ぜぜ日記

ブログです

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤陽子)』どうしたら戦争を避けられたのか。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)作者:加藤 陽子新潮社Amazon 歴史学者が中高生(栄光学園の歴史研究部)への5日間の講義をもとにした本。口語で書かれ、質問と応答もあって歴史の本としては独特なんだけれど、日清戦争から国際情勢と日本のト…

「日本一の農業県はどこか」(2024, 山口亮子)感想文

日本一の農業県はどこか―農業の通信簿―(新潮新書)作者:山口亮子新潮社Amazon さまざまなデータを鋭い切りくちで分析していたり、行政の人や農業者にインタビューしていて参考になるし地域差の事例もおもしろいし、主張に同意できるところも多い。自治体や…

沖縄の路上園芸散歩

路上園芸という言葉がある。村田あやこさんという方が町のなかの緑のよさに着目してはじめた分野だ。氏の著書、たのしい路上園芸観察(2020)によると、「住人によって路上で営まれる園芸」と「人の手を離れ、路上が営む園芸」の2つがあるという。 たのしい路…

RubyKaigi 2024 参加してきた日記

3行まとめ RubyKaigi というプログラミング言語についてのカンファレンスに参加してきた 難しいテーマが多かったが、セッションで言語開発に学び、ハッカーの生態に触れることができた Ruby 最高、Ruby の未来は明るい。貢献したい RubyKaigi とkaigiに参加…

沖縄の鯉のぼりは横に並びがち

鯉のぼりというと、空に向かって伸ばした竿に、上から大きい順に並んでいるイメージがある。今年、うちの子が保育園で画用紙を切ってつくった鯉のぼりもそうだったし、Google画像検索でもだいたいそう。世の中には、川にロープを渡してたくさん並べて「映え…

沖縄(那覇)に行ってきた(2023年7月)

去年の7月なので時間がたっているのだけれど、5月15日から沖縄で開催される RubyKaigi というプログラミング言語 Ruby のカンファレンスに参加するにあたり、前回はどんな旅行だったかと振り返ってみる。 rubykaigi.org 村上春樹は「ラオスにいったい何があ…

「大災害の時代」(五百旗頭真) 次の災害に備える

先日お亡くなりになった、防衛大学長や東日本大震災の復興構想会議の議長を務められた五百旗頭真(いおきべ・まこと)さんの著書。 神戸大教授だったころに阪神・淡路大震災で被災し、ゼミ生を喪うなどした経験がある。 大災害の時代 三大震災から考える (岩…

読書メモ「日本の教育はダメじゃない ――国際比較データで問いなおす」(小松光,ジェルミー・ラプリー) 日本の教育すごいじゃん

日本の教育はダメじゃない ――国際比較データで問いなおす (ちくま新書)作者:小松 光,ジェルミー・ラプリー筑摩書房Amazon かなりよい本だった。 自分がいかに教育について先入観をもっていたか知ることができてよかったし、著者らのデータへの向き合い方から…

子どもと動画の付き合い方に困っている

3歳8か月ほどの子が、しばしばテレビをみたい、といってテレビで Youtube kids をみたいとせがみ見続けてしまう。気をそらして公園やおもちゃ、絵本に誘導しているけれど成功率は少しずつ減っていて困っている。 もともと、1歳のうちは保育園に迎えに行った…

ゴールデンカムイ実写映画雑感

子を義実家に預けて妻と観てきました。21時40分開始の会で観客は少なめだった。 とてもよかったし冒険の幕開けとしてのおもしろさはすごいので原作未読の方も観るとたのしいと思う。 話は原作の通りなので、物語的な驚きはなかったけれど、冒頭の203高地のシ…

広島・宮島・呉。島めぐり

先日、YAPCというイベントに参加するために広島に出かけてきた。YAPC自体についてはこちらに書いたので省略しつつ、会期終了後に妻と3歳児とうろうろ旅行した話を書いてみます。 dai.hateblo.jp YAPCが広島で開催されると知って、しばらく家庭Googleカレンダ…

YAPC::Hiroshima 2024参加してきた

YAPC(みな、やっぷしーと発音していた)とは、Yet Another Perl Conference というプログラミング言語 Perl を軸に世界的に開催されているカンファレンスです。近年ではその日本版毎年各地で開催されており、Perl に限らず Web を中心とするソフトウェア開…

早期教育には消極的という話

子の教育環境を求めて何度も引っ越したという孟子の母の逸話があったり、学んだことは誰も奪うことができない、というような意味の格言は世界中にあるし、学ぶことは大事だ、という価値観はそこそこ一般的だと思う。それでも、うちの3歳児には早期教育をあま…

「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~ (2011, 巽好幸) 、日本列島の成り立ちと食。

「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係 (光文社新書 1230)作者:巽好幸光文社Amazon マグマ学者でグルメ野郎でもある巽好幸先生の書いた本。大陸運動という大きな力と、それによって日本列島がどう成り立ったか、そしてこれが日本の食文化にどう影…

頭痛外来でねぎらわれた話

長年、2種類の頭痛に苦しんでいた。最近、頭痛外来という存在を知って思い立っていってきたところ診断もついて対策も教えてもらえた。ほんとうに治るかどうかはまだこれからだけれど、なかなかおもしろかったので頭痛外来での話を書いてみます。 まとめ 頭痛…

「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む」(宮本常一)と観文研

イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む (講談社学術文庫)作者:宮本 常一講談社Amazon もともとの日本奥地紀行は2013年に読んでいたので10年越し。 dai.hateblo.jp イザベラ・バードは19世紀の大旅行家で、明治初期に彼女が日本を東京から北海道まで旅…

「冤罪と人類ー道徳感情はなぜ人を誤らせるのか」(管賀 江留郎)はすごい本だった。人間は過ち続ける・・・

冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF)作者:管賀 江留郎早川書房Amazon 最近でも湖東病院事件、大川原化工機冤罪事件、プレサンス元社長冤罪事件と冤罪事件は続いているし、IT関連ではPC遠隔操作事件や、岡崎市立中央図書館事件など誤…

読書メモ「わが盲想」目が見えないながら日本留学した著者の奮闘記

わが盲想 (ポプラ文庫)作者:モハメド・オマル・アブディンポプラ社Amazon モハメド・オマル・アブディンさんの「わが盲想」を読みました。 スーダン生まれで12歳で目が見えなくなった著者が19歳で日本留学し福井で鍼灸と点字、日本語を学んで挫折したり乗り…

Spectator vol.49「自然って何だろうか」を読みました。

スペクテイター〈49号〉自然とは何だろうか幻冬舎Amazon Spectatorという雑誌(?)をはじめて買ってみた。年3回くらい出しているカウンターカルチャーっぽい雑誌です。 どの記事もおもしろかったんですが、特に坂田昌子さんという、宮本常一や網野善彦に学…

傑作ファンタジー「ウィッチャー」を読んだ。ダークで旅する神話

ウィッチャーⅠ エルフの血脈 (ハヤカワ文庫FT)作者:アンドレイ サプコフスキ早川書房Amazon ゲーム化されて世界中で大ヒットしてNetflixでドラマ化もしているウィッチャーの原作小説を読みました。自分は原作もドラマも知らないので小説が初ウィッチャー。基…

武生に行ってきた。越前市・菊人形・OSK

11月のあたまに妻と3歳児とで福井県越前市で開催されていた「たけふ菊人形」を見物にいってきた。このあたりは越前町や南越前町と似た名前の地名があってわかりにくく、2005年の合併までの地名である武生(たけふ)市のほうがまだ知られているようにも思う。…

「スローフード宣言」(アリス・ウォータース)読書メモ

スローフード宣言――食べることは生きること (海士の風)作者:アリス・ウォータース,ボブ・キャロウ,クリスティーナ・ミューラー英治出版Amazon アリス・ウォータースはカリフォルニア州バークレーで「シェ・パニーズ」という、アメリカでもっとも予約の取れな…

育児雑感 2023年秋

いつのまにか子も3歳になってきて、生まれてすぐはこまめに書いていた育児日記も途絶えて久しい。 途絶えた理由として、子をみていても、保育園でほかのキッズをみていてもかなり個性の差を感じてきていることがある。 子育てをしているとおもしろエピソード…

「物価とは何か」(渡辺努)を読んだ。物価、なんなんでしょうね・・・。

物価とは何か (講談社選書メチエ)作者:渡辺努講談社Amazon 農作物の価格がなかなかあがらないなあ、ということに関心を持っている流れで読んでみました。 東大の経済学部教授でかつ物価情報を配信する株式会社ナウキャストの創業者の渡辺努先生による、イン…

「異常【アノマリー】」感想。いい読書体験だった

SF小説「異常【アノマリー】」を面白く読めたので感想文を書きます。 (末尾にスペースをあけてネタバレ感想を書いています。そこまではネタバレなし) 異常【アノマリー】作者:エルヴェ ル テリエ早川書房Amazon まず、その異様な表紙の写真に目が行く。荒…

読書メモ「入門 東南アジア近現代史」(岩崎育夫)

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)作者:岩崎 育夫講談社Amazon 東南アジアは海外旅行としても身近で、エスニックでおいしい食事も人気があるし東南アジアから日本に移住しているひとも増えているし、肌感覚でも距離が近づいているようにも感じる。 …

「成瀬は天下を取りに行く」(宮島未奈) 近所が舞台でおもしろかった。

成瀬は天下を取りにいく作者:宮島未奈新潮社Amazon 中高生を主人公として、大きな事件が起きるわけでも、恋愛模様が描かれるでもない日常を描いた小説なんだけれど、なかなかおもしろかった。 特に、舞台が滋賀県大津市と自分の住んでいる地域でこのブログ名…

「エンダーのゲーム(オースン・スコット・カード)」読書メモ。現代にも通じる傑作SF

1985年出版で1985年にネビュラ賞、1986年にヒューゴー賞とSFのビッグタイトルを2つとっている傑作。ちょっと前に映画化されたときに気になっていて、積んでいたのをようやく読んだ。 エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)作者:オースン・スコット・カード早川書…

「ファシズムの教室(田野大輔)」読書メモ。人々はファシズムの暴走を防げるのか

ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか作者:田野 大輔大月書店Amazon 30年ナチスを研究してきたという田野大輔先生の「ファシズムの教室 ーなぜ集団は暴走するのか」(2020)を読みました。 ファシズム・全体主義に対しては、自分も、おそらく多くの人も抑…

「三体0 球状閃電」すばらしい研究開発SF

三体0を読みました。 あの世界的にヒットした傑作SF三体3部作の前編、prequelです。 でも、三体を読んでいなくても楽しめるし、むしろ三体を読む前のほうが楽しめるかも。実際の執筆順もこちらが先で、中国では単に「球状閃電」という名前で2004年に公開され…