ぜぜ日記

ブログです

そろそろ、父になるかも。

日記です。 最近は妻のおなかに妊娠線予防クリームを塗る仕事をして暮らしています。 そうです。じつは妻が妊娠していて近々、出産予定なのです。

無事に生まれることを祈りつつ、準備をしていますが、いろいろ本やWebで調べたりTwitterをみていると妊娠や出産、子育てはそれぞれ人によって大きく違う困難があるようで、なかなか不安。

ここにきてようやく、自分の親の苦労を思うことができています。 自分がうまれたときのはなしは聞かずじまいでしたが、母が亡くなったあとに出てきた、自分を産むときにつけていた日記をいま読むとにやにやできる。 逆子で子宮口が開きかけているとかで出産2週間前から入院していたそうで、父や親類がえんえんお菓子を持ってきている様子がわかります。

その一節。

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日記

なんだかんだ、父は2週間毎日病院に通ったそうですし、母も父が来るのを楽しみにしていた様子です。 このコロナの影響の中、自分は立ち合いや面会は基本的にできず、当日に配偶者のみ5分間だけ母子別々に面会できるというだけ。

出産という命に係わる重労働をする妻の代わりはできませんが、一緒に子育てして楽しく暮らしていきたいものです。

とりあえずこの期間に気付いたこと。

・無痛分娩、まだ普及していない。無痛でもない。
・医療関係者(特に助産師さん)もさまざまな価値観の人がいてたいへんそう。母乳絶対主義・下から出産主義はちょっと母体やメンタルへの負担があってよくない気がする。
・妊娠も子育ても負担がすごそう。子育てしながら妊娠とか無理なのでは、と世の母親を尊敬する・・・
・以前から思っていたけれど、地方出身で東京共働きで子育て無理ゲーなのではという思いを新たにする。
不妊治療で苦労されている方、さまざまな過酷な環境の方がいることなどこれまで知らない苦労がある。うかつに子育て話はできなさそう。
・子どもの性質によって育てやすさは全然違うこと、世間(の一部)からの無配慮・無自覚な嫌がらせがあることはこれまで知らなかった。
・保活たいへん、だけれど、住んでいるところはまだだいぶんましの様子。
・なんかこれまで知らず知らずいろんな人を傷つけてきたかもなあ、と思えた。反省。。

このあたり。 また不定期でブログを書こうと思います。

読んだ本。

妻の同僚から貸していただいた。シリーズ8冊。古いけれどとても臨場感あって、たいへんさといっぽうでの手を抜いてもいいんだ感があってよい。

さらっと読めておもしろかった。

まあまあ定評のあるガイドブック。

世の中の問題について

世の中にはたくさん問題があって、苦しんでいる人がいたり、解決しようとする人がいる。なかには、放置することで利益を知らず知らず得ている人もいるし、ときには解決しようとすることが誰かに別の問題をもたらしてしまう場合もある。

今年は、世界中でCOVID-19の対応について揉めて、国内でも検察庁法改正やら、種苗法改正などSNSで大きな動きがあった。海外では香港の民主化運動にも大きな動きがあったし今はアメリカを中心にBlackLivesMattersが広がっている。

BlackLivesMattersは、日本にいると空気感がよくわからないけれど、公権力による人種差別のある殺人をきっかけに、大勢の人がデモをしたりSNSで声をあげている。

その中の一部には、デモに便乗して略奪する人や、逆にデモを扇動・激化させようとする人もいるという不穏さは見え隠れするけれど、これまでもデモをきっかけに時代が変えてきたこともあるし、社会の分断をひとつ減らせればいいなと思って応援はしている。

日本でも「#検察庁法改正案に抗議します」のムーブメントは、著名人を巻き込んでSNSで発生してニュースにもとりあげられたひとまずは採決を見送らせることができた。なかには批判もあるけれど、自分はすごいことだったと思う。

ただ、こういう政治意見を表明するのは、自分にはすこし怖い。 そういう理由と、自分が漠然と思っている社会の問題について書いてみる。

問題の複雑さ

理由のひとつは、問題の複雑さ。 例えば、先に触れた検察庁法改正案の抗議でも、これがほかの国家公務員についても影響し、長年議論されてきたものの一部ということは気付かなかった(それも含めても政府による恣意性はよくないと思うけど)。芸能人が反対の声をあげて話題になった種苗法改正についても、一部を取り出して主張する人の声に惑わされかけたけれど、ちゃんと意見をいえるまでには複雑な経緯と意図を追いかける必要があった。

技術の変化や法制度の変化、メディアの多様化が積み重なって世の中が複雑化していると思う。自分がよく知っている問題についてマスコミが誤った報道をしているのに気付いてしまうと、ほかの、自分が詳しくない分野の問題も誤っているものが少なからずありそうだと思える。そうなるとメディアのニュースだけで考えを決めるのは恐ろしく感じる。また、味方を増やそうとして単純化して伝えるメディアやSNSによって、先入観をもって単純化して考えてしまいそうなものも多い。

もちろん、気になった問題はちゃんと調べればいいんだけれど、問題は無数にあって時間は有限。 そういう、自分の理解の範囲がわかっていないのに発言しにくい。いっぽうで、限られた情報からでも意見を表明する人がいることで議論が巻き起こって詳しい人が解説してくれたりもするので、意見表明している人をくさすわけではなくむしろ尊敬するのだけれど。

インターネットバトル

ふたつ目はインターネットバトルにまきこまれたくないこと。 問題が単純化されて敵か味方かの二元論になりがちなのは人間のさがだと思っているけれど、これがインターネットで加速しているように思う。それで専門家が勇気をもって発言していても叩かれているのをみると、おそろしくなる。また、それでも発言する方々は尊敬する。黙っていいねだけつけています。 自分がTwitterでフォローしている人の中にはいつのまにか強硬な反体制主義な人々や国粋主義者も少数いて同じニュースでも意見が正反対でかつ、自分が絶対正しいと信じている人たちもいる。そして彼ら彼女らは、それぞれエコーチェンバーで意見が強化されているのもおそろしい。

民主主義を健全に維持するには、市民の政治参加が必要だと思うのだけれど、この複雑化して、インターネットバトルにまこまれやすいなかで発言していくのは難しい。

とりあえず問題リスト

こういうわけで、こうするべきだ!とか今の~はおかしい、と声をあげるのは自分にとって恐ろしく感じる。繰り返しになるけれど、そういう発言をしている人は尊敬するけれど、自分には難しい。

とはいえ、こういうの問題だと思うんだよな、というのは表明しやすいと思ったので自分が世の中の問題だと思うものを羅列してみた。 ほかにも重要な問題はたくさんあるはずで、いま思いついていないものもあると思うけれど、ひとまずの表明。もれている重要な問題教えてください。 行動しないと変わらないけれど、まず一歩ということでご容赦を。順不同です。

国内

  • 資産家優遇・学費高騰による格差の固定化
  • 就職氷河期世代の不安定さ
  • 生活保護の窓際対応、貧困ビジネス、貧困の再生産
  • 正規雇用者の社会保障のなさ
  • 自己責任論による貧困者の救われなさとそれによる社会治安の悪化
  • 社会不安と排外主義の蔓延
  • 労働時間の長期化とうつ病
  • 地方の過疎高齢化
  • 補助金依存な地方再生
  • 農業者数の減少による、食料自給力の低下、農の多面的な機能の毀損
  • 技能研修生の搾取
  • 行政・教育・医療などのIT化の遅れ
  • IT人材やITに理解のある経営者の少なさと増えつつあるレガシーシステムの保守運用コスト
  • 医師の当直明け勤務や無給医など異常な労働環境
  • あずのみ里裁判や大野病院事件、湖東記念病院事件などの警察・司法・メディアの医療現場の軽視
  • HPVワクチンを代表とする反ワクチンのデマの流布と普及の遅れ
  • 教師の労働環境と人材確保
  • いじめ問題と学校や教育委員会のことなかれ主義
  • 司書や学芸員の扱いの悪さと文化の軽視
  • 研究者の非正規雇用と負担増とそれらによる大学の研究力低下
  • 利益供与や法令・公文書の軽視など長期政権の腐敗と野党の弱体化
  • 腐敗・身分化する地方議員
  • ポピュリズム
  • 視聴率に振り回されて過激化・デマを流布するマスメディア
  • フェイクニュースとデマ、それらのSNSでの拡散と中傷依存
  • ネットに蔓延していて規制されないアダルト広告・誇大広告
  • 表現の自由への過度な制限の動き
  • 夫婦別姓問題や医学部不正試験などに代表されるさまざまな女性蔑視
  • LGBTQ者の困難
  • 育児の女性の負担が集中してること
  • 同調圧力的なPTAとか
  • 保育士の待遇の悪さ
  • 介護士の待遇の悪さ
  • 鯉の放流・ノネコ問題など行政・市民の生態系の軽視
  • コインハイブ事件やWinny事件など警察・司法のITへの理解のなさ
  • 取り調べの可視化の進まなさ、推定無罪の徹底されなさ
  • 入管での虐待とその改善のされなさ
  • なかなか進まない水産資源の適切な規制
  • 原発の廃棄スケジュール

海外

世界

こうして並べてみると、海外など遠い場所の問題はみえにくく、近い場所・自分に関わりそうな場所に関心が強いのがわかる。当たり前っちゃ当たり前なんですが、そうなので、なにかの問題を指摘するときに、一貫性を求めないでは欲しい・・・。

おち無し。

日本沈没、気候変動、進化する植物

Washington Allston: Elijah in the Desert
Washington Allston: Elijah in the Desert
*1

まとめ

  • 最近続けて読んだ3つの本がジャンルも違うけれどつながって人類社会の危機について触れていたので紹介します
  • 小松左京の「日本沈没」は、タイトル通りの危機に直面する社会を描いたSF。読み応えがあり古さを感じません。コロナ下のいまと通ずるところもあり、災害下のケーススタディにもなりそうです
  • 中川毅の「人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか」は気候の調査からこの数千年がたまたま安定していたことや予測の難しさが書かれています。古代文明の衰退の一因に短期的な気候の動きが影響しているのではないかという指摘があり、現代文明の危うさを感じました
  • 稲垣栄洋の「たたかう植物」では、植物の進化の工夫をおもしろく描いています。そのなかでも恐竜が植物の進化に翻弄されて絶滅した説があることや、人類との共進化で生き残ってきた作物が気候変動にどう耐えるかが気になりました
  • 大きな気候変動は人類社会に、コロナウイルス以上の危機をもたらしうるけれど、ぼくらはどう備えられるのでしょうか

日本沈没

─災厄は、何事につけても、新旧のラジカルな衝突をいやがる傾向のあるこの国にとって、むしろ人為的にでなく、古いどうしようもないものを地上から一掃する天の配剤として、うけとられてきたような ふしがある。この国の政治も、合理的で明晰で図式的な意志よりも、無意識的な皮膚感覚の鋭敏さに、より多くのものを負うてきた、この古くからの高密度な社会における政治においては、誰一人意識的にそうするわけではないにもかかわらず、結果的には、 災厄を利用するという国民的な政治伝統がそなわっているみたいだった。

まず一冊目は小松左京日本沈没
1973年出版なので50年近く前の古い作品だけれど、400万部以上売れて何度か映像化もされているので知っている人も多いと思います。 むしろ、作中で起こる衝撃的な事象そのもののタイトルを耳にしたことがない人は少ないかもしれません。

具体的な結末を書名にもってくる小説はめったにないような気もしますが、日本沈没というオチがわかって読んだとしてもそのとてつもない破局が簡単に想像できない分だけ強い印象になるように思います。平和な日常から描かれつつも、破局に進んでいくのが読者にはわかってしまいながらも、どうしてくのだろうと引き込まれていきす。

時代を感じる描写もあるけれど、はなしの本筋や人間と組織の描写は全然古くなくとても読みやすい。 特に、都市部で発生する地震と、そのあとの流通や経済活動への影響などの描き方は迫真。そして、この想像を絶する危機に対する政府の危機管理や世間の動きは、今のCOVID-19の危機に対応する各国政府や右往左往する人々ともかぶります。

そしてこれはケーススタディになるかもしれません。
自分がこの危機のさなかにいたら、生活や事業はどうなるだろうか、そしてどう行動するべきか、あるいは事前にできることはなにかあるだろうか。と考えながら読めました。 もっとも、首都直下地震や富士山噴火による中長期の都市部の物流断絶に個人でできることは限られているのですが・・・。

日本が沈没するという事象について、作中では理屈付けがありましたが、実際に起りえないものです、ただ、こういう地学的な事象を考えると、1815年のインドシアの火山噴火では「夏のない年(Wikipedia)」として世界的な不作になったし、フィリピンのトバ火山などや阿蘇山が噴火すればより長的な影響があるはず。 地球の46億年の歴史からみたら人類の歴史なんてほんの瞬きほどでしかなく、自が仕事としても関わっている農業はさらに短いことの薄氷を踏むような危うさもじます。 安定した四季のもと代々選ばれてきた農作物と農業は、そういった破局にどう立ち向かえるでしょう? そのときのためにも、種と農法の多様性があることは人類の生存につながるのかもなあ、とぼんやりと考えながら次の気候についての本を手に取りました。

日本沈没 決定版【文春e-Books】

日本沈没 決定版【文春e-Books】

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

昨今、コロナウイルスによる経済活動の低下により、短期的にではありますが世界的に化石燃料の消費が大きく減って、各地でスモッグが減ったというニュースが報じられています。もし仮に、これが続いたとして、これで異常気象・地球温暖化は止まるのでしょうか? この本を読んでいくと話はそう単純ではないことがわかります。

本書で一番はっとさせられたのは、異常気象(Climate Change・・IPCCのCCですね)とはなにかを考えるためには、正常な気象とはなんなのかを考える必要があるということ。

じつは、現代は何億年かのスケールのなかではむしろ寒冷な時代であって、今から1億年前から7000万年前頃のように北極にも南極にも氷床が存在しない時代とは比べられないほど寒冷。いっぽうで、数十万年のスケールでみると、9割ほどの期間はいわゆる氷期だったことを考えると現代は例外的に暖かいことがわかっています。そしてそのなかには、1万1600年前ごろのように、全世界で氷期が突然おわったあとわずか数十年で5度から7度も気温が上がったくらい変動が激しかった瞬間もあるそうです。こうみると私たちが考える正常な気象というのは地球の歴史からみたらほんの瞬きほどの数千年のものでしかないのかもしれません。

とはいえ、IPCCが予測しているような、これからの100年で5度気温が上がるかもしれないと予測されているほどの急激な変化はこの1万年とはまったく異なるため、経験則もさらに通用しないとも指摘されています。

さらに、別の説では、人間が関わる地球温暖化はなにも産業革命からだけではなく、有機物の発酵を促しメタンが放出される水田や、森林伐採などによって、8000年前からはじまったという考えもあるそうです。そして、これらによる地球温暖化によって、「とっくに来ていた」はずの氷期を回避していた可能もあるとか。まだ一つの説でしかないようですが、もしそうだとすると、これまで地球温暖化を防ぐため、という目的が崩れかねません(それとは別に限りある化石燃料の節約は必要とは思いますが・・・)。

日本が沈没するほどではないですが気候を通して人類に大きな影響を与える事象として火山があります。 火山には、その名の通り火の熱いイメージがある人もいると思いますが、実際には大量の噴煙や噴火物は太陽光を遮断し気温を下げます。核の冬と同じですね。たとえば1782年から続いた天明の飢饉を長期化、深刻化させたのは1783年のアイスランドラキ火山の噴火と言われていますが、これはヨーロッパでも冷害を発生させ食糧供給の不足と物価の高騰を引き起こし、一説によると、これによって生じた社会不安が1789年からはじまったフランス革命の遠因であるとも言われています。東日本大震災の先例として注目された貞観地震が約1150年前であることを考えると、天明の大飢饉ははるかに直近です。

火山以外にもエルニーニョ現象などによってもたらされる干魃は予測しにくく、人類にも大きな影響を与えています。1980年代にアフリカで発生した干ばつは、4年にわたって継続したことで300万人の命を奪ってもいますし、さらに、栄華を誇ったマヤ文明の衰退も、過去の気候の調査でほぼ同じ時期に、9年の間に6回もの干ばつに襲われた時期があったことがわかっており、これが原因になっていることが考えられるそうです。

この現代に長期化する干魃や、火山による長く続く冷害が発生したとしたら、どんな影響があるでしょうか。農業に生存の基盤を置いた社会が深刻な影響を受けるのは間違いないと思います。そのとき、農業や流通はどう適応して人類社会を支えるか考えるとうすら寒いものがあります。

たたかう植物

上記で暗い気持ちになったので、おもしろい本を読もうと思ったのが本書。まず、章立てが最高。この章立てをつくった時点でもう勝ちです。 「植物vs植物」からはじまって「植物vs環境」「植物vs病原菌」「植物vs昆虫」「植物vs動物」そして最後は「植物vs人間」。

ほんとうは弱い雑草が生き残るための戦略や、菌類との共生、共進化ともいえる虫との進化は興味深いのですが、特に、気になったのは恐竜の絶滅についてのくだり。

恐竜が絶滅した理由は、寒冷化と関係しているとされている。しかし、いくつかある恐竜絶滅を説明する説の中には、それ以外の理由で恐竜が絶滅に向かって衰退していたのではないかと考えるものもある。その原因の一つが植物の進化である。恐竜が繁栄を遂げていた中生代ジュラ紀後期から白亜紀にかけては、植物も劇的に進化を遂げた。ジュラ紀には、大型の針葉樹が繁栄していたのに対して、白亜紀になると花を咲かせ、やがて実をつける被子植物が広がっていったのである。(中略)大型の針葉樹は、時間を掛けて巨大な体を作る。一方、草本被子植物は、速やかに成長して花をつける。そして昆虫が花粉を運ぶようになったことによって、効率良く、確実に受粉が行えるようになったからとのこと。その結果、短いサイクルで世代交代を繰り返しながら、進化を遂げていったと考えられている。(中略)恐竜は、被子植物を消化するための酵素を持っていなかったために、恐竜たちは消化不良を起こしてしまったとも言われている。

進化のスピードに追いつかなかった恐竜が滅びたというもの。 サイズ感が違って全然比較に意味はないのですが、今の人間と、進化の早いウイルスを連想してしまいました。

気候変動と人類

「たたかう植物」にも触れられていますが、米や麦や野菜は、人間が形質を選りすぐって育種してきたものです。 これの選抜には、安定した気候の中で数百・数千年の時間がかかってきたことを考えると、「人類と気候の10万年史」で触れられていた急速な気候変化に耐えられるのでしょうか。 とれうる対策は限られていて、大勢の人間が飢饉に直面することになるかもしれません。一つ、根本的な解決策ではありませんが、さまざまな工夫で戦っている植物のはなしを読んで思ったのは、生き残る人間をすこしでも増やすためにも、世界中でさまざまな作物が育てられていることが役立つかもしれないということ。いろいろ育てていれば、ひとつでも気候変化に対応するものがある確率は増えます。そういう意味でも、生物多様性は重要だと思うのです。

いま人類は、新型コロナウイルス感染症への対策やそれで露呈した経済問題、格差、差別、デマのはびこるネットや権力の腐敗など深刻な問題と向き合っていますが、もしかすると、急激な気候変動という巨大な危機も迫っているかもしれません。これにまともに立ち向かうためにも(もちろんそうではなくとも)、この現代の諸問題をすこしでも解消してもうちょっと科学的・合理的なアプローチがとれる社会にしていきたいものです。ちょっと中高生のころ思っていたような理想主義に過ぎるかな・・・

日本沈没のセリフを引用して終わります。

敗戦 は日本にとってとんでもない幸運をもたらした。あれによって、明治以前から維新ののちもかかえこんでいた、もろもろの古い社会の殻をふっとばしてしまったからだ。軍事力さえ、大っぴらには持たないことにしたんだからね。──だが地震はちがう。こいつは、社会構造や、国家シンボルの変革などひき出さない。だから、さまざまの矛盾や危機が、社会構造の変化を通じて、社会に吸収されず、矛盾はいっそうはげしくなる

ソフトウェア開発を仕事にするなら読んでおくべき古典 Joel on Software

2000年から2005年くらいに書かれたJoel Spolskyのエッセイをまとめた本、"Joel on Software"をこの年末に読みました。
尊敬する友人である荻野氏がプログラミングを仕事にするうえで一番学びがあった本として、2011年に教えてくれた本だけれど、なんでそのときに買って読まなかったのかと後悔するほど学びがあって、もっと早く知っておきたかったことが書かれていたのでメモと感想を書いておきます。

Joel on Software

Joel on Software

時代背景をさっぴいて読む必要はあるけれど、そのあとの歴史を知っている時代に読むと答え合わせができて楽しかったり次の未来予測に役立つかもしれません。

エクストリームプログラミングや、エリック・レイモンドのThe Art of UNIX Programmingへのコメントはそれらの名著の副読本としても鋭い指摘があるし、いまは意識する人の少なくなった文字コードやメモリ管理などプログラミングの重要なところにも触れられている。そして、プログラミングについてだけではなく、ソフトウェアビジネスの戦略として、のちにフリーミアム戦略や、プロダクトマネジメントSaaS、カスタマーサクセスなどと名前がつけられた重要な概念のアイデアの核が詰まっている。

ソフトウェアビジネスの知見やプログラマの採用など経営やマーケなどいわゆるビジネスサイドの人が今読んでも得るものありそう。
著者のJoel Spolskyは1990年代、MicrosoftでExcelVBAの開発を仕切ったり、FogBugsというバグトラッカーやのちにTrelloを開発したスタートアップFogCreekを創業したり、9年間ほどStack Overflowという世界で一番開発者の問題を解決している(と思う)サービスのCEOもしていた。さらにプログラマになる前は実戦経験的に世界最強と思っているイスラエル空挺部隊にもいたらしい。時代的にもてはやされたハッカーとはすこし毛色が違って(なにしろ彼はWindowsアプリケーションの開発を長くしていた)、彼はディベロッパーであって、ヒーロー。

ちなみにだいたい以下のJoelのWebサイトで原文を読めるので英語がわかる人は読みましょう。

www.joelonsoftware.com

はじめに

プログラミングでコンピュータをうまく使うよりも、人間をマネジメントしてソフトウェアをつくっていくことが難しい。 人間のチームをマネジメントしていると、C++のテンプレートさえまったく簡単なものに見えるようになる。

プログラミングも、もちろん難しいんだけれどそれとは質的な難しさが違う。

ソフトウェアプロジェクトのマネジメントというのは、あまりよく知られている技術ではない。誰もソフトウェアプロジェクトマネジメントの学位を持ってないし、このテーマに関する本も多くはない。 ごくわずかの非常に成功したソフトウェアプロジェクトに従事していた人々の多くは、金持ちになり、蓄積された経験を次世代に伝える前に引退してマス養殖場を始め、その他の多くの人々はただ燃え尽き、スラム街の悪ガキだちに英語補修の授業をするというような、もっとストレスの少ない仕事に転職した。

こういうジョークというかJoel節がたくさんあってよい。こういう言い回しできるようになりたい。

ジョエルテストについて

開発チームのクオリティを評価するためのテスト。
Yesの合計が点数。11点以上が健全とのことです。2000年に書かれたもので、いまだと当たり前のものもあるけれど、どうでしょうか。

1.ソース管理してる?
→ 今時していないチームはないと思うので省略。この本の次代はCVSが最先端だった。
2.ワンステップでビルドできる?
→ 同じく。
3.デイリービルドしてる?
→ CIの走りですね。
4.バグデータベースはある?
→ いまどきExcelでしか管理していないチームはないと思う。
5.新しいコードを書く前にバグを直している?
→ 特に、Webアプリと違って頻繁なリリースのできないパッケージタイプではバグを先に直すべき。バス修正にかかる時間は読みにくいけれど、新規機能開発は読みやすいはず。
6.アップデートされているスケジュールがある?
→ 「プログラマがスケジュールを立てたがらないのはよく知られている。彼らはビジネスの連中に向かって、「いつ出来上がるかって?そりゃ、出来上がったときさ!」と怒鳴る」。けれど、もちろんビジネスや他チーム連携のために重要です。
7.仕様書はある?
→ 後述
8.プログラマは静かな環境で作業している?
→ 重要。フローやゾーンと呼ばれる集中した状態は簡単に消されてしまうのでそれを減らすためにも必要。日本の小さな組織だとどうするべきなんだろう?常にいるというより、週何日かだけでも小部屋にいるとかいいのかも。
9.手に入る最高のツールを使っている?
→ ビルド時間を短縮するマシンだったり、ディスプレイだったり。
10.テスタはいる?
プログラマ2-3人につき最低でも1人の割合で専任のテスタがいないとバグだらけの製品をリリースするか、時給30ドルのテスタにできることを時給100ドルのプログラマにさせて金を無駄にする、とのこと。自分のチームではここをビジネスサイドの人にやってもらっている・・・
11.採用面接のときにコードを書かせてる?
→ 最近は当たり前のようになってきていますが、どうでしょうか。
12.ユーザビリティテストはしている?
→ 廊下で5人くらい捕まえて試してもらうとユーザビリティ上の問題の95%を明らかにできる、とのこと・・・

このテストは、チームの状態をマネージャが把握したり、会社に応募するときや投資するときに目安になったりする、とのこと。

仕様書について

仕様書はデンタルフロスのようなもので、みんな書かなきゃいけないとは思っているけれど、誰も書かない。

アジャイルソフトウェア開発宣言*1では「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」と書かれていることもあって、仕様書を軽視するプログラマは多いと思うけれどビジネスサイドと話を積めて安全効率的に開発するにはやっぱり必要。どのレベルのものか、が難しい。
Inspiredなどプロダクトマネジメントあたりでは、紙芝居のように動作する「ハイファイ・プロトタイプ」が仕様書としてよいのでは、とも言われているけれど、Joelの意見はちょっと違う。あまりにもデザインができすぎたものは、ビジネスサイドがほぼできていると勘違いしてしまうからよくないと、、これは、ハイファイ・プロトタイプが効くのはユーザの、利用者の、言葉にしにくいフィードバックが重要な、どちらかというとB2C向けなのかもしれないし、ちゃんと運用できるのはリテラシーの高いプロダクトマネジメントチームがいるときだけなのかもしれない。

必要な理由としては事前にビジネスや他チームと共有するためなのが大きいけれど、ほか気になったところをピックアップする。 まず、プログラマは、時間をかけて書いたコードが、仕様上どんなにまずいコードであっても、それに執着するようになるのでこれを避けるため。はい、心当たりがありますね。 次に、プログラマというのは「正しい答え」ではなくかれらがコードとして書いたことに即して質問に答える傾向があるから。これは自分もやりがちです。

仕様書の中身について、ユーザ観点でどう動くかを記述する「機能仕様書」と内部の実装についての「技術仕様書」があって、Joelのいう仕様書は前者、内容は具体例がおもしろいので読んでほしいけれど、ユースケースのシナリオや対象、簡単なフローチャート、画面が紹介されていて、「カタログ」のようなものだと感じました。あいだに未解決の問題やテクニカルノートが挟まっている。テンプレートは使うべきではない。
そして、証書は1人の人間によって書かれ、所有されるべき。重要なのは仕様書がアップデートされてその差分がわかるようになっていること。

そんな仕様書を書いて価値あるソフトウェアをつくっていきたいです。
この、バージョン差分を分かりやすくてだれでも使いやすいドキュメント管理システムはないだろうか・・・

プログラムマネージャについて

プログラムマネージャという、いまプロダクトマネージャーとして知見が積み重ねられているものの前身と思われる役割にも紙幅が割かれている。 プログラムマネージャーはコーディング以外のあらゆることをやり、会社の「ビッグピクチャー」を心に抱いていることが期待され、要求を集めて仕様をつくり、外交 手腕。マーケットに対する意識、ユーザ理解、良いUIデザインをつくる。コーディングへの理解も欠かせない。

重要なのは
・コーダーをプログラムマネージャに昇進させないこと。
マーケティングの人間をプログラムマネージャにしないこと。
・コーダをプログラムマネージャの監督下におかないこと。

難しいですね・・・正しい資質のある人を採用するなり抜擢する必要がある。
このあたりは、最近2版が出たInspiredを読むのがよいと思う。

5つの世界

いろんなひとがさまざまな文脈でソフトウェア開発についての知見を語るけれど、たいていの人はその人の知っているソフトウェア開発を念頭においているので、話を聞くときは、どの世界のことを話しているのか気にしましょう、というはなし。

5つの世界とは、
・パッケージ
・インターナル・・・特定の組織内で使われるもの
・組み込み
・ゲーム
・使い捨て

それぞれ求められる品質や基準が違う。
いまネットで多数の記事があって人々が働いているwebアプリケーションは、多数のブラウザで使われるという点でパッケージの変異として分類されているけれど、今なら独立させてもよさそう。B2CかB2Bかで分けてもいいかもしれない。
ただ、Joelはユーザが1000万人いるかどうかで区別はしていたので、特に自分のような凡百の開発者とは桁が違うことだけご留意を・・・。

使い捨てプログラムはすぐにインターナルソフトウェアへと変化し、さらにMBAがそれを見つけて「これを使って新しいビジネスをスピンオフできるぞ」と言うと、ジャジャーン!ひ弱な「エンタープライズソリューション」を提供するコンサルティングウェア会社が生まれる。

ある・・・

Amazonを目指すのかBen&Jerry's を目指すのか

Ben&Jerrysは東京とかデパ地下とかで売ってる高いアイスクリーム屋。2000年にユニリーバに買収された会社。
スタートアップは急成長を目指すという点でスモールビジネスと違う、と思っていたけれど、その中でもAmazonスタイルともうちょっとゆっくりなBen&Jerry'sモデルがあるのうまく区別できていなかった。
競合がいるかどうかや資本が必要かどうか、ネットワーク効果の有無、損益分岐点の近さ、リスクなどが違うなどなど(それぞれどちらのモデルかはわかるよね)。 ひとつ自分が意識できていなかったのは、Amazonモデルでは企業文化(を維持していくのは)不可能だということ。そして最悪なのはAmazon型の会社にならなければと思いつつお、Ben&Jerry's型のように行動すること。どちらか決め切れているでしょうか。

Joelによれば、MicrosoftはBen&Jerry's型のもっともよいモデルとのことで、Ben&Jerry's型が巨大化しないわけではないけれど、もう時代は違うかもしれない。

その他

アーキテクチャ宇宙飛行士を雇わないこと

アーキテクチャ宇宙飛行士とは、アーキテクチャや抽象的なことがらについて議論するばかりでなにも生み出さない人間のこと、らしい。 類似性を見つけて抽象化をすすめていくの、楽しいけれど、解くのが楽しい問題ではなく、解く価値がある問題を解決したいものです。

デザインというのは、コストを増やすよりも早く価値を追加することができる、漠然とした領域のことをさす。 たしかに漠然とした領域・・・。とか言いようがないのかも。

プログラマの評価について
逆効果になることが多く、するべきではないと書かれている。
評価が高くても、それが生産性につながらず、評価が低い人のモチベーションを下げるだけ、華々しい成果を出していなくとも目立たぬところで重要な役割を担っている人を評価するのが難しい、ということもある。 それは、わかるんだけれど、適切にストレッチさせるためにどうなのかは気になる。なんらかの目標管理的なものは必要なのかどうか、ちょっと悩ましい。

などなど。
Joelのブログはまだまだ続いているので2020年は英語をがんばって読めるようにしていこうと思う。

ブログ名が変わりました

三行まとめ

・ブログ名を「うんこめも」から「ぜぜ日記」に変えます
・理由)食べ物についても触れることが多くなってきたのでちょっときれいな名前にしたかった
・意味)ぜぜは住んでいる滋賀県大津市の地域名である膳所(ぜぜ)と是々非々をかけています

経緯

あまり更新されていないブログの名前なんて誰も気にしていないのでしれっと変えてもよいとは思うのだけれど、なにかを変更する際には、意図を書いておくことは、プログラミングにおけるコミットメッセージのように職業倫理的に必要なので書いておきます。

この旧名の「うんこメモ」というのは冷静に考えると汚い名前ですが、自分がうんこを好きということでも、うんこのような文章をかくと卑下しているわけでもありません。もともとは「自律分散うんこ製造システムについてのメモ」という名前のブログを書いていたんですが、長くてよくわからないと略してうんこメモになって、なぜか自分ではあまり汚さを意識できていなく、たまにコメントやはてなブックマークで、ブログ名ワロスみたいに言われてハッとするのが積み重なってようやく変更に至ったのでした。

「自律分散うんこ製造システム」とは、勝手に自由意思をもって動いていて、なにかを消費してうんこを生産するだけのエージェント、端的にいうと人類のことを社に構えた学生が皮肉った言い方です。優れたエンターテイメントや文化をつくりだせている人類をそんなふうにいうつもりはなく、ただ、学生時代、人工知能あたりを研究していたときに、分散人工知能という概念の略語、Distributed Artificial Intelligenceの頭文字のDAIが自分の名前っぽいと思ったというのが安直な理由。

ひねった名前にしようかとも思ったのですが、尊敬する小町さんの武蔵野日記(旧生駒日記)を意識して、住んでいる膳所(ぜぜ)という地域にちなんでいます。

武蔵野日記

膳所というと膳所高校という滋賀県有数の進学校で知っている人も多いかもしれません。自分は福井という田舎出身なので関係ないです。

2000年代後半のブログブームのときにニュースサイトやGoogleリーダーで読んでいたさまざまなブログたちは、どんな名前だっただろうか、と調べようと思いましたが、Chrome以前の時代のブックマークやGoogleリーダーの登録リストが不明で調べられない。
たまにはてなブックマークなんかで流れてくると、まだ続けてたのか、と嬉しくはなることもありますが、ほかはいまどうなっているのか分からず思いをはせています・・・。

またたまに好き勝手書いていこうと思います。今年もよろしくお願いいたします。

Rails Girls Kyoto 10thにコーチ参加したこと。考えたこと。

RailsGirlsという、女性がRuby on Railsでプログラミングを学ぶイベントにコーチ役として参加してきました。とても楽しく、得るものがあったので感想を書いてみます。

Rails Girls - Japanese

Rails Girlsについて

このイベントはフィンランド*1のリンダさんが2011年にはじめたものです。 目的は「女性に技術の理解とアイデアを実現するためのツールとコミュニティを提供する」こと。原文はこう。

Our aim is to give tools and a community for women to understand technology and to build their ideas.

コミュニティベースの動きといろんな企業のスポンサーシップとで世界中で何百回も開催されていて、男女で数の差があるプログラマーで女性に機会をつくる機会になっています。 背景については、英語ですがYuryuさんのこの資料が現状(2014年)の数字と取り組みについて説明していてわかりやすいです(5年で改善されているでしょうか)。

日本では東京でやるといつも満員で京都でももう10回開催されているくらいそうです。
自分の勤め先でアルバイトとしてエンジニアをして重要な戦力になっている女子学生がRailsGirlsに参加していたことがプログラミングを学びはじめたきっかけ(の一つ)だったり、知り合いや友人がコーチとしてコミュニティに貢献していたことから自分も参加してみました。教えることでなにか発見があるかもという期待と、社会のエンジニア層を厚くしたいという気持ち。

パソコンとインターネットがあれば学べるプログラミングは、表面的なスキルの陳腐化は早いけれど、Webアプリケーションの開発の考え方の根底はしばらく変わらず、需要はまだまだ大きいと思っています。向き不向きはあって万人におすすめできませんが、向いているかどうか知る機会のひとつとしては、いきなり、お金と時間をかけてスクールに行ったり、自学だけよりRailsGirlsは気軽で便利でおすすめです。

自学は、どの段階のひとにとっても重要だけれど、最初は知らない概念が多すぎたり、玉石混交の記事を見分けられらなかったり、どこから手を付けるかで挫折しやすい。自学だけだと、自分がなにをわかっていないかもわからず、ネットのQAサイトやGoogle検索で困っていることを言語化するのも難しい。とはいえ、自学で一度挫折した人が、経験者に気軽に聞ける時間としてもRailsGirlsはよい場所です。もちろん地域のコミュニティ、京都だと Kyoto.rbRuby舞鶴 - connpassもおすすめです。

あとあと、プログラミングを仕事にしなくても、プログラミングやWebアプリケーション開発のことを知っているというのは、多くの仕事や人生で役立つとも思っています。

Rails Girls Kyoto 10th

今回は、半年ほど前に大阪でRailsGirlsに参加したという大学2回生の人がオーガナイザーでした。
教授1人に6-70人の授業でプログラミングを教わったけれどわかるわけもなかったのが、RailsGirlsで理解が進み、これを同じ大学の人にも伝えたいということでの開催でした。尊敬。

参加者9人にコーチが1人ずつという贅沢な体制。 コーチやスタッフは4割ぐらい女性です。 自分は、大学の授業でRubyによるプログラミングに触れたけれど、よくわからないままなのをなんとかしたいという学生さんにコーチとして付きました。

RailsGirlsでは、このチュートリアルの1つ目から4つ目までを10:30-12:30、14:30-16:30の4時間で取り組みます。

Rails Girls - Japanese

このチュートリアルを読むだけでは背景や意図は理解できないので、参加者の理解度や、興味にあわせて調整します。
今回はプロジェクトをつくる最初の rails new の次 rails generate scaffold idea name:string description:text picture:string とこれでできたファイルの役割の説明で午前中ほぼすべて使いました。 ユーザがアクセスしてからroutes.rbでどのコントローラが呼ばれるか決まって、コントローラがモデルを読んで、対応するビューをユーザに返す。
ファイルをみたり、 rails routes でルーティングをみたりなどなど。納得するまで粘り強く質問してもらえて理解が深まったのではないかと思います。午後は、gemをつかって画像登録を簡単にできるようにしたり、パーシャルをつかってhtmlを便利に管理できるようにしたり、githubに登録して、herokuにデプロイして世界中に見えるように公開するところまで。そのあとは時間の都合で、1対多関係のモデルをつくるところを手は動かさずに概念だけいろいろと説明しました。

たった4時間ですが、これまで知らなかった複雑な概念を理解するというのはとても消耗するし、それを理解度を追ってフォローするのもなかなかたいへん。参加者の集中力や、理解してやろうという気迫、疑問と理解のサイクルはめちゃめちゃ学びがありました。 自分も、知らない概念をがんばって会得しようという気持ちになります。

アフターパーティではほかのコーチの方々、さまざまな現場で活躍している人たちともエンジニアリングやマネジメントについておしゃべりできて楽しい時間を過ごせました。

参加者とコーチのみなさま、オーガナイザーさん、スポンサー企業さまありがとうございます! (弊社、株式会社坂ノ途中もコーヒーを提供するスポンサーをしていました)

最後に今回コーチをする中で考えていたこと3つを書いておきます。

コーチとしての狙い

1.なんでも質問できる関係をつくる。

特に、なにかを聞いても一度で理解できるわけはないので、同じ質問を何度してもよいし歓迎、ということを繰り返し伝えました。
今回はわからなかったらいつでも、と話をしています。職場だと15分考えたり調べて進まなければ聞いてね、と言っています。

2.自分のペースでやる

ほかのひとも同じことやる環境は刺激的ですが、焦ったりしないように自分のペースでやれるようにしました。
でも、ほかの参加者も含めてみな自分の理解にフォーカスできていたようだったので杞憂だったかな。

3.自学できる準備をする

エラーは怖くないということと検索のやりかたについて話しました。
プログラミングをしているとエラーは日常茶飯事です。でも環境構築などでは、真っ黒い画面によくわからない英語の文字列がたくさんでてきて特にはじめのころは拒否反応とストレスを持ちがち。それでも、エラー文を読めばヒントが書いてあるし、検索できるということを伝えています。
今回だと、コマンドを打ったり、コードを書く場面でタイプミスを見つけても、あえて指摘せず、実際に画面表示時にエラーを起こしてから、その読み方と原因を説明しました。エラーが出ることは完成を高めていくのに必要なこと。
もうひとつ、エラーが出て読んでもわからないときに、エラーをGoogle検索するとわかることがある、だったり、今回つかったgem CarrierWave の意味を調べるために、公式サイトを検索したり、日本語でも解説記事があること、なかには間違った情報を書いているものもあって鵜呑みにできないことなど。そして、今回のRailsGirlsの参加者のSlackチャンネルなどで相談があればできることや、またfollow upイベントも開催することやコミュニティを活用することを話しました。

ここらへん、意外と初学者向けの教材やカリキュラムにはない気がしています。 学習の高速道路*2、みんなでつくっていきましょう。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

*1:LinuxMySQLがうまれた場所ですね!

*2:梅田望夫のWeb進化論から

舞鶴(西)に行ってきた。

小学生のころ米原舞鶴を混同していた時期があったけれど、どちらもいいところです。 先日は舞鶴Rubyという勉強会に参加するために朝一で西舞鶴駅まで出かけてきました。

ruby-maizuru.connpass.com

京都縦貫道が全線開通してから車で1時間2150円くらいで行けるようになってめちゃめちゃ便利になってはいますが今回は電車。 京都駅から西舞鶴駅までは特急を使うと2680円、100分で行けます。今回は、特急きのさきで途中綾部で乗り継ぎしましたが直通も特急まいづるが1日8本あってたいへん便利。土曜の7時半の電車で自由席は全部埋まっていて城崎温泉人気です。

保津峡から丹波平野を通る嵯峨野線由良川沿いに山あいの農村を通る単線の山陰本線は車窓も楽しい。ちなみに帰りは特急を使わず2回乗り換えで140分1660円でした。ゆったり座れて苦にはなりません。

西舞鶴駅。かまぼこの街らしいです。

駅舎もきれい。

新世界です

9時ごろの商店街、かしわ屋さんや肉屋さんくらいしかあいていません。

いろんなお店がありそう。

いい感じの銭湯。

勉強会はFLAT+という場所でした。日替わりのお店があったり地域の野菜が売っていたりハブになっています。 デザインの仕事も請け負っていておもしろい。 多彩で勉強熱心な人たちで議論も盛り上がって、自学タイム(もくもく会)も集中できました。

おやつタイムでは居酒屋のスイーツを食べました。カラメルなクリームとナッツがうまい。

水路が多くて街を歩くのも楽しい

道の駅の舞鶴港とれとれセンターは繁盛している。魚もいいのたくさん売っていて楽しい。車できてクーラーボックス積んでいたら楽しそう。

お昼は大六丸という魚屋のやっている定食屋で刺身定食。これにアラ汁がついて1500円。右下のオレンジ色のは黒ミル貝。

海上保安庁の船。向こうにも山が見えます。これがリアスか。

廃墟。

向こうに山が見える海、気持ちいい。

今回舞鶴で唯一の鶴成分。昔は鶴がいたんでしょうか。

気になる定食屋。

一軒家で服を売っているのはじめてみた。

コンビニに釣り餌売っているのはじめてみた。

京都のベネチア

汽水域はテンション上がります。

今回の舞鶴、唯一の舞成分。

なつかしさのある看板。

ちくわの街はいいところでした。

欠点は、駅前にお土産屋がなにもなかったことくらい。

舞鶴、以前に京都市内のホルモン屋で出会った、万願寺まつり実行委員の徳さんや、JAにのくにの若手の方々など、地域をなんとかしていこうとして事業もしっかりやっている方々が多くてすごい気がする。 水産物も農作物も自然も歴史もあって京都府唯一の高専もあるし丹後方面の観光地へも京都市とのアクセスもよくてポテンシャルの高い。海沿い最高。

6月の岡山駅

岡山駅に行ってきた。

すこし前に、ちょっとした用事があって岡山にいってきて時間があったので岡山駅あたりを半日ほどふらふらした。 岡山県自体は、高校の修学旅行で九州にいったときに新幹線で通ったのと西粟倉に遊びに行ったくらい。このときの西粟倉は、集落も田畑も山も人も食べ物も良すぎたけれどこれは別の話。

岡山に対する印象は、晴れの国、桃太郎ランド、大都会、果物、名門津山高専津山三十人殺し・・・あたり。岡山出身の友だちはいいやつが多いけれどさまざまな理由で留年しがち(失礼)。 大企業は、クラレ、ベネッセ、そしてら・むーとディオマートの大黒天物産さま(ちなみにディオマートと滋賀のディオワールドやアヤハディオは関係なさそう)。

岡山駅。桃太郎です。駅前はにぎわっていました。

駅の西側からみた風景。山がきれいに見えてうれしい。

駅の東側。路面電車ヤッターワンがいる。

目的もないときはとりあえず商店街をあるく。 奉還町商店街はのんびりしつつ新しいよい感じのお店も混じっていい感じ。繁盛しているかどうかはよくわからない。古くからの住居兼店舗の新陳代謝が進まないのはどこも同じ。

裏路地

トマト銀行(0566)は相変わらずギャグ感があるがなかのひとは自然に受け入れているのだろうか。

焼肉

ONSAYA COFFEE、レトロでいい豆あってなかなかよかった。

裏路地

理容

お昼はよいお寿司を食べた。地場セット 悪くはなかったけれど、3代目店主がやたら不愛想で、それなのにあとで来た常連さんにはあからさまにへこへこにやにやしていてちょっと気分が悪かった。

商店街のあと、後楽園をみにいくかと思って川まで歩く。途中、気になったお店。 ネイルだけれど入り口かっこいい。この辺は材木やさんも並んでいる。

よさげ

多国籍

看板が派手

配管がかっこいい。

ヤッターワン以外の路面電車とバスもかわいい。ねこ。

ガチャピン

岡山城がみえるところまで歩いた。

そばを流れる川の向こうは後楽園。

川岸は地元の人が散歩したりゆったりしていて気持ちいい。水辺が近くにあると嬉しい。

おしえてもらったカフェシファカで一服。

ケーキもおいしい。広々と気持ちいい店内では雑貨も販売。デザイン会社がリアルな場を運営するのよい。

そんな過ごし方をしました。 知らない街を歩くのはなんだか楽しいものです。

令和の未来予想

いつのまにか平成が終わって令和が始まりました。

ずっと未来だと思っていた2020年の東京オリンピックもいよいよ来年。
猪瀬都知事が鞄に5000万円を詰めたり、競技場のデザインがもめたりロゴパクリ問題や築地移転のごたごた、膨れ上がる予算など、ほんとにやるのか、という気がしつつもプロジェクトが進んでいるのは、官僚組織の強さを感じずにはいられません。
今なお過酷な現場で酷使されている、公務員や現場労働者、その他関係者のみなさまを思うと頭が下がります(命を大事にして欲しいです)。

さて、東京オリンピックを機にすこし昔を振り返ってみます。
まず、1945年の第二次世界大戦終戦で日本も世界も大きく変わりました。そして、25年後の1970年には高度経済成長期の絶頂で大阪万博があり、そのさらに25年後の1995年には冷戦もおわって平和かと思えば、失われた10年(いまでは20年・・・)に突入して阪神淡路大震災もあって世紀末ムードでした。そこから25年たって東京オリンピックと考えると、時代はどんどん変わっていると感じます。

そこから25年たって、2045年、令和27年には世の中はどうなっているでしょうか。

自分の、偏った狭い視野ではありますが、未来を考えておくと、なにか先手を打てたり、心の備えができるかもしれません。あとなにより楽しいです。
というわけで、2045年を脈絡なく考えてみます。一素人の思いつきばかりですがご容赦ください。



まず、ある程度確度の高いことを整理してみます。

人口

社会保障・人口問題研究所の2018年のレポート*1では、2045年には日本の人口は1億600万人、2015年から2000万人以上減ってしまいます。
都道府県別にみると秋田・青森では40%ほど人口が減って、自治体の維持にも困難をきたしそう。市町村単位でも7割以上で20%以上人口が減ります。高齢化も、東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・福岡・滋賀では、2015年から2割以上も65歳以上の人口が増えそうです。沖縄は6割も増えます。

いっぽう世界では国連の調査*2によると2050年には98億人。100億人の大台直前です(参考までに、銀河英雄伝説では自由惑星同盟は130億人います)。 国別ではインド16億人と前人未踏の領域。ナイジェリア4億人、コンゴエチオピアなども2億人前後になりそうです。

自然現象

破滅的な自然現象の候補もいくつかあります。

・首都直下地震は30年内70%*3。さすがにオリンピック前に起きたら中止になるかもしれません。
東南海地震も30年内に70-80%(と、ずっと言われている気がします)*4
・富士山噴火もいつ起きてもおかしくないと言われています*5。直接の死者は少なくとも、首都圏全域への10cm以上の降灰による電気物流麻痺農業への影響を考えると首都直下地震より影響大きいかもしれません。
・巨大な太陽フレアも起きてもおかしくないそうです(赤いオーロラの街でを読みましょう)
地球温暖化は諸説あってよくわかりませんが、干魃や水害が増えて、食料生産に大きなダメージがある事象は増えるのかも。

インフラ

国内のインフラ計画の大きいものだとリニア中央新幹線は2038年、北陸新幹線が大阪までつながるのは2046年の予定。
橋では第二関門橋計画も、大分と愛媛を結ぶ橋もまだスケジュールはできていなさそう。たぶんしばらくなさそうな気配です。
後述する経済力の低下や人口構造の変化にともない、道路やトンネル、水道管など生活に不可欠なインフラの老朽化もすすみ、メンテしきれなくなるのは間違いないでしょう。
そのなかで産業や生活に大きな影響をもたらす事故も少しずつ増えてくるはず。

社会の変化

国内では人口が減るとともに少子高齢化がますます進むのは間違いありません。
その結果、需要も減って国内向けの産業は少しずつ弱まっていくし、福祉の負担も増えて内容も希薄化する。つまり貧しくなっていくし、有権者の高齢化率もあがってますます若者向けの支援は難しくなってくると思う。

これが反転するとしたらよっぽど国民に不満がたまって強い政党がでてくることな気がするけれど、そういう政党はだいたいがナショナリズムが強いところになりがちで副作用も大きそう。

いっぽう世界では新興国の人口ボーナスと新技術の導入しやすいさによる勃興は引き続き続くし、先進国の、少子高齢化グローバル化による中間層の没落とポピュリズムの台頭は続きそう。国内では、これまでが恵まれていたとがんばってインバウンドがんばりつつ人件費も相対的に安くなって製造業で部品供給などがんばっていくかになりそうです。

景気のことはよくわからない。
ハイパーインフレが起きて年金も一回破綻したほうがいいんじゃないかというリセット願望の甘い誘惑もすこしありつつ、ドーマーの定理で財政がどうなるのかはよくわかっていません。とりあえず、なんらかの手段で、ハコモノではなく教育・研究まわりに安定的に財政出動してほしいですが、これは予想ではなく願望です。

上述したハード面のインフラの他、教育や医療などの社会インフラのなかでも、聖職視されがちで労働者の負担が大きいものも、じわじわとサービスレベルは下がっていくはず。それにあわせて一般市民が生活レベルを下げていくなかで何が起こるかは気になります。

社会不安は新宗教の隆盛など招くかも。
あるいは、かつてのマルクス主義のような、社会変革をもたらすような思想が生まれて感染していくかもしれません。
現在、その候補はなにかあるかな。加速主義は、ちょっと退廃的なユートピア待望でしかなさそうで違いそうな気もしています。

テクノロジーによる社会の変化・IT関連

産業革命緑の革命などさまざまな、政治体制以外の革命と呼ばれるものはテクノロジーの進歩が原因にあります。これからはどんなテクノロジーがでてきて、どう社会を変えていくでしょうか。

企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報化されていない近未来

とは、攻殻機動隊で表現された未来の姿ですが、民族意識はやっぱり根強いかも。自動同時翻訳の普及は、すこしはこれを希薄化できるかもしれません。

まず、ITについて考えると5Gネットワークが普及してコンピュータの小型化・価格低下も引き続きあるでしょう。あわせて高度なAIがさらに普及し、世の中にはりめぐらされたセンサーは、古典的なディストピアSFのような監視社会をもたらすかもしれない(国民のランク付けをしている中国はすでにそうなりつつある?)。 それによる、行動よりは言論の偏りが助長されることをすこし危惧しています。誰かが意図しなくとも、フェイクニュースやネットデマの広がり方、悪意の増幅をみていると伊藤計劃の虐殺機関的なこともありえそう。

すこし脱線しますが、このあたりの話は1987年に刊行された村上龍の「愛と幻想のファシズム」に、合成動画によるフェイクニュースによって国際世論を大きく誘導することや、全体主義的政党の台頭として描かれていて、30年以上前に書かれたとは思えません。IT普及以前ではありますが今なお色あせていないのでみんな読みましょう。感想聞きたいです。

もうちょっと予想しやすいネガティブな未来にはUNIXのtime_t型が桁あふれする2038年問題があるけれど、ちゃんと32bitなシステムのリプレースは進んでいくでしょうか。この問題自体はなんらかの手段で解決できたとしても、大企業でも苦労するレガシーシステムのリプレース(大企業だからこそ複雑でもある)に対して体力のない中小企業はどう解決していくのか謎。売上数百億円以上あるところでも、オフコンや古いシステムでメンテナンスに困難を抱えていてリプレースが計画できていないところは山ほどある。 人手不足倒産があるように、システムの不具合を解決できなくなって業務継続できなくなる倒産も出てくると思う。なんと呼ばれるだろうレガシーシステムトラブル倒産? 金脈ではあると思うので中高年エンジニアはお金を稼いで欲しい(金脈とはいえ汚染された金脈で精錬コストはめちゃ高そう)。

エネルギー

エネルギーについては、バッテリーの小型化・低コスト化とかで、電力事情がかわったりするかもしれません。ローマクラブは1972年に、石油はあと30年と言っていましたが、石油連盟は、2073年まではありそうとレポートを出しています*6核融合はまだまだ先でしょうか。

食料

また、国内での高齢化のなかでも第一次産業の高齢化は著しく、また、相対的な経済力の低下と海外の人口増で食料の調達コストはますますあがるでしょう。
直接輸入だけでなく、飼料の輸入コストや肥料の生産コストはあがって、国産の肉や米、野菜もあがっていきます。
これを解消するとしたら、ハーバー・ボッシュ法にかわる実用的で低コストにアンモニアをつくる方法を発明するくらいかな・・・。その実現性はよくわかりません。
代替食料が普及するよりも前に、低インプットでつくることのできる農法が脚光を浴びる可能性もあります。少なくとも食料流通は望まなくとも変わっていくでしょう。

その他

その他、ハイテク関連は全然明るくないんですが(ITも知ったかですが)、バイオ方面で期待されているオーダーメイドな製薬や、臓器クローン、遺伝子選抜、知能を増強するようななにかが進んで、健康面でも一般市民と富裕層の間の差は広がりそうな気もします。

と、なんか散漫に思いつきめいた未来予想を書いてみました。
ぼくらの未来はどうなるでしょうか。

コンピュータサイエンスの未来観の変遷

最後に、自分がかつて所属していた研究室の大ボスが言っていた、コンピュータサイエンス分野の未来予想についておもしろかった話をひとつ。

かつては、コンピュータサイエンスは、未来を楽観視していました。 たとえば、ノーベル経済学賞をとって人工知能やシステム科学を考えていたハーバート・サイモンは、マシンは20年後には人ができること何でもできるようになる、と言っていた*7り、パーソナルコンピュータの父、アラン・ケイは、未来を予測する一番いいやり方は未来をつくることだと言ったりもしていた。

しかし、そのあと、コンピュータサイエンスは何も分からない、という考えになってきています。 Webの父、ティム・バーナーズ=リーは、コンピュータサイエンスはコンピュータの中で何が起きてるかは分かるけれどWebのなかのことはなにもおしえてくれない、と言ったり、「Facebookはどういうロードマップなの?」という質問に、創業者のマーク・ザッカーバーグは、ただ6年コンピュータの前に座ってコードを書いただけだと言ったり。

そういえば、その大ボスが所属していた、京大情報学研究科の同窓会、超交流会2019が来週5/25(土)に開催されます。
同窓会ですが、大学・OB関係は2割くらいだったりする謎イベントなので関係ない人でも気軽にお越しください。有料ですがおもしろい人々がおもしろい話をしたりいろいろしゃべれる異様な場所です。
学生はなんと無料です。ビール飲み放題です。
みんなきてくれ!(PR)

www.johogaku.net

自分も運営スタッフしていてうろうろしているのでこの自分の駄予想についても議論できればと思っています。

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

さらに、そういえば4年前にも未来予想っぽい話を書いていた。 これを書いた頃と比べると自分の関心事とか視点の変遷がわかる気がする。知識・知恵がついた気があまりしていない・・・。

dai.hateblo.jp

Slackとコミュニケーションツールの選び方

Oracle社は14万人でSlackをつかっているらしい。

14万人がSlackを使うオラクル、メールでもチャットでもない魅力を語る(週間アスキーhttps://weekly.ascii.jp/elem/000/000/428/428690/

それだけいたらどれだけワークスペースがあるんだろう、とか、役員会とかもワークスペースがあって、そこになにかの案件でゲストとして招待されたら緊張するだろうな、とか考えたり。

14万人でEnterpriseプランだとどれくらいになるかわからないけれど、プラスプランの1人月1,600円だとしたら1年で26億円。すごい。 コミュニケーションツールは、データも業務フロー双方でかなりロックインされるしでしばらく抜け出すのは難しそう。

この記事で、おやと思ったのはSlackを、メールでもチャットでもないものとして取り上げていたこと。

Slackってなんなんだろう。

さて、ここから本題です。ある架空の組織での話で、Slackをコミュニケーションツール悩んでいる話を書いてみます。オチはないのですが、よければ感想など聞けたらと思っています。

前提

・ある、30数名くらいの組織にて、これまでメール中心にやってきたけれど人も増えてきてコミュニケーションを円滑にしていくのにチャットツールを導入したい。
・Slackを試験導入(無料)してみたところ一部チームではうまく使えているけれどどそのチーム以外にうまく広げられていない。
・無料期間という甘えもあって、本気で組織内普及もできていなかったということもあるけれど組織の内部だけでもメールとHangoutが使われ続けているし、Slackが難しいと感じていたりする人が多い。
・全員集まる機会はまれで、PCをほぼ使わないメンバーも多く、ITに不慣れなものも少なくないことも原因の一つかもしれない。
・でも、そろそろ人も増えてきてコミュニケーションの道具を整理してスムーズにしたい。しかし、有料化するにはSlackはやや高い。かつ、かなりロックインされるので戻れないため慎重に判断したい。

そして重要なのが、Slackがそれに値するよいものかどうかを、意思決定者が確信を持てていない(しかし、世の中の多くの先進的な企業に採用されているのであれば、自分がなにかを理解していないのではないか?)。

とるべき選択肢

・お金をかけてSlack有料化して全力普及する
・Slackをうまく使えているチームに旗を振ってもらって、組織内の普及を励んでもらって、その成果で有料化するかどうか決める
・ほかのツールを探す
・Hangoutがまともになるのを待つ

どうするべきだろう? まず、現在おもに使われているメールの欠点とメリットを考えてみることでチャットツールのことを考えてみます。

メールの欠点はなんだろう?

メールは、おもにITエンジニア界隈では古くさいものとしてみられがち(な気がする)
・リアクションが返信という、参加者のアテンションを奪うものしかないためハードルがありコミュニケーションのハードルが重くなる
(i一方のSlackなどでは気軽にリアクションできる。Typetalkとかでは何度も打てるスターがある)

・メールそのものの重要度を設定できないため、(組織によっては)コミュニケーションのハードルがあがる。
軽い話題も、重い議論も平等。
Microsoft Exchange(同士)では、メール送信者が重要/非重要のラベルをつけることができるとか、Gmailでは重要度を自動判断したりとかはある)

・宛先が固定されていて、その時点で正しく設定したとしても後のメンバーが話題を参照しにくい。特に、新規参画する人がいると、情報をキャッチアップしにくい。
(Slackでは検索して参照したり、過去のやりとりをリンクとして共有できて便利。話題を必要としていたり、興味のある人が参加でき、またあとで招待できる)

余談だけれど、一部で指摘される下記の問題はメールの欠点ではない。
・メールは(チャットと比べて)形式的になりやすくて送信コストが高い、とかは組織の問題でメールの問題ではない。メールでもみんな一行返信でいいよ。
・1つのやりとりで話題が増えると追っかけられなくなるはGmailのスレッド機能がある程度解決している。返信されなくなるのは、Slackでも同じ。

メールのメリットとして

・(特にGmailでは)処理済み/不要メールをアーカイブしていくことでメールボックスに残っているものは要対応なものとしてタスク管理的に使える(GTD的ですね)
→ 逆に、Slackメインの方々はタスク管理、どうやっているんだろう。都度都度、課題管理システムに起こす?(もちろんメールでも重いタスクは課題管理システムに登録すべきだとは思う)
Slackで質問があって、返そうと思っても、途中で別のことに気をとられたりするうちに、どこのチャンネルかわからなくなったり、チャンネルも流れていったりしがち。

・社外のひととのやりとりと社内を同じツールで使える。社内転送したりとか
(Slackメインの組織でここらへんの必ず発生する社外とのメールをどう連携しているかは気になる。二重管理にならざるを得ない?)。

その流れとして、Googleのチャットツール、Hangoutは一部よくできていた(過去形)
Gmailのメールの検索でhangoutのやりとりも引っかかる
・チャットに途中に参加した人も、過去ログを読める
Gmailの画面で送受信できるので気付きやすい
・モバイルアプリもぼちぼちよくできているし通話、テレビ会議もぼちぼち。

ただし、Slackと比べると、
・チャンネルのように話題ベースで発話しにくい(できなくはない?)。
・マルチメディアや別サービスとのインテグレーションが難しい
という欠点があった。

GoogleはG Suiteの一環でChatをつくりなおす!とぶちあげていたけれど、けっこう悲惨だった。
2019/10に新しいものつくるらしいので期待はしている。

脱線しますが、G SuiteはGoogle+の失敗の知見をうまく活かせているか心配。
冒頭でGoogle+を参照してプロダクトマネジメントの重要さを説いたInspiredという本がめっちゃいいので、ソフトウェア開発に関わる人(特に、経営者、ビジネスサイドのみなさま)読んでください。無料で読めます。

inspiredjp.com

第2版の日本語化も熱望しています(協力します)

Slackについて

さて、メールの話でもSlackに触れていたが、Slackについて検討するときも、メールと同じように欠点から見ていく。
まず価格。1人850円/月。30名で306,000円。少数精鋭なIT企業とかスタートアップとかならともかく、非デスクワークなメンバーやパートタイマーの多い組織だと割高に感じる。

もちろんこういう話題もあるけれど、価格というよりもツール自体に確信が持てていない。

一方でTypetalkの25ユーザから50ユーザまで年79,800円は魅力的・・・。Slackを試験導入しているので、また新しいツールか、という疲弊を含めたスイッチングコストは高いけれど。。
www.Typetalk.com
(あるいはSlackのエクスポートデータをインポートするのサポートしてくれないかな。データも見ていない。

あとは、ITツール不慣れな人に触ってもらうと、けっこう難しいと感じやすいと思う。
チャンネルとは何か、いつ返信すべきか、スレッド機能でクローズに返信しがち、それに気付かず放置されがち。
というかスレッド機能、デフォルトでそのチャンネルにも投稿してほしい。

近い話題で、Typetalkでは、ハッシュタグでまとめ機能つかえるのけっこういいと思う。

www.Typetalk.com

そのほか

そのほか、Discordを業務で使うのはどうなんだろう?ログインメッセージが恥ずかしい問題はあるけれど。
LINE WORKSつかっているひと知らないので使い勝手だれか教えてください。
ChatworkするならTypetalkかな、、(ちゃんと比較検討できていません)

フリーランスの方や、スタートアップ系でたまにいらっしゃるのだけれど、Facebookを業務のやりとりでつかうのはけっこうつらい。検索性が悪いし通知がきて返信しに行ったらついついウォールを眺めてしまって時間が消える。

そうこう書いていたらSlackに年30万くらいいいじゃん、という気持ちになってきたけれど、もうちょい確信が欲しい。

そういやMicrosoftに買収されYammerどうなったんだっけ。

以上、オチはありません。なにか後押しというか確信が欲しい。

コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)

コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)