6月の頭、オーストラリアのシドニーに出かけてきた。
2年ちょっと前に妻の友人一家が移住していて、去年、妻が遊びにいったときに、すんなり住むイメージができてとてもよかった街だったと言っていて気になっていたところ、閑散期だからか通常の半分のマイルで特典航空券を取れるというセールをやっていたことで押し切られました*1。
タイミング的には南半球のシドニーは雨の多い冬で閑散期。それに加えて日本の景気の悪さを発揮して羽田からの便は搭乗率2割ちょっととスカスカで路線便が維持されるか不安になるほどでした・・・(乗客としては快適でしたが)。
そんなわけで出かけてきたシドニーでの話を書いてみます。
まず、シドニーという都市部のさらに一部しかみていないけれど、日本との大きな違いとして、インフラを中心にあらゆる場所が効率化・省人化され、強力にキャッシュレス化されていたのが驚き。
シンプルな公共交通機関
バスも路面電車(トラム)も電車も、公共交通機関としても利用されているフェリーでも、OPALカードというプリペイドのICカードか、タッチ決済のクレジットカードでしか乗ることができない。紙の切符は存在しないし、現金での券売機もない。ある程度大きな駅でもOPALカードへの入金用の端末が1つポツンとある程度*2。
そのシンプルさによって駅員さんはほぼいない。トラムの乗降口でタッチしないか監視している人がいるくらい。さらに地下鉄(メトロ)は運転手もいない。
そして駅もシュッとしていてかっこいい。
ちなみに、子連れ旅行でのトラブルがこのOPALカードで2回あったので、どなたかの参考になればと書いてみる。
1. 子どもは自身でタッチさせないといけない
子どもは3歳までは無料、4歳から15歳までは子ども料金で乗れる。ただ、そのためには子ども用のOPALカードが必要ということで用意していたのだけれど、途中、いつの間にか子ども用のカードがブロックされ、改札に入るときに invalid 53 とエラーが出るようになった(アプリでは単に Blocked)。駅の人に聞くと、ここではどうにもできず、交通局(的なところ)に問い合わせるしかできない、子どもは何歳?4歳?じゃあカードはいいから抱っこして行きなよ、的なことを言ってもらった。 あとになって思い返すと、子どもが寝ているときに抱っこしながら、自分が子どものカードでタッチしたことがあった、合わせて自分のカードでもタッチしたので不正ではないつもりだけれど、何らかの監視によって大人が子ども用カードタッチしたと認識されてブロックされた可能性はあるかもしれない。交通局との電話のやりとりに自信がなく、残高3ドルはそのままとなっている・・・。
2. 改札ゲートは日本のものより厳格で強固
日本では、6歳までは無料で電車に乗れるので大人が ICOCA でタッチして、一緒に歩いて改札をとおることができている。 しかし、シドニーで同じ感覚で改札を通ろうとしたらゲートがロックされ、OPALカードがこのカードはすでに入場しています、的なエラーが出て困った。駅員さんもいないので、隅にあった電話機でエマージェンシーなんたらコールをして、つたない英語力で頑張って説明したら部屋から係員が出てきてくれてゲートを開けてくれた。 大変だった・・・。一番英語力の不足を痛感した経験。
と、まあトラブルはあったのだけれど、公共交通機関は便利。 公共交通期間は1日の料金の上限があって、金土日は大人9.35ドルが上限でそれ以上はどれだけ乗っても0円で決済されたりと便利。
Opal benefits | transportnsw.info
どこでも同じカードで乗れて、上限があるというのは日本でもあったらいいとは素朴には思うものの、日本と違ってシドニーではバス・地下鉄・電車・フェリーも統一された運輸省(Transport for NSW)が総括し、管理している(実際の運営はそれぞれ民間への委託という立て付けらしい)というのもあるし、都市間交通が分離されているということもあって複雑に入り混じっている日本では難しそうではある。
また、シドニーでは最低賃金2,500円とのことで物価も高かったけれど、それによる省人化の動きも進んでいそうとは感じた。 https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/d020601fc88efdc3.html
キャッシュレス
公共交通機関以外でもキャッシュレスはすすんでいて、ファーマーズマーケットでの小さな出店者ですら小さなタッチ決済の端末をもっていて、タッチ決済をしている。当然飲食店やスーパーでもカード決済。
動物園でも、入場チケットはWebで買う前提で現地で買う導線はかなり目立たなかったし、後述する遊園地でのUFOキャッチャーですらクレカのタッチ決済に対応している。
そんなわけでこの旅でも現金という存在をまったく意識しない旅でした。 万博にでかけたときに、完全なキャッシュレスで万博できるのすごいぜ、と思っていたけれどシドニーはもっと先をいっていました。
シドニーのこと
シドニー自体はおだやかで、たまたま気候もよくて最高だった。移民文化は日本より盛んだったり、すし屋は日本よりもたくさんあるかもしれない。本格的なガチエスニックから、マレーシアフュージョン料理のお店があったり。
ただ、宿(airbnb)に泊まった2日目にエレベータのボタンすべてにトランプシールが貼られたり、夜のメトロで、禁じられているはずの飲酒若者がいたりで少し不穏さを感じたりもした。
あとは公共交通機関の加速がすごい。 バスも電車も船もアクセル踏み込んでいる感がある。現地に住んでいる妻の友人によると、バスでおじいさんが吹っ飛ぶのをみたこともあるそう。さらに、バスは次のバス停の電光掲示はおろかアナウンスもないのでGoogleMapとにらめっこする必要があって緊張感あった。これ、スマホ以前の時代のひとはどうしていたんだろう。乗るとき運転手さんに伝えるとか?もはやスマホなしの旅行を想像しにくい。
以下、よかったところいくつか
タロンガ動物園
かなり楽しくわくわくするすごい遊園地だった。海沿いの傾斜のある木立ちのなかにあって、歩いていて急に視界が開けたと思ったら海とオペラハウスや都市部がみえて驚いた。
バスでもフェリーでもいけるけれど、バスでいってフェリーでかえるとちょうど景色がよくていいかもしれない。 トラや鳥のところでは動物たちの住処にお邪魔するような感覚もあった。そしていろんな鳥がそこかしこにいてにぎやかでもある。
4歳児はヘビがみたくてたまらない時期にはいって、ヘビみたい~と言ったり、爬虫類エリアに行こうとして道を間違えたときに「もうだめだ~、ヘビがみれないなんておしまいだ~」と大げさに嘆いていておもしろかった。
フードコートでのフィッシュアンドチップスがおいしかった。
vivid Sydney
5月23日から6月14日まで繁華街(Circular Quayあたり)でやっていたイベント。毎年恒例?神戸のルミナリエとかこんな感じだったのかも(いったことはありませんが・・・)。光る遊具やいろんな展示があって楽しい。このために、トラムも数駅分、18時以降は運行を停止しているのは思い切っている。
マーケット
コーヒー屋ではフラットホワイトを頼んだり、ゆっくりすごせた。
すぐ隣に図書館もあって、絵本をみたりできてよかった。
たにしさんの新婚旅行で紹介されているいくつかのマーケットも気になっていたけれどタイミング合わず、ロックスにしかいけていない。Glebe Marketsいってみたかったな。
ルナパーク
サーキュラーキーの向かいにある遊園地。なんと入園無料。
ただ、アトラクションはダイナミックプライシングで変動はするけれど1日券55豪ドルとかする。むかしはアトラクションごと課金もあったそうで、それができたら観覧車に乗りたかったけれど、あきらめる。ほか、ぬいぐるみのあたるゲームはゲームごとに課金があって、子どもそれぞれにチャレンジさせました。なかなかおもしろかった。
町
動物園からのフェリーでみえる灯台。海沿いの家、いいなあ
日本語を用いたお店の看板もたくさんあった。
宿と子ども
今回は airbnb で借りていた家に4泊した。料理できたりぱっと洗濯、乾燥できて便利だった。 ただ、airbnb は紹介ページでの写真テクによって美しく紹介されていて、実際に行くとちょっと期待ほどではなかった、という体験をしがち。
招いて子ども同士で遊ばせながら大人は飲むというのもよかった。家にまねくと私物であふれかえっているので子供どうしが派手に遊びにくい・・・。今回は布団にもぐりこんでかくれんぼしていてもまあいいか、と思えた。
妻の友人のお子さんは2人、むこうに住んで2年ほどだけれど英語も日本語も上手ですごい、親御さんは異国での生活も仕事も誕生日パーティの仕切りもたいへんそうで尊敬する。元気なお子さんとうちの子とでなんか仲よく遊ばせることができたのが今回の旅行で一番いい経験だったかもしれない。
いやー、しかし子連れでの海外旅行はなかなかたいへんだった。もうしばらくはいいかな・・・(お金的にも体力・時間的にも)、と帰りの飛行機内で思ったのだけれど、2週間たつとまた行きたいと(分不相応にも)思ってしまう。これは二郎系のラーメンを食べて直後はもうしばらくはいいか・・・と思うものの翌日になるとまた食べたいと思ってしまうのと似ていると感じる。