ぜぜ日記

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広島・宮島・呉。島めぐり

先日、YAPCというイベントに参加するために広島に出かけてきた。YAPC自体についてはこちらに書いたので省略しつつ、会期終了後に妻と3歳児とうろうろ旅行した話を書いてみます。

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YAPCが広島で開催されると知って、しばらく家庭Googleカレンダーに入れたまま放置していたところ、年始ごろに妻から広島行くの?勉強会ぜひいきなよ、そして一緒に行きたい!と後押ししてもらっていたのもあって家族旅行になった。自分は前夜祭に参加するため午後休をとって少し先行し、妻と3歳の子どもとは1日目の夜に合流して、YAPC終了後は妻のライフワークだという島めぐりをしてきた。

広島で平和記念資料館以外にどこに行くべきかはあまりアイデアがなかったので、身近な広島大出身者2名(どちらも超優秀です)に事前に広島観光おすすめスポットを聞くと、ひとりは東広島市しかわからないんで・・・とのことでもう一人は宮島の自動紅葉焼き製造マシンとのことだった。 GoogleMapを眺めていると、かねてから知っていた大崎上島の中原観光農園さん( https://organicfarm-nakahara.com/ )をみつけ、1-3月も「なんでも狩り」をやっているとホームページに書いていたので電話してみたけれど、この時期は寒くてやってないそう。秋がおすすめだということなので今後の宿題。妻も地図とにらめっこして、呉で泊まってレンタカー借りるのがよいのではと計画をつけてくれて、JRのレール&レンタカーで予約した。乗車券が1割安くなってちょっとお得。

そんなこんなで宿とレンタカーだけ抑えて行先は曖昧なまま出発しました。

広島市

山陽新幹線で通り過ぎたことはあったけれど広島に降りるのはじつははじめて。前乗りしている友人にTwitter(現X)で声をかけへんくつやというお店にいってきた。駅から路面電車でも行けそうだけれどバスが早いようだったので20分ほどバスに乗ったけれど、えんえんと都会のビル街が続いていて思っていた以上の都会を感じる。自分にとっての最寄り都会の京都は建物が小さい分そう感じるのかもしれない。分岐する路面電車や歩道の広い目抜き通りや巨大なブックオフを眺める。

大都会を感じる

へんくつやは17時半ごろでピークタイム前ということもあってか、左右のテーブルともに子連れでおおらかな雰囲気。片方の目算10ヵ月ごろの子どもはしばしば泣いていたけれど誰も気にしない。のちに、お好み焼きのお店は5つほどのれんをくぐったけれど(うち4つは満席で入れなかった)、どこも大阪・京都の個人経営のお好み焼き屋よりこじんまりとしていて、かつ地域の社交場になっているような雰囲気でおもしろい。

このへんくつやで食べた「名物焼き」はクリスピーな食感がおもしろく一番おいしかった。イカ天がいい仕事をしていそう。

へんくつやの名物焼き(手前)

前夜祭終了後は広島駅まで戻って妻と合流。広島駅のケータイの電波の入りにくさは通勤時間の京都駅よりもひどく連絡がつかずやきもきした。駅のスーパーでお酒やお惣菜を買っておく(いくつかおもしろいものがあった気がしたけれど、3歳児を追いかけるのに必死で記憶がない)。

翌日、YAPC当日には朝食にはアンデルセン広島。全国チェーンのパン屋さんだけれど、本店では立派なカフェレストランがある。本店でレストランもやっているのは、京都西京極の小川珈琲さん本店を連想する。子どももフレンチトーストとフルーツをもりもり食べていた。パンもなかなかおいしかった。

アンデルセン店内のおもちゃの兵隊。童話作家か、とある神父かどちらを連想するでしょうか

自分がYAPCに参加しているあいだ、妻は広島港から似島(にのしま)にいっていたそう。なんか釣り好きの大人びた少女と出会ったりいろいろおもしろかったそうです。第一次大戦後に捕虜としてつれてこられたユーハイムによって、日本で最初にバウムクーヘンが焼かれた地らしく、バウムクーヘンのお土産を買っていた(製造は千葉県船橋市のポニー製菓さんだったが)

広島、路面電車やバスも発達していて枝分かれした太田川が風通しをよくしていて気持ちよい街だった。知らない人は原爆が落とされた街とは気付かないだろうけれど、ところどころ痕跡が残されている。空前絶後の悲惨さと、再建した人々の力強さを感じる。

ホテルからの眺め。奥の山が似島の安芸小富士
ホテルからの眺め。奥の山が似島安芸小富士
転出超過で人口が減っているのは産業構造の変化なんだろうか。円安もあるし造船産業また元気になっていかないかな。

宮島(厳島

YAPCが終わった日曜日。ホテルのビュッフェで朝食をとって電車で広島港にいく。がんすと酒鍋がおいしかった。広島港は自動販売機で切符を買った後に受け付けで整理券をもらう不思議な形式。古い売店や喫茶店のほか中華とかインド料理とかあって多国籍な雰囲気だった。

ビリケンさんがいた

桟橋はゲートもないしタクシーもはいっているしオイル缶も積まれていて気楽な雰囲気。広島港から宮島へは、乗車率50%くらいかな、と気楽にしていたけれど、出発してすぐ到着したプリンスホテル港からどっさり乗ってきた。港すぐのプリンスホテルは夏とかは気持ちよさそうだけれど宮島に行く以外どう過ごすんだろうか。

フェリーはあまり揺れずにすぐ宮島へ。宮島、はじめは静かなところかと思ったけれど宮島口と10分間隔で往復しているフェリーの乗船場である建物までいくと人がひっきりなしに吐き出されていて驚く。なんとかコインロッカーに荷物を預けて出発。どんどん人が増えてくるし、厳島神社がまだみえないところでも参拝の行列が続いていたので、早々と参拝をあきらめて水上の大鳥居をバックに写真を撮る。今回、三脚をもってきていたけれどここでしか使わなかった。トラベル三脚便利。そのへんに鹿がいて子が自然に触ろうとしていたので止めたりした。

厳島神社の大鳥居

帰りに宮島のお店の並ぶ通りを通ると近年みたことのないほど、危険を感じるほどの人がいてびっくりした。それもほぼ日本人。宮島、こんなにホットな観光地なのかと驚く。どこの飲食店もにぎわっている様子だし10分毎のフェリーもどれも満員でシステマティックにさばかれている。

ほうほうのていで宮島口まで戻ったけれど、島での混雑のわりに宮島口駅や電車はすいていたのでみんな車できていたのかもしれない。宮島口駅から広島駅まで出て乗り換えて呉駅へ。海沿いの工場がいろいろ目につく。

呉市

呉。ややどんよりした天気。ホテルにチェックインして荷物を預けて商店街をうろうろする。ここの商店街はかなりユニークで、アーケードが広いし自転車や原付がとめられているし、テーブルやベンチも多い。土地にゆとりがあるからできるのだろうけれど、町の人も出やすくてゆっくりしやすそう。ほかの地方で商店街がさびれていくのを嘆くとき、まず無料の駐輪場をおいてみるのはありだと思った(もちろん放置自転車の撤去とか気にするコストはあるけれど)。あと清潔な公衆トイレも。

呉の商店街

古いお店もありつつ、新しいこじゃれたお店もあっていい商店街。雀荘、光倶楽部とか喫茶レイとか。

光クラブ事件を元にしているんだよね・・・

きらきらしたショーウィンドウに惹かれてきたらコーヒー屋さんだった。

山乃家
山乃家。すしは売り切れていたが細うどんは美味

お魚屋さんでちぬのこぶ締めを買ったけれどこれがおいしかった。

くれオイスターランドという不思議なお店で牡蠣を食べた。漁師がやっているそうで、店員さんが素朴であまり飲食店勤務経験なさそうな印象。子は牡蠣は食べなかったけれど牡蠣ごはんはもりもり食べていました。なかなかよい。

バケツはわりと上げ底だった

呉の牡蠣生産者が直営するカキ牡蠣小屋「くれオイスターランド」 | 呉産かき振興協議会

そしてからお好み焼き。れんが亭というお姉さん方がやっていて気軽な雰囲気でよかった。いい街だった。

倉橋島・鹿島・江田島

翌朝は快晴。山もみえる。「この世界の片隅に」のすずさんの家が山のほうにあるそうだけれど、地図をみると狭く、バスで行くことをおすすめされていたので断念して喫茶レストでモーニングを食べてから島へ。

すずさんちはあの山の中腹かな。眺めがよさそう

海上自衛隊の艦船や工場を眺めて倉橋島

ぬっと工場がでてきて迫力がある
工場が多く見慣れぬ景色を走る。ちなみに運転は内燃機関大好きな妻が全部してくれました。感謝。

白い幕に覆われたようにみえる島があって、なんだろうと思ったら塩が山積みされているようだった。

工業用岩塩におおわれたみつこじま
工業用岩塩におおわれた三子島

ちょっと集落に入ったり、先端の港までいってみたりしてから戻る。

海沿いにぽつぽつある小さな港町はどれも個性がある

お昼はお食事処かず。入口が2つあって右が魚系の定食、左は喫茶店というおもむきだけれど、どちらでも同じものを出しているというつくり。

ここの刺身定食・すし定食がなかなかよかった。カンパチのあぶり、梅と大葉の細巻きが好み。子はオムライスを半分。豚肉が入っていておいしい。

お食事処かずのすし定食。うどんがついている。出汁がよかった。
お食事処かずのすし定食。うどんがついている。出汁がよかった。

あとでシマダスを調べると、郷土料理に、鯛ソーメンと小イワシのシソ巻き揚げがあって気になる。

とってかえって江田島へ。豆の駅という、豆腐屋さんが繁盛していたり、江田島オリーブファクトリーがよかった。おみやげをいくつか購入。国産のオリーブオイルはいいお値段(収穫・選別の人件費かなあ・・・)。牡蠣イカダのようなものもめについておもしろい。

妻に撮りたまえ、と指示された看板

とびしま街道

高専を見物し、とびしま海道へ。下蒲刈島上蒲刈島、豊島、大崎下島、平良島、中ノ島を渡って岡村島思ったよりも近い。採石場が多かったり、変わった岩が露出していて不思議な雰囲気。海沿いを走って橋を渡って島をめぐる。

町と海と島が近い

最後には、愛媛県岡村島。時間の都合で岡村島一周は断念するけれど、海をみると潮の流れがみえるようで、ほんと水の道、水道だったんだなと実感する。

人待瀬戸展望台からの眺め
人待瀬戸展望台からの眺め

戻って大崎下島の小長港のお土産売り場へ。daidai cafe は冬季休業(みかんの仕事が忙しく、客も少ないのかも)。明石までのフェリーが1日10便あってびっくりしたけれど、これは兵庫の明石ではなく、大崎上島の明石だという。こんどはこの航路も使いたい。

感じの良い店員さんのいた売店でみかんジュースを2つ買う。 石積みみかんジュースと、大長(おおちょう)みかんジュース。石積みみかんは甘く、大長みかんジュースは酸味がみかんらしくて好き。3歳児も大事そうに飲んでいた。

右が大長みかん、左が石積みみかんジュース
友人が通っていた三角島(みかど、と読むけれどみなさんかくさんかく呼んでいた)を眺める。
豊島から眺める三角島
豊島から眺める三角島

上蒲刈島の、であいの館という道の駅のような直売所でまたお土産。藻塩煎餅がおいしかった。なぜか中国産のクワガタがいくつも売られていて3歳児はこの日一番興奮していました。

そして帰路。夕方の海岸線、呉を走る。

暴走族追放の町
たいへんな時代もあったんだろう

パーラー大学
大学に行く、と言っておいてパチンコにいくなどできそう

呉駅で能年玲奈さんも訪れたという森田食堂でごはんを食べてる。お惣菜を冷蔵庫から選ぶスタイルで、湯豆腐とか牛肉スープもおいしかった。田舎そばはぼちぼち。

森田食堂店内
森田食堂店内。プラ板があって反射している。

日本共産党の主張にも地域色があっておもしろい。台湾有事が発生したらどうなるだろうか・・・

子もおおむねご機嫌でいい旅でした。ちょっとせわしなかったのでまた来たい。とびしま海道どこかで民宿に泊まれるとよささそう。

島沿いをドライブするという旅行だったけれど、普段と全然違う雰囲気の町や地域に触れることができておもしろかった。ちなみに保育園で、宮崎の動物園にいってきたと話したそう。宮島の鹿を動物園だと思ったのだろうか・・・。自分が実家にいたころは県外への家族旅行は2回しか記憶にない分、子どもが旅行すること

次回、5月に沖縄で開催されるrubykaigiに妻が強い関心を持っているのでまた出費することになりそう。シマダスを眺めていろいろ思案している(今回の広島旅行でも事前にめくっておけばよかった)。

シマダス
以前、妻への誕生日プレゼントに買ったシマダス。行ったところに付箋が貼ってある。色によって意味が違うらしい