大津宿日記

@daaaaaai の日記です

Kindle Unlimited のキャンペーンを試してみた話とおすすめいくつか

Amazonがやっている電子書籍サービスkindleの、定額で一部の本を読み放題になるというKinke Unlimitedというサービスがある *1

こういう定額サービスは延々お金を払いそうで敬遠していたけれど、kindle unlimited対象で気になっていた本を突っ込んでいた欲しいものリストがまあまあ増えてきたのと、ちょうど2ヵ月99円キャンペーンをやっていたので試してみた。

あと、このtweet*2をみて、たまにやっている2ヵ月99円キャンペーンではすぐキャンセルしてもお金を払った期間は使える、ということを知ったのも大きい。

実際に、即キャンセルしても読み放題は有効で、新しく本を端末にダウンロードして読むこともできる。これはちょうど2か月後の購入時刻まで続き、Android端末では読書中に突然無効ですと表示された。ちなみにkindle paperwhite機内モードにして本を開いていると期限を過ぎても3日ほどは読み続けることができました(本棚に戻るとkindle unlimitedでダウンロードした書籍はすべて消えていた)。

ダウンロードして、巻末解説だけ読んでおわりにできたり気軽に拾い読みするのは便利だけれど、欠点としては、ほんとうに読みたい本よりも、期間限定のkindle unlimitedがあるしな・・・と貧乏性によって本を読む優先度に影響を受けたこと。しかし毎月990円払うほどではないとは思った。

読んだ中でのいくつかおすすめとしてメモを共有しておきます。

失敗の科学(マシュー・サイド)

一番おすすめ。医療過誤が発生し続ける医療の現場、組織的な対策がとれている航空業界の対比からはじまり、組織の失敗や個人の失敗、またどう失敗を防ぐかということがさまざまな本や事例から取り上げられている。無謬であると過信して冤罪を生み出す司法は日本にユニークなものではない、ということがわかって悲しい。

冤罪を生み出す司法のシステムは、検察や裁判官の傲慢さだけではなく、制度自体に失敗を認めがたい構造があるし、犯人をとらえることを警察に求め、厳罰を求める大衆の圧力も小さくはない。

学びとは何か-〈探究人〉になるために (今井 むつみ)

知識を積み重ねていくという学習観(本書では知識ドネルケバブ・モデルと名前をつけていく)ではなく、対象領域のスキーマをもち、これをアップデートしていくのが学習だということを解説している。

育児をしていると、子どもがどう学んでいるかをまじかでみているので、わかるところもあるし、育児のヒントのようなこともちらほら。 子どもは自身の言語を発明しているという視点がおもしろかった。

改訂版 賀川豊彦伝 貧しい人のために闘った生涯(三久 忠志)

日本最大の生協、コープこうべを興した人間の一人として知っていて手に取ったけれどそれ以上であった。

神戸のスラムでキリスト教による共同生活・奉仕活動をして労働運動を組織して、プリンストン大にも留学して生協運動を主導し世界にも影響を与えた人物。

一九二〇年から五〇年頃にかけて、日本の有名な人物は誰かとアメリカ人に聞くと、最初に返ってくるのはヒロヒト天皇陛下という答えです。二番目に挙げるのは賀川豊彦という名です。つまり一九〇〇年代前半、欧米で最もよく知られた日本人は賀川豊彦という人物だった

というほど。やってることがすごすぎるのと、伝記としては文章がこなれていなさすぎていて吹かしているのでは、という感じもしてしまう。

しかしマジでノーベル平和賞に何度もノミネートされている。 https://www.nobelprize.org/nomination/archive/show_people.php?id=4681

最後の竜殺し(ジャスパー・フォード)

モダンイギリス・コメディSFでおもしろかった。別に感想を書いていた。おすすめですがみなさまがどう読むのか気になる。

dai.hateblo.jp

隣り合わせの灰と青春 (ベニー松山)

RPGの元祖のひとつ、ウィザード・リィのノベライズで、傑作と聞いて読んでみたがたしかにダンジョン探索の緊迫感が表現されていてかなりよい。 いまどき異世界ものの源流ながら、話の筋も、ギリギリ感のある戦闘描写もすごい。

ダンジョン攻略を目指す、主人公たち、善(グッド)と対峙する、悪(イビル)の個性豊かなライバルパーティが好き。

ほか「風よ。龍に届いているか」「不死王」など同著者のウィザードリィのノベライズもおもしろかった。ゲーム的な表現はより薄く、絶望感は大きかった。不死王の、人が増えたことなどによってエルフの寿命は短くなり魔法が衰えているという設定もいい。

別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した(佐々木 閑)

こういう100分de名著シリーズもいろいろある。どれが対象でどれが対象じゃないかは誰がどう決めているんだろう・・・。本書では「釈迦の仏教」と日本に伝わった大乗仏教の違いを解説している。各宗派とお経の違いもあきらかでどう国家や民衆に受け入れられていくために変容したかがおもしろい。

独裁の政治思想(猪木 正道)

1961年初版の本。読み切れなかったけれど、旧権力がどう独裁に移行するかの雰囲気を感じられてよかった。

革命を破壊と創造の二つの過程の複合であるとみなし、旧政治権力が崩壊してゆくのと並行して、新政治権力が誕生、発展していき前者にたいし後者が上回る場合に、革命がはじめて発生するという洞察がおもしろい。

「独裁政は美しい場所であるが、一旦登ってしまうと降りる道がない。」 プルターク英雄伝(河野訳岩波文庫版 二三頁)

ふりかえり

こういう電子書籍エコシステムをなんとか国産でつくれなかったものか・・・

*1:日本では2016/8/3に開始した https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000596.000004612.html

*2:イーロン・マスクの強引なサービス名変更に反感を持っているので古い呼び名を使い続けています