ぜぜ日記

ブログです

読書メモ「わが盲想」目が見えないながら日本留学した著者の奮闘記

ハメド・オマル・アブディンさんの「わが盲想」を読みました。 スーダン生まれで12歳で目が見えなくなった著者が19歳で日本留学し福井で鍼灸点字、日本語を学んで挫折したり乗り越える過程の描写がうまくておもしろい。

自分の地元の福井の盲学校のひとが受け入れにきっといろいろがんばってくれたんだろうというところ、ホームステイ先の人や多くの人がやさしくてうれしくなる。日本語を覚えはじめてすぐに触れた福井弁のイントネーションはたいへんそうでしたが。 あとは歩行訓練士の大槻先生が会ってすぐに、これまで誰も気づかなかった、著者が靴ひもを結べないことで苦労していることを看破して一緒に練習するところもよかった。

ホームステイ先で学んだおやじギャグで同音異義語を学んだり、粘土で漢字を覚えたり、小説やラジオで文化もつかんだりと学習プロセスも興味深い。本書のタイトルもヒトラーの「わが闘争」とかけているやや悪趣味おやじギャグ。

おそらく、著者が留学したのは国際視覚障害者援護協会(IAVI)という、発展途上国視覚障害者の自立とリーダー養成のための日本留学を支援している団体の支援なんだと思う。こういう団体が活動していることは嬉しく思うし、、日本政府が支援していることは納税者として誇らしい。

社会福祉法人 国際視覚障害者援護協会

また、ソフトウェアエンジニアとしては目が見えない人でもWebページやアプリを利用できるようにするアクセシビリティの重要さも改めて感じた。しっかりやっていきます。

友人のpastakさんの発表もよかった。 手を動かして始めるアクセシビリティ改善 - Speaker Deck

デジタル庁もガイドラインを出している。 ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック|デジタル庁