今週の棚卸。ラノベとか漫画とかゆるめなの多し。
コダマの谷(入江亜季)
実は買うの2冊目・・。つい寮のロビーでみんなに読んでほしくてブックオフで買ってしまった。
中世の大学での貴族と王子と天才あたりらへんの話。といっても学園モノみたいな感じではなくて、政治的な駆け引きが中心に来てるのかな。あまり話しの軸はしっかりしていないけど、その分、いろんな人の話があって、モチーフもおもしろいし、短編でさくっと読めるしで引き込まれる。この世界観舞台に長編もつくれそうなのにここで留めているあたりが憎い。
作者の本だと群青学舎もおもしろいよ!
幻影博覧会(冬目景)大正浪漫探偵物。ありがち・・?冴えない探偵と博識で頭のよい無口な女の子の助手がいろいろ事件に巻き込まれて解決するお話。ミステリ的な要素はぬるかったり、時代考証は疑問符がついたりちょっと突拍子な性質のものがいたりするけれど、良いのです。絵が綺麗で読んでて楽しいです。
羊のうた(冬目景)
同作者。ダークな雰囲気の伝説の作品。悪い予感ばかりの、救いがない悲劇、なのに完成度は高くて引き込まれる。儚い美しさの絵も雰囲気もいいし、どの登場人物もそれぞれ悩みながら、答えをだそうとしたり、自分を偽ろうとしたりと苦しんでいるところが好きです。あと千砂さんに見下されたいです。
フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生? (賀東招二)
ラノベ。何年振かで出た短編。というか2003年に掲載されていたものをいま刊行するという・・。
内容はドタバタ学園ミリタリーコメディ。書き下ろしの「テッサの墓参り」はテッサファン必見。
フルメタル・パニック!は高1のときに初めて読んだラノベ(友だちに学校で貸してもらった・・)、いろいろラノベに手を出したけど、高3以降も新刊を買っているのはこれだけ。本編は軍事的で技術的な側面もわりとおもしろくていいSFしてる。話や掛け合いもラノベラノベしていなくてよい。シリーズとしてはかなりきれいに、しっかり完結していてまた読み返してみたいなあとも思う本。
ラノベ。だけど超能力も魔法も存在しない現実的な世界を舞台にしてる。ある高校生たちが革命を目指して事業を興して会社をつくって、上場するお話。その触れ込みでついつい何年かぶりに購読してないラノベを買ってしまった。美少女との掛け合いはまんまラノベだけどスケールがよい。巻末の作者の言ではこれから外交や政治も絡んできて1000兆円くらいが動く世界になるとのこと。あとAmazonのレビューにもあるように、起承転結の転がなくてひたすら承。その勢いやよし。ラノベ作家としては異色の経営者というのもおもしろい。
基次郎すきだよー。全部入ってるかわからないけれど短編ばかりで文庫本一冊のお手軽全集。
「檸檬」はもちろん、ちょっと手紙調な「Kの昇天」も好き。梶井基次郎の後ろめたさを見つめる感情・感覚はとても好き。なんだか情景はモノクロなイメージ。
氷川清話 (勝部真長 編)
勝海舟語録。勝海舟は、学研歴史人物漫画の中で一番好きだったのでつい手にとってみた。晩年の語録ということで脈絡が無かったり、過去の美化が鼻につかないこともないけれどおもしろい。
海舟は根性・至誠の人で、剣術に蘭学勉強に努力を重ねて、長期的で広大な視野をもって政治に当たっていた。味方の幕府内からも疎まれながらも、江戸城無血開城できたのはまさに海舟あってこそ。つまり明治政府もいまの日本もここに依っている。何10年経ってその価値がわかるけれど、それを実行できるのがすごい。見習いたい。
イシューからはじめよ (安宅和人)
ビジネス書(笑)と思っていたけど、もっとも行動力と知性を尊敬する同世代の2人が書評を書いていたことからつい手に取る。
1.対象とする問題をイシューにしぼることで効率は良くなるし本質も見えてくる。根性に逃げない。
2.イシューを分解してストーリーの流れを整理する。仮説を作る。
3.アウトプットのイメージをつくり、分析を設計する。
4.ストーリーを検証して段取りよく検証する。
5.根拠と構造を磨いてメッセージを良くする。
研究者やコンサルに向いているのかな。いまの技術的で網羅性が要求される仕事には直接使いづらいけど、インプットとアウトプットを整理する思考は役立ちそう。
作者のこの記事はちょうおもしろい。大学院生・研究者を志す人必読。圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketing