先々月に書いたのに続いて読んだ本の棚卸しをする。恥ずかしいのは除いてます。
1月・2月に読んだ本 - うんこめも
まず個別に記事を書いたのが3冊。ノンフィクション2冊とビジネス書1冊。ただし小学生並の感想*1。
(読書メモ)日本をもっとも知っていた男のドラマ「旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」 - うんこめも
(読書メモ)「NASAを築いた人と技術」 -組織の文化とプロジェクトマネジメントについて - うんこめも
その他のものについて簡単に。
ハチはなぜ大量死したのか
ただの虫だと思っていたハチ。実は蜂蜜をつくるだけでなくこいつがいなければ多くの作物は受粉できず実を結ばないために人間と密接なつながりをもっている昆虫である。
そのハチが危機に陥っている。原因はダニか、病原菌か、農薬か、ストレスか。これを追っていく前半部は探偵もののようなスリリングなおもしろさがあるけれど、後半部にこそ価値がある。自然をコントロールしてきたと思っていた人間と、コントロールできないほど複雑な社会性と生態を進化させたハチを主人公に現代社会の問題をえぐり出す傑作ノンフィクション。
ちなみに原題は「Fruitless Autumn」。これはレイチェル・カーソンの沈黙の春と対比される壮大なタイトルなんだけれど、なぜ「ハチはなぜ大量死したのか」という控えめで虫好きしか手に取らなさそうなタイトルにしたんだろう。「空疎な秋」とかでも良い気がする。
科学ものとしてはサイモン・シンと並ぶくらい読ませる。けれど、終盤、すこしだけ沈黙の春ばりに煽りが入っているところもあることに注意。ゆったりハチを飼えるくらいのところで生活してみたい。

- 作者: ローワンジェイコブセン,福岡伸一,Rowan Jacobsen,中里京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
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常時結合によるシステム開発効率化ガイド
CIの利点とそのプロジェクトへの導入方法。なぜかantとCruiseControl、Go。
プロジェクト管理に必須のCIの考え方をざっくり分かりやすく解説している。ただサンプルやツールの紹介が多くて薄い気も・・・。
一番難しいのは、長く稼働しているシステムに自動テストを導入することかな。。

- 作者: 和田良,辻本晋章,小椋憲二著,松谷眞樹,株式会社テクノロジックアート,長瀬嘉秀監修
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: 大型本
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たったひとつの冴えたやり方
この名著との名高い古典的SFをいまだに読んだことがなかった・・・。
中身は、地球外生命体とのファーストコンタクトで、知性の描き方が人間本位であれなのだけれど、それは仕方ない。結末はすぐに予想できるものではあるけれど、やっぱり読んでみると悲しいような、前向きなような不思議な感覚になる。
ちなみに原題は「The Starry Rift」これも作中の大事な言葉なのだけれど、これを作中で使われる台詞の「たった一つの冴えたやり方」に変えたのは翻訳者の妙だと思う。
Sniperを「山猫は眠らない」に訳すくらいいい。
参考 この邦題をつけたのは誰だあっ! 映画邦題ベスト10&ワースト10 カゲヒナタのレビュー
ちなみにこの台詞、英語では「It's the only Neat thing to do.」と書くらしい。

- 作者: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もうちょっと読みたい本があったけれど、某資格の勉強であまり時間がとれなかった。
以下、マンガ。
山賊ダイアリー
絵はさておき、猟師の日常をたんたんと描いている良マンガ。雰囲気や伝え方としては「僕は猟師になった」のほうがいい味がでていて好きだけれど、猟銃のことが書いてあるのはおもしろいし岡山の山や狩猟者たちの様子が楽しい。エアライフル使ってみたい。今年度は狩猟免許とってみよう。

- 作者: 岡本健太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: Kindle版
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海街dialy 吉田秋生
吉田秋生のはBL色があるとされるBANANA FISHしか読んだことがなかった。それで先入観があったけれど、良い。うまく説明できないのだけれど、親の不倫・離婚、病気など重いものをモチーフにしつつも明るさと前向きさがある。
多数の登場人物が出てくるオムニバスを、相互の感情を流れるように描いてここまでうまくつくれるのは天才、これだけ書ける人はほかに知らない。
ただ、読んでいて、凡庸な生き方・働き方・人との関わり方をしている自分の人生がすこし物足りないのではという思いがすこし出てくる。幸せなことではあるしマンガの読み過ぎだけれど。

- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/26
- メディア: コミック
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銃夢 Last Order18巻
これは未だに購読している数少ないマンガのひとつ。ジャンルは狂気の宇宙SF格闘仏教マンガ。たぶん。
18巻では前巻までの壮大さは影を潜めて前シリーズのような個人の狂気に話が移っている。カポエラナースのケイナちゃんが可愛い(そして以下略)

銃夢 Last Order NEW EDITION(1) (KCデラックス)
- 作者: 木城ゆきと
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/22
- メディア: コミック
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アニメでは、第一印象を裏切られてスタードライバーがすごくおもしろかった。
けれどあまりうまく説明できないし感想も書けないのでまたこんど・・・
*1:最近のネットではこれを(小並感)と書くらしい