暑いですね。夏ですね。最高ですよね。
家を出た時のむわっとした空気、見上げると白い雲とどこまでも青い空、蝉の声。 刺さるような日差しとアスファルトから立ち込める熱気。汗ばむシャツと風鈴の音。
夏休みの子どもの声が響き、街ゆく人影はまばら、生ぬるい風のなかで道路の果ては蜃気楼が滲む。 ようやく逃げ込んだ冷房の効いた部屋の気持ちよさといったらたまらない。冷たい麦茶のコップからは水がしたたっている。 夕暮れになると紫色の空とそよ風が心地よい。夕涼みには肉を囲んで友と佳き酒を酌み交わそう。
夏の恒例行事も大好きなんだけれど日常生活の暑さも苦しさも愛おしすぎる。ずっと夏でいてほしいとさえ思うけれど、ほかの季節があるからこそ夏の素敵さはあるんだろう。外で仕事するひとはほんとたいへんだろうし尊敬するけれど自分は夏が大好きです。
と、くどいことを書きましたが毎月恒例の読んだ本棚卸ししておきます。
はじめての現代数学
はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: 瀬山士郎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/03/31
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滝山コミューン1974
- 作者: 原武史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/15
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その際に小学生として在籍していた著者が各資料や当時の在校生、先生、関係者にインタビューして当時の事象を掘り下げている。 当時の小学生視点ではあるがかなり読ませるノンフィクション。著者個人の一人称ともいえるため主観的な部分もあるが、だからこその臨場感と立体感がでているように思う。
全国生活指導研究会の集団教育についてはいくつかの本や資料から引用されているが、よくこんなことを考え付いたな、というもの。
いくつか引用してみる。
集団づくりは当面する集団の内部の民主化だけで満足することはできない。それは同時に、その集団の外にも絶えず民主集団を築き出そうとする。たとえば学級集団づくりは、さしあたって学級を手がかりとしつつ、それを民主的集団として形成していくとともに、そこにとどまることなく、他学級へ、全校生徒集団へ、さらに過程や地域諸集団へとその活動領域を広げていく。このように当面する集団の外に民主的集団を築き出そうとすることこそ、また、子どもたちをそのような民主的集団の現実的な担い手にまで形成していくことこそ、集団づくりの本来的なテーマなのである。(全生研常任委員会、学級集団づくり入門 第二版、1971)
生活指導は、思想の形成を重大と考えれば、考えるほど、行動の指導を重視する。子どもが現在もっている思想を、外側からあれこれといじくり廻しているのではなく、行動を指導することによって思想の発展・変革をせまることが、思想形成の基本的筋道だからである。(学級集団づくり入門 第二版)
「集団遊び」といっても、その遊びの種目にとりたててかわったものはなく、遊び一般の種目と同じである。それにもかかわらず、それを「集団あ遊び」とよぶわけは、集団と遊ぶなかで子どもたちに集団を学ばせ、集団を高めさせることを目的意識的に追求するからである。(学級集団づくり入門 第二版)
集団の名誉を傷つけ、利益をふみにじるものとして、ある対象に爆発的に集団が怒りを感ずるときがある。そういうとき、集団が自己の利益や名誉を守ろうとして対象に怒りをぶっつけ、相手の事故批判、自己変革を要求して対象に激しく迫ること―これをわたしたちは「追求」(原文ママ)と呼んで、実践的には非常に重視しているのである。(学級集団づくり入門 第二版) 総括を求めて仲間を殺していった赤軍と同じ論理。これはソ連の集団づくりから引き継いでいるのだろうか。
などなど。思想形成を堂々と自任している自負はどこからきているのだろうか。 そして、気になったのは戦後の新左翼の潮流が、それが憎んでいたはずの戦前の軍国主義と似たような集団主義や歌による高揚、班という軍由来の組織構造を利用していたのが興味深い。
権威に対抗するための教育が権威を生むというのは寓話的でもある。 今だから言えるかもしれないけれど、理想に燃えて意欲的であった方々が多い中で、子どもにどう育ってほしいかがよくわからなかった。民主主義の実践者?子どもの将来ではなく民主集中制の強固な組織をつくるための道具?小学生が組織に非協力的な生徒を追求(原文ママ)して総括を求めるとかゾっとする。
いっぽうで、この小学校から毎日四谷大塚に通い、当時も最難関であった筑駒に兄弟ともに合格した同級生のママは「有名大学への最短路だから」と著書で言い切っているのも味わい深い(それが、一般向け書籍だからのオブラートとは思うけれど)。
教育、70年代、新左翼、団地、西武沿線に興味のあるひとなら読むと得るものや考えるきっかけがあると思う。
自分の仕事をつくる
- 作者: 西村佳哲
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/02
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おもしろい考え方がいろいろ提示されているのだけれど、感じたのは、すばらしい仕事をしていてプロとよべる人はみな独自の哲学を持っていそうということ。また、調査や問題の理解にすごい時間をかけている人が多いのが気になった。 自分はどういう仕事をしているのか、これからしていくのかと振り返ると漫然としてしまっているように思える。 時間をかけてなにかを探求できてはいない。移り気な感じである。違和感、大事にしていこう。
人の砂漠
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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貧困のうちに孤独死した老婆の家からその兄のミイラ化した遺体がでてきた事件を掘り下げたノンフィクション読んでいたら暗澹たる気持ちになってきた。特に、その老婆がじつは歯医者というインテリ職であったけれどコミュ障的な性格だったところは涙なしには読めなかった。
— だーい(*Д*) (@daaaaaai) 2015, 7月 17
知らない世界への好奇心だけでなく、暗澹たる気持ちになるものが多くてこの時代の清涼剤としてよいと思う。 この時代、この20代半ばの生意気な青年だからこそできた仕事ぶりだと思う。
特に、1965年に開かれた売春婦保護の共同体、かにた婦人の村がすごい。 ほとんどが知能障害をもつ彼女らをどう保護しつづけられるのだろう。いまもなお続いているようだけれどあまり情報はインターネットになさそう。いい本、ないだろうか? あと、日本で、こういう大多数が目を背けていないかのように扱う者たちへの福祉活動をやっているのがキリスト教系ばかりで仏教系はほとんどいないのはやっぱり気になる。
食は広州にあり
- 作者: 邱永漢
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料理の四面体
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旅する八百屋
- 作者: 青果ミコト屋(鈴木鉄平、山代徹)
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気になったフレーズ
初めて訪れる場所は、窓口になってくれる人の存在によって、その魅力が何倍にも膨れ上がる」
マンガ
革命家の午後
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世界の終わりと夜明け前
世界の終わりと夜明け前 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
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8月の抱負
最高の夏にしようぜ!!! 並行して、もっと学問しようと思う。