ぜぜ日記

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西野壮平写真展 Walk With Me を見物してきた@金津創作の森

3行まとめ

  • よかった。2023/3/5(日)までなのでお近くの方は見に行きましょう。
  • ミクロとマクロな視点が交差してかなりおもしろい体験だった。現物をみないとわからないのでみんな行きましょう。
  • アクセスが悪いので公共交通機関の方は「あわらぐるっとバス」の時間を調べるのがおすすめ(3月末終了ですが・・・)。ついでにあわら温泉に泊ると豊かに過ごせそう。

アートドキュメント2022 西野壮平 写真展 Walk With Me :: 企画会 & イベント :: 金津創作の森美術館 | 福井県あわら市 〜人と自然、アートが交差する。〜

経緯

アートに疎く、これまで知らない方だったのですがたまたま instagram で、写真家の公文健太郎さん*1が訪れたとストーリーにあげていて興味をもったのがきっかけ(公文健太郎さんは「耕す人」を再販してほしい!)。

妻と自分の休みがあったので福井の実家への帰省がてら妻と2歳児と一緒に見物してきました。

感想

主要な作品であるジオラママップはたくさん撮られた写真を組み合わせておおきな地図をつくるというもの。作品に向かい合うとまず全体で地図としてみたあとに、細かい1枚1枚の写真で人々の笑顔や街の様子をみることができておもしろい。 特に、最初の別府を舞台にした作品は展示方法もよくて時間をかけてみてしまった。

ただ、自分もよく知っている京都を舞台にした作品だと、どこをどう選んでなにを選ばなかったかが見えてしまう。この一喜一憂的な鑑賞ができるのもおもしろいけれどなかなか難しいし、ここを選ばないのか、わかっていないな、ともなりかねない。いっぽう、知らない街(アムステルダムイスタンブール)は街の象徴的にみることができて街をわかったつもりになってしまえる。

2つの流氷の街を描いた A Jouney of Drifting ice もよかったし、 イタリアの IL PO もいいんだけれど、とくにカラー写真の溌剌とした感じのある、Mountain Line Mt. Everest は印象的だった。大和絵?的なというか洛中洛外図的なおもしろさがあってよい。

やはり Mountain Line Mt. Fuji は富士山を描いたものとして迫力と荘厳さがあってよかった。よくもわるくも宗教画的。これかなりすごいので機会があったら現物をみてほしい。

Mountain Line Mt. Fuji  Nishino Sohei
Mountain Line Mt. Fuji

今回の展示を念頭につくられたという北陸道もいい。でもこの越前和紙につくられた巨大掛け軸は展示むずかしいよな~、と思った。スタッフさんがiPadをみせてくれて助かりました。

ジオラママップのように街を面を描いたり、東海道北陸道のように道としてとらえたり、富士山のように中心点があったりと対象のとらえ方によって作品も大きく変わる。中心点があると(自分のように教養がなくても)受け取りやすくて楽しいし、道は展示方法や鑑賞方法も難しさがある。ある程度の大きさのあるものをミクロでもみえるようにしつつ、マクロでもみえるように展示するのは難しそうだ。

ローカル性をもった作品はその地域からも喜ばれるだろうしおもしろいし可能性がたくさんありそう。滋賀県民としては、琵琶湖を中心としつつ、その周縁の暮らし向きを描いた作品をみたい。

ただ、西野壮平さんの作品では写真はツールでしかない(一般的な写真として Water Line という一連の作品もよかったけれど)ので、これ写真展として紹介されるのは参加者の期待とはずれてしまうかもしれない。写真とは何か、という定義論争ではなく期待と違ってしまうことで先入観を与えてしまうので単に作品・作品展であって、写真家ではなく作家・アーティストと呼んだほうがやさしいかもしれない(余計なお世話ですね)。

ワークショップ 「北陸道を再構築する」 本展において制作した最新作”北陸道”で使用されたピースを使って参加者が独自の観点で写真をコラージュします。参加者には西野が旅の中で撮影してきた大量の写真をハサミやカッターなどを使い身体的に追体験するという試みになります。

こういうワークショップもたのしそう。自分もいろいろ撮ったものでつくってみようかな。ただ、そう考えて撮った写真を眺めると、西野さんの写真一つ一つのよさや、その組み合わせの難しさもわかる・・・。

作家さんのコメントも試行錯誤について率直に書かれていてよかった(ポエム的ではないというかなんというか・・・)。制作動画も流されていて、最後のガッツポーズがいい。

図録も買いました。ひとつ謎だったのは販売されていたポスターの裏面の文字。どこかで解説されているのかな。

あとあと、観覧料も600円でほかの高価な展示と比べると安価に感じる。

金津創作の森について

森というだけあってちょっと起伏のある木々のあいだにある美術館。野外作品もいくつか展示されていたり離れたところにガラス工房や陶芸、作家さんのアトリエもあっておもしろい場所。

子もはしゃいで作品をみたり走っていました。

ただ、アクセスはちょっとわるくて、芦原温泉駅からタクシーで1,800円ほど(タクシーの領収書があると観覧料600円が半額になるの気付かなず悲しかった)。

1日往復あわせて5便のあわらぐるっとバス(2023年3月に終了)にあわせて電車にのるのがよいと思う。

美術館にあるレストランのアンビション、子に食べさせながら食べたので味はあまりわからなかったけれど器がいい。と思ったら Tiffany だった。コーヒーはよかった。 (現金しか使えないので注意)

近くにある「カフェことのは」はコーヒーもチーズケーキもおいしくて日当たりがいい中でくつろげました。結局、この創作の森には11時くらいについて、15:36までゆっくりすごしてしまった。

あわら温泉にも泊ってたいへんよい体験をしたのでこれは別途書いてみるつもり。