ぜぜ日記

ブログです

1月・2月に読んだ本

しばらくやっていなかったけれど、ひさびさに読んだ本を整理してみようと思う。
感想文とか書評とかいうレベルではなく、どんな本を読んだかだけ並べてみる。

まずやれるところからやってみるのだ・・・

ノンフィクション

気違い部落周遊記 きだみのる

なかなかひどいタイトルだけれど、かなり読ませる。戦中から戦後にかけて、東京の西、13戸しかない小さな山村の無人寺に住みながら村人と交流したことの記録と案内。村の英雄や勇士の考えや行動は、一見すると前時代的に見えてしまうけれど、その実は現代人と同じなことも多くはっとさせられる。


以下に2つ台詞を引用する。
お寺の住職が満州で戦死してのち、村では蓄音機を置いている。
英雄シンサン曰く「お経の有難いのは文句でさあ。ねえ、そうでしょう。人間の坊様じゃ生臭さもいるし、蓄音機ならばちょぼいち(賭博)もやらねえし、女っ買えにおっ走ることもねえでさあ。それにお経を間違う心配もなし、お布施次第で端折ったり、脱かしたりすることもねえし、仏様も成仏疑いなしだね。」


ヨシ英雄曰く「先生よ。良心って自分の中の他人だな。」




などなど。結びの章で、民俗学、人類学の視点は欠けていると書いてはいるけれど、宮本常一の「忘れられた日本人」と通じるところがあると思う。

気違い部落周游紀行 (冨山房百科文庫 31)

気違い部落周游紀行 (冨山房百科文庫 31)



19歳の連続射殺魔

60年代末、大学生たちは学生運動して楽しんでいたけれど、そういう裕福な層の裏では、まだまだ社会は不安定で、いまよりも犯罪も多かった。その中でも
永山則夫連続射殺事件は異質であった。その事件や当時の文化背景について描かれている。やや文学的・・・。東京で殺人を犯して、すぐに京都で殺人、つづいて北海道でも、とあまり少年犯罪史上例がないけれどこういう事件もあったんだな、という感じ。。


数学的推論が世界を変える~金融・ゲーム・コンピューター 小島寛之

帯の「数学はカネになる!」は完全にミスリード。序文にあったアルゴトレーディングな話もほとんどなくて、ゲーム理論・数理論理から様相論理について、これはこれでおもしろいけれど、ちゃんと数学する脳になっていなくてしんどい。いちどちゃんと勉強したい。

数学的推論が世界を変える―金融・ゲーム・コンピューター (NHK出版新書 394)

数学的推論が世界を変える―金融・ゲーム・コンピューター (NHK出版新書 394)



天才数学者はこう賭ける

博打と金融市場で利益を出すには・・・?ということを知りたくて買ったわけではないのだけれど、数学がどう活かされてるのかと知りたかった。といっても ケリー基準が最後まで主張されつづける。どちらかというと情報理論クロード・シャノン御大や経済学の巨頭サミュエルソンブラックジャック必勝法を編み出したエド・ソープ。賭博マフィア、ウォール街あたりの伝記。サイモン・シンっぽい文章ではあるけれど、ちょっと書き方が冗長でしんどい。。

天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話

天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話



独立国家のつくりかた 坂口恭平

不思議な人の不思議な生き方。ちょっと論理は怪しいけれど、0円で生きていこうとしたり、独立したり、と既存の概念をやぶることの可能性・見方を与えてくれるかもしれない。こういう破天荒な人間は嫌いじゃない。一方自分は。

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)



不道徳な経済学 ウォルター・ブロック 訳:橘玲

バリバリのリバタリアン、ウォルター先生による自由経済の本。売春婦、シャブ中・シャブの売人といった、不道徳とされるものをとりあげて、それらがいかに経済に貢献しているかを論理立てて説明している。なるほどなーと思うのもあるけれど、あれ?というのもある。それなりに論理的に書かれているので、どこに現実との差があるか考えると論理の練習になっておもしろい。かも。規制緩和はまだまだ必要と思うけれど、こういう不道徳という固定観念ができあがってしまっていると実行は難しそう。

不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)

不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)



戦うコンピュータ2011

インタラクション2011のビブリオバトルで宮下先生が発表していた本。
軍事技術にかかわるコンピュータをかなりたくさん取り上げていて楽しい。なかでも軍のシステム、かなりの規模で技術的にも高度でガチミッションクリティカルなシステムについての話が興味深かった。さらっとしか書かれていないのでこういう話をもっと書いている本を読みたい。

戦うコンピュータ2011

戦うコンピュータ2011



小説

夜間飛行 サンテグジュペリ

新訳。まだ飛行機が一般的でない頃、危険にあふれる夜間航路を切り開くパイロットとスタッフの話。月並みなことしかかけないけれど、空の美しさと、その対比としての人間の苦悩がうまく描かれている。良い。あと翻訳したひとはじつは東大の佐倉研のドクターの人だった。その解説もしっかりしていて、また読み返したくなる。

夜間飛行 (光文社古典新訳文庫)

夜間飛行 (光文社古典新訳文庫)



マンガ

A SCENE

ほかB SCENEとC SCENE。
うん。良い。にしむらくんおすすめの本。彼女欲しい。

A SCENE (武富智短編集) (ヤングジャンプコミックス愛蔵版)

A SCENE (武富智短編集) (ヤングジャンプコミックス愛蔵版)



山賊ダイアリー

「ぼくは猟師になった」と違って猟銃をつかっている。ちょっと憧れみたいな気持ちが・・・。もちろん、危険だしたいへんではあるけれど、先輩猟師にいろいろ教えてもらって山野を歩き回りたい欲求がでてきた。今年狩猟免許とりにいこうかな。

山賊ダイアリー(1): 1 (イブニングKC)

山賊ダイアリー(1): 1 (イブニングKC)


イブニングいいマンガ多いなあ。


ネイチャージモン9巻

堂々の完結・・・。山とクワガタと肉についての濃くて良いマンガだった。こういうノンフィクションのようなマンガが最近好きかも知れない。とろ鉄とか。肉を食べたくなる。

ネイチャージモン(9) <完> (ヤンマガKCスペシャル)

ネイチャージモン(9) <完> (ヤンマガKCスペシャル)




以上。読み終わって時間がたつとあまり書けないのはちゃんと読めていないからかな。ほんとうは読みながら、それか読んですぐに書かないといけない。もっとあたま良くなりたいなあ。。


来月は積んでいる技術書を読んで身につけていこう。