのと中学生のころ読むのでは印象違うだろうな、中学生にはもしかすると劇薬かもな、と思っていながらGW中、実家においておいたら、中3の妹が1日で読み終わっていた。
「ねえ、あたしと心中しない?」
阪急電車 有川浩
これもあざとい。ずるい。青春。阪急今津線の良さがわかる。
阪急電車、今津線の沿線を舞台にした群像劇。みんながお互いに影響し合いながら、立ち直ったり、一歩を踏み出したりしていく。人肌恋しくなる罪作りな作品です。ぼくも今津線に乗りに行こうかしら。
映画はカップルで見に行くべきらしい。微妙にセックスな描写が多い。関西でない人が読むとどういう印象をうけるんだろう・・。
小さなチーム、大きな仕事 ジェイソン・フリード&デイヴィット・ハイネマイヤー・ハンソン
RoRなどすばらしいサービスをたくさん開発した会社のメモ。この時代、少人数でも大きなことができうると気づかせてくれる。軽く読める、大きな会社じゃ出来ないこともあるんだな。常識を打ち破り、意外と簡単にできてしまう、と思えるかも一冊。やや抽象的な話が多いので、物足りない人もいるかも。
まとめると、シンプルに、リスクはとるな、自分に必要なものを、顧客に惑わされるな。やめるものを決めろ。
現代の金融入門 池尾和人
うーん、金融政策あたりの理論はあまり理解できなかった。ただメインバンク制などの企業統治に関わる話は新鮮でわかりやすかった。それと政府の失敗と適切な金融規制の話しは難解ではあったがおもしろい。金融はむずかしいけれど、身近な複雑系としてはとてもおもしろい。資産運用のこともあるのかもだけど。。円が死ぬということと、国債が暴落したらどうなるのかなど考えてみたい。なんでこんな円高なんだ?
臆病者のための株入門 橘玲
ファイナンシャルリテラシーを手っ取り早く身につけるための良著。市場の仕組みとファイナンス理論のエッセンスの紹介、かな。変な金融商品がたくさんあるけど、リテラシーの低い人がいるから続く。かれらは失敗したときには恥ずかしくて公表しないから成功者しか見えず、バイアスがかかるような気がする。
印象的な一文は「リテラシーがないとは、知識がなくて、知識がないことに無自覚な人たち。」
銃夢 LastOrder 木城ゆきと
漫画。変態転載空手家、羅姦さまの話。銃夢にでてくる変態どもはみんな苦いストーリーが背景にあって切ない。ウルジャンからイブニングに移って一時はどうなることかと思ったけれど、絶好調すぎる。とりあえずハイテンション熱血SF漫画の金字塔です。
ワンピース最強考察 ワンピ漫研団
いまだにワンピースだけはたまに読んでいる。なかなか盛り上がっています。この本は、寮においてあったことからふと読んでみた。よく考察されていて、おもしろい。けっこうあたってることも多い気がする。これだけ長くて、後戻りできない連載漫画でこれだけ伏線を張れた尾田先生はほんとすごいと思う。毎週盛り上がりをつくる力も膨大な情報を構成する力もただものじゃない。
以上。