このところ住む場所について、へーと思うような考えを聞いたので、考えと合わせて整理してみる。
何区のどこが住みやすいぜ!とかの住むところでなくておもにエンジニア、それも非情報系の人が勤務地をどうするか人生設計をどうするかの問題に関するメモなことに注意。
就職と勤務地と人生設計
某国内最大手のSIerで働いている人と話をしていて、勤務地が東京だけで転勤がほとんどないから選んだ、という人が少なからずいることに驚いた。
その中には東大で大学院まで行って化学とか材料とか研究していたという人も少なからずいる。話を聞いてみると、別にその分野が嫌いというわけでもなくて、ドクターに行くか少し悩んであきらめるくらいには能力も研究へのモチベーションもあったけれど、化学メーカや鉄鋼メーカに勤めるとまず地方になるし海外転勤もあるからと避けたんだそうだ。
自分は地元に帰らないなら、勤務地なんてどこでも良いか、と思っていたので、こういう考えはけっこう新鮮だった。
これは、もしかすると大学選びでも同じかもしれない。自分の場合は、地元にそんなに大学がないし実家を出るなら大阪に出ても東京に出ても北海道に行っても同じかと思っていた。自分も含めて県立高校のクラスのみんなもだいたいそう思っていたような気がする。
そんなに実家から離れられないのか、と田舎者から都会人に対するやっかみを覚えなくもないけど、そろそろ結婚とか子育てとかがリアルな問題として周囲で語られる年頃になるとこの判断はけっこう大事なんだな、と思う。(参考: これからの時代、地方出身者2人で東京で子育てってできるの?)
実際に彼女が関西で就職するからおれも関西で、みたいな人はけっこういる。最初に聞いたときは、結婚が決まっているわけでもないのにそんなことで就職を決めるのかーと呆れたけどよく考えると自分よりはるかに現実のことを考えている。
さらに言えば、共働きが当然、というか共働きじゃないと一家生活できないこの時代にどちらかが転勤を申し渡されたらどうするのだろうか。。
地方の工場村に住むこと
メーカだと地方だし嫌だ、という人がいるという話しを書いたけれど、これはただ都会がいい!とかじゃなくて精神衛生に深く関わる問題な気がする。地方の工場村に勤務することになると、娯楽はほとんどないし社外の人と会う機会もすごく少なくなる。娯楽としてはパチンコか風俗か車改造か、みたいなところもけっこうあるそうだ。
それらの娯楽が低俗ってことはないけれど、都会のおハイソな大学で過ごしてきたステレオタイプ上の工学部男子が現場でうまくやれるかどうかは、わからないし心配だ・・。
少なくとも、世界で戦っていて評価も株価も高い会社であっても勤務地は地方の工場しかない場所、で過ごせるかどうか、会社の典型的なキャリアパスとか考えて就職したほうがいいと思う。この時代にこれまでと同じように行くとは思えないけれど。
いったんエンジニアとして就職すると、なかなか勤務地を選べる転職もできない気もする。特に地元とか都市部にはない。
それと電子・化学・鉄鋼などなどの業界で技術職に就職しようとする人が面接で「海外、大丈夫?」って聞かれることも多いみたいだ。そこも許容出来るかどうかも大事だと思う。あなた東南アジアの工場に8年間勤務することはできるだろうか?
・・・ここまで地方の工場勤務こわいよ、って調子で書いてしまったけれど、いい会社は多いし、スキルもつくし好きなこと、大きいことはできると思う。ただイメージと先入観で学部を選んで、そこの先輩方と同じような就活をなにも考えずにしてしまっている人がけっこういると思う。弟とか・・。
4Sにたどりつく某大学
もうひとつ、東京の某ある高校に伝わる某大学のこわい話を聞いた。その大学は都心から離れていてほぼみな下宿せざるを得ず、まわりに研究施設以外になにも無いらしいところだけど、いい研究しているし卒業生も優秀な人が多い。その笑えないジョークは、その大学に進学すると4つのSのどれかに落ち着くというもの。
4SとはStudyかSportsかSexかSuicide・・。
こういう笑えない冗談が高校生間で囁かれてるっていうのは進学する場所ってけっこう大事なんだなと思う。。
まとめ
どこに住むか、どうお金稼いでごはん食べるか、どう子育てするかってけっこう難しい。大企業に就職したら安心って時代でもないし、日本の社会がどうなるかもわからない。社会資本とか地域とのつながりとかソーシャルデザインとかなんやか言われているけれど、リアルな問題にどれだけ対処できるんだろか・・。ぼくらはどう振る舞うべきなんだろか。とか考えてた日曜日でした。
ちなみにぼくは結婚のあても予定も構想もありません。現実感がありません。