ぜぜ日記

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松上げ見学のススメ 花脊編

京都のお盆といえば、五山の送り火が有名です。

京都市街を囲む山々に、それぞれ大文字・妙法・舟形・左大文字・鳥居形の火が浮かび上がるこの風習はなかなか見もの。特に、別にお金を払わなくてもいろんなところから見えるのがすばらしい。そしてこの送り火を見ると、夕方はちょっとずつ涼しくなってきていて夏も後半戦に入るなあ、と感じられます。

ただ、決して大文字焼きとは言ってはいけません。(広島風お好み焼きを広島焼きと言うのと同じくらい現地民から軽蔑される)


さて、その五山の送り火の8月16日前後に北の山中でひっそりと執り行われるある奇祭「松上げ」は京都市民にもあまりしられていない。

Wikipediaにも項目がないので簡単に説明すると、愛宕信仰に関連を持つ火の儀礼が盆の精霊送りと習合して火の祭礼になったと推測されるもの。とりあえず火をつかった綺麗で荘厳な山の祭りである(参考資料1)。

五山の送り火よりも歴史は長い、と雲ケ畑のおっちゃんが言っていた、と雲ヶ畑の松上げ運営を手伝っていた京大の農学研究科の院生が言っていた。

さらに特筆することとして、松上げは北山の各集落で実施されているけれど、細かいやり方が異なっているそうで文化的遺伝子・ミームの変遷を感じられそうなことが挙げられる。なぜこうなったかはいまでは推測することしかできないけれど、好奇心湧きませんか?


というわけで、昨日に花脊の松上げに観光気分で見に行ってみたのでレポート書いてみる次第です。

1.交通

場所は花脊。山村都市交流の森のそばの河原。

アクセス|山村都市交流の森


公共の交通機関だと京都バスが予約制でバスを運行していて出町柳から往復2,300円で90分ほどでいける。 ただし、このバスがつく19時ごろには場所取りは完了してしまっているのでおすすめしない。

http://www.kyotobus.jp/rosen/~pdf/matsuage27.pdf


やはりおすすめは自家用車。

街中からだと鞍馬街道を直進、そのまま府道38号線、京都広河原美山線で90分ほど。 途中、二ノ瀬あたりでは2015年3月に開通した二ノ瀬トンネル側をまわると狭い道を避けられます(GoogleMapも2015/8時点では対応していないし、2015年版の山と高原地図46 京都北山にも未反映)。途中、細くてすれ違うの難しい箇所もあるので対向車には要注意。杉林ばかいではあるけれど川沿いで涼しくて気持ちいい。
帰りはほぼ対向車なしかつ前の車についていく感じで夜の山道の割には早く帰れます。

駐車場は限りがある。18時ごろで所定の場所はもういっぱいになっていて、交通整理の兄ちゃんに聞くと自己責任で路上駐車くらいしか・・、となっていた。道路整理に警察官が数名いたのでひやひやしていたけれど、路上駐車で違反切符を切るような無粋なことはしていない。京都警察偉い。ここで、ちょうど会場より下流側の、歩いて5分くらいの道が広いところに停めたのだけれど、ここは帰りもスムーズで一番良い場所だったと思う。

今回は路上駐車してしまったけれど駐車場2000円くらいでも停める人いるとは思う。


日が暮れる前にいって場所取りすること推奨。18:30くらいだとまだ場所はあるけれど、一番いいポイントはでかいカメラと三脚をかまえた方々が陣取っている。19時くらいだときわきわ最前列すわれるかな。ただ、となりにいた常連っぽいお姉さんが今年は人少ないかな、と言っていたのでその限りではないかもしれない。

2.流れ

会場につくと、大笠のまわりに小さい松明がたくさんささっている。1000本以上あるという話もきいたがせいぜい300本くらいに見える。ふとUBWっぽさを感じる。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD, 18mm(35mm換算27mm), 0.1秒, f/10, ISO 800


真ん中の大きな柱は、大傘とも柱松とも呼ばれているようだ。 けっこう人は多いけれど、高齢者・写真愛好家・地元の人々のご家族といった方が8割くらいな印象。19時過ぎくらいに到着したバスはまだ若い人が多かった。

日が暮れるにつれてどんどん星が出てくる。 路肩にしいたレジャーシートに寝転がって、ガードレールに足をかけて真上を見ると星がたいへん綺麗。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD, 18mm(35mm換算27mm), 30秒, f/7.1, ISO 360
車が通って揺れたり、車のヘッドランプや人の懐中電灯がはいったりでなかなかうまく撮れない(言い訳)。もっと長いレンズフードあれば違うのかも。


ただし、道路を通る車のヘッドランプが眩しいので落ちつけはしない。
D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD, 70mm(35mm換算105mm), 1/100秒, f/5.6, ISO 6400
ただ、ヘッドランプ逆光、けっこうおもしろい。

観覧場所からは20:40ごろから動きを感じる。 そろらく、そのまえに春日神社あたりで事前の儀式があったのだろうがそれは見ていない。

我々から見えたのは、20:40ごろに橋の東詰あたりを松明をもった2人があるいてきて、大傘から見て対岸の小屋に村の男衆と集結。その後、めいめいに松明に火を灯して行列であるいき、橋をわたって大笠のまわりに集まる。ここでなにか祝詞のようなことがつぶやかれて焚火をつけ、すべての松明にはじから順に点火していく。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,170mm(35mm換算255mm), 1/8秒, f/6.3, ISO 1400
肉眼ではかっこいいんだけれど暗くて遠くてうまく撮れない。α7s欲しい。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 25秒, f/6.3, ISO 280
ピント全然あわせずに25秒切ったらちょっとおもしろかった。川に反射する火もきれいでした。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,170mm(35mm換算255mm), 1/13秒, f/6.3, ISO 1600
火のシルエットかっこいいし鳥肌立つ

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 1/13秒, f/4.5, ISO 1600
すべて点火したところ。ほんとはもっともっと綺麗なんだけれどうまく撮れない。広角な単焦点欲しい。

その後、集まってなにかの儀式をしているようだがよくわからない。その後、人が囲んで松明―その火のつく反対側には紐がついている―の紐をもってくるくると振り回しながら「こーりゃこりゃこりゃこりゃ、そりゃっ」と声をあげて投げ入れる。火の軌跡の放物線が美しい。

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 6秒, f/4.5, ISO 200 シャッター開けて軌跡を写すの楽しいんだけれど、勢いと緊張感は伝わらない・・・

D5100, TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD,18mm(35mm換算27mm), 13秒, f/4.5, ISO 100
大傘に火が写ると綺麗なんだが軌跡と一緒に撮ろうとするとただ明るいだけの火の玉になる

なかなか入らないけれど、はいると拍手が湧く。こうして数十分続けると、上部が燃え盛って落ちてきて盛り上がりは絶頂!かと思いきや、まわりの常連さんと思しき方々はすくっと立ち上がって帰り支度している。

混んで帰るの遅れるのは避けたいと一緒に帰ったので結末は見ていない。

3.持ち物

なにもなくてもなんとかなるけれどあるとよいもの

  • レジャーシート or 折り畳み椅子
  • 上着
    • 当日は18度と街中と比べるとだいぶん涼しく、肌寒いと思う
  • 蚊取り線香・ハッカ油
    • ずっと蚊取り線香焚いていたから被害はなかったけれど川沿いだしそこそこいると思う。ぶよ除けにハッカ油あると安心。
  • ライト
    • 街灯はありません。歩くときに必要だけれどまわりのひとが眩しいので注意。赤いセロファン貼っておくとよいかも)。ただ、明るいうちに陣取れると必要ない。
  • 食べ物・飲み物
    • ちょっとした出店もあるけれど、持って行った方がよいかも・・・

4.メディア・参考資料

その他

  • 北山、もっと知りたい。秋口になったら廃村八丁に行こう(決意)
  • そういえば、花脊峠から大見にいったレポート書いていないな・・・
  • 18-270mm F/3.5-6.3安かったのに便利。しかし写真思ったようには撮れない。火を撮るの難しい。
  • フルサイズ欲しい。α7s欲しい。