ちょっとした講演を Zoom で配信したり収録するのに運営に取り組んでいてビデオスイッチャー(ビデオミキサー?)として ATEM Mini をつかっている。いろいろ試行錯誤して、ようやく使えるようになってきたのでハマったところいくつかをメモ
まずこれに目を通しておく。どんなことができるかイメージできます。
1.ATEM Software Control のダウンロード方法がわかりにくい
ビデオスイッチャーの細かい設定をするためのソフト サポートセンター | Blackmagic Design
ここで製品名に ATEM Mini と入力して「ATEMスイッチャー8.10 アップデート 」(バージョンは現時点最新)をダウンロードしてダイアログに従ってインストールすることで利用できる。 (このアップデートというものがさまざまなサイトででてくる Software Control ということになかなか気付かなかった)
2.PCとの接続
有線で同じ LAN に接続しないと使えないかと思ったけれど、PC と直接 LAN ケーブルで接続しても使うことができる。
3.音質が悪い
これは、マイク端子に直接マイクをつなげても、カメラにつなげても音質が悪い。どうしたものか、と思ったけれど、使っている PC の問題だった。ほかに Windows で困っている人も軽くググったところ見つからなかったので Windows が悪いわけではない、とは思う・・・・(切り分けていません)。 手元の Mac mini だとたいへんクリアだった。この試行錯誤に時間をつかった・・・
4.デフォルトでは PinP に使えるのは input1 の HDMI
Software Control では設定できるようだけれど、ハードだけだと input1 にカメラをつなぐ必要がある
5.モニター出力の不具合
プロジェクターにつないだら、対応していません、と出て焦ったけれど、Software Control の設定からビデオフォーマットを変更する必要があった。 適当に 1080P29.97 にしたところ出力されたけれど、これは横方向に半分くらいにつぶれていたので、 1080P59.94 にしたら解消。この数字には歴史的背景があるそうなのでご興味ある方はググっておいてください。 (検索用キーワード アスペクト比)
ATEM Mini |外部モニターに「OUT OF RANGE」と表示され映像が出力されない - Peas Code こちらの記事を参考にしました。
6.PinP の設定
Picture in Picture(ピクチャーインピクチャー)でスライドを投影している隅に話者の様子を映すことができる。 Software Control のパレット → アップストリームキーでこのサイズや位置の変更ができるけれど、 カクカクとした動作になるので配信中に設定はすべきではない。
7.Zoom で画面が反転してしまう
USB出力をPCにつなぐだけで Webカメラ として認識して簡単!なんだけれど、Zoom では反転してしまう。 これは Zoom のビデオ→設定で 「マイビデオをミラーリングします」のチェックを外すことで解消される。
8.配線図を書いておくとよさそう
会場のプロジェクターに投影しつつ、Zoom でも配信する(さらに Mac mini で OBS とかで録画したくなる)のはまあまあ複雑。 事前に配線図を書いておくと設営はスムーズ。
9.HDMI ケーブルは思ったよりもいる。
たくさんいります。長いものも複数必要。
- カメラからの入力(ミラーレス一眼を使ったので mini HDMI というマイナーケーブル・・・)
- 話者のPCからのHDMIケーブル
- プロジェクターへのHDMIケーブル
- Mac mini とディスプレイをつなぐHDMIケーブル
カメラを充電したり、ATEM Mini から映像を出力するのにも USB-typeC のケーブルもいるしケーブルだらけ。
まとめ
細かいハマりどころはいくつかあるけれど、かなり簡単に扱えてコンパクトで便利。 配信などするときに一台あるとたいへん便利です。
以下、本題とは違うけれど困っていること
現地参加の人もリモート参加もいる小規模講演での小音声入力、どうするといいだろ。話者の声だけではなく、質問する人の声もとりたい。
- 案1.会場では話者も質問するひともそれぞれマイクを会場スピーカーにつなげて、それを素朴に収録する
- 案2.単一指向性のワイヤレスマイクをそろえて配信用に入力する。高いし試しにくい・・・。会場スピーカーにつなげた音がマイクに入らないか不安(Zoomがよしなにはしてくれる?)
- 案3.スピーカーフォンをつかう。Jabra Speak シリーズとか。シンプルだけれど音質はいまいち・・・(810とか高価なものを使えばどれくらい改善されるかは気になる)
ハイブリッド授業などを取り組んでいる大学の先生方がいくつか記事を書いていそうだけれど、機材を試す機会が少なくためらわれる。