この3ヶ月はわりとめまぐるしい日々でいろんなことがあった。ただ、仕事は忙しかったけれど貯まっていた本をいろいろ読めたと思う。これを書いているのは12月25日のクリスマスでまだ12月は終わっていないけれど年末年始には書けなさそうなのでこの聖なる日に記憶を辿ってみる。
あと、本がたくさんたまっているので欲しい人はあげます。
東京の清澄白河あたりまでお越しいただければ100円で、送付の場合は応相談です。
本ゆずります - Google スプレッドシート
一覧タブをご参照ください。
住宅政策何が問題か
住宅政策というよりは住宅事情の実際とメイン。
年齢・性別・各世代(
コーホート)・収入ごとに住宅の事情がどうなっているのかを実データをもとに記述している。
戦後に増えてきた持ち家と、これを資産形成の手段にする話も興味深いのだけれど、一番おもしろいのは住宅政策の目標。
低利率のローンの提供など戸建てへの支援やかつての公営住宅などハコ形成が主で、これはいずれもある程度の所得がある人を対象にしている。簡単に言えば小金持ち優遇。これは、住宅政策と言うよりは内需のなかで大きな割合を占める住宅建築を通して景気を刺激するという経済振興が元になっている。
低所得者層の住宅政策はあまり十分に出来ていない。よっぽど低所得者に生活保護があるか、今後、納税増が見込まれる新婚層のみくらい。低所得者層にとっては住宅がないことが労働をはじめとする社会進出の大きな妨げとなっている。そこで社会保障として住宅が必要になるだろうけれど、その手段はなにが適切なんだろうか。
空き家の利用がカギになりそうだけどどうだろうかと思うけど、本書にはあまり書かれていなかった。
たにちゅーさんのご著書。じつはけっこうまえに手に入れていたのだけれど読み損ねていたのは内緒。
ビブリオバトルというのを簡単に説明すると、何人かで本を持ち寄って各自が5分間、本の紹介をしてから誰の本が一番読みたいかを決める書評バトルである。
最近はテレビやメディアでも取り上げられていたり日本各地で大小種々のイベントが日々開催されているので知っている人も多いと思う。
実際にやるとただ本を知ることが出来るだけでなく、初対面の人でも人となりが知れて話が盛り上がったり、身近な人の意外な一面を発見したり、自分の考えを言語化することで自分のことすらわかってくる。
そう漠然と思っていたんだけれど、この本を読んでコミュニティを開発する機能があるというのが説明されていてなるほど、と思う。簡単なルールなんだけれど、そこから秩序が生まれてくるのおもしろい。
大学院に入院していたころによくやっていたんだけれど、最近は職場の雰囲気や、自分の引き籠もり力の高まりのためにあまりできていない。またやりたいので興味ある人ご連絡ください。
カオスが紡ぐ夢の中で
金子先生の
複雑系エッセイ。前半が
複雑系や科学や研究についての読みもの。後半は小説、進物
史観。これが最高。
進化する物語
史観を意味し、遺伝
アルゴリズムで物語を生み出していく研究が社会に影響を与えていく様を描いている。架空の作家として「
円城塔」という言葉が出てきて調べてみると、ほんとに名前の由来らしい。読み終わって後書きのまえに本物
円城塔による解説がついていてさらに驚く。なんでも金子先生の研究室にいたらしい。
そういえば高校生くらいのときに読んだ、『「複雑系」とは何か』はけっこう考え方に影響を与えている気がするな。いま思うといい加減なとこもあるけど。
ホームレス入門
バブル後あたりに失業して上野公園のホームレスたちと交流していた風樹茂さんの日記。
彼は若い頃は政策提言をしていたり
ODAの海外
コンサルタントをしていたようで、いまは文筆業っぽくて結局ホームレスはしていない。
けれどいろんなホームレスの人との交流や、団交、都による追い出し、韓国のキリスト教系教会による炊き出しなどの様子を主観で描写している。
決して自堕落だからホームレスになっているわけではなく、社会状況から仕方なくなっている人も多いことがわかる。公共側や一般人がどう関わっていくか、難しいところです。明日の我が身と考えることが出来るかどうか・・・。
あと己の悟り・解脱のみを目指す仏教は支援しなく、キリスト教系ばかり支援しているというのは山谷でも聞いた話で興味深い。
ホームレスの人がどう生計をたてて、どこでどう生活しているかはもっと知りたいな。
ユダヤ人とダイヤモンド
ダイヤモンドという至高の宝石の歴史と、それと交差する
ユダヤ人の
ディアスポラ遍歴読みもの。
ダイヤモンド市場の度重なる不況や、中世ヨーロッパでの
キリスト教徒による迫害、
ナチスの
ユダヤ人虐殺など多くの惨禍を経てきたなかでどう生き延びてきて
デビアス社という一大カルテルを築き上げたかをわかりやすく説明している。
セシル・ローズあたりの
帝国主義、
ロスチャイルド家の金融操作、
オッペンハイマーのビジネスの駆け引きはそれぞれ調べるとおもしろそう。
こういう、ひとつの商材を中心に歴史を紐解くというのはいろいろと興味をかき立てられてよい。類書だと「コーヒーが廻り世界史が廻る」とかもよかった。ほかに何があるだろうか。
ただ、著者の経験も内容もいいし、新書向きにわかりやすく書いているのになぜか頭に入りにくい。半端に一人称ストーリー仕掛けにしてるからだろうか。
石油がわかれば世界が読める
石油・・・現代でも最もよく使われるエネルギー源であり、プラスチックからシャンプーまで日常のどこにでもあらわれる製品の原料であり、太平洋戦争開戦の直接の原因でもある最重要戦略物資。
その石油について社団法人石油学会がまとめたのが本書。もっとも利用されているエネルギーである石油についてさまざまな面からわかりやすく描かれているので関連業界やエネルギーに興味がある人は読んでみるといいと思う。
あまり知らなかった話をいくつか紹介してみる。
まず、サーマルリサイクルとマテリアルリサイクルの話。ペットボトルからペットボトルをつくると石油からペットボトルをつくるのの3倍エネルギーがかかるが、質量あたりの発熱量は石油もペットボトルもかわらないからサーマルリサイクルに使った方がよいのではということ。
また、ペットボトルのリサイクルでは、回収された容器は国外に売られることが多い、それによってリサイクル設備の稼働率悪化にもつながっているけれど、海外では詰め綿などの低品質用途につかわれているため、ふたたびペットボトルにするためにエネルギーをかけるよりは環境面に貢献できているのではという話があった。
ただ、ドイツや昔の一升瓶のようにリユースにつなげたほうがよいだろう、とも。
ここしばらく流行のバイオマスについて、食糧と競合することによる安定供給の面から、食糧と競合しないセルロースなどからのバイオマス技術の開発が待たれるとしている。また、本当に環境に優しいかどうかは、生産までのCO2排出や移動効率性などもあり石油と比べて本当に優位かは条件を精査しないといけないと思う。代替エネルギーで化石燃料を代替できるものはまだ存在しない。
日本は中東産の石油に90%ほど依存しているけれど、これは中東の不純物や硫黄化合物が多く相対的に安いものを仕入れて、国内のそれに対応した精製設備で処理するからで経済合理性はあるがリスクがあるそうだ。
そして遅れてやってきた化石燃料である天然ガス。LNGにしてもパイプラインにしても巨大でサプライチェーンの構築には大がかりなプロジェクトファイナンスが必要になる。
ほかの化石燃料も検討されているけれど石油ほど安くて取り扱いの便利なエネルギーはほかに存在しない。オイルサンド、オリノコタール、メタンハイドレートなどもまだまだ採掘コストが高くて、本当に石油が枯渇しないと利用されない・研究費が投じられないのではとも思う。
あと、おもしろちのは石油を通じてみた産業史。
19世紀末にロックフェラーが興してリベートや価格決定などに影響力を行使するにいたった石油産業の垂直統合帝国企業のスタンダードオイル、それが米国で初めて独占禁止法の処罰対象になって33の企業に解体されて、石油産業の7人の魔女、セブンシスターズの時代になったりしていた話や彼女らがどうカルテルを形成し大戦中に莫大な利益をあげ続け、そして産油国が形成したOPECによる抵抗と地位の逆転。ロシアとウクライナの政治的駆け引きも含めて、ここらへんの、ただの需要と供給から決まらない価格のメカニズムは興味ある。今後、どうなっていくんでしょうね。
ほか、石油に限らないけれどこれらを原料とした化学工学では副生物や効率の問題だけでなく、インドで2万人前後が死んだというボパール化学工場事故のような危険性もとりあげられていて、難しい分野なんだといまさら感じる。プラントエンジニア、偉い。
メキシコ湾のBPの流出事故なんかはどうなっているんだろう。
今はかなりの原油安になっているけれど、これも中東の産油国が新エネルギーの開発をつぶすためのダンピングだという話も考えられるなー、と思う。
総括せよ!さらば革命敵世代
産経新聞取材班による
全共闘世代の現在を取材した話。
体系だってはいないけれど、各
セクトのリーダー層から一般層までにインタビューしていて学生革命家のその後はなかなかおもしろい。
かつて革命を目指して
ゲバ棒を振るっていた
全共闘世代の多くがいまの
格差社会の問題には特に声をあげていないことに揶揄的。自分も同感です。
なんで彼らは革命を目指したのか。日大のように大学の腐敗を糾すためというのは納得できるし共感する、安保闘争は共感はしないけれど理解はできる。けれど、どこで、どうして世界革命を目指すようになったのか。ロシア革命やキューバ革命を夢見ていたのだろうか。たぶん、多くは熱狂していただけだと思う。理想に燃えて、より過激な方向に進んだだけ。組織なき議論は誰でも自由に議論できるという魅力はあるけれど、無責任なまま妥協が排除されて元気のよい強硬な意見に支配されがちになる。
その結果として内ゲバで100人超の死者を出し、学生が労働者を啓蒙するという自信過剰が発生し、大衆の支持を失っていたのだと思う。
ただ、これらの諸問題は今も続いている。
早稲田は最近になってようやく学内から革マル派を追放したけれど、いまもすぐ近くに拠点があるらしいし、いまの反原発デモでも大衆の危機感を利用して扇動・オルグしているセクトがあると聞く。これらに関わることがあるなら本書を読んでおくといいと思う。
60年代から70年代前半までなにがあったかを簡単に体系だって知るには新書「全学連と全共闘」がおすすめ。
戦術と指揮
期待せずに買ったけれどなかなか頭の体操になるしおもしろい。
謀略の昭和裏面史
また陰謀モノかよ、と思ったけれどわりときちんとした本だった。未確認情報を未確認と明言し、事実と推測をわけているのが好感。
各事件についても短い項目ながら幅広く紹介していて事典的でもある。
まず戦前では張作霖爆殺などの満州絡みの事件から各クーデター、ゾルゲ事件から特務機関の暗躍まで取り上げ、戦後にはGHQ内の日本人やジャパンロビーにはじまり東京裁判から帝銀事件、下山・三鷹・松川事件、ラストボロフ事件や三無事件あたりの未解決事件。そして三島由紀夫の自決やよど号ハイジャック、金大中拉致事件の裏側に焦点を当て、ロッキード事件や各疑獄と関連するフィクサーや事件を紹介している。
陰謀史観にありがちな巨大な仕組みというのはほとんどなくて、誇大妄想が殺人に繋がったりただ自分や組織の利益のためにやりすぎたようなのが多いかな。
そんな中でもやっぱり満州関連は眼を引く。
「平成経済事件の怪物たち」あたりに続くかな。
快感回路
麻薬や酒、セックスやギャンブルに依存してしまう際、体内でいったいなにが起こっているかを科学的な知見をもとに概説している。
悪徳も
美徳も依存する。快感が人を導いているのはさもありなんだけれど、化学的メカニズムとその実験に項数を割きすぎている感ありでポピュラーサイエンス的なものを期待していると残念かも。
2006年に施行された
会社法についての概要。
会社にまつわる機関や
資金調達あたりについて。株主訴訟の判断や運用について興味深かったけれど、解釈・理論についての話がメインでこの分野の教養が無いのもあって薄い新書のくせにけっこう苦労した。(3分の1くらいはざっくり)
会社といってもそこにいる労働者の扱いは驚くほど記述されていない。そういうことは
労働法に書かれているとのこと。
デフレ化するセックス
最悪な感じだった。セックスで稼ぐ仕事も競争率が高くなり、稼いでいるのは容姿だけでなく教養のある若い女性ばかりに限られているのだとか。正職につけないなかでも、そういうところでまともに稼げる女性は恵まれていて、そうでない女性は「最貧困女子」になっているのだろーか。
同著者だと「顔のない女たち2」がもっと最悪な気分になったの思い出して最悪な気分になった。
1999年に
自死した高校生の日記本。
中学生のころから
リストカットを繰り返して
向精神薬を飲んでいて俗に言う「メンヘラ」なのだと思う。
本書はHPや雑誌に掲載した文章やメールの文面を集めたものだけれど、ネットでいわれるメンヘラが持つ強烈な自己愛はあまり感じず、過度といってもいい明るい振る舞いと、読者への献身のような気遣い、ふと見せる頼るもののない不安さが感じられた。生々しくみずみずしい言葉遣いに危うさを覚える。あと
Amazonのレビューがなかなか興味深いことになっていて闇。
やってしまいました自傷行為。鞄のサイドポケットかに入っていた使い捨てメスで、ブスブスブスブス。手首の肉を刺してえぐって、ブチンと肉を切り裂きながらメスを抜きます。
同じく若くして自死した高野悦子の二十歳の原点の内省的な文章と、印象は全然違うんだけれど人への気遣いになにか通じるものがあるように思える。
あと、巻末に用語集がついているんだけれどうち21項目のうち20はずらずらずらと向精神薬の商品名が説明されているのに最後のひとつのテレホーダイだけ浮きすぎである。
マルクスだったらこう考える
ちょっと読んでみて資本主義を目の敵にしすぎだろと感じた。憎みすぎていて、既存の
共産党や
労働組合も貶しているくらい。誘導的だったり賢しぶるレトリックが目に付くけれど、たまにおもしろい発想があった。
自国内の多国籍企業を保護するためには自国の労働者や農民を保護するわけにはいかなくなる。
家族も同じ。家族は資本へ労働者を提供する場。だけれど、世帯主の賃金がグローバリゼーションによってさがれば、教育に関する費用が家族にゆだねられている現状では、子供たちを早々に働きに出すしかなくなる。と。
生産力至上主義を背景にした合理化の嵐が労働者を巻き込もうとしている今、それが本来の人間のあり方を否定するものであることを認識する必要があります。
P63
こんな文章が「人間のあり方」の説明もなしに使われる。扇情的・誘導的といってもいい
ソ連は党が資本家である国家独占資本主義だった。これはマルクスが予想した共産主義ではなかった、これは当時の資本主義がまだ未熟だったなかで革命を起こしてしまったからだとか。
グローバリゼーションは共産主義への移行の始まり。世界のすべてが資本主義になったということは、マルクスが前提にした資本主義社会における二つの階級への分離がはじめて起こる時代は来たということ。
ロシア革命は時期尚早だったのは資本主義がまだ完成されていなかったからという。
国内での搾取こそマルクス主義が浸透する背景なのですが、国外での搾取が強くなると、国内のマルクス主義は衰退するという皮肉な現象を伴います。
本当かよ、という気もするけれど、こういった無根拠だけれど鋭いようにみえる断言は魅力的に映る
資本主義は外部からの搾取でなりたつ。欧米は後進国を外部として、ソ連は、国内のプロレタリアートや衛星国家を外部としてなりたっていた、としている。欧米はどうだろうか。
資本主義を嫌いすぎて、批判しているんだけれどそれと対抗するなにかの欠点や実現性についてはなにも言及しない。うーん。
ハイコンセプト
大前研一訳。なにか行動の指針となるような魅力的なコンセプトをつくるためのヒントになるかなと思ってタイトル・訳者買いしてみたけれど中身は
自己啓発な感じだった。
簡単に概要だけメモしておく。
- 状況はじり貧
- 成熟した資本主義社会において賃金の安いアジアの勃興やオートメーション化で先進国のビジネスマンの地位は脅かされている。
- 対策は右脳!
- 機能ではなくデザイン
- 議論より物語
- 個別よりも調和
- 論理ではなく共感
- まじめだけでなく遊び心
- モノよりも生きがい
そう、右脳を押しているんです。
自分は右脳思考とか左脳思考とかは懐疑的、というかどっちで考えてようが、右脳か左脳か一般人には計測できないので関係ないと思っている。文脈をとらえるのに右脳が働くからといって右脳を意識する必要はないし、文脈をとらえる力を鍛えるのにも右脳を意識する必要はない。というより意識してどうなるというのだ。
ほかの項目は、いまでこそあたりまえのようになっているけれど、もしかしたらこの本の出た2005年には一般的ではなかったのだろうか。
ポストモダンというかポスト還元主義・ポスト機械主義な自己啓発という感じだろうか。
デザインを学ぶためのデザイン誌や美術館を紹介しているのがけっこう参考になった。
美術館としてはこんなのが挙げられている。
- クーパー・ヒューイット国立デザイン・ミュージアム(ニューヨーク)
- デザイン・エクスチェンジ(トロント)
- デザイン・ミュージアム(ロンドン)
- イームズ・ハウス(ロサンゼルス)
- ハーバード・ルバリン・デザイン・タイポグラフィ研究所(ニューヨーク)
- ニューヨーク近代美術館の建築デザイン部門(ニューヨーク)
- ナショナル・ビルディング・ミュージアム(ワシントン)
- ビクトリア&アルバート美術館(ロンドン)
- ヴィトラ・デザイン・ミュージアム(ドイツ、ヴァイル・アム・ライン)
- ウィル・アイズナー広告デザイン・ミュージアム(ウィスコンシン州ミルウォーキー)
日本にデザイン系のがないか調べてみたけれどなさそう。
大前研一が都知事選に出馬した時に、東京都が現代美術館建設に数百億かけようとしていたことを批判していたけれど、せめてデザイン系の美術館つくればよかったのになーとは思う。いい展示があったら教えてください。
衒学的で文学的な表現だらけで肝心なところも曖昧でつらい。あと訳者あとがきで原著者を婉曲的に非難してるのと
小飼弾氏が裏表紙しか読んでないだろって内容の解説をつけてるのもつらすぎた。もうちょっとわかりやすい
アルゴリズム発見者列伝はないのでしょうか。
文鮮明自叙伝 平和を愛する世界人として
けっこうおもしろかった。
anan No.1925
男のセクシー特集。すずともさんに買ってもらってしまった。
セクシーは漏れるもの。その人の心の余裕が色気につながっている。
らしい。
雪山登山
滑落停止法とか雪崩対策など興味深いことを学べた。
ホワイトアウトの中でのロープワンダリングとか、ほんと死を覚悟すると思う。冬山、おそろしいところだ。
最近行った冬山では登山的なことはしなかったので肉体的には安全でしたが精神的には危険でした。
赤いヤッケの男
山岳ホラー短編集。なかなかいい感じでこれにインスパイアされて上の記事を書いたりした。
よく考えたらひさびさの小説かも。それがホラーか・・・
田舎力
離島農村漁村のおもしろ取り組み事例集。
エコツーリズムや有機
栽培系で活気が出た事例が目立つけれど、これができるのは限られてるんだよなあ。農業だけで継続的に食っていくのは難しい。
3手詰めからはじまり9手詰めまで。トイレに置いて一日一題〜三題くらい解いてみたけれど、まあまあおもしろかったと思う。やっぱ強くなるには訓練するしかない。
映画
このごろ、近所に住んでいる友人が映画を借りてきてはうちで観るという文化があってついつい観ている。
ウルフオブウォールストリート
間違いなく2014年最高の映画。
THE NEXT GENERATION パトレイバー 1
自分「へー、
パトレイバーって実写化していたんだ。」
・・・
自分「・・・なにこの設定・・・?なにこの歌・・・?」
友人「監督は
押井守なんだよね」
自分「あっ・・・(察し)」
近未来、戦争後の荒廃した社会を安全に運営するために素質によって派閥(fraction)に分けられる社会。
そこでどこにも含まれていない異端者(ダイバージェンス)だと指摘された主人公はどう振る舞っていくか・・・。小道具も空気感もけっこうよくできていた。せいぜい2時間程度の映画で主人公の悩みながらの成長と意志の形成がうまく描かれていたのよい。終わりも社会を変えるといった青い方向にならなく、今後の想像が広がる。
地味でシンプルだけれどよい映画だった(小並感)
グランドイリュージョン
マジシャン VS FBIというスタイリッシュ映画。
マジックな演出と殺陣はほんとかっこいい。ハリウッド・ドンパチ・アクション映画とは一線を画している。
ただ、ストーリーはちょっといただけない部分もある。ヘレンが空気だし最後のとってつけたようなどんでん返しがつらい。ただフランス人刑事はかわいいしマジック演出はクールだしで観て楽しめるとは思う。
テレビでやっているのを見た。
人も会話も舞台も時代感あってよい。公害まっさかりとは思えない。ストーリーはシンプルだけれどそれがいいのかな。省略の仕方もうまくて観ていて気持ちいい。
山田洋次監督の、ほかにも観てみようかな。
ほんとにあった!呪いのビデオ 59
まあまあ。前回からの続き物はけっこうよかったけれど、増本くんの使えなさが・・・
ほんとにあった!呪いのビデオ 60
レビューをみると評価が高い。けっこうドキッとするの多くてよかった。
史上もっとも使えない増本くんはどうなってしまうんや・・・
コミックス
子供はわかってあげない
上下巻で完結する不思議ものがたり。なんだけれど、ゆるい絵のわりに台詞回しのテンポがよくて探偵モノでそこそこミステリしていてキャラが安易な類型ではなく立っていてよい。好き。甘酸っぱさもある。
同居人が上巻を渡してくれて読んだ翌日に下巻を買わざるを得ないような出来。のせられていたと思う。
編集後記
このだらだらと長い書評を読んでくれてありがとうございます。ここまで読めば分かるけれど、私は文学的作品とか本格的な知性の詰まった専門書は読んでいない。いや、じつはこっそり読んではいるけれど全然読み進められていなく、ここで挙げられているような軽いエンタメ作品ばかり消費している。
それは悪いことではないけれどそれに時間かけ過ぎな感はあるので来年はもっとちゃんと本を読んで軽薄な知識だけでなく、なにか価値あるもの(それがなにかはいまだにわからない)を身につけたいものだ。
繰り返しになるけれどビブリオバトル友だち募集中です。