大津宿日記

@daaaaaai の日記です

大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン全部まわってきたので感想を書いた

4月に軽い気持ちで一度は万博にいっておくか、と覗いてみたあと、万博をちゃんと批判/批評するには、万博の8つのテーマを代表するシグネチャーパビリオンをみておかねば、と通い始め6回目の訪問で全館いちどは訪問することができたので感想を書いてみます。とはいえ、インタラクティブで一期一会なパビリオンも多いので、いち側面でしかないのでご注意ください(あと後半に、シグネチャーパビリオンの予約をとるコツを書いてみました)。

訪問順です。

Dialogue Theater –いのちのあかし–

テーマ:いのちを守る
プロデューサー:河瀨直美(映画作家

expo2025-inochinoakashi.com

4月に開幕券ではじめて訪問した際、7日前予約で当選。たしか3番目か4番目の希望だった気がする。奈良県十津川村の廃校からもってきた古い校舎や、福知山からもってきたイチョウや庭のつくりが印象的で散策しながら楽しみに待っていた。入館時に回ごとに異なるという対話のテーマがカード配られる。そのカードには「あなたの中には、何人の天使と悪魔が住んでいますか?」という問いかけがあった。この問いは、同じ人がやさしさと残酷さが同居していることを自問させようという意図があるようには思うのだけど、分割して数えらるものではなく、天使的側面も悪魔的側面もある1人でしかないのでは、とあまりよい問いかけではないと感じてしまった。その後、ホワイエとして校舎内を散策する時間があり、木漏れ日の差し込む、鏡で遠くまで続くような学校の廊下や黒板などをみる。時間の蓄積となつかしさを感じる。

ただ、4月だったからか司会の若いスタッフも慣れていなく説明もかなりたどたどしかった。校舎にて、選ばれた素人である参加者1名と、運営側の方とのオンラインの対話をみる形式で、相手の顔は大写しになっているのを参加者の方の背中とともにみる。参加者からは若い男性で、相手はダンディーなおじいさま。最初の説明不足もあって、すでに関係性があるのか?とも感じられたのと、配られたカードのテーマの話ではなかったのでちょっと混乱もしてしまった。

当日に選ばれるという偶発性が緊張感のある対話をうみだし、それを参加者に見守らせて疑似的に体験させることで、他者を理解することにつなげさせることが「いのちを守る」ことにつながるのだろうか・・・と好意的に解釈もできるかもしれない。哲学者のリチャード・ローティが、会話し続けることが、自身を拡張していき、連帯をつくることで残酷さの小さい世界をことをつくっていく、といった話を連想した。ただ、昨今のイスラエルのガザでの虐殺におけるイスラエルの主張や、ロシアのウクライナ侵略でのプーチンSNSでの対話不可能なもめごとなどでみられる理不尽で堅固な被害者意識をみているとちょっと楽観的にすぎるかもはしれないけれど。

テーマや対話者によってはかなりおもしろくなりそうだし、機会があればまた行ってみたいしあわよくば対話に参加したい。 妻が8月に参加したときには、自分のときよりはおもしろそうなテーマで、神経の病気(ALS?)のおじいちゃんを相手に、32回万博ソロ参加の青年が対峙していたそう。 おじいちゃんがため口で偉そうだったり、難病という、「同情せざるをえない」立場にいて対等な対話にならない構図にずるさを感じておかんむりだったけれど、ここまで感情を揺さぶっていることはこのパビリオンのすごさなのかも。

いのちのあかし会場からの景色

null²

テーマ:いのちを磨く
プロデューサー:落合陽一(研究者/メディアアーティスト)1987年生

expo2025.digitalnatureandarts.or.jp

今回の万博でもっとも異彩を放つ外見のパビリオンで写真をみたことがあるひとも多いとは思う。8月平日、6時半に並び始めてに当日予約でダイアログモードをとることができた(9:03)。大人気なようでなかなかとれず、15回くらい万博に通っている妻からもうらやましがられた。事前に絵本ヌルヌルのたびを読んでおくことをすすめられたりミラードボディーアプリや、3Dスキャンアプリの準備が必要で、当日予約でいきなりとれても慌てないように予習しておくとよいだろう。

絵本は、意識を個体から全体に移すような暗喩がありこれはエヴァンゲリオン人類補完計画を、さらに記号による認識を手放し永遠の今を生きよ、というねこ(とらひこ)へのメッセージはマトリックスの人間グリッドコンピュータといった全体主義ユートピアを思わせて、あまり肯定的にとらえにくい。あとスマホでは読みにくい。

特設サイト | 大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「null²」│ Expo 2025 Osaka, Kansai Signature Pavilion null²

内容について、いろんなひとが中の様子をSNSに投稿しているから、6面ともジェネラティブアートでうにょうにょ動くんだろう、とはわかっていたけれど、実際に体験すると圧があって神秘的ではある。ただし、事前知識なく体験できていたらもっと衝撃だっただろうとも思ってしまう。万博関係者らで、最初期に事前知識なく体験した人々の感想があれば読みたい。

null2内部

そして、その場で、参加者から3名選ばれてミラードボディの情報でつくられたAIと対話する。この対話という点は、いのちのあかしと共通しているけれど、複製された自己という奇妙さ・居心地の悪さを体験するというのがみそなのだと思う。自己との対話は、内省につながりうるだろうか。ちょっとAIかインプットのできがわるくてか会話は成り立っていなかったけれど、けっこう恐ろしさを感じた。終わった後に、次の会の参加者の様子をマジックミラーの裏から楽しめ解説を聞けるというのは良い。限られたリソースで回転をよくするための工夫を感じた。

靴をぬぐので脱ぎ履きしやすい靴でいくことをおすすめします。靴をいれるための不織布の袋をもらえます(3名分、インスタレーションモードへの当選券があるとのことだった)。

null2は夕暮れがきれい

Better Co-Being

テーマ:いのちを響き合わせる
プロデューサー:宮田裕章(慶応義塾大学教授)1978年生

co-being.jp

8月平日、2か月前予約でとれました。妻に言わせると迷いの森である静けさの森の近くにある展示。屋外の、木立のなかに白い立体的なグリッドのような構造物が目立って気になっていて、その異物感についてはnull2と対象的。村田製作所製のデバイス「石ころ」を持ち、それが前にひっぱられるように揺れたりして誘導されていく。この万博では、なにかデバイスをもつ展示がいくつかあったけれどその使い方としては今のところ一番おもしろい(解説ロボットとしてはドイツのサーキュラーちゃんはよかったし、デバイス自体のきらきら感はノモの国もよかったけど)。文字や音、光をつかったアート作品をみてまわっていく。真夏だったけれど風が通って気持ちよかった。晴れた日で体験できたけれど気候や時間によっても大きく体験が変わりそう。位置情報+写真アプリでほかの人々との体験を共有できる、という狙いがあったようでいくつか投稿したけれど、ちょっと他のひとの投稿がわかりにくくユーザ体験としてはすこし物足りなさがある。

散歩しながらアートを体験するという構成でけっこう好きだけれど、1回9人で一番回転の悪そうなパビリオンでもある。せっかく人数少ないし、参加者同士のインタラクションのしかけがあってもよかったかも。

Better Co-being外観

いのちの未来

テーマ:いのちを拡げる
プロデューサー:石黒 浩(大阪大学教授、ATR 石黒浩特別研究所客員所長)1963年生

expo2025future-of-life.com

(disclaimer)石黒先生が一時期教員をしていた研究室には、時期はずれているけれど自分も所属していたことがあって研究室の周年イベントにビデオレターを寄せていただいたのを拝見したりといった関係がある(そのビデオレターは最初当人かと思ったらアンドロイドで驚きました)

アンドロイドで有名な先生。人間そっくりのアンドロイドをつくることで人間がどう他者を認知するかという路線で人間とロボットを研究している、というアプローチをされている。けれど、近年は同じようなアンドロイドの展示を続けているように感じてやや優先度を下げていた。

8月平日の当日予約(10:05ごろ)。黒い立派な建物のまわりを水が垂れていて、なぜか全然形の違うカーバ神殿を連想した。解説音声は各自すべてデバイスから骨伝導イヤホンで聞くという形式で、最初のセットアップは苦労されていそうだったけれど、多言語対応もしていそう。映像で提示する、未来の世界(未来の万博会場など)はまあ平凡なんだけれど、子どもの成長・人の老いと死の気配はちょっとあざとくてつい涙ぐんでしまった。健気さに弱い。連続する映像の問いの、老衰で死ぬ前にアンドロイドに移り変わるべきかどうか、という問いは技術がまったくともなっていないけれども、死生観への問いかけという思考実験としては一番テーマに忠実だったかもしれない。エスカレータに貼られていた家族写真がいい。

ただ、最後のアンドロイドのダンス?は光の使い方で神秘的にはなっているけれどよくわからなかった。もうちょっと、あ、アンドロイド意外と自然だね、とか思えたり、逆に、恐怖を感じさせるほどの展示にはできないものだろうか。とはいえ、なんだかんだいって石黒先生はサービス精神が豊富だからか、見どころも多くて楽しいと思う。一度の参加人数も多く、たぶん抽選もあたりやすいのでいちどしか万博に行かないけれど、抽選なにか迷うという方にはおすすめかも。

1000年後のいのち "まほろば"
1000年後のいのち "まほろば"

いのちの遊び場 クラゲ館

テーマ:いのちを高める
プロデューサー:中島さち子(音楽家、数学研究者、STEAM 教育家)1979年生

expo2025-kuragepj.com

8月日曜日に当日予約(9:10)で子どもと参加してきた。無料体験ゾーンも広く、伝統楽器からおもしろ電子楽器までいろんな楽器があって5歳児が楽しんでいてよかった。最初の撮影禁止ゾーンでは暗闇で音を聞いて、360度投影されている空間でくらげをみたり、ライブ音楽を聴きながらみんなでおまつり体験をした(ちょっと説明しずらい・・・)。国立民族学博物館協力でさまざまなお面を用いていて、よかったけれど、お面の画像だけではなく、お面を用いてどうしていたのか、までわかるとより嬉しかった気がする。とはいえ、360度のディスプレイを背景に、生演奏のもと参加者やスタッフみんなでぐるぐるとまわっていくにぎやかな高揚感は、おまつりの瞬間を体験できる仕掛けでかなりいい。スタッフの方々の感じがよかったし、ほかのキッズたちがわちゃわちゃに楽しんでいたのが印象的。子連れでシグネチャーパビリオンに行くならここが一番よいかもしれない(中高生だと EARTH MART かも)。

最初のスロープはたいへんだけれど、スタッフに車いすの方もいたり対応も感じよく、アクセシビリティにはいちばん気を遣っていそうなのも好感(最初の真っ暗闇ゾーンで来館者の電動車いすのLEDが目立ってしまっていたのはあったが・・・)

建物のコンセプトは世界樹?あまり統一感はないにぎやかな感じなんだけれど夜にはきらきら光っていてきれい。

いのち動的平衡

テーマ:いのちを知る
プロデューサー:福岡伸一生物学者青山学院大学教授)1959年生

www.expo2025-fukuoka-shin-ichi.jp

一番残念。御著書「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」は生命のむずかしさを解説しつつバイオ研究者列伝としてもおもしろかったものの、最近の先生は進化論を誤解させるような記述が多く、本気で理解していないのかと疑ってしまうほど(そんなわけはないですよね)。ドーキンスの利己的遺伝子が成長主義的だ、という批判はわからなくはないけれど、広義の利己のなかに利他の側面もあるので間違いではないと思うのです。利他とは、進化という生命を残し続け環境に適応し続ける現象*1の結果として個体や生態系にしばしばみられる性質でしかない、と思う。ご著書の「動的平衡」では、ミクロな生命現象について触れていつつも、進化についてはミトコンドリアとの共生程度しか触れていないと思うのだけどその後、なにがあったのだろう。

サイト ( いのち動的平衡館を知る|福岡伸一がプロデュースする「いのち動的平衡館」 )には

利⼰的に振る舞っているのは⼈間だけ

と書いているけれど、人間嫌いすぎない?熊が獲物(ときとして人間)に執着したりイルカが魚やイカを投げ飛ばして遊んだりとかは利己的なのでは。そして、この書き方は利己的であることをネガティブだと言いたげだけれど、利己性はまったくネガティブなことではないようにも思う。

最後に館長あいさつで、死は終わりではなく、利他であるというのはよかったし、くずれながら再構成していくことが生命だという視点はおもしろいのだけど、物足りない。 ご著書に書いてあるこれを展開して高尚な秘宝館的なにかをつくりだすとかできなかっただろうか。

食とセックスが共通の構造を持っていることの好例だが、これについて語りだすと機微な話になっていくので、また別の機会に書きたい

(新版 動的平衡, p139)

あと、建物が柱がないことを誇っていたし、それが技術的にはすごいことなのだと思うけれど、柱がないことで空間を効果的に利用できていたとも思えないし、ユーザに影響・関心あるところではないようにも思う。エンブリオという名前の建物と、その膜としての建物デザインはかっこいいのに。

さらに細かい揚げ足取りを続けると、シグネチャーパビリオンのプロデューサーで最年長ながら、サイトや展示で一番プロデューサーの名前を出していたのはちょっと自己主張が強すぎるように感じた。特にURL*2

いのち動的平衡館 エンブリオ
いのち動的平衡エンブリオ

EARTH MART

テーマ:いのちをつむぐ
プロデューサー:小山薫堂放送作家、京都芸術大学副学長)1964年生

expo2025earthmart.jp

8月平日、2か月前予約でとれた。妻や同僚がよかったといっていて気になっていた。最初の映像は録画不可で、映像後にある演出があってメインの会場にはいるんだけど、その最初の出迎えは固定種で有名な長崎県雲仙の岩﨑さんの朽ちゆく野菜。これを先頭にもってきている判断はすごい。ちなみに、このある演出とは今万博で屈指の人気のイタリア館と同じもので、その中でも目玉のアトラス像にあたるものがこの野菜たちと考えるとこの思い切りのすごさがわかると思う。

カラカラになった大根の実(いつも食べているダイコンではなくて、花が咲いた後の実)とか、オクラの残骸や手書きの種を保存している容器を間近でみることができて嬉しい。

「野菜のいのち」岩﨑政利さん earth mart

また、伝説でもあるすきやばし次郎小野二郎の握りを3Dにみることができた。丁寧すぎる(翔太の寿司の一手返しとかとは全然別の世界だ)。 若い女性がめっちゃおじいちゃんじゃん、と心配していたけれど、この方は超有名な方なんだよ、とフォローしたくなった。小野二郎伝説を簡単にでも説明していてほしい(でもミシュラン三ツ星とかヘラルド・トリビューンで世界のレストラン十傑に選ばれたとか権威主義になりすぎるかなあ)。 ただ、漁獲資源の減少を、気候変動にフォーカスしていたのはちょっとものたりない。日本人の資源管理できなさに触れてもいいんじゃないか、と。

すきやばし二郎のほか、名料理人の調理プロセスを多様なセンサーで記録する録食はおもしろいんだけれど、食材の目利きとか旬とかは気にしていないのは要素還元主義にすぎないだろうか。いろんな商品のパッケージ案とかはおもしろかった。ただ、写真をたくさんつかっていたピーター・メンツェルの「地球の食卓」は邦訳ですら2006年だし、日本はないし、ちょっと残念。せっかくだったし同じ家族で2006年版と2025年版とかでどう変化があったかとかわかるとめちゃおもしろかった気がする。とはいえ、既存のものをいろいろつないでコンテンツとしておもしろくするのはテレビ的で楽しい。

最後、25年後に、ここで漬けた梅干しを一粒もらえる券をくれました。ここで未来を考えさせる仕掛けはおもしろい。子も30歳、小山さんは86歳。 2050年、また田辺市でみなさま会って思い出話をしましょう。

あと、茅葺き屋根の建物、たくさん茅をつかってくれていて嬉しいけれど、当初のデザイン案の異様/威容はなくなっていてちょっと残念。

www.asahi.com ↑これです

ちなみに、退館後の、ここはどこだ感は万博トップクラスだと思う(妻も強く同意してくれた)。

Tシャツやグッズがいろいろ売っていたけれどシルバーの米粒ピンブローチが好き(使う場面はなく買わなかったけれど・・・)

米粒のピンブローチ – Whole Love Kyoto

いのちめぐる冒険

テーマ:いのちを育む
プロデューサー:河森正治(アニメーション監督、メカニックデザイナー、ビジョンクリエーター) 1960年生

shojikawamori.jp

8月平日、10時ごろの当日予約で19:45の会を予約。ANIMAと超時空シアターの2種類あるうちの前者ANIMA。結構残念、メッセージ性があいまい?3面に映りますとのことだったけれど正面がよくわからなかった。最初の目と牙は自分たちが食われることを意味しているんだろうけれど、ちょっと控えめすぎたかも。空間ごと口や胃のなかに引きずり込まれる感があってもよい気がする・・・。みんなでジャンプはおもしろいけれど、キャラクターがそんなにかわいくないし印象に残らないし・・・。

でも屋外の自由展示のMikiko Kamadaさんによる「無限メタモルフォーゼ」は九相図的でかなり好き。時間をあけて花を瓶詰めし、カビが生えて朽ちてゆくさまを提示しているのすごくないですか。シグネチャーパビリオンとして、限られた当選者だけではなく、通りがかった人にもすごいのをみせてやろうというサービス精神を感じました。

無限メタモルフォーゼ
無限メタモルフォーゼ

shojikawamori.jp

ただ、その分の期待があったから残念だったのかも。しかし13歳以上の超時空シアターはまた別らしいのでまた行きたい。残りわずかな回数しかいけないけれどもし行けたら加筆します。建物もおもしろげではあるんだけれど、派手な建物や屋台に囲まれているうえに、手前の展示にフォーカスされてしまうからか少し印象に残りにくい。

ふりかえり

「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに対しそれぞれなんとか回答を提示していて見ごたえはあった。しかし、未来社会のデザインについては、いのちの未来がすこし触れた程度にとどまっていて物足りなさは感じる。明るい未来をみたいというわけではないけれど、もうちょっと、大国の残酷な侵略行為をとめられない国際社会や、排外主義吹き荒れる現状、超少子高齢化と首都一極集中に進み続ける日本とかなんか切り込めなかっただろうか。

あるいは、思考実験として、だれがシグネチャーパビリオンのプロデューサーになるとおもしろかっただろう、と考えてみると楽しいかもしれない。 ただ、派手なものや話題をつくることができるというある程度の実績とヤマ師性(誉め言葉)も必要だし難しい。特撮界隈とかだと企業色がつきすぎそうだし、インスタレーション現代アート界隈でだれかいないだろうか。 もしSF作家から出るなら誰だろうと考えてみると、小川一水さん、藤井大洋さんを思い浮かべるものの、1970年万博の小松左京と比べられることになってプレッシャーはありそう。SFプロトタイピング界隈とか相性よさそうな気もするけれど。

多忙すぎて絶対無理だけれど、もし漫画家でひとり選ばれるなら山田芳裕さん。日本の伝統の詫びと数寄に知見と鋭い感覚を持ち、また未来志向も兼ね備えているように思う。

・・・と、妄想から現実を振り返ってみると、芸能界関連がせいぜい放送作家小山薫堂さんだけだったのはかなり良識があったようにも思える。

そもそものプロデューサー8人の選定も、2020/7/13にプロデューサー決定のプレスリリースがあった程度で具体的な評価基準や選考方法に関する詳細な公開情報はなく、博覧会協会の内部選考により決定されたように思えて謎ではあるけれど、公募したりしたらややこしそうだし仕方ないのか・・・。また後年にでも選考過程を公開してほしい*3

www.expo2025.or.jp

以上、無責任に好き勝手なことを書いたけれど、プロデューサーの方々や多くの人々がエネルギーを割いてつくったことは伝わりました。ありがとうございます、そしておつかれさまでした。

「いのち輝く 未来社会のデザイン」というテーマは難問だし、トップダウンにデザインできるものではないものだけれど、プロデューサーの方々や多くの人々がエネルギーを割いて応えようとしたんだろう、とは感じました。消費主義的イベントだし、IRの地ならしという維新の意図は気にいらないけど、こういうお祭りのために派手にお金と人をかけて実験的ななにかをやるというのは、昨今の後ろ向き日本ではまれな前向きな取り組みでよかったし、いろんな国の人々が集まって広い世代の人が集まるおまつりとしては楽しかった(これに成功体験をもってハコモノやイベントをやろうとすることにはよほどのものではないかぎり反対するけど)。

(おまけ)シグネチャーパビリオンに入りやすい方法

と、自分はラッキーで全8パビリオンに入ることができました。残り会期短いですが、どうしてもみたいという方のために正攻法でなるべく入りやすい方法を(だいたいは万博に執心している妻から教えてもらった)。

  • 9時に予約しなるべく早く入場する
    • もう9時枠が空いている日はないですが・・・。1週間前予約の結果が出る7日前深夜もしくは朝とか、前日になるとキャンセルにより9時も空く、ことがある(望み薄)。
    • 東ゲート始発がおすすめです。8月平日では6時半夢洲駅着でちょうど9時入場できました(朝は比較的涼しいし、列移動も少なくゆっくり本を読めます)
      • 西ゲート始発、1人ならありですが行列がきゅうきゅうで怖いのであまりおすすめしない。
    • 9時に入場したら当日予約でなるべく早く抑える、理想は9時台にひとつとって終わってすぐにもうひとつとること。それ以降で当日予約はめったに成功しないし、スマホをいじりつづけることになりがちで悩ましい
  • 7日前抽選で当選するまで抽選し続ける
    • 22-23時ごろに 結果がでるので外れたら次の行ける日に日程を変更するとたくさん試行できる(通常入場券だと3回まで変更できます)。
    • 9時か10時を確保できているなら、それを捨てるかどうかは悩ましい
    • 7日前抽選での予約時間は比較的人の少ない午前か夕方以降にする(とよい気がする)
  • 空き枠先着予約
    • 3日前0時、23時ごろからアクセスしてログイン状態を保っておくとよい
    • アクセス過多で3回に2回くらいはログイン失敗するけれど、うまくログイン成功するとシグネチャーパビリオンもまあまあとれる(とはいえ、自分は寝落ちしがちで成功したの2回だけですが・・・)。
    • ほんとうにいきたいパビリオンを即検索できるようコピーしておいて検索するのがおすすめ
  • null2 はフォトコンテストで1日3名入れるようだしその他の道もあるかもしれない

枠の数、公式情報では1日1500枠未満とまでしかないのですが、あきらかに回転のよいパビリオンとそうではないところがあります。 (参考: パビリオン・イベント予約の最新状況について~お早めに来場予約して事前の観覧予約をご活用ください~ | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト ) Better Co-beingはかなり難しそう。参加人数的や体験的にもしはじめて万博にいく方が第一希望で応募するならは、いのちの未来、Earth Martがおすすめ。

万博全体の感想(中間)についてはこちら

dai.hateblo.jp

*1:生命を残し続けることも本質ではなく、生命を残し続けてきた現象が現在残っているというだけでしかない

*2:河森正治さんのは既存のドメインのサブディレクトリなので問題ない。というかnull2がサブドメインなのと河森さん以外はすべて今回のためだけのドメインだな・・・

*3:名SF三体第2部での面壁者(ウォールフェイサー)を連想しました

大阪万博2025の中間振り返り

万博が思っていたよりもずっと楽しかった。
4月平日に開幕券で少し安く入場し、もらった割引クーポンで通期パスを購入。その後、5月と6月の週末に妻と4歳児と、8月平日に一人でと、計4回足を運んだので振り返ってみたい。

正直、期待はしていなかった。IRの地ならしとして誘致したという維新の狙いは癪に障るし、空飛ぶ車、待ち時間ゼロといったトップダウンっぽい大言壮語、メタンガス対応の広報不足、ダモクレスの剣を思わせる石の日よけなど、不安要素ばかり目についていた。

それでも、今の日本の巨大プロジェクトがどの程度杜撰になるか直接見ておきたいのと、なにかインスピレーションを得ることができれば、というミーハーでよこしまな思いがあったけれど、いい意味で裏切られた。

最初に驚いたのは、あまり事前に写真をちゃんと見ていなかったこともあって木製の大屋根リングが想像よりはるかに大きく、思っていたより倍ほど高かったこと。下には日陰の歩道やベンチがあって、上からは淡路島や和歌山まで見える景色が広がり、みな楽しそうに歩いている。みたことはないけれど、カーバ神殿の巡回を連想した。

圧倒された大屋根リング

運営

チケットサイトや行列など、ケチをつけようと思えばいろいろ言えるが、ハコも運営もかなりよくできている。特に以下の点は素直にすごいと思う。

  1. デジタル化の徹底。現金ゼロを押し通し、紙パンフや地図の配布をしなかった判断
  2. 予約システムによる行列管理。(満足のいくものではないけれど)予約サービスで行列をある程度コントロールできている。人気パビリオンに行列が集中してもっと悲惨になると思っていた
  3. 大規模な来場者対応。東京ディズニーランドの倍以上の入場者をさばく仕組みを立ち上げたロジスティクス
  4. そこかしこにある子ども向けの遊具、多数のベンチ、トイレ、休憩施設は充実していた
  5. スタッフの質。感じの良いスタッフたち(一部海外パビリオン除く)。
  6. 建設。多数の複雑な建物やコンテンツを完成に間に合わせた(インドやネパール館を除く)。

これらは率直にすごい。デスマーチに近い状況だった現場も多数あっただろうけれど、これをつくりあげた現場力・プロジェクトマネジメント力は尊敬に値する。本当におつかれさまでした(じっさいに某企業パビリオンの準備で友人がくたびれていて心配)

(追記:あと工事費未払い問題は大問題なので運営ががんばって調整して泣き寝入りする業者をなくしてほしい)

体験と展示

そうたくさん見ることはできていないけれど各国のパビリオンも、建物・展示・コンテンツそれぞれに工夫が凝らされていた。国威発揚的な宣伝は目立ったものの、それも含めて各国の意図や、リソースのかけ方がすけてみえてそれぞれ個性的だった。見世物的側面はあるものの、日本にいながらこの体験ができるのは貴重だと思う。お金と人をかけた文化祭にも感じる。

初回訪問時、修学旅行で来ている未就学児から高校生まで、たくさんの子どもたちがはしゃぎまくっている姿が印象深かった。労働人口減少と資源高騰が進む日本で、これ以上のお祭りは生きている間にはないかもしれない。

そう安価ではないチケットで、食事も(比較的安価なところはあるとはいえ)安くはなく、グッズがすごい勢いで売れていて消費社会的なお祭りではあって踊らされ感はあるけれど・・・

  • インドネシア館:熱帯雨林の湿り気、伝統武器や通路に掲示されたポートレート写真
  • 静けさの森:喧騒を抜けて中央部に入ると一気に静かになった。最短経路にならないような道路設計で移動利用が少ないようにしていそう。とんぼや生い茂る野草は残ってほしい
  • null2(落合陽一):外観の異様さ・衒学的・幻惑的な問いかけ
  • イタリアパビリオン:映像、アトラス、カラヴァッジョ、特許、そして屋上からの夕暮れ
  • better co-being:屋外での鑑賞体験と、村田製作所バイスの感触(それによって1度の参加人数は9人で回転は少なそうだけれど)

いのちめぐる冒険(河森正治)の、予約なしゾーンにあった様々なカビや、モンゴル(commons)での兜の展示、パレスチナオパールの宮殿、ウクライナの展示の無言の圧、ペルー館でのシパン王の遺物(全く知らなかったが迫力があった)などもよかった。

null2

アトラス像の足。全体像を撮るのはむずかしい・・・

イタリア館にあったトカマク型

モンゴル(commons)の皮の兜

輪島塗の夜の地球は、出展予定だったイランが撤退後、これを展示した判断や交渉はすごいと思う。

テーマについて

ただ「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマへの回答はあまり感じられなかった。倫理の限界に挑戦するようなテクノロジー、もう少し踏み込んだ内容を期待していた。石黒浩先生の「いのちの未来」の最後の問い*1、落合陽一「null2」は衒学的だけれど対話は思考実験としてはよかった。

食事

  • 北欧館:和食要素を用いた料理(ディルと柚子胡椒を味付けに使ったスカーゲンが良かった。高かったけど・・・)
  • アフリカンレストラン:生演奏とマフェ(高かったけど・・・)
  • インド館:香り、雑貨屋のお兄さんとの金額交渉。馬の壁掛けを見ていたら「not brass, bronze!」と言われた
  • エスニックフュージョンレストランでの壺ビリヤニ:素焼きの器をもらえるのよかった

いろいろ高いと書いたけれど、安いところもたくさんあるし持ち込み自由なのはおおらかでよい。

アフリカンレストランでのマフェとマダカスガルバニラエール

北欧館のスカーゲン
柚子胡椒をつかった未知の味でおいしかった

妻はフランス館でコース料理を食してかなり良かったそう(価格は聞いていない)

その他よかったこと

  • 年長組の幼稚園児たちがアスレチック遊具で全力で遊ぶ姿
  • 小学生たちが静けさ森北東部の起伏で遊びまくる様子
  • 中学生男子がインドネシア館の行列で外国人スタッフとたどたどしい英語で笑顔でコミュニケーションしていたこと
  • 高校生女子がみゃくみゃく眼鏡でテンションが上がっている場面
  • 入場ゲートの行列で近くの人と世間話や情報交換
  • 友人の会社の取引先が万博でどこどこ館の音響を受注して盛り返したという話とか
  • 付き合いだした友人カップルが万博で急速に仲を深めていること
  • 農林水産省が「未来につなぐ食と風土」という展示をやっていたり、突然こじまよしおさんが出てきていたり、いろんなイベントが開催されていてよい
  • 77歳で、70年万博ではパンフレットを売るバイト(パビリオンスタッフと比べて最下級だったとのこと)をしていたという妻の母が万博にいく準備をサポートした。パビリオンはアゼルバイジャンくらいしか行かなかったけれど歩くだけでかなり楽しく気が晴れたそう。一番おもしろかったのは、同級生LINEグループで万博に行くと書くと、「ぼく、その日前立腺の手術や」と友人が返信していたこと(手術は無事成功したそうです)

子連れ

子連れは難しいけれど、5歳児だと遊び場やCommonsを巡るだけでも楽しい。 遊び場はシグネチャーパビリオン中心の霧、フランス館前のアスレチック、屋内だと遊んでい館、WASSEの南のトランポリンドームとかが好き。日陰で待ちやすいし、体験も楽しい台湾(Tech World)・ドイツあたりがおすすめかもだけどパビリオン自体あまり回れていないのでおすすめは知りたい。

キッズを吸い寄せる霧

これから行く人へのアドバイス

自分はまだ4回訪問だけど、ドはまりした妻が10回以上通って友人たちやインターネットで高速に情報交換・試行錯誤しており知見を共有してくれているのでそれらの知識をもとに、主観ではありますが未体験者を念頭に書いてみます。

  • できたら平日、早い時間に予約をいれる
  • 入場時間について並び始めるとかなり待つので、予約時間からある程度たってから入るほうがゲートでの待ちは少ないかも
  • 7日前予約を入れる。人気の高いところ(null2、イタリア館、住友など)はなかなか当たらないので、トップ人気を外して第1希望に入れた方がいいかもしれない
  • 3日前の0時に空き枠予約する
  • 当日予約:こまめにチェックするといいが、振り回されすぎないよう注意
  • 予約がとれなくとも、Commonsや静けさの森、各パビリオンを歩くだけでも楽しい。
  • 食事:各国パビリオンは趣向があっておいしいけれど、行列があったり高かったりする。西の果てのエスニックフュージョンレストランやリングサイドマーケットプレイスなどの多国籍料理は回転が良くて入りやすいかも
  • 複数人だと当日予約はかなり難しい。
  • 遅い時間の東ゲートはめちゃ混むかも。イベントのある日は要注意。19時あたりの西ゲートのバスはわりといつも快適。
  • 帽子と軽い日傘、歩きやすい靴、モバイルバッテリーがあればなんとかなりそう。あと携帯できるイス(入場ゲートで並ぶとき用)とか

遠方からなんとか1回来るなかでたくさんまわりたいという方は、行きたいパビリオンのあるほうに近いゲートの9時予約をとって、なるべく早く行くことをおすすめします。休憩できる日陰はたくさんあるし風は通るけれど、熱中症にはご注意ください。

最後に

妻は開幕から最初の1か月は万博にまったく興味を示していなかったけれど、自分や友人から話を聞いて行ってからドハマりし、10回以上通って楽しんでいます。妻とその友人たちは万博を広いビアガーデンだと思っている様子で、最初教えてくれてありがとう、と言っております。おまつり的であることのほか、(期間の)限定性、攻略性と競争性のほか、チケットの抽選が射幸心を煽っていることがハマらせているような気がする。コミュニティで攻略している感は、MMORPGを連想するしいろんな人と万博体験を語りたい気がする。未来社会のデザインについて語りたいのでお気軽にお声掛けください

おむかえするミャクミャクさま

リングからの眺め

気になったタペストリー(場所と国はメモをとりそびれていた・・・)

当初は工事中だったインド(バーラト)パビリオン

パレスチナ螺鈿(?)の宮殿

中国館の威容
ちょうど、世界的SF作家、劉慈欣の短編集「円」の「詩雲」を読んでいたのでテンションがあがりました。

シパン王の杓
遊戯王の千年パズルを思わせるデザイン

シパン王の遺物2
これもかわいい

野草がたくさん
(どこからどうやってもってきたんだろう、採取地は無事なんだろうか・・・。せっかくとってきたので大事にしてほしい)

関西館、恐竜のうんこ

better-cobeing

この非現実感もよい

トンボがたくさん

レアンドロ・エルリッヒの庭
これは見ないとよさがわからないので現地に行ってください

commonsのどこかでみた派手衣装

静けさの森に横たわる像

インドの一品一村運動

突然はじまったジャマイカLive

なんか楽しげだった

夜のフランス館

入れてはいない

西の夜景

*1:手段は伴っていないけれど

4歳児を連れてシドニーに出かけてきた

6月の頭、オーストラリアのシドニーに出かけてきた。
2年ちょっと前に妻の友人一家が移住していて、去年、妻が遊びにいったときに、すんなり住むイメージができてとてもよかった街だったと言っていて気になっていたところ、閑散期だからか通常の半分のマイルで特典航空券を取れるというセールをやっていたことで押し切られました*1

タイミング的には南半球のシドニーは雨の多い冬で閑散期。それに加えて日本の景気の悪さを発揮して羽田からの便は搭乗率2割ちょっととスカスカで路線便が維持されるか不安になるほどでした・・・(乗客としては快適でしたが)。

そんなわけで出かけてきたシドニーでの話を書いてみます。
まず、シドニーという都市部のさらに一部しかみていないけれど、日本との大きな違いとして、インフラを中心にあらゆる場所が効率化・省人化され、強力にキャッシュレス化されていたのが驚き。

シンプルな公共交通機関

バスも路面電車(トラム)も電車も、公共交通機関としても利用されているフェリーでも、OPALカードというプリペイドICカードか、タッチ決済のクレジットカードでしか乗ることができない。紙の切符は存在しないし、現金での券売機もない。ある程度大きな駅でもOPALカードへの入金用の端末が1つポツンとある程度*2

そのシンプルさによって駅員さんはほぼいない。トラムの乗降口でタッチしないか監視している人がいるくらい。さらに地下鉄(メトロ)は運転手もいない。

そして駅もシュッとしていてかっこいい。

メトロのホーム

ちなみに、子連れ旅行でのトラブルがこのOPALカードで2回あったので、どなたかの参考になればと書いてみる。

1. 子どもは自身でタッチさせないといけない

子どもは3歳までは無料、4歳から15歳までは子ども料金で乗れる。ただ、そのためには子ども用のOPALカードが必要ということで用意していたのだけれど、途中、いつの間にか子ども用のカードがブロックされ、改札に入るときに invalid 53 とエラーが出るようになった(アプリでは単に Blocked)。駅の人に聞くと、ここではどうにもできず、交通局(的なところ)に問い合わせるしかできない、子どもは何歳?4歳?じゃあカードはいいから抱っこして行きなよ、的なことを言ってもらった。 あとになって思い返すと、子どもが寝ているときに抱っこしながら、自分が子どものカードでタッチしたことがあった、合わせて自分のカードでもタッチしたので不正ではないつもりだけれど、何らかの監視によって大人が子ども用カードタッチしたと認識されてブロックされた可能性はあるかもしれない。交通局との電話のやりとりに自信がなく、残高3ドルはそのままとなっている・・・。

2. 改札ゲートは日本のものより厳格で強固

日本では、6歳までは無料で電車に乗れるので大人が ICOCA でタッチして、一緒に歩いて改札をとおることができている。 しかし、シドニーで同じ感覚で改札を通ろうとしたらゲートがロックされ、OPALカードがこのカードはすでに入場しています、的なエラーが出て困った。駅員さんもいないので、隅にあった電話機でエマージェンシーなんたらコールをして、つたない英語力で頑張って説明したら部屋から係員が出てきてくれてゲートを開けてくれた。 大変だった・・・。一番英語力の不足を痛感した経験。

かっこいいが厳格な改札

と、まあトラブルはあったのだけれど、公共交通機関は便利。 公共交通期間は1日の料金の上限があって、金土日は大人9.35ドルが上限でそれ以上はどれだけ乗っても0円で決済されたりと便利。

Opal benefits | transportnsw.info

どこでも同じカードで乗れて、上限があるというのは日本でもあったらいいとは素朴には思うものの、日本と違ってシドニーではバス・地下鉄・電車・フェリーも統一された運輸省(Transport for NSW)が総括し、管理している(実際の運営はそれぞれ民間への委託という立て付けらしい)というのもあるし、都市間交通が分離されているということもあって複雑に入り混じっている日本では難しそうではある。

また、シドニーでは最低賃金2,500円とのことで物価も高かったけれど、それによる省人化の動きも進んでいそうとは感じた。 https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/d020601fc88efdc3.html

キャッシュレス

公共交通機関以外でもキャッシュレスはすすんでいて、ファーマーズマーケットでの小さな出店者ですら小さなタッチ決済の端末をもっていて、タッチ決済をしている。当然飲食店やスーパーでもカード決済。

動物園でも、入場チケットはWebで買う前提で現地で買う導線はかなり目立たなかったし、後述する遊園地でのUFOキャッチャーですらクレカのタッチ決済に対応している。

そんなわけでこの旅でも現金という存在をまったく意識しない旅でした。 万博にでかけたときに、完全なキャッシュレスで万博できるのすごいぜ、と思っていたけれどシドニーはもっと先をいっていました。

シドニーのこと

シドニー自体はおだやかで、たまたま気候もよくて最高だった。移民文化は日本より盛んだったり、すし屋は日本よりもたくさんあるかもしれない。本格的なガチエスニックから、マレーシアフュージョン料理のお店があったり。

ただ、宿(airbnb)に泊まった2日目にエレベータのボタンすべてにトランプシールが貼られたり、夜のメトロで、禁じられているはずの飲酒若者がいたりで少し不穏さを感じたりもした。

エレベータのトランプシール・2日後にはきれいになっていた

あとは公共交通機関の加速がすごい。 バスも電車も船もアクセル踏み込んでいる感がある。現地に住んでいる妻の友人によると、バスでおじいさんが吹っ飛ぶのをみたこともあるそう。さらに、バスは次のバス停の電光掲示はおろかアナウンスもないのでGoogleMapとにらめっこする必要があって緊張感あった。これ、スマホ以前の時代のひとはどうしていたんだろう。乗るとき運転手さんに伝えるとか?もはやスマホなしの旅行を想像しにくい。

以下、よかったところいくつか

タロンガ動物園

かなり楽しくわくわくするすごい遊園地だった。海沿いの傾斜のある木立ちのなかにあって、歩いていて急に視界が開けたと思ったら海とオペラハウスや都市部がみえて驚いた。

タロンガ動物園からオペラハウス、ハーバーブリッジを望む

バスでもフェリーでもいけるけれど、バスでいってフェリーでかえるとちょうど景色がよくていいかもしれない。 トラや鳥のところでは動物たちの住処にお邪魔するような感覚もあった。そしていろんな鳥がそこかしこにいてにぎやかでもある。

4歳児はヘビがみたくてたまらない時期にはいって、ヘビみたい~と言ったり、爬虫類エリアに行こうとして道を間違えたときに「もうだめだ~、ヘビがみれないなんておしまいだ~」と大げさに嘆いていておもしろかった。

巨大ゴリラ
のぼりたかったけれど人気で全然あかなかった

ミーアキャットかわいい
2匹同じタイミングで顔の向きをかえていた

グリーンパイソン
Python使いの人はいくと楽しいと思う。動いているヘビやトカゲもたくさんいました。

ディンゴ。かっこいい柴犬

コアラ
もちろんコアラもいる。お金を払うとより近づけるっぽい。

ビストロではカンガルー串も食べることができた。なかなかおいしい・・・

フードコートでのフィッシュアンドチップスがおいしかった。

vivid Sydney

5月23日から6月14日まで繁華街(Circular Quayあたり)でやっていたイベント。毎年恒例?神戸のルミナリエとかこんな感じだったのかも(いったことはありませんが・・・)。光る遊具やいろんな展示があって楽しい。このために、トラムも数駅分、18時以降は運行を停止しているのは思い切っている。

www.vividsydney.com

vivid sydney
vivid sydneyのサムスン展示。海の上に通路をつくっていてたのしかった。光るブランコやシーソーで遊べたりもした。 しかし6歳以下キッズ3人を追いかけていてあまりちゃんと写真は撮れていない。

マーケット

Northside Produce Market
Northside Produce Market はめちゃめちゃ気持ちよくて最高。 ここで肉屋で買ったホットドッグやサンドイッチがおいしかった。野菜を売っているお店もいくつかあったけれど山積みの野菜がどんどん売れていてよい。

コーヒー屋ではフラットホワイトを頼んだり、ゆっくりすごせた。

すぐ隣に図書館もあって、絵本をみたりできてよかった。

Paddy's marketsの青果売り場
あとはChina Town駅近くのPaddy's marketsの1Fは小さい八百屋や魚屋がたくさん並んでいて楽しい。どこもタッチ決済で便利。ちいさなリンゴがおいしかったし、未知の中華野菜もたくさんあった。

たにしさんの新婚旅行で紹介されているいくつかのマーケットも気になっていたけれどタイミング合わず、ロックスにしかいけていない。Glebe Marketsいってみたかったな。

tanishiking24.hatenablog.com

ルナパーク

サーキュラーキーの向かいにある遊園地。なんと入園無料。

富士通ビルとルナパーク
この顔がゲートになっています(この写真は訪問したのとは別日にフェリーから撮ったもの)。

ただ、アトラクションはダイナミックプライシングで変動はするけれど1日券55豪ドルとかする。むかしはアトラクションごと課金もあったそうで、それができたら観覧車に乗りたかったけれど、あきらめる。ほか、ぬいぐるみのあたるゲームはゲームごとに課金があって、子どもそれぞれにチャレンジさせました。なかなかおもしろかった。

カフェのうえにある怖そうなアトラクション

ルナパークから望む海沿いの町。いい・・・

いろいろ悪趣味でたのしい

www.lunaparksydney.com

No fishingの看板をものともせず釣りをするおっさん

動物園からのフェリーでみえる灯台。海沿いの家、いいなあ

軍港もあった。

china town駅ちかく。この雑踏はかなり好き

レッドファーンあたりの倉庫がかっこよかった

ChinaTownの四海一家
四海一家って八紘一宇的なものだるうか?ちょっとニュアンスはわからないけれど。

ドーパミンマンガ

日本語を用いたお店の看板もたくさんあった。

宿と子ども

今回は airbnb で借りていた家に4泊した。料理できたりぱっと洗濯、乾燥できて便利だった。 ただ、airbnb は紹介ページでの写真テクによって美しく紹介されていて、実際に行くとちょっと期待ほどではなかった、という体験をしがち。

招いて子ども同士で遊ばせながら大人は飲むというのもよかった。家にまねくと私物であふれかえっているので子供どうしが派手に遊びにくい・・・。今回は布団にもぐりこんでかくれんぼしていてもまあいいか、と思えた。

妻の友人のお子さんは2人、むこうに住んで2年ほどだけれど英語も日本語も上手ですごい、親御さんは異国での生活も仕事も誕生日パーティの仕切りもたいへんそうで尊敬する。元気なお子さんとうちの子とでなんか仲よく遊ばせることができたのが今回の旅行で一番いい経験だったかもしれない。

いやー、しかし子連れでの海外旅行はなかなかたいへんだった。もうしばらくはいいかな・・・(お金的にも体力・時間的にも)、と帰りの飛行機内で思ったのだけれど、2週間たつとまた行きたいと(分不相応にも)思ってしまう。これは二郎系のラーメンを食べて直後はもうしばらくはいいか・・・と思うものの翌日になるとまた食べたいと思ってしまうのと似ていると感じる。

*1:妻のおごりにごわす

*2:OPALカードへはアプリでカードを登録するとクレジットカードで簡単に入金できて便利(日本のクレカで入金しようとしたら失敗したけど・・・)

難聴の祖母に AirPods Pro 2 のヒアリングチェックと補聴器機能を使ってもらった話

90歳の祖母が数年前から耳を悪くして困っている。放っておくと、人に会うのも億劫になって認知症になりかねず、そうなるとまわりもたいへん。 補聴器外来に行きなよ、とは周囲の親戚も長くすすめていて、2回くらい行ってもらったそうだけれど、うまく合わなかったようで、その後は嫌がるようになってしまっていた。

2年ほど前には、コミュニケーションの助けになればと Google Pixel 7 を文字起こしツールとして渡していたけれど*1、やっぱり直接聞こえたほうがよい。

そんななか、最近出ていた AirPods Pro 2 に補聴器機能がついたという話を聞き、Amazon ブラックフライデーでちょっと安く買って、この年末年始の帰省の折に使ってもらいました。ちょっとおもしろかったのと、事前のネット調査ではあまり事例がなかったので共有します。

ちなみに結論としてはちょうど2024年11月から挑戦し導入していた補聴器に負けました!!

環境

ヒアリングチェック

ヒアリングチェックは何度もできるし、過去の履歴も残るので聴力の推移を記録することができるしヘルスケアAppから削除もできる。

試してみると、左右で音が出て聞こえたときにiPhoneをタッチするというのを繰り返し5分くらいで終わる。38歳の自分でも聞こえない音がいくつかあったけど、結論として聴力には問題ないとのことだった。

また、かなり静かな環境ではないとだめなので他の人がいると難しい。祖母も何度か雑音が出て中断した。ちなみに、祖母の乾燥した指だとiPhoneへのタッチは失敗しがちで失敗(タッチ認識しない)を目視で確認し自分が追加タッチした。

結果はこう。

祖母の AirPods Pro 2 ヒアリングチェック結果①

祖母の AirPods Pro 2 ヒアリングチェック結果②

ちなみに自分の場合はこうだった。

30代男性の AirPods Pro 2 ヒアリングチェック結果

補聴器として

声の聞こえ具合は、補聴器とそう変わらないものの、テレビの音の聞こえは補聴器よりややよくない(あまり仕組みはわかっていないけど iPhone の位置をテレビに近づけても変わらない)。

また、補聴器はボタン電池で2-3週間使えるいっぽうで、AirPods Pro 2 は1回の充電で最大6時間の音楽再生*2で、さらに iPhone のバッテリーも気にしないといけない。lightning ケーブルと USB Type-C のケーブルがややこしいので今回はQi充電器も用意していたけれど、それでもややこしい。

さらに見た目としても補聴器はかなり目立たない、祖母だと髪に隠れて見えなくなっていたけれど、AirPods Pro 2 は耳からうどんが出ているようにみえる*3

というわけで AirPods Pro 2 は補聴器に負けたので実運用にはのりませんでした。 ただ家で手軽に自己診断できるというのは補聴器導入のきっかけづくりとしてはよいかもしれない。やっぱ難聴を抱えながら病院で指示されるのはストレスがあるし。

また、本格的な補聴器はかなり高価なので、それと比べると手に取りやすい(ガジェットとしてはかなり高価だけど)というのもある。 いまのところ補聴器のマーケットを削るというものではないように思うけれど、Appleさまのデータ収集・開発力が人々の健康につながるというのはおもしろいとは思う。

(追記 1/12 9:30)もうひとつおもしろかったのは、 AirPods Pro 2 を使うことで祖母に最適化された補聴機能を体験できたこと(仕組み的には普通の補聴器もできるけど)、試してみると、かなり大きく聞こえて、このくらい調整しないと聞こえないのは辛い・・・と、難聴具合を体験できたこと。低い音が持ち上げられてる?気もしました。

AirPods Pro 2 について

ちなみに AirPods Pro 2 のノイズキャンセリング機能を試すと、かなりすごいものの使いどころはなやましい。外でノイズキャンセリングするのは怖いし、家だとそもそもノイズも少ないし。近所で工事しているとか子がテレビをみているとかのときには便利なのかもしれない(タイピング音は消えなかった)。あとノイズキャンセリングモードだとインターホンも聞こえない。

ゆるぼ

というわけで購入したものの使わなくなった AirPods Pro 2, iPhone 12 を中古で欲しい方がいらっしゃれば下記価格でお渡しします。

  • AirPods Pro 2 Apple Care2年付き 3万円(購入価格 33,200円 + 4,380円)
  • iPhone 12 128GB ブルー MGHX3J/A (じゃんぱらでA品、バッテリー85% 45,690円) 4万円
  • セットで6.7万円

  • 知り合いなら郵送可・もしくは京都駅引き渡し希望。必ずしも先着順ではないです

  • Twitterhttps://x.com/daaaaaai )などでご連絡ください

*1:Pixel 7以上からあるレコーダーはかなりシンプルなUIで文字起こしの速度精度も高く、まあまあ使ってもらっていた(iPhone 12で使ったNottaと比べても1秒以上早く、また精度よく文字起こししてくれるので会話のテンポがあう)

*2:https://www.apple.com/jp/airpods-pro/specs/

*3:AirPods をうどんと表現するのは rebuild.fm で聞いたのがはじめてだった。 https://rebuild.fm/196/ の 52:30

越前松島水族館の「磯の生物観察会」に4歳児と参加してきた

先日、福井県坂井市松島水族館という、1959年にオープンしたまあまあ歴史のある海沿いの水族館に出かけてきました。

目当ては夏の間だけ開催している「磯の生物観察会」(2024年はもう終了)。 www.echizen-aquarium.com

海に入って生物をつかまえる磯遊びに憧れがありつつも、安全な場所も準備もあまりわかっていなかったので道具やシャワーを貸してくれるこの機会にと帰省ついでに妻と4才の子とお出かけ。

きっかけはTwitterでのわたすけさんのこのポスト*1

9時オープンで現地で申し込むしかないのですが、10時ごろにつくともう午前の部は予約いっぱいで13時半からの午後の部に申し込みました。

それまで時間を持て余すかと心配していましたが見どころはたくさんあって、イルカショーをみたり、ナマコやエイをさわったり、ペンギンをみたりうろうろして昼ご飯を食べていると時間もあっというまにすぎました。

360度対応イルカショー

水槽の上からエサをあげることもできました(100円)

屋外エリアが多いので暑いのだけは気を付ける必要があります。 また、再入場は原則できないので注意(ただし、磯の生物観察会に申し込んでいると例外的に車まで荷物を受け取りにはいけるという記述も)。

磯の生物観察会では、更衣室やコインロッカー(300円)もあり、マリンシューズ、ライフジャケット、軍手に加えて、シュノーケル、水中メガネか箱メガネ、生物をいれるプラスチックのケースを借りることができます。説明をうけてから入ります。ブイに囲まれたエリアでスタッフさんが海の外と中でみてくれていて安心。ほとんどの人はラッシュガードか長袖のTシャツを着ている様子。

このシーズンでは、オニオコゼが4回目撃されているそうでこれとハオコゼについて注意を受けました。

4歳児にとってはじめての海は足場も不安定で怖いようでなかなか入ってくれず、ほとんどの時間、海につきでた岩にどかっとすわってそこからヤドカリをつかまえたりしていました。

ダイビングのライセンスを持っていたこともある妻はすいすいと遠くに泳いでいって大きな魚をみたり、きれいな貝殻を拾ってきてくれて楽しそうでしたが、自分はメガネだったこともあり子につきあって胸まで海にはいる程度でしたがカニなんかをつかまえたり子とヤドカリを観察して楽しく過ごせました。なにより、外は暑いけれど海につかっているとひんやり気持ちいい。

磯の生物観察会。ほぼ子連れです

終了時に他のキッズがつかまえたものもみることができたのですがおおきなアメフラシや、シロウミウシ、イシダイやヒトデなどいろんなものをつかまえているのを眺めることができました。

生き物はスタッフさんにみてもらえます(持ち帰りはできません)

売店でかき氷(300円)とコーラ(170円)を買って、海のみえるテラスで休んでおしまい。 10時から16時まで遊べました(子のすききらいにより全部は回れていない)。

そんなこんなでおすすめ水族館です。

ちょうどペンギンの散歩に遭遇しました

夕食には、海鮮処三国港ですしを食べました(17時オープン)。回転寿司のような寿司屋で子連れでも安心。地の魚も多いし、子どもが食べられるものも多い。 takesyo.co.jp

近隣おすすめスポットでは、あわら温泉とかもあるし、三国サンセットビーチもきれいでよいです。近くにはゆあぽーとという日帰り温泉もあるしここまでは電車で来ることもありです。涼しい時期だと雄島を一周歩くのもおもしろいかも。

今度はふつうに砂浜で遊びたいけれど、妻とお酒を飲むには近くの民宿に泊まるのがよいのかな。海の近くに住みたい。

*1:TwitterのXへの強引な名称変更に納得いっていないので以前の呼び方を使い続けています

RubyKaigi 2024 参加してきた日記

3行まとめ

  • RubyKaigi というプログラミング言語についてのカンファレンスに参加してきた
  • 難しいテーマが多かったが、セッションで言語開発に学び、ハッカーの生態に触れることができた
  • Ruby 最高、Ruby の未来は明るい。貢献したい

RubyKaigi とkaigiに参加した経緯

Ruby という日本人がつくって世界中で使われているオープンソースプログラミング言語があり、RubyKaigi というカンファレンスというかお祭りめいたイベントが毎年開催されています。

Ruby は日本だと食べログCookPad、Timee など大きな会社でもメインの言語として使われているし、GitHub やShopify といった巨大なサービスもつかわれているので多くの人々が知らず知らず恩恵を受けているはず。

自分も仕事では Ruby をたくさん使っているし、好きな言語ではあるのですが、この RubyKaigi では Ruby でなにかやっているというよりは、Ruby 自体を開発している人が多数発表しており、難しい内容が多い。また、率直にいってすぐ仕事に役立つわけではないためこれまでは参加を躊躇していました。あと、公用語が日本語(日本語の発表もあるけれど、スライドは英語、同時通訳あり)というのも少しハードルです。

例えばセッション一覧はこんな感じ。

Schedule - RubyKaigi 2024

RubyKaigiは年々規模が大きくなり、最近では1000人以上で3日間3トラックやるという大がかりなものとなっており、会場確保の都合と楽しんで参加するために京都、広島、仙台などと開催しているそう。

esa-pages.io

そして、この2024年は沖縄開催でした。平日3日間仕事を止めることにためらいもあったのですが、家庭カレンダーにRubyKaigi@沖縄とだけ入れておいたのを妻がみて、沖縄行こうよ、と背中を押してもらい今回参加してきました。自分が最初に荷物を妻の巨大なスーツケースに積めて持っていき、会期最終日に妻が3歳の子を連れて飛行機に乗ってきて合流し週末遊ぶという旅程でした。

RubyKaigi 各セッション

難しいセッションが多く、理解度どれくらいかを数字に出すのも難しい。ただ、Ruby の開発にかかわるみなさまをみていると、Ruby の未来はマジで明るいし、参加者に若く意欲的な方々も多く、今もナイスな Ruby はこれからもっとよくなることを確信できる会でした。特に印象に残ったセッションの一行感想

  • キーノート Writing Weird Code (@tompng)
    • 圧巻だった・・・
    • トリックのようなコード、パズル的だったり遊びな先入観があったけれど、言語機能の限界を突き詰めるものだと知った・・・。
    • https://github.com/tompng/selftrick2024
  • The grand strategy of Ruby Parser (@spikeolaf)
    • パーサとパーサジェネレータの変遷の話。LSPがそろうと開発しやすくなって便利だろうと思っていたけれど裏側はたいへん・・・
  • Namespace, What and Why (@tagomoris)
    • 複数バージョンのRubyやGemを使うための名前空間
    • 素朴なユースケースでは古いバージョンのRubyでしか動かないGemをどうにかして動かしたい場合に使えそうな気がしたけれど、テストとかによいのかなあ。
    • これまでブログやTwitterでおみかけして参考になる記事を多数書かれていた方
    • サイクルメットなアイコン画像から精悍なアスリートをイメージしていたけれど、気さくでな印象でした
  • An adventure of Happy Eyeballs (Misaki Shioi)
    • Socketの名前解決の仕組みがちょっと古かったのを EFC8305 で定義された Happy Eyeballs Version 2 に置き換えていく開発プロセスの紹介。
    • やや複雑な仕様を、状態遷移を明確にすることでコードを書いていくというプロセスがたいへんおもしろく、学びがあった
  • Leveraging Falcon and Rails for Real-Time Interactivity (Samuel Williams)
    • Falcon気になる
  • RuboCop: LSP and Prism(Koichi ITO)
    • みんな愛憎をもっているだろうRuboCopの話
  • Embedding it into Ruby code (Soutaro Matsumoto)
    • 型、どうなるんでしょう。安全さというよりはエディタの支援を得られるメリットのほうが大きそうな印象ではあるが・・・
  • Using Ruby in the browser is wonderful.(Shigeru Nakajima)

カンファレンスという場について

まだまだ続くコロナ禍を経験して、オンラインでもいろいろできることがわかってきていても、やっぱり同じ場所に集まるということは価値がある。身体性があることでやりとりできる情報量も多いし、偶発的な出会いも多い。

かつて一緒に働いた方、インターネットフレンズ、インターネットでおみかけしていた方とお話ししたり、懇親会で隣にいた方に技術的なお悩みディスカッションできたり、会社で利用しているサービスの開発者の方にお話をできたりたいへん有意義だった。勉強になった本を書いてくれた方もいてすごい。

大学2回生で授業を一週間休んできた大学生や、10代の高専生と若い人もいれば、若くしていけてるサービスをつくっている方々も。アイデアと意欲がわく時間だった。スタッフのみなさま、スポンサーのみなさま、登壇者のみなさますばらしい会をありがとうございました。

あと那覇というあまりなじみのない街に4泊してうろうろできたことも楽しい。 RubyKaigi とは関係ないけれど、子が生まれて病院から家にやってきてから、2日以上子と離れて1人で過ごすのは初めてだった。夜が長い・・・!家にビデオチャットで話したら、早く帰ってきて・・・とめそめそしていてかわいそうでした。

来年

次回は愛媛県松山! 2025/4/16-18。どうしよっかな~。もうちょっと悩んでおきます。

ゴールデンカムイ実写映画雑感

子を義実家に預けて妻と観てきました。21時40分開始の会で観客は少なめだった。

とてもよかったし冒険の幕開けとしてのおもしろさはすごいので原作未読の方も観るとたのしいと思う。 話は原作の通りなので、物語的な驚きはなかったけれど、冒頭の203高地のシーンや、明治後期の冬の北海道、雪のなかのチセ(アイヌの村)や、アイヌ語アイヌ文化、そして熊など見どころはたくさんあります。

事前に、メインキャラのひとりのアイヌ、アシㇼパ役をアイヌではなく和人がすることにTwitter*1上では批判もあったけれど、ほかにアイヌの俳優もでていたりで一歩前進なのでひとまず受け入れて今後のさらなる起用に期待みたいなスタンスのほうがいいんじゃないか・・・、とは思う。100点じゃないからだめだ、と批判するのは無責任な評論家的な姿勢なのでは・・・と。パンフレットを読むと役者選びの思いも触れられていてよかったです。

冬の北海道で撮影するのに雪をあつめたり場所を選んだりとかなり苦労していそうでこのペースでいくと完成までどれくらいかかるんでしょうか。

以下ネタバレ感想








主要キャラクターの背景と、出会いを描いている。迫真の熊の怖さが描かれていたので、杉本にとって、アシㇼパは熊から命をすくってくれた恩人なんだなあ、と原作以上に感じることができた。そして、チセで家族をみたからこその一人での旅立ちの気持ちも。杉本、アシㇼパ、白石が再び合流して旅が始まるのも冒険の期待を膨らませる。

よかった

  • 熊・弓の迫力
  • 二階堂の狂気感
  • 全体的に殺陣はよかった。203高地・熊・土方と牛島・二階堂の馬飛び乗り
  • 砂金すくいからの雪原・雪林の
  • チセ
    • アイヌでもある役者さんの雰囲気が良かった
    • (でもちょっと照明が人工的に感じたかなあ。もっと薄暗くてもよかった気がする。カメラが高感度すぎるんだろうか
  • 最後の雪景色
  • うめちゃんの家
  • 最後、これから出てくる個性派メンバーたちのカット

気になった

  • 銀行前での邂逅の間
  • 団子の串、その位置は通らないのでは・・・
  • 杉本が家を燃やした後、誰も来ないまままっていたこと
  • (これから活躍する尾形と谷垣の存在感はきわめて低い・・・これは原作でもだし仕方ない

アイヌは好奇心旺盛でアイヌの子たちが杉本のまわりに集まっていた描写があったけれど、イザベラ・バードの日本奥地紀行では、本州の日本人と比べて北海道のアイヌは白人がきてもほぼ興味を示さなかったという記述があって少し対照的かも。アイヌの方々がどう感じたかとか気になる。

dai.hateblo.jp

*1:イーロン・マスクが脈絡なくXとサービス名を変更したけれど、納得していないのでTwitterと呼び続けている

広島・宮島・呉。島めぐり

先日、YAPCというイベントに参加するために広島に出かけてきた。YAPC自体についてはこちらに書いたので省略しつつ、会期終了後に妻と3歳児とうろうろ旅行した話を書いてみます。

dai.hateblo.jp

YAPCが広島で開催されると知って、しばらく家庭Googleカレンダーに入れたまま放置していたところ、年始ごろに妻から広島行くの?勉強会ぜひいきなよ、そして一緒に行きたい!と後押ししてもらっていたのもあって家族旅行になった。自分は前夜祭に参加するため午後休をとって少し先行し、妻と3歳の子どもとは1日目の夜に合流して、YAPC終了後は妻のライフワークだという島めぐりをしてきた。

広島で平和記念資料館以外にどこに行くべきかはあまりアイデアがなかったので、身近な広島大出身者2名(どちらも超優秀です)に事前に広島観光おすすめスポットを聞くと、ひとりは東広島市しかわからないんで・・・とのことでもう一人は宮島の自動紅葉焼き製造マシンとのことだった。 GoogleMapを眺めていると、かねてから知っていた大崎上島の中原観光農園さん( https://organicfarm-nakahara.com/ )をみつけ、1-3月も「なんでも狩り」をやっているとホームページに書いていたので電話してみたけれど、この時期は寒くてやってないそう。秋がおすすめだということなので今後の宿題。妻も地図とにらめっこして、呉で泊まってレンタカー借りるのがよいのではと計画をつけてくれて、JRのレール&レンタカーで予約した。乗車券が1割安くなってちょっとお得。

そんなこんなで宿とレンタカーだけ抑えて行先は曖昧なまま出発しました。

広島市

山陽新幹線で通り過ぎたことはあったけれど広島に降りるのはじつははじめて。前乗りしている友人にTwitter(現X)で声をかけへんくつやというお店にいってきた。駅から路面電車でも行けそうだけれどバスが早いようだったので20分ほどバスに乗ったけれど、えんえんと都会のビル街が続いていて思っていた以上の都会を感じる。自分にとっての最寄り都会の京都は建物が小さい分そう感じるのかもしれない。分岐する路面電車や歩道の広い目抜き通りや巨大なブックオフを眺める。

大都会を感じる

へんくつやは17時半ごろでピークタイム前ということもあってか、左右のテーブルともに子連れでおおらかな雰囲気。片方の目算10ヵ月ごろの子どもはしばしば泣いていたけれど誰も気にしない。のちに、お好み焼きのお店は5つほどのれんをくぐったけれど(うち4つは満席で入れなかった)、どこも大阪・京都の個人経営のお好み焼き屋よりこじんまりとしていて、かつ地域の社交場になっているような雰囲気でおもしろい。

このへんくつやで食べた「名物焼き」はクリスピーな食感がおもしろく一番おいしかった。イカ天がいい仕事をしていそう。

へんくつやの名物焼き(手前)

前夜祭終了後は広島駅まで戻って妻と合流。広島駅のケータイの電波の入りにくさは通勤時間の京都駅よりもひどく連絡がつかずやきもきした。駅のスーパーでお酒やお惣菜を買っておく(いくつかおもしろいものがあった気がしたけれど、3歳児を追いかけるのに必死で記憶がない)。

翌日、YAPC当日には朝食にはアンデルセン広島。全国チェーンのパン屋さんだけれど、本店では立派なカフェレストランがある。本店でレストランもやっているのは、京都西京極の小川珈琲さん本店を連想する。子どももフレンチトーストとフルーツをもりもり食べていた。パンもなかなかおいしかった。

アンデルセン店内のおもちゃの兵隊。童話作家か、とある神父かどちらを連想するでしょうか

自分がYAPCに参加しているあいだ、妻は広島港から似島(にのしま)にいっていたそう。なんか釣り好きの大人びた少女と出会ったりいろいろおもしろかったそうです。第一次大戦後に捕虜としてつれてこられたユーハイムによって、日本で最初にバウムクーヘンが焼かれた地らしく、バウムクーヘンのお土産を買っていた(製造は千葉県船橋市のポニー製菓さんだったが)

広島、路面電車やバスも発達していて枝分かれした太田川が風通しをよくしていて気持ちよい街だった。知らない人は原爆が落とされた街とは気付かないだろうけれど、ところどころ痕跡が残されている。空前絶後の悲惨さと、再建した人々の力強さを感じる。

ホテルからの眺め。奥の山が似島の安芸小富士
ホテルからの眺め。奥の山が似島安芸小富士
転出超過で人口が減っているのは産業構造の変化なんだろうか。円安もあるし造船産業また元気になっていかないかな。

宮島(厳島

YAPCが終わった日曜日。ホテルのビュッフェで朝食をとって電車で広島港にいく。がんすと酒鍋がおいしかった。広島港は自動販売機で切符を買った後に受け付けで整理券をもらう不思議な形式。古い売店や喫茶店のほか中華とかインド料理とかあって多国籍な雰囲気だった。

ビリケンさんがいた

桟橋はゲートもないしタクシーもはいっているしオイル缶も積まれていて気楽な雰囲気。広島港から宮島へは、乗車率50%くらいかな、と気楽にしていたけれど、出発してすぐ到着したプリンスホテル港からどっさり乗ってきた。港すぐのプリンスホテルは夏とかは気持ちよさそうだけれど宮島に行く以外どう過ごすんだろうか。

フェリーはあまり揺れずにすぐ宮島へ。宮島、はじめは静かなところかと思ったけれど宮島口と10分間隔で往復しているフェリーの乗船場である建物までいくと人がひっきりなしに吐き出されていて驚く。なんとかコインロッカーに荷物を預けて出発。どんどん人が増えてくるし、厳島神社がまだみえないところでも参拝の行列が続いていたので、早々と参拝をあきらめて水上の大鳥居をバックに写真を撮る。今回、三脚をもってきていたけれどここでしか使わなかった。トラベル三脚便利。そのへんに鹿がいて子が自然に触ろうとしていたので止めたりした。

厳島神社の大鳥居

帰りに宮島のお店の並ぶ通りを通ると近年みたことのないほど、危険を感じるほどの人がいてびっくりした。それもほぼ日本人。宮島、こんなにホットな観光地なのかと驚く。どこの飲食店もにぎわっている様子だし10分毎のフェリーもどれも満員でシステマティックにさばかれている。

ほうほうのていで宮島口まで戻ったけれど、島での混雑のわりに宮島口駅や電車はすいていたのでみんな車できていたのかもしれない。宮島口駅から広島駅まで出て乗り換えて呉駅へ。海沿いの工場がいろいろ目につく。

呉市

呉。ややどんよりした天気。ホテルにチェックインして荷物を預けて商店街をうろうろする。ここの商店街はかなりユニークで、アーケードが広いし自転車や原付がとめられているし、テーブルやベンチも多い。土地にゆとりがあるからできるのだろうけれど、町の人も出やすくてゆっくりしやすそう。ほかの地方で商店街がさびれていくのを嘆くとき、まず無料の駐輪場をおいてみるのはありだと思った(もちろん放置自転車の撤去とか気にするコストはあるけれど)。あと清潔な公衆トイレも。

呉の商店街

古いお店もありつつ、新しいこじゃれたお店もあっていい商店街。雀荘、光倶楽部とか喫茶レイとか。

光クラブ事件を元にしているんだよね・・・

きらきらしたショーウィンドウに惹かれてきたらコーヒー屋さんだった。

山乃家
山乃家。すしは売り切れていたが細うどんは美味

お魚屋さんでちぬのこぶ締めを買ったけれどこれがおいしかった。

くれオイスターランドという不思議なお店で牡蠣を食べた。漁師がやっているそうで、店員さんが素朴であまり飲食店勤務経験なさそうな印象。子は牡蠣は食べなかったけれど牡蠣ごはんはもりもり食べていました。なかなかよい。

バケツはわりと上げ底だった

呉の牡蠣生産者が直営するカキ牡蠣小屋「くれオイスターランド」 | 呉産かき振興協議会

そしてからお好み焼き。れんが亭というお姉さん方がやっていて気軽な雰囲気でよかった。いい街だった。

倉橋島・鹿島・江田島

翌朝は快晴。山もみえる。「この世界の片隅に」のすずさんの家が山のほうにあるそうだけれど、地図をみると狭く、バスで行くことをおすすめされていたので断念して喫茶レストでモーニングを食べてから島へ。

すずさんちはあの山の中腹かな。眺めがよさそう

海上自衛隊の艦船や工場を眺めて倉橋島

ぬっと工場がでてきて迫力がある
工場が多く見慣れぬ景色を走る。ちなみに運転は内燃機関大好きな妻が全部してくれました。感謝。

白い幕に覆われたようにみえる島があって、なんだろうと思ったら塩が山積みされているようだった。

工業用岩塩におおわれたみつこじま
工業用岩塩におおわれた三子島

ちょっと集落に入ったり、先端の港までいってみたりしてから戻る。

海沿いにぽつぽつある小さな港町はどれも個性がある

お昼はお食事処かず。入口が2つあって右が魚系の定食、左は喫茶店というおもむきだけれど、どちらでも同じものを出しているというつくり。

ここの刺身定食・すし定食がなかなかよかった。カンパチのあぶり、梅と大葉の細巻きが好み。子はオムライスを半分。豚肉が入っていておいしい。

お食事処かずのすし定食。うどんがついている。出汁がよかった。
お食事処かずのすし定食。うどんがついている。出汁がよかった。

あとでシマダスを調べると、郷土料理に、鯛ソーメンと小イワシのシソ巻き揚げがあって気になる。

とってかえって江田島へ。豆の駅という、豆腐屋さんが繁盛していたり、江田島オリーブファクトリーがよかった。おみやげをいくつか購入。国産のオリーブオイルはいいお値段(収穫・選別の人件費かなあ・・・)。牡蠣イカダのようなものもめについておもしろい。

妻に撮りたまえ、と指示された看板

とびしま街道

高専を見物し、とびしま海道へ。下蒲刈島上蒲刈島、豊島、大崎下島、平良島、中ノ島を渡って岡村島思ったよりも近い。採石場が多かったり、変わった岩が露出していて不思議な雰囲気。海沿いを走って橋を渡って島をめぐる。

町と海と島が近い

最後には、愛媛県岡村島。時間の都合で岡村島一周は断念するけれど、海をみると潮の流れがみえるようで、ほんと水の道、水道だったんだなと実感する。

人待瀬戸展望台からの眺め
人待瀬戸展望台からの眺め

戻って大崎下島の小長港のお土産売り場へ。daidai cafe は冬季休業(みかんの仕事が忙しく、客も少ないのかも)。明石までのフェリーが1日10便あってびっくりしたけれど、これは兵庫の明石ではなく、大崎上島の明石だという。こんどはこの航路も使いたい。

感じの良い店員さんのいた売店でみかんジュースを2つ買う。 石積みみかんジュースと、大長(おおちょう)みかんジュース。石積みみかんは甘く、大長みかんジュースは酸味がみかんらしくて好き。3歳児も大事そうに飲んでいた。

右が大長みかん、左が石積みみかんジュース
友人が通っていた三角島(みかど、と読むけれどみなさんかくさんかく呼んでいた)を眺める。
豊島から眺める三角島
豊島から眺める三角島

上蒲刈島の、であいの館という道の駅のような直売所でまたお土産。藻塩煎餅がおいしかった。なぜか中国産のクワガタがいくつも売られていて3歳児はこの日一番興奮していました。

そして帰路。夕方の海岸線、呉を走る。

暴走族追放の町
たいへんな時代もあったんだろう

パーラー大学
大学に行く、と言っておいてパチンコにいくなどできそう

呉駅で能年玲奈さんも訪れたという森田食堂でごはんを食べてる。お惣菜を冷蔵庫から選ぶスタイルで、湯豆腐とか牛肉スープもおいしかった。田舎そばはぼちぼち。

森田食堂店内
森田食堂店内。プラ板があって反射している。

日本共産党の主張にも地域色があっておもしろい。台湾有事が発生したらどうなるだろうか・・・

子もおおむねご機嫌でいい旅でした。ちょっとせわしなかったのでまた来たい。とびしま海道どこかで民宿に泊まれるとよささそう。

島沿いをドライブするという旅行だったけれど、普段と全然違う雰囲気の町や地域に触れることができておもしろかった。ちなみに保育園で、宮崎の動物園にいってきたと話したそう。宮島の鹿を動物園だと思ったのだろうか・・・。自分が実家にいたころは県外への家族旅行は2回しか記憶にない分、子どもが旅行すること

次回、5月に沖縄で開催されるrubykaigiに妻が強い関心を持っているのでまた出費することになりそう。シマダスを眺めていろいろ思案している(今回の広島旅行でも事前にめくっておけばよかった)。

シマダス
以前、妻への誕生日プレゼントに買ったシマダス。行ったところに付箋が貼ってある。色によって意味が違うらしい

YAPC::Hiroshima 2024参加してきた

原爆ドーム YAPC(みな、やっぷしーと発音していた)とは、Yet Another Perl Conference というプログラミング言語 Perl を軸に世界的に開催されているカンファレンスです。近年ではその日本版毎年各地で開催されており、Perl に限らず Web を中心とするソフトウェア開発にまつわるもろもろを発表したり交流したりするおおらかなおもしろイベントです。じつは、住んでいるところから遠いところのカンファレンスには今回初めての参加でした。ほんと楽しかったし学びがあってやりたいことも整理できた。

YAPC::Hiroshima 2024

特に印象深かったのは LayerX CTOの松本勇気さんの「経営・意思・エンジニアリング」、ソフトウェア的思考は経営に生きるということ、事業の設計とは解くべき課題とその解決策を経済的に持続する形で実現することだという整理からはじまり、システム監視と経営管理、事業の不確実さに向き合うことはSREと通ずるというアナロジーも示唆深かった。新規事業の不確実性について、関連する法律・複雑な商習慣のなかでどうするかということを質問させていただき、エンジニアがその領域にディープダイブすると答えてくださりよかった。不動産証券なんたらや簿記などもっているエンジニアも多いそう。すごいぜ。

意思は言語化して強くするということや、短期的成果への重力に抗う原動力はミッション・ビジョンしかないということ、負債の返済について、決まった考えは仕方ない、誰が提案するかが重要というのもほんとうにそう。

アジャイル開発のノウハウで組織を動かすという点ではこの記事も連想した。こういう役立つ状況があってほしくはなかったけれど・・・ ウクライナ軍に入隊したアジャイルコーチが、さまざまなメソッドを駆使して中隊長としてのリーダーシップを実現した話(前編) - Publickey

speakerdeck.com

ほか、nishimotzさんの「What You Like May Not Be for Someone オープンソースアクセシビリティ」もよかった。環境改善のためにOSSをつくって政府の委員会にも呼ばれていてすごい。視覚障害者からの需要に比して、NVDAなどスクリーンリーダーが対応難しいかという質問をしたけれど、この答えは、健常者が使っているものであればなんでもという答えであって自分の不明を恥じました。

naoyaさんの関数型プログラミングについて、会場から、RDBとの境界はどうするべきか、というたいへん鋭い質問があり、これにはDDDでいうリポジトリパターンが境界になるのでは、という答えがあった。DDDも関数型ももうちょっと理解を深めたい。

speakerdeck.com

t_wadaさんの変更容易性と理解容易性を支える自動テストの回もよかった。largeなテストを減らしてピラミッド型にすべき、とのこと。 最近自分が経験した、システム間連携の不具合(さりげない変更が実は対向システムにも影響があった)問題は、どう防ぐべきだったかを考えると、モックで仕様を明確にしておくべきか、複数サーバのテストを書いておくべきだったかは悩ましい。

キーノートには、とほほのWWW入門で知られる、伝説のとほほさん。さらっとすごいことをしていたり、プログラミングや執筆をつづけていくモチベーションを知ることができた。好きを続けることが価値をつくっている。 とほほのWWW入門

聞けなかったセッションでもおもしろそうなのはいくつかあるけれど、また公開するそうなので楽しみ。 YoutubeLiveも無料で公開していたというのも本当にすごいし、Twitter上ではオンライン参加者のコメントもおもしろかった。

無料でもセッション自体は聞けるけれど、1万円と安くない料金の価値はあるかというと間違いなくある(付け加えておくと、スポンサーによる学生向けの参加費支援もあった)。オフラインカンファレンスのおもしろさとして、人が集まっていて偶発的なコミュニケーションや出会いが生まれることがある。たとえば、今回Twitterで友人に前夜祭前にごはん行きません?と誘うと、たまたまそれをみていた別の方も乗ってくださり3人で飲みに行ったり、ほか、懇親会では初参加の大学生ともしゃべることができたり、知り合いに別の方を紹介してもらえて話が広がってほんと楽しかった。こういうオフラインの場でのつながりおもしろい。 懇親会では見たことないほどの巨大舟盛りをみたり、揚げもみじを食べたり dankogai さんと2ショットを撮ってもらったりできた。 巨大な舟盛り

スタッフ・登壇者・スポンサーのみなさま、ほんとありがとうございます。 スポンサーブースではtimeeさんのキャラクタをもらったんですが、同行した3歳児がキイロちゃんと呼んでいたく気に入っていました。ありがとうございます。fastlyさんのくじでもらったUSBケーブルもたいへん助かりました。 YAPC::Hiroshima スポンサー

こういう、ボトムアップなコミュニティが運営しているイベントが毎回アップデートされて続いているのは本当にすごい(自分が関わっていたひとつは継続につまづいている・・・)。メインホールの司会をしていたpastakさんがブログに書いているように、まだまだなにかできる余地がありそう。 YAPC::Hiroshima 2024でコアスタッフをやってオリジナルビールを振る舞ったりしました / ハレの場としてのYAPCについて - ぱすたけ日記

ちなみに今回は妻と3歳の子も同行していました。YAPC当日はアンデルセン本店のカフェで朝ごはんを一緒に食べて、翌日以降は広島観光もできてなかなかおもしろかった。詳しくは別に書こうと思うけれど、船と島が大好きの妻は、YAPC当日にはフェリーで似島にいったり、翌日からは一緒に島めぐりをました。なんとか一行にまとめると、まず日曜日は広島港から宮島にいって、宮島口から呉に電車でもどり、月曜にはレンタカーを借りて呉から倉橋島、鹿島、江田島と走り、また呉に戻ってとびしま海道下蒲刈島上蒲刈島、豊島、大崎下島平羅島、中ノ島、愛媛の岡村島までいって帰ってきた。高速に移動しつつも、おいしいもの食べてたくさん見物できて3歳児もご機嫌でよかった。こういうついで観光できるのもカンファレンス現地参加の楽しさかも(YAYAPCという非公開アフターイベントもたいへん盛り上がっていそうでしたが)

5月のrubykaigi沖縄、行こうかなあ(ハードルを感じている自分よりも妻のほうが乗り気)

rubykaigi.org

頭痛外来でねぎらわれた話

長年、2種類の頭痛に苦しんでいた。最近、頭痛外来という存在を知って思い立っていってきたところ診断もついて対策も教えてもらえた。ほんとうに治るかどうかはまだこれからだけれど、なかなかおもしろかったので頭痛外来での話を書いてみます。

まとめ

  • 頭痛外来でCTとレントゲンを撮って診断
  • 緊張型頭痛とそれによる後頭神経痛ではないか
  • 姿勢が悪くストレートネックになっているのが原因。姿勢改善と運動で直していくしかない。

これまでの頭痛

これまで2種類の頭痛があった

1.後頭部がぶち・じゅわーとなる頭痛

  • 年に1-3回、突然 (10年ほど?)
  • 痛みは10秒程度でおさまる
  • 血管か?と怖いけれど特に体に問題はないので放置してた

2.ずーん、とくる頭痛

  • 月に2-3回(10年ほど)
  • 左こめかみだったり頭のやや右上方だったり
  • 午後から数時間(2時間~寝るまで)持続する
  • 天気は関係なさそう
  • 曜日は関係ない(仕事のストレスではない?)
  • 緊張からの解放は多少関係あるかも
  • コーヒーとか仮眠・散歩・頭痛薬(カロナール)は効果なく

緊張からの解放については、第31回日本医学会総会2023東京 博覧会 第2回オンライン市民公開講座の「頭痛を正しく知ろう!-怖い頭痛となおる頭痛の特徴と対応-」で知った。

www.youtube.com

この講座では、片頭痛といっても片方じゃないのが4割あるであったり、さまざまな原因があって、そのひとつにストレスからの解放もあるなどなかなか興味深かった

頭痛外来を知る前、健診の資料だったかなにかで「脳ドック」という自由診療で頭部のMRIをとったりする、数万円する人間ドックの脳バージョンの存在を知って興味をもったのがきっかけ。たまたま知り合いの内科医と雑談する機会があって聞いてみると、そんな高いのより頭痛外来に行ったら?とすすめてもらって、頭痛専門医のいる病院を探して行ってきた。

認定頭痛専門医一覧│日本頭痛学会

頭痛外来

自分の行った病院では、頭痛外来は時間をかけるから午前に3人しか見ないとかちょっとこだわりのあるように思え、おそるおそる行ってきた。説明しやすいよう、これまで頭痛がおきたときを日記に記録していたので抜き出して1枚にまとめて持参したところあとで褒められた。

まず、問診票を書くのにボールペンではなくシャープペンを渡されたが、これは筆圧をみるためとのこと。身長体重血圧を測ったのちの最初の診察で、即、肩がすくんでいることで姿勢がわるいことを指摘され、適用がある云々でCTを撮ることに。

レントゲンは首を前にまげたときと、上をみたときの2回。真上を見るのがこんなにつらく可動域狭かったっけ、と感じた。CTでは頭を固定してドーナツ状の機器のなかを動く。

診断では、まず、まじめですね、がんばってますね、と労われて泣きそうになる。 自覚症状では肩こりはなかったけれど、見ただけで凝っているとわかるとのこと。典型的なストレートネックで肩をすくめている。緊張型頭痛とそれによる後頭神経痛ではないか、緊張型頭痛は筋肉痛のようなもので痛み止めは効かない。後頭神経痛は、腫瘍などによる場合もあるがこれはCTで除外でき、緊張型頭痛によるものだろうとのことだった。

CTやレントゲンの映像をディスプレイに映したときに、写真に撮ってもよいとのことだったので撮らせてもらった(末尾に有料で掲載しています)。

対策としてエクササイズを2つ教えてもらった。あまりYoutubeでみつからなかったので文字で説明します。

1.両手を後ろにまわして片方の手でもう片方の手の手首を握って引っ張る。片方5秒(肩を落としたまま)
2.両腕をまげて、肩を中心に肘を回転させる。肩を落としたまま、胸を開くイメージで15秒ほどかけて
これを1時間に1回!

枕の高さも聞かれて、答えると高すぎる、とタオル2枚くらいの厚さでもよいとのこと。また、背が高い人にも多いそう。自分もやや背が高いんだけれど、あまり威圧感をもたれないように背中を丸め気味にしていたのもよくなかったようだ。あとはモニターの高さを目にあうようにして姿勢があうような椅子を使うことをすすめられた。薬もいるか聞かれて、答えるとロキソニンともう2つもらった。会計はしめて6,900円ほどで保険診療のありがたみを感じる。

頭痛が深刻なものではなかったということでひとつ安心。 ちなみにCTによって、鼻道が曲がっていることがわかり、右の鼻がつまりやすいことを見抜かれた。鼻道の奥も耳の奥も、炎症や悪いものは見当たらないとのこと。

頭痛に苦しむデスクワーカー・ソフトウェアエンジニアは多そうなので困っている方、気軽に頭痛外来に行ってみるとよいと思います。

せっかくなので有料でCT画像とレントゲンをおいておきます(プライベートを切り売り)。興味ある人はどうぞ。100円です。

育児雑感 2023年秋

いつのまにか子も3歳になってきて、生まれてすぐはこまめに書いていた育児日記も途絶えて久しい。 途絶えた理由として、子をみていても、保育園でほかのキッズをみていてもかなり個性の差を感じてきていることがある。 子育てをしているとおもしろエピソード(親はつらいことも多いけど)がぽこぽこ生まれるけれど、なにげなく書いてしまうことがなにか子のプライベートをさらしてしまうような気がしてしまうのです。

そう、友人の子や保育園のクラスメイトをみていても1-3歳時点でもかなり個性がはっきりしている。もちろんみな幼児だからこらえ性はないし、甘えたがりだしわがままなんだけれど、たとえば、情け深さとでもいえるような人をかわいがる気持ちのある子もいたり、おもちゃを片付けるのに几帳面だったり、(ほかの幼児を)しきろうとしたり、マイペースだったり、ちょっとこずるかったり。 このあたりの性格のようなもの、長じて変わることもあるだろうけれど、持続してしまうような気もしてしまう。

そのため、子のおもしろ話をそのまま書くと子の特性が透けてみえるものも多そうなのであまりTwitterやブログなどパブリックインターネットには書かないつもりです(でも気が変わって書いて自慢したり愚痴ったりすることもあるかもしれません)。 自分のTwitterで子のふるまいとか性質を知ってそれからリアルであってそのままの挙動をしたときに「お父さんのTwitterのまんまだね」と言われたら傷つきそうかな、と・・・。

特性があまり関係ない偶発的なものとか、学習プロセスについてのものは書くこともあるかも。 例えばこれとか。

ただ、ほかのみなさまの書くものは楽しみにしているので遠慮しないでおいてください。

ちなみに、性格だけではなく、ほとんどの子は1-2歳くらいの段階で大きくなってからの顔だちを想像できる子どもも多いです(自分の子だけはなかなか想像しにくいんだけれど、これは実子だからかな?)。

「エンダーのゲーム(オースン・スコット・カード)」読書メモ。現代にも通じる傑作SF

1985年出版で1985年にネビュラ賞、1986年にヒューゴー賞とSFのビッグタイトルを2つとっている傑作。ちょっと前に映画化されたときに気になっていて、積んでいたのをようやく読んだ。

コミュニケーションのとれない異星人バガーに侵略されつつあるなか、指揮官候補として見出された少年少女たちを描いている。そのなかでもっとも期待された主人公エンダーのキャラクターと舞台がユニークでほんとうにおもしろい作品でした。後世に影響をうけた作品もいくつかあって結末を予想できるひともいるかもしれないけれど、それでも傑作。

とくに6歳の少年の葛藤と知性の描き方や指揮官になる前後でのふるまいの違いがよい。 大人と少年の関係、いちばんしたっぱの新規訓練生(ラーンチィ / launchies)だったころと、指揮官になったあとのふるまいの変化は緊張感があって、またメディアと世論についてや教官同士のウィットのある会話もおもしろい。

今読むと、児童心理への懸念はたくさんあるし、親になった今読むととても許されないと思うけれど、非常時の選択として巧妙に描かれていてするするっと読めてしまう。 地球外からの侵略者に立ち向かうという点では、大傑作SF三体とも通じる。三体もこの作品の影響を受けているんだろうか。人類の戦略としての面壁者(ウォール・フェイサー)とも似ているのかも。

作中、メディアを利用して言論で世論操作をこころみるところもあるんだけれどほんとうにインターネット的だし、ポスト・トゥルース的な要素もある。1985年にここまで書けたのかとも驚いだ・・・(冷戦のさなかでプロパガンダ合戦はあったにせよ)

あとITエンジニア向けの紹介として構成管理ツールの Ansible の由来はこの作品のとあるギミックということも触れておきます。

以下ネタバレ感想
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タイトルや映画のPVから、読む前に天才的な少年がゲームのような感覚で戦争を遂行するもの、とは思っていたけれど二枚も三枚も上手だった。どこからゲームか読んでいてわからなかった。

バガーたちとのきたるべき最終決戦のまえの訓練のシミュレーションという形で、これまでの訓練・ゲームの延長としてプレッシャーをかけていたのは巧妙だと思う。これを敵と同じように、位置が離れた距離でも瞬時に通信できるアンシブルというツールを使って、実際の(おそらく有人の)戦闘艦を操作させるというのはすごい。

こうしていたのは人類を背負うということや戦闘艦の人員の命を扱うというプレッシャーから回避させるだけではなく、相手に情けをかけないためというのもおもしろい。勝つためには相手を理解しないといけないけれど、そうすることで相手に共感もしてしまう。

このために現在の軍人では不適当と判断して、実際の戦闘ということを悟られずに戦略を発揮できる人間を発掘するために6歳の子どもに着目していくというのもすさまじい。

実際に、人類に危機が迫ったときに、そういう人権無視での才能発掘はできるだろうか?あるいは、ある種のパーソナリティ障害をもっている人間が才能を発揮して人類を救うストーリーもありえるだろうか、ともぼんやり思いました。

終戦後の、エンダーのふるまいと遍歴も胸に来るものがある。神話的な作品だった。

鳥肌がたつシーンが2か所。エンダーが編隊リーダーたちとはじめて会話するときの「サラーム」、最終決戦時の「思い出して、敵のゲートは下だよ」というビーンのセリフ。この、大きなピンチ・転機でかつての旧友とのやりとりを出すのがうますぎる。

いくつか引用

「コンピュータは、われわれ以上に彼をよくわかっています」 「だが、コンピュータは慈悲の心があることで有名なわけでもないな」 「慈悲深くありたいなら、あなたは修道院へ行かれるべきでしたね」

教官同士のウィットと皮肉にとんだ会話がよい・・・。

敵よりほかに師はいないのだよ。敵以外のだれも、敵がなにをしようとしているかを教えてくれない。敵以外のだれも、どうやって破壊し征服すればいいかを教えてくれない。敵だけが、自分のどこに弱みがあるかを教えてくれる。敵だけが、自分のどこに強みがあるかを教えてくれる。

マオリ族出身の英雄、メイザー・ラッカムもいい。ポリネシア人が重要な役割をもつ創作はじめて触れたかも。

たいてい歴史家たちは、こうした決定的瞬間がいつなのか、原因と結果について屁理屈をこねる。世界が流動的状態にあるとき、適切な場所における適切な声が世界を動かすことができるんだ。たとえばトマス・ペインとベン・フランクリンがそうだ。

令和の今でもそうだろうか。言論の信頼度がだださがりしているからこんなことにはならないかなあ。

ふたり合わせても八本ばかりしか恥毛のない二人のガキにしては、わるくない

ナイス比喩

子連れ宮崎観光日記

先日、2歳児を連れて妻と自分の3人で宮崎県に1泊2日で旅行してきました。

南宮崎駅からの景色
乗り換えで降りた南宮崎駅からの景色。南国。

遠出の旅行をこれまで敬遠していました。近所にもおもしろいところがあると思っていて、わざわざ時間とお金をかけて飛行機に乗るのなら近隣のまだ行ったことのない場所にいった方が楽しいし、遠くに行くのと同じように未知を経験できるし疲れないしついでに安い・・・という考えをもっていたのですが、ANAのセールで片道1万円で行けそうだったこと*1と、子が2歳のうちなら無料で飛行機に乗れるということ、そして飛行機大好きな妻の一押しで今回行くことになりました。

なぜ宮崎かというと、ここは妻の妹の夫、つまり義弟の出身地で、その高齢の母が1人で小さな商店を営んでいるというのを聞いていたことも後押しになっています。子の写真を家族で共有できる便利アプリ「みてね」を通して頻繁に妻の母がコミュニケーションをとっていたり、いろいろ話をきいていて勝手に親近感をもっていたというのもありました。

住んでいる高鍋町に会いに行ってみると、聞いていた以上に気さくで元気で歓待してくださいました。 まず、お店に近づく段階で近所の人がお店まで案内してくれて今本人はちょっと出かけているからお店で待ってて、と教えてくれるという関係性があるのが面白い。 そして自分の子にとっての従姉であるお孫さんの話や、息子さんのはなしや地域のはなしをいろいろと聞けました。いろんな子どもが遊んだというおもちゃも出してくれて子もお店の中で遊びまわっていて落ちつけはしたかったけれど。

電車とバスで来たというと驚いていましたが、これは自分の実家近辺とも同じ反応で車社会っぷりを感じます。
ちなみに、今回は3回ほど宮崎交通のバスを使ってみて大変体験が良かったです。交通系ICカードも使えるし、バス停のQRコードを読むと次のバスがいまどこにいるかすぐわかるしとても便利。なにより、運転手さんもお客さんもとても感じよかった。 車を使ったほうがいろいろ便利とは思いつつ、次もバスを使いたくなります。

高鍋駅前バス停に近づく宮崎交通のバス
高鍋駅前バス停に近づく宮崎交通のバス

この高鍋町、駅は海沿いにあって駅の周りはあまりなにもないのですが、町中?の住宅街の間にはいろいろよさそうな飲食店が点在しています。 はじめは名物の高鍋餃子を食べに行こうかと餃子専門店を狙っていたのですが、30分待ちとのことで町中華の吉宝。

こんなお店が近所に欲しい、いい感じの町中華でした。 ついついマーボーカツ丼を頼んだのですが、麻婆豆腐部分もカツもハイレベル。棒棒鶏や水ギョーザもしっかりしていてよかった。おすすめです。

中国料理 吉宝のマーボーカツ丼
中国料理 吉宝のマーボーカツ丼

今回はANAホリデイイン宮崎という、青島にほど近いリゾートホテルに泊まりました。海側の景色がいいらしいですが、その反対側の中でも窓からは外が見えない安めの和室です。

ここでのトラブルは、売店が酒販免許の更新手続きに失敗したのかお酒がなかったこと(そんなことある?)。

ホテルは子供の国駅という不思議な名前の駅から徒歩8分ほどでしたが周囲にお店はほぼありません。 妻にとって一番最悪なことは、飲みたいときにお酒がないことなのでこれは由々しき事態です(二番目はお酒がまだあるのにツマミがなくなること)。空港で買っていたお酒は道中で尽きていました。

聞き込みによって7階,9階のプレミアムなフロアの自販機では缶ビールが売られているそうでことなきを得ていましたが、お酒好きな方はご注意ください。

このホテル、サーファーが多くてインテリアも不思議なのですが温泉の泉質はかなりよかったです。肌がぬるりとする感じ。2歳児も打たせ湯を触ったりしつつも落ち着いてすごしていました。

海は近いですが、遊泳はできずサーフィンのみの様子。波が高くて早くて危ないので波打ち際も要注意です、ここなら波跡もないし大丈夫かな、というところを2歳児と歩いていたら一気に波がきて足を濡らして子はちょっと怖い思いをしてしまいました。海の危なさが伝わる機会にはなったかな・・・。

翌日は青島までいきましたが夏の海です。鬼の洗濯板は潮だまりが無数にあって無限に遊べてしまいそう。参道をそれて岩のうえを歩くと、2歳児からは、ハイッチャダメダヨと引き止められてあまりみれませんでしたがカニをたくさん捕まえているキッズもいました。

青島 鬼の洗濯岩
青島 鬼の洗濯岩

そんなこんなで宮崎を楽しめました。 宮崎空港では、夢かぐらという居酒屋で冷や汁を食べて(名物でもあるらしいカツオやアジは売り切れだった)、隣のわだつみという寿司屋でもいくつかつまみましたが、ここでのサワラ(霜降り)、アジ、コハダがよかった。2歳児は胡瓜巻きと穴子巻きを吸い込むように食べていた・・・。

そんなこんなでよい旅でした。

以下いくつか写真

飛行機から見る高知県の横浪半島。リアス式です
飛行機から見る高知県横浪半島。リアス式です

宮崎ブーゲンビリア空港。日本神話を描いたステンドグラスや巨大ナッシーで賑わっています
宮崎空港。日本神話を描いたステンドグラスや巨大ナッシーで賑わっています

宮崎ブーゲンビリア空港の清掃スタッフはポップなスタイル
宮崎ブーゲンビリア空港の清掃スタッフはポップなスタイル
ブーゲンビリアというと、名アニメ、スタードライバーを連想します。あれも舞台は南国だった。

787系はメカメカした見た目でかっこいい
787系はメカメカした見た目でかっこいい
JRの特急ひゅうがは、幼いころに読んでいた電車の本で「つばめ」として紹介されていた787系です。メカメカしいデザインで本でも異彩を放っていましたがはじめて実物をみました。 隣には、すぐあとに発射する、36ぷらす3という九州を一周する観光電車もとまっていました。黒くて金文字でスペシャルな感じ。なかなかよさそうです。 https://www.jrkyushu-36plus3.jp/

高鍋駅
高鍋駅
海にかなり近く緑豊かでなかなか渋い駅でした。今年建て替えるらしいです。

青島ビーチパークでビール
青島ビーチパークでビール
フィッシュアンドチップスも良かった。

青島のトゥクトゥク
青島のトゥクトゥク

西野壮平写真展 Walk With Me を見物してきた@金津創作の森

3行まとめ

  • よかった。2023/3/5(日)までなのでお近くの方は見に行きましょう。
  • ミクロとマクロな視点が交差してかなりおもしろい体験だった。現物をみないとわからないのでみんな行きましょう。
  • アクセスが悪いので公共交通機関の方は「あわらぐるっとバス」の時間を調べるのがおすすめ(3月末終了ですが・・・)。ついでにあわら温泉に泊ると豊かに過ごせそう。

アートドキュメント2022 西野壮平 写真展 Walk With Me :: 企画会 & イベント :: 金津創作の森美術館 | 福井県あわら市 〜人と自然、アートが交差する。〜

経緯

アートに疎く、これまで知らない方だったのですがたまたま instagram で、写真家の公文健太郎さん*1が訪れたとストーリーにあげていて興味をもったのがきっかけ(公文健太郎さんは「耕す人」を再販してほしい!)。

妻と自分の休みがあったので福井の実家への帰省がてら妻と2歳児と一緒に見物してきました。

感想

主要な作品であるジオラママップはたくさん撮られた写真を組み合わせておおきな地図をつくるというもの。作品に向かい合うとまず全体で地図としてみたあとに、細かい1枚1枚の写真で人々の笑顔や街の様子をみることができておもしろい。 特に、最初の別府を舞台にした作品は展示方法もよくて時間をかけてみてしまった。

ただ、自分もよく知っている京都を舞台にした作品だと、どこをどう選んでなにを選ばなかったかが見えてしまう。この一喜一憂的な鑑賞ができるのもおもしろいけれどなかなか難しいし、ここを選ばないのか、わかっていないな、ともなりかねない。いっぽう、知らない街(アムステルダムイスタンブール)は街の象徴的にみることができて街をわかったつもりになってしまえる。

2つの流氷の街を描いた A Jouney of Drifting ice もよかったし、 イタリアの IL PO もいいんだけれど、とくにカラー写真の溌剌とした感じのある、Mountain Line Mt. Everest は印象的だった。大和絵?的なというか洛中洛外図的なおもしろさがあってよい。

やはり Mountain Line Mt. Fuji は富士山を描いたものとして迫力と荘厳さがあってよかった。よくもわるくも宗教画的。これかなりすごいので機会があったら現物をみてほしい。

Mountain Line Mt. Fuji  Nishino Sohei
Mountain Line Mt. Fuji

今回の展示を念頭につくられたという北陸道もいい。でもこの越前和紙につくられた巨大掛け軸は展示むずかしいよな~、と思った。スタッフさんがiPadをみせてくれて助かりました。

ジオラママップのように街を面を描いたり、東海道北陸道のように道としてとらえたり、富士山のように中心点があったりと対象のとらえ方によって作品も大きく変わる。中心点があると(自分のように教養がなくても)受け取りやすくて楽しいし、道は展示方法や鑑賞方法も難しさがある。ある程度の大きさのあるものをミクロでもみえるようにしつつ、マクロでもみえるように展示するのは難しそうだ。

ローカル性をもった作品はその地域からも喜ばれるだろうしおもしろいし可能性がたくさんありそう。滋賀県民としては、琵琶湖を中心としつつ、その周縁の暮らし向きを描いた作品をみたい。

ただ、西野壮平さんの作品では写真はツールでしかない(一般的な写真として Water Line という一連の作品もよかったけれど)ので、これ写真展として紹介されるのは参加者の期待とはずれてしまうかもしれない。写真とは何か、という定義論争ではなく期待と違ってしまうことで先入観を与えてしまうので単に作品・作品展であって、写真家ではなく作家・アーティストと呼んだほうがやさしいかもしれない(余計なお世話ですね)。

ワークショップ 「北陸道を再構築する」 本展において制作した最新作”北陸道”で使用されたピースを使って参加者が独自の観点で写真をコラージュします。参加者には西野が旅の中で撮影してきた大量の写真をハサミやカッターなどを使い身体的に追体験するという試みになります。

こういうワークショップもたのしそう。自分もいろいろ撮ったものでつくってみようかな。ただ、そう考えて撮った写真を眺めると、西野さんの写真一つ一つのよさや、その組み合わせの難しさもわかる・・・。

作家さんのコメントも試行錯誤について率直に書かれていてよかった(ポエム的ではないというかなんというか・・・)。制作動画も流されていて、最後のガッツポーズがいい。

図録も買いました。ひとつ謎だったのは販売されていたポスターの裏面の文字。どこかで解説されているのかな。

あとあと、観覧料も600円でほかの高価な展示と比べると安価に感じる。

金津創作の森について

森というだけあってちょっと起伏のある木々のあいだにある美術館。野外作品もいくつか展示されていたり離れたところにガラス工房や陶芸、作家さんのアトリエもあっておもしろい場所。

子もはしゃいで作品をみたり走っていました。

ただ、アクセスはちょっとわるくて、芦原温泉駅からタクシーで1,800円ほど(タクシーの領収書があると観覧料600円が半額になるの気付かなず悲しかった)。

1日往復あわせて5便のあわらぐるっとバス(2023年3月に終了)にあわせて電車にのるのがよいと思う。

美術館にあるレストランのアンビション、子に食べさせながら食べたので味はあまりわからなかったけれど器がいい。と思ったら Tiffany だった。コーヒーはよかった。 (現金しか使えないので注意)

近くにある「カフェことのは」はコーヒーもチーズケーキもおいしくて日当たりがいい中でくつろげました。結局、この創作の森には11時くらいについて、15:36までゆっくりすごしてしまった。

あわら温泉にも泊ってたいへんよい体験をしたのでこれは別途書いてみるつもり。

2022年のふりかえり。人間とインターネット

本日12/30(金)になんとか仕事がおさまった。あまり落ち着く暇がなかったけれど、なんとか子連れ帰省の荷造りをして、これを書いている。

振り返るといろんなことがあった1年だった。
2月のロシアによる侵攻からはじまったウクライナでの戦争はまだまだ続いている。 ニュースでみる侵攻の被害はすさまじい。現地の人々への感情をうまく表現できないでいる。ロシア政府によって弾圧されているひと、無理に戦線に駆り出されているひともつらいと思う。

これに伴う各地の資源高と世界的なインフレ、それによるイタリアなどのポピュリズム政党の台頭も気になるところなんだけれど、個人的にはこれらをアメリカの陰謀で、ロシアが正しい、と考える人々が少なからず存在しているのに驚いた。

そして Twitter で情報発信している専門家に粘着したりしているのにうんざりしてしまう。また、一部インテリでさえもプーチンを刺激したのが悪いとロシアに同情的な態度だったことにも驚いた(ある国が、国際的な合意がなく他国に侵攻するのは許容できない)

とはいえ、自分も2014年にクリミアを征服したロシアや、ドンバス地方での紛争で1.4万人死んでいたことなどあまり把握できていなかったし、各プロパガンダSNS だけではなく報道にも影響を与えている状況で正しく判断するのは難しい。かつて何十年も前に北朝鮮ユートピアだとなかば本気で思っていた人々がいたことを笑えない。

次いで、7月の安部元総理暗殺と、その後明らかになった統一教会の政治への影響も衝撃だった。国会議員へのボランティアでの秘書の派遣や、各地方議会への働きかけなど組織的に動いていること、また、信者の心のすきに付け込んでお金を巻き上げているのは恐ろしすぎる。なんとかこの悪影響を断ち切ってほしい。

と、思うのだけれど、この問題でも擁護する人がいたり、 SNS でのさまざまな対立もうんざりした。 (もともと?、一部の層が「アベ〇ね」などとかなり汚い言葉でののしって悪魔化していたことでこれに反発する層がでてきてしまうこともわかるんだけれど。まあ、安部元総理が縁故主義的だったり、国会をないがしろにしたりメディアをコントロールできていたし問題があったのもある・・・)

次いで3年目のコロナ。もう何回目の波か数えるのをやめている。過去最多の死者を出している年末だけれど、2年前と決定的に違うのは、ワクチンを打っていたらまあ若年層は悲惨なことにはなりにくそうだということがわかっていること。マスクをしていればまあリアルなイベントがあってもいいか、となっている程度には with コロナは浸透している。 ただ、これからマスクを外すタイミングとかは難しそうではある。早く0-5歳のワクチンも希望者にいきわたったらできるかな(ワクチンが怖いというのもわかるんだけれど、実際のコロナ感染とそれによる後遺症と比べるとリスクの桁が違うという感覚)。

そしてこの問題についても、いまだに反ワクチン・反コロナが SNS で大手をふって医療者を攻撃したり仲間同士でいいねをつけあっているのはちょっとうんざりする。 特に、それをあおっている一部のインテリ(獣医師だったり眼科医だったり)はほんと怖い。知的な人間がいともたやすく自己を振り返ることができなくなって盲目的になる事例をいくつかみてしまった3年間だった。

ほか、最近だととあるNPO法人をめぐるインターネットを舞台にした対立もうんざりするものがあった。実際の問題がどのようなものかはあまり把握できていないのだけれど、補助金は適切につかってほしいし、行政の管理が厳格化されるのもうれしくないとは思いつつ、「敵」認定した層への攻撃で内輪で盛り上がって先鋭化するあたりのいじめ的な行為でいやな感じがする(それへの反論もまたよくなさそうなんだけれど、深入りしていない)。

岸田首相は参院選を勝利したのに、そのあと増税で防衛費を増やすと宣言している。誠実そうな形で登場してすこし期待はしたけれど、問題ある閣僚を放置したりなにをしたいかよくわからない。中国の覇権主義や台湾への食指を隠そうとしないことも不穏で防衛費がある程度必要なのはわかるけれど、なんか、この少子化が加速しているなかで増税でやるの?という思い。メディア経由の2次情報でしか政治がみえないのでバイアスかかっているだろうけれど、野党の存在感がないことも気になる・・・。もうちょっと現実路線・労働者の生活を軸にがんばってもらって与党に緊張感を与えてほしい。

電力は不足するし、インフラは老朽化するし、円安は進む、海外ではインフレもひどい。住宅は高いし物価もあがるし人手不足なのに賃金はなかなかあがらなくてたいへんな時代。来年はどうなるでしょう。

読み直すと世界的問題とそのインターネットでの反応が続いていた。自分にはインターネットのきわめて一部しかみえないし、インターネットに現れないものはこれまでもたくさんあって、たまたまそれが目についただけなのかもはしれない。ただ、SNS でのライトなコミュニティでのライトな所属意識をもとにライトにひとに攻撃できるという性質にどう対処していくかというのがこれからの課題だと思う。

個人的には、子が2歳になったり、弟にも子が生まれたり末弟が大学受験の準備をしだしたりする一方で、父や祖母の老いは目立ったり、まわりでは介護や相続トラブルなどもちらほら発生して、人々の成長や老いに直面する年だった。コロナにもかかるし育児が忙しくなかなか学習はできなかったかなあ。

仕事・・・。新しいプロジェクトをなんとか形にしつつ、既存のサービスをなんとかひっぱっていくのに苦労した。自分がボトルネックになってしまう状況があって、もっと力をつけたい。Rails7 の turbo と Stimulus は楽しいのでみんなやりましょう。

行ってよかったところは豊田市美術館。リヒター展はよかったし常設展もよかった。ひさしぶりに1人で半日行動して気が晴れた。ほか、子守りがてら子を連れて電車で知らない街にいって散歩するのは地味におもしろかった。今後も続きそうなので県内全駅降りつぶしなど取り組みたい。

趣味としている写真、いろいろ撮ったけれどめっちゃいいの撮れたぜ、という喜びはあまりなかったかも。同僚の結婚式で1000枚くらい写真を撮ったのは楽しかった(心残りもある)

そんな感じです。来年も生き抜きましょう。

湖西線蓬莱駅界隈はおもしろいところだった。毎週第一日曜にマルシェをやっている。