ぜぜ日記

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文化と感性の話と東京江戸博物館のファインバーグコレクションに行ってきた話

美術館・展覧会・写真展。とても恵まれていることに、この日本ではこうした文化的な場所や催しがたくさんある。自分はあまり文化的な素養はないけれど誘われたり女の子と遊びに行く口実にと稀に(特に後者)行く機会がある。
アーティスティックなものに触れるとそれなりに感じることはある気がするけれど、しばらくすると綺麗だった、とかすごかった、楽しかったね、という小学生並の感想しか残らない。もったいないと思う。


感性を磨くためにはどうしたらいいか分からないけれど、感性を客観的に測ることがまず一歩ではないかと思う。ということで感想を言語化してみることにした。

ひとつまえの梅佳代展の話もその一つ。
梅佳代展にいってきた - うんこめも



さて本題、先週の日曜日に東京江戸博物館で開催されているファインバーグコレクションを観に行ってきた。

ファインバーグ・コレクション展 ―江戸絵画の奇跡―

化学者であり実業家でもあるファインバーグ夫妻が40年前のお金がなかった時期からこつこつ集めたコレクションらしい。どういう人かは不明。


けっこういろんな時代の日本画を集めていたみたい。あまりいつの時代かはチェックできなかったけれど説明をざっくり見ていくと歴史に名が残るのはそれまでの暗黙的な慣習を破った絵を描いて、かつ流派をつくれるような人が多い印象。


山林を行く人々を描いた絵など細かい書き込みのものはウォーリーを探せのようなおもしろさがあって飽きない。あとは季節ものの花や鳥を描いたのが何揃いかあってこれが茶の間にかけてあると屋内にいながらその季節を感じられそうだなと思った。


気になったのは隅々まで塗られているものや人物画が多く、空間を活かした禅っぽいのがなかったこと。自分の先入観があるけれど日本画だとそういうのがあるかなと思っていた。好みの問題かもしれない。それと仏像とか立体物もなかった。

あんまり感想っぽいのがひねり出せないな・・・。もうちょっと勉強するとまた違った見方ができるのかもしれない。



ついでに東京江戸博物館の常設展も行ってきた。
ここは階層ぶち抜きの日本橋とか中村屋があるし触れて楽しい。やたら細かいジオラマもある。


政治とか経済のレベルから、庶民が読んでいた本やお金の使い方といった文化まで知ることができる。人は残っていなくとも遺物から文化を感じられるというのはすごい。
ただ、江戸という都会のことを知るのにはいいけれど同時代の貧しい農村や魚村のことはほとんど触れられていないように思う。

ここらへんは日本残酷物語とか日本奥地紀行とか読みやすく当時のことを感じやすい気がする。
日本残酷物語については記事を書いてる。
日本でたぶん最初のグローバル起業家が鬼畜すぎる件について -日本残酷物語I - うんこめも


あと江戸だけでなくて大正浪漫やら関東大震災東京大空襲東京オリンピックあたりまで特集があってこれは個人的に江戸よりおもしろかった。東京にはまだ数百トンの不発弾があるとか、山の手と下町の地形の歴史と震度の差とか。もうちょっと大正浪漫的なものとその裏の退廃を感じられるものが見たかったけれど、けっこう現物や模型があって雰囲気ある。


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ところで、この1993年に建設された東京都立の博物館はいくらくらいかかっているんだろう・・・。文化的なものを残すのは価値あることだけれどどういう形でやるのがいいのだろかと考えさせられる。うーん。