ぜぜ日記

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馬蹄の赤錆をとった話

ひょんなことから錆だらけの馬蹄をもらってしまった。
せっかくなので文鎮か鍋敷きにでもしようと錆を落としてみる。たぶんG寺ハウスの影響もあるかもしれない。

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赤くなっているのは鉄の赤錆っぽいので鉄製と見込んで調べてみる。自分の化学知識は高校生レベルなのでちょっとあやしい。

まず鉄と錆について復習。俗に言う鉄錆は2種類ある。赤錆と呼ばれる酸化鉄(III)、黒錆という四酸化三鉄の2つに分かれる。不動態である黒錆では表面に緻密な膜が形成され錆でありながら防錆効果を持つ*1。一方で赤錆は内部を侵食し続ける。
どちらも酸化反応であり、これを戻すには還元が必要。今流行の言葉で言うと逆転する。

赤錆を落とすにはどういう還元剤が必要か。
Fe2O3をどうすればよいか自分の知識では分からないのでいろいろぐぐってみる。

錆落とし自体は市販品がたくさんあるけれど、ほとんどがリン酸系のようだ。

例えば花咲かGラストリムーバー
花咲かG「ラストリムーバー」

リン酸を鉄に塗布すると、表面の錆を溶かした上に鉄表面にリン酸塩皮膜を形成する。
このリン酸塩皮膜は、前に書いたステンレスの酸化皮膜やアルミのアルマイト皮膜同様に
密度の高い皮膜で、空気や水分を通さない。そのため錆の発生を防ぐ事ができる。

第1回錆取り

反応はこんな感じ。
Fe2O3 + 2H3PO4 → 2FePO4 + 3H2O

ほかにはサンポールなどの塩酸で錆を落とすのもある。
サンポールで錆びとり♪


あるいはレベルを上げて物理で落とすやり方もある。
サンドブラストという技法だ。ただしこれは道具が高価。
栗東蹄鉄 製作工程紹介

メジャーなのはリン酸系。
そして調べてみるとおもしろいものを見つけた。
糖蜜と水を1:10で混ぜるとリン酸が発生する、これにつけておくととれるというのだ。

Molasses and water rust remover converter - YouTube

これをやってみようかな、と思ったけれど廃液の処理が面倒そう・・・。とりあえずみんな大好きコーナンに行って値段を見て考える。

気になっていた花咲かGラストリムーバー も糖蜜も見つけられなかった。
ただ500円くらいで、3000円もする花咲かGラストリムーバーと比べると安めな錆落としがあってこれを買ってみた。リン酸と有機溶剤、水が主成分。さらに錆止めとして鉱物油もついてる。お得。
あと、けっこうこびりついていたのでワイヤーブラシ(128円)も。

とりあえず用意。
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塗ってみる。
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色と粘度が(ry

説明書に従って2分ほど待つ。匂いはシンナーっぽい。酸性が強いらしいけれど泡は出たりしない。
錆取りの効果を比較しようとしたけれど一目瞭然。布きれ(ウエスというらしい)でこするだけでけっこうとれる。
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楽勝かなと思ったけれど、黒い一部や釘穴のあいだがなかなか落ちない。
ワイヤーブラシでごしごししてもなかなか消えない。どうしたらいいんだろうか。鉄ごと削り取るくらいしか思いつかない。
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完全に綺麗にするのが目的ではないのでとりあえずウエスに色が移らないところまで落とした後にみんな大好きKURE-556を吹いて錆止めしておしまい。
使い古している味を残すのだ(酸っぱいブドウ)

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水はウエス経由でしか使っていないので廃液はでなかったし手軽。
ただ化学の知識と取り扱いをちゃんと知っていればもっといろんなことができるのかなー。強リン酸つくってガラス溶かしたりとか・・。


というわけで貴重な休日の2時間を使って錆を落としてた。

以上、チラシの裏すんません。

*1:不思議のダンジョンで言うメッキの巻物