ぜぜ日記

ブログです

広島・宮島・呉。島めぐり

先日、YAPCというイベントに参加するために広島に出かけてきた。YAPC自体についてはこちらに書いたので省略しつつ、会期終了後に妻と3歳児とうろうろ旅行した話を書いてみます。 dai.hateblo.jp YAPCが広島で開催されると知って、しばらく家庭Googleカレンダ…

YAPC::Hiroshima 2024参加してきた

YAPC(みな、やっぷしーと発音していた)とは、Yet Another Perl Conference というプログラミング言語 Perl を軸に世界的に開催されているカンファレンスです。近年ではその日本版毎年各地で開催されており、Perl に限らず Web を中心とするソフトウェア開…

早期教育には消極的という話

子の教育環境を求めて何度も引っ越したという孟子の母の逸話があったり、学んだことは誰も奪うことができない、というような意味の格言は世界中にあるし、学ぶことは大事だ、という価値観はそこそこ一般的だと思う。それでも、うちの3歳児には早期教育をあま…

「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~ (2011, 巽好幸) 、日本列島の成り立ちと食。

「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係 (光文社新書 1230)作者:巽好幸光文社Amazon マグマ学者でグルメ野郎でもある巽好幸先生の書いた本。大陸運動という大きな力と、それによって日本列島がどう成り立ったか、そしてこれが日本の食文化にどう影…

頭痛外来でねぎらわれた話

長年、2種類の頭痛に苦しんでいた。最近、頭痛外来という存在を知って思い立っていってきたところ診断もついて対策も教えてもらえた。ほんとうに治るかどうかはまだこれからだけれど、なかなかおもしろかったので頭痛外来での話を書いてみます。 まとめ 頭痛…

「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む」(宮本常一)と観文研

イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む (講談社学術文庫)作者:宮本 常一講談社Amazon もともとの日本奥地紀行は2013年に読んでいたので10年越し。 dai.hateblo.jp イザベラ・バードは19世紀の大旅行家で、明治初期に彼女が日本を東京から北海道まで旅…

「冤罪と人類ー道徳感情はなぜ人を誤らせるのか」(管賀 江留郎)はすごい本だった。人間は過ち続ける・・・

冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF)作者:管賀 江留郎早川書房Amazon 最近でも湖東病院事件、大川原化工機冤罪事件、プレサンス元社長冤罪事件と冤罪事件は続いているし、IT関連ではPC遠隔操作事件や、岡崎市立中央図書館事件など誤…

読書メモ「わが盲想」目が見えないながら日本留学した著者の奮闘記

わが盲想 (ポプラ文庫)作者:モハメド・オマル・アブディンポプラ社Amazon モハメド・オマル・アブディンさんの「わが盲想」を読みました。 スーダン生まれで12歳で目が見えなくなった著者が19歳で日本留学し福井で鍼灸と点字、日本語を学んで挫折したり乗り…

Spectator vol.49「自然って何だろうか」を読みました。

スペクテイター〈49号〉自然とは何だろうか幻冬舎Amazon Spectatorという雑誌(?)をはじめて買ってみた。年3回くらい出しているカウンターカルチャーっぽい雑誌です。 どの記事もおもしろかったんですが、特に坂田昌子さんという、宮本常一や網野善彦に学…

傑作ファンタジー「ウィッチャー」を読んだ。ダークで旅する神話

ウィッチャーⅠ エルフの血脈 (ハヤカワ文庫FT)作者:アンドレイ サプコフスキ早川書房Amazon ゲーム化されて世界中で大ヒットしてNetflixでドラマ化もしているウィッチャーの原作小説を読みました。自分は原作もドラマも知らないので小説が初ウィッチャー。基…

武生に行ってきた。越前市・菊人形・OSK

11月のあたまに妻と3歳児とで福井県越前市で開催されていた「たけふ菊人形」を見物にいってきた。このあたりは越前町や南越前町と似た名前の地名があってわかりにくく、2005年の合併までの地名である武生(たけふ)市のほうがまだ知られているようにも思う。…

「スローフード宣言」(アリス・ウォータース)読書メモ

スローフード宣言――食べることは生きること (海士の風)作者:アリス・ウォータース,ボブ・キャロウ,クリスティーナ・ミューラー英治出版Amazon アリス・ウォータースはカリフォルニア州バークレーで「シェ・パニーズ」という、アメリカでもっとも予約の取れな…

育児雑感 2023年秋

いつのまにか子も3歳になってきて、生まれてすぐはこまめに書いていた育児日記も途絶えて久しい。 途絶えた理由として、子をみていても、保育園でほかのキッズをみていてもかなり個性の差を感じてきていることがある。 子育てをしているとおもしろエピソード…

「物価とは何か」(渡辺努)を読んだ。物価、なんなんでしょうね・・・。

物価とは何か (講談社選書メチエ)作者:渡辺努講談社Amazon 農作物の価格がなかなかあがらないなあ、ということに関心を持っている流れで読んでみました。 東大の経済学部教授でかつ物価情報を配信する株式会社ナウキャストの創業者の渡辺努先生による、イン…

「異常【アノマリー】」感想。いい読書体験だった

SF小説「異常【アノマリー】」を面白く読めたので感想文を書きます。 (末尾にスペースをあけてネタバレ感想を書いています。そこまではネタバレなし) 異常【アノマリー】作者:エルヴェ ル テリエ早川書房Amazon まず、その異様な表紙の写真に目が行く。荒…

読書メモ「入門 東南アジア近現代史」(岩崎育夫)

入門 東南アジア近現代史 (講談社現代新書)作者:岩崎 育夫講談社Amazon 東南アジアは海外旅行としても身近で、エスニックでおいしい食事も人気があるし東南アジアから日本に移住しているひとも増えているし、肌感覚でも距離が近づいているようにも感じる。 …

「成瀬は天下を取りに行く」(宮島未奈) 近所が舞台でおもしろかった。

成瀬は天下を取りにいく作者:宮島未奈新潮社Amazon 中高生を主人公として、大きな事件が起きるわけでも、恋愛模様が描かれるでもない日常を描いた小説なんだけれど、なかなかおもしろかった。 特に、舞台が滋賀県大津市と自分の住んでいる地域でこのブログ名…

「エンダーのゲーム(オースン・スコット・カード)」読書メモ。現代にも通じる傑作SF

1985年出版で1985年にネビュラ賞、1986年にヒューゴー賞とSFのビッグタイトルを2つとっている傑作。ちょっと前に映画化されたときに気になっていて、積んでいたのをようやく読んだ。 エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)作者:オースン・スコット・カード早川書…

「ファシズムの教室(田野大輔)」読書メモ。人々はファシズムの暴走を防げるのか

ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか作者:田野 大輔大月書店Amazon 30年ナチスを研究してきたという田野大輔先生の「ファシズムの教室 ーなぜ集団は暴走するのか」(2020)を読みました。 ファシズム・全体主義に対しては、自分も、おそらく多くの人も抑…

「三体0 球状閃電」すばらしい研究開発SF

三体0を読みました。 あの世界的にヒットした傑作SF三体3部作の前編、prequelです。 でも、三体を読んでいなくても楽しめるし、むしろ三体を読む前のほうが楽しめるかも。実際の執筆順もこちらが先で、中国では単に「球状閃電」という名前で2004年に公開され…

「サタデー・ナイト・フィーバー(1977)」70年代ブルックリンの若者たち

疲れた週末の夜、なんとなく Amazon Prime Video で並んでいた中で気楽にみれそうと選んだ映画だったけれど思いの外に楽しめた。ひさびさに見た映画。 ディスコでフィーバーする映画かと思っていたし、そういう場面も盛り上がるんだけれど、その裏でニューヨ…

「歴史学のトリセツ(小田中直樹)」多様な歴史の方法論

ちくまプリマ―新書の「歴史学のトリセツ」を読みました。学問として確立しているようにみえる歴史学のさまざまな潮流をわかりやすく説明していて、アカデミアのダイナミズムのようなものを感じられるのがよかった。 まず、授業で学ぶような歴史はなぜつまら…

「ヒトラーとナチ・ドイツ」(石田勇治)を読んだ

石田勇治先生の「ヒトラーとナチ・ドイツ」読んだ。民主的なワイマール憲法下でなぜヒトラーが権力を握るに至ったか、ホロコーストを実行する組織はどうつくられたかが書かれていて恐ろしくも学びがあった。 ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)作者:石…

インボイス制度の本質と雑感

インボイス制度がはじまるにあたっていくつか思うところがあったので書いてみる (あくまで自分の理解でしかありません。税務についてアドバイスはできないので、必要でしたら税理士か税務署にご相談ください) まず、インボイス制度とその本質について3行で…

読書メモ:「日本会議の正体」(2016, 青木理)

日本会議の正体 (平凡社新書)作者:青木理平凡社Amazon 読んだ。政治家を含め多数の関係者にインタビューしていて、なにかと黒幕的に語られるこの組織のことについて知ることができた。 日本会議のやろうとしていることのいくつかは全然賛同できないし、国益…

子連れ宮崎観光日記

先日、2歳児を連れて妻と自分の3人で宮崎県に1泊2日で旅行してきました。 乗り換えで降りた南宮崎駅からの景色。南国。 遠出の旅行をこれまで敬遠していました。近所にもおもしろいところがあると思っていて、わざわざ時間とお金をかけて飛行機に乗るのなら…

「物語 アイルランドの歴史」(波多野裕造)を読んだ

従妹がアイルランド人と付き合いだしたものの、祖母が英語もアイルランドのこともわからないと言っていたので手に取ったんだけれどかなりおもしろかった。 物語アイルランドの歴史―欧州連合に賭ける“妖精の国” (中公新書)作者:波多野 裕造中央公論新社Amazon…

「スマート・テロワール」は地方の生存戦略になるか?

カルビーの二代目社長の松尾さん(故人)による農村再生マニュアル「スマート・テロワール」(2014,松尾雅彦,浅川芳裕)を読みました。 農村部の問題や、諸外国での事例、過去の研究などを引き合いに出して農村が自立して発展していくための方法を説いているし、…

YAPC::Kyoto 2023 にいってきた

YAPC::Kyoto 2023 に参加してきました。ひさびさのリアル開催での技術カンファレンスです。とはいえ初YAPCだし、ほかのカンファレンスもそう参加したことはありませんが・・・ YAPC とは yapcjapan.org YAPC は Yet Another Perl Conference の略で、直訳す…

福井のあわら温泉がなかなかよかった

福井県の北部にあるあわら温泉(芦原と書く)は1880年代に発見された新しめの温泉街です。不思議なよさのある泉質で入っているとなんともないんだけれど、そう熱くないのに体が温まる感じと肌の調子がよくなった気がします。ほかと泉質を比べられるほど温泉…