いつのまにか2015年になっている。高校生のころに思っていたよりは世界はそう変わっていない気がする。自分の感性が鈍っただけかもしれないけれど。
感性を磨くためにどうしたらいいのだろう。もし感性、センスのようなものが先天的なものだけではないとすると、感動する経験、いいもの、サービス、体験、出会いがいいのではないか、と勝手に思っている。
具体的にはなにがいいだろうかと友人に聞くと、旅をすればいいよ、とか最高のセックスがいいんだよ、と答えてくれたりもした。
けれど、自分は旅をしてもお仕着せのものしかできなさそうだし、NHKが最高のロケーションで最高の機材で撮っているものより感動するものが得られるかよくわからないし、なによりケチいので厳しい。複数人で行くのは楽しそうで安心もあるのでよいですが。セックスについてはセックスの概念が違うんじゃないかとしか思えない。
というわけで、感性を磨くために、というよりも本当は娯楽のためにいろいろ本を読むことにしている。いろんなことがらを擬似的に追体験できたり知ることができてたまに感性が揺さぶられることもある。あと安い。
このブログもここのところ半分以上は読書メモになっているしこのまま今年も読書メモを続けていこうと思う。2013年は2ヶ月ごと、2014年は3ヶ月ごとに本を読んだ感想をブログに書いたりしているけれど2015年の1月はわりと本を読んだのでちょっと早めに書いてみる。
貸せるものもあるので読みたい人はお声かけください。
IT起業家 10人の10年
IT起業家についてはさまざまなメディアで語られている。
ベンチャーの旗手、
イノベーションの体現者であるとか、若くして分不相応に大金を手にした金の亡者など毀誉褒貶はなはだしい。
こういった尋常でない成功を手にした人間の本は、自伝でも伝記でもハウツーでも英雄譚のようにわくわくするし、下手をすると自分もできるんじゃないかと錯覚すらしかねない。そういう意味ではポルノ的(似たものでは、実話系雑誌の極道記事とか)。
当然、生存バイアスがあって、その足元には死屍累々なんだけれど、そういった失敗者・栄枯盛衰話はなかなか焦点が当たることはなくて知りたいな、と思っていた。
この本は、90年代末、ITバブルな時代の起業家たちにインタビューし「電脳のサムライたち」として連載していた著者が、2012年から2013年にかけてその後の姿をインタビューしたという珍しい本。
もしかしたら栄枯盛衰が描かれているんじゃないかと思い読んでみた。
取り上げられているのは次の方々。半分ほどしか知っている人がいない。
藤田晋 浅田一憲 大川弘一 南場智子 堀江貴文 孫泰蔵 尾崎憲一 本間毅 江端浩人 川邊健太郎。
学生で起業した人、エリートサラリーマンを辞して起業した人などの溌剌とした20世紀末の話から、10数年後には事業をピボットして成功している人、大企業の役員になっている人、逮捕された人、ITバブルがはじけて会社を清算した人、クーデターを起こされて借金を背負った人などなど。どの話も、波瀾万丈感があっておもしろい。
成功したのはなぜかというと、先見の明があったこと、リスクととったことと運が良かったことのようである。
先見の明は何によってもたらされているかというと、堀江氏や孫泰蔵氏、川邊氏のように早い時期からコンピュータに慣れ親しんでいたこと、また南場氏、江端氏のように米国でインターネット環境を触る機会があったことがある様子。今だと何だろう。oculas?3Dプリンタ?
あとは、もっとガチ失敗した人にフォーカスしたインタビューも読んでみたい。
建築業者
鳶や電気設備工からクレーンオペレータ、
非破壊検査なんやから
林業から伝統工まで37人の多様な職人さんへのインタビュー集。どれも知らない世界で興味深い。自分が携わっているITシステムの構築は、建築に例えられることもあるけれど全然違う。ITシステムの構築も難しさを軽視されているけれど、建築も軽視されているようである。
おもしろいのは、日米で働いていた職人さんが、アメリカは現場監督がかなり厳格にスケジュールをコントロールしていて契約通りの日に職人が仕事できるようになっているけれど、日本では遅れることがままあるということ。伝聞での少数のサンプルでしかないけれど、こういう、残業して全体の納期は帳尻合わせるけれどその中では現場が地獄を見るのはIT業界だけでないんだなあ。マネジメント、むずかしいです。
ある程度の技を身につけるのに数年単位で修行しないと行けないのはITと違うかも、と思ってしまったけれどほんとはITでもそうやって時間かけて身につけていくものだよね。ただ、最近は若手にいい経験をさせられる現場が少ないし稼げる仕事も少ないと指摘する職人さんが目立っている。これは昨年に読んだ聞き書き ニッポンの漁師を同じ構造があるかも。職人の方々、尊敬します。
1897年、仏教の原典を求め、日本人としてはじめて
鎖国状態
チベットに単身渡った
河口慧海師の旅行記。ほんとリアル
三蔵法師。
ネパールから
チベットへは、検問を避けるために大きく迂回して厳しい荒野を進んでおり、かなりの苦難の道だったようである。ただ多くの縁や、彼の人的魅力からか無事、4年をかけてラサに到着している。その過程は冒険譚としてもたいへん素晴らしいし、実に読ませるのだけれど、特筆すべきはその視点。現地の文化を丹念に描写しており、
民俗学的にも一級の資料となっているようだ。抄訳版(といっても2分冊)の本書には
川喜田二郎先生が序文を書いていたりもするほど。
自分も旅するなかでこれほど詳細に書けるものだろうか。自分は日常のことちゃんと観察できていないな・・・。
10年後の日本
10年前に書かれた、10年後についての本
別途感想書いてみた
鈍器にして自己言及と
創発(ぱっと見、
創発という言葉は使われていないけれど)についての名著。読了したわけではなくて、カフェにおいてあったので30分くらいかけて長い序文と、目次前についている概要、訳者解説を読んだだけです。
それだけでも、自己言及性がシステムにどういう影響を与えているかの示唆があってなかなか深そうではあるのだけれど、衒学的な印象もある。
人工知能についての記述は古いけれど、発想はモダンっぽそう(印象論)。
ゲーデルの
不完全性定理はおもしろいのであまり知らない方は
結城浩先生、「
数学ガール ゲーデルの
不完全性定理」から読んでみるといいんじゃないでしょうか。
マリス博士の奇想天外な人生
バイオ系科学系なら授業で習う
PCRを開発して若くして
ノーベル化学賞を受賞した博士の自伝やらエッセイやらを集めた脈絡のない本なんだけれど、それがこのとんがったおもしろ人を表しているかも。
高名な大学などアカデミックな世界にほとんど在籍せずに
ノーベル賞をとった人で、受賞時にサーフィンにでかけたりしていた話もある。ほか
LSDが合法だったころにキめた様子の描写はかなり詳細で最高。4回も結婚していたり自由な様子が窺える。一方で
HIVと
エイズの関係に科学的な証拠がないということにはかなり厳しくあたっている科学者としての倫理観や、少年時代に、合成が難しい薬品をつくって稼いでいたという話は
ノーベル賞受賞者さすがであるとしか言いようがない。科学者の自伝/伝記はかたいのが多いので新鮮だった。
ほかにも
マッドサイエンティストな人の自伝/伝記読んでみたい。
ちょっと古い人物だけれど、「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」という伝記はなかなかよかった
なぜ国家は衰亡するのか
中西輝政氏の文明論。トインビーやギボンをひいて描いている過去の国家衰亡はわりとおもしろい。
各文明で絶頂期に至る前までは国家衰亡論が盛んに議論されるけれど、衰退期に入ってからは議論も下火になるという。これは衰退期には、それを認めたくないために議論が封じられるのだとか。いまの失われて20年にもなる日本ではどうだったんだろうか。もはや盛者必衰の運命論、必然論で受け入れてしまっている?
ほか、気になったこと。ローマ衰亡でよく語られる
パンとサーカス、これと似たようなことが
大英帝国崩壊の際も見られたのだという。崩壊の序章である1901年から1910年までのエドワード朝では急にイベントや娯楽に若者が並びだして、グルメブームも起きて老齢者が疑問に思ったり。これは
中産階級が増えたこと、豊かになったことの必然でもある気がするけれどどうでしょう。
そんななか、英国も英国病を、アメリカも70年代の衰退を克服している。これは
サッチャーや
レーガンの改革があって、国民も、議論もありつつそれを認めたからという話で、日本では中曽根首相らの改革はあったけれど、国民は他人事だったというふう。これにはちょっと疑問もある。
また、ローマの崩壊は
カルタゴ征服のときにはすでにはじまっていて、征服地たる
ギリシャ文明をありがたがったり、
アイデンティティを失い、創造性を失っていったことからはじまっているという。それを警告していた、
カルタゴを滅ぼした将軍であり
元老にもなった
大カトーの話ははじめて知った。
ここで触れられている、ある文化において効率性と創造性はトレードオフがあるというのは、実証は難しそうだけれどたしかにそれっぽそうだし着眼点としておもしろい。そうであるなら、高度経済成長後に効率性をひた上昇させてきた大企業は創造性が欠けるということの説明にもなる。
そのほか、西ローマがキリスト教の取り込みに失敗して崩壊した一方で、ビザンツ帝国はうまく取り込んで史上稀な1000年続く国家を築いたという話や、江戸時代の周期的なバブルとお蔭参り、そして改革のサイクルがあったというのは読ませる。
ただ、未来についての話は、国家の目的を確立することが必要という若干観念的なところでとまっている気がする。
間違ってはいないけれど、価値観が多様化しているなかでそれを確立するプロセスを穏健にとっていく方法はないと思う。つまり、国民が短期的利益を求め、政治が迎合してなにも決められないという典型的衰亡プロセスを辿るしかないんじゃないかと・・・。うーん。
もうちょっと、過去の衰亡を客観的にまとめたほうがいい本になったと思うし、そういうの読んでみたい。各論をあたるしかないかな。
山の仕事、山の暮らし
山ライター(?)の高桑さんによる、山で仕事をしているゼンマイどりや猟師、蜂飼、ワカン作り、山岳救助隊などなど山で仕事をしている19人へのインタビュー集。
みな独特の仕事をやっていてそれもおもしろんだけれど、なにがしかを極めたプロフェッショナルの雰囲気が出ているのがよい。ただ、厳しい仕事で後継者がいなかったり、稼げなくなってきたりで、めっちゃたいへんそうなんだけれど、みなそれぞれ山が大好きな感じもある。
林業なりキノコ、山菜、猟など山にはまだまだ資源があるしうまく活用できるといいと思うんだけど、ノウハウももう途絶えているかも。
類書としては聞き書きニッポンの漁師、建築業者、メタルカラーの時代とかかな。こういうプロへのインタビューはどうしても浅いのしかないけれどおもしろい。SEのあったら読みたいし機会があればつくりたいけれど、内容的に難しそう。匿名でPJをうまくぼかせばありかな。
資金決済法の改正にともなって、
事業がどうなるか。法律解釈の読みものとしてはいいけれど既存のサービスの枠組みに囚われすぎな感じはある。
ちなみに法律については金融庁のパンフレットがわかりやすかった。
(PDF注意)
ケータイ口座なり電子マネーについて、なぜ使っているかというアンケート結果とその分析も載っているけれど、どうしても後付け感があり表面的なもの(ユーザの真の欲求でない場合が多い)になるので難しい。
この本の結論の一つである資金移動サービス単体では利益をあげることは難しく、別の事業との連携が不可欠である、という話はわりと考えさせるものがある。買い手にとっては便利だけれど、手間をかけて導入してもらえるかは別だし、売り手にとってもメリットが直接的ではないし、しばらくは現金強い感じ。金融まわりのサービスはFinTechというバズワードも生み出されて人気で自分も考えるところがあるのでこんどまとめてみたい。
この本はソフトウェアの
アーキテクチャとその作り方を解説しているんだけれど、業務
システム開発によくある誤解、例えば製造業との比喩であったりをわかりやすくユーモラスに説明している。システムを作る側も作らせる側も読む価値あると思う。
アーキテクチャの評価項目はチェックリストとしてわりと参考になりそう。
あと、この本の最初の図をTwitterに投稿したら300以上RTされてびっくり。
それだけ共感する人が多いということでしょうか。
煽りっぽいタイトルだし2008年出版とやや古い新書だけれど、ウォールストリートで長く銀行家をやっている神谷秀樹さんなだけあって業界ゴシップが豊富でかつ、未来への展望も触れられていておもしろかった。
あまりファイナンス詳しくないんだけれど、
ウォール街の人事や欲深い話、裏切り、顧客をカモにする話、利益相反している話などよい。日本の実話誌が
暴力団について書いているのが人気を博すのと似ているかも。
また、筆者はすぐに株式公開を狙うインターネット企業に批判的で、近年、徐々に株式の公開基準が下がっていることを指摘している。アメリカではSOX法によるコーポレートガバナンスとそれにかかるコストのために通常の事業会社だと売上が3億ドルはないと公開するメリットはないという。日本だとここ最近売上数億円規模のベンチャーの上場が続いているけれど実体はどれほどともなっているんでしょうか。
興味深い話はいくつもあったのだけど2,3メモしておく。
- 投資銀行出身者が国家機関に採用されるときに狙っているのは、所有株を課税なしに売却できるタックスホリデーだとか。そうして利益相反な状況がつくられていく。
- 企業を買収したいときにアドバイザーとどう契約しておくか。インセンティブを設計しておく必要がある
- キャピタルゲインや運用手数料を利益としており、かつ「今日の儲けは僕のもの。明日の損は君のもの」という無責任状態では短期的な利益を目指すことが最善手となる。どう制度設計するといいんでしょう。
- 所得倍増計画のブレーンだった下村治博士が、オイルショックをみてゼロ成長に耐えられる体制にすることを主張していたそうだ。すべての論点に賛成なわけではないけれど今になってみると慧眼である。
下村治博士の20年前の警告を見つめよ:日経ビジネスオンライン
13年も前に出たエポックメイキングな本。
フリーエージェントという存在が社会で存在感を増しているということを多数のインタビュ−、フィールドワークから明らかにした本。
フリーエージェントとは、「インターネットを使って、組織の庇護を受けることなく自分の知恵だけを頼りに、独立していると同時に社会とつながっているビジネスを築き上げた」という存在で、
フリーターよりは知的労働、
フリーランスと違うのは受託に限らない。
特に日本では正社員という「正しい」社員が念頭に置かれている文化があるくらいで、なかなかフリーエージェントが活かせていないように思える。非正規労働が増えていく流れと合わせて、大企業は抱えた正社員だけでなく、高技能な非正規労働者を活かしていく必要があるかもしれない。
内容としては、社会、特に税制などは増えているフリーエージェントに対応していないという苦言はあるけれどほとんどは実例をベースにした状況説明で、どうやったらフリーエージェントとして生計をたてていくかは書いていないので注意。
新・民族の世界地図
言語・宗教・民族の移動・
先住民族・
少数民族について概説し、世界で発生している民族対立や紛争について経緯と概要を簡潔に説明している。新聞をよく読む人にとっては常識かもしれないけれど、高校世界史で触れられていないものは知らないものも多かった。
特に、中東とアラブの各宗派・民族のいざこざの話に章をひとつ割かれており、昨今の
ISIS国の話に関わる文脈がすこしわかる。
また、最終章のエネルギー争奪戦では、エネルギー輸入国日本にとって切実。中東からの輸入にこれまでどういった問題があるのか、ロシアに振り回される
サハリンIIはどうなるのかは気が重くなる。
知らないことが多くて整理しにくいのだけれど、特に記憶に残っているものリスト
単一民族と錯覚するほど一つの民族が大多数を占め、ほとんど征服を経験していない島国である日本に住んでいると、全然感覚がわからないけれど世界の多くでは故郷や民族といった概念の意味がより切実。
いやおうなしにグローバル化する社会で生きていくための必須知識を得るために手頃な一冊だと思う。
あと、現代の紛争の多くは欧米、特にイギリスに原因があってげんなり。やっぱり紳士様の国は違うぜ。
ところで、一つ前の「民族の世界地図」は、高校の世界史の授業の副読本としてF先生から薦められて読んだのだった。
F先生は世界史大好きで教え方にも愛があってよかったなあ。理系で世界史とっていたのは学年で25人ほどと少なかったけれどみんな目をきらきらさせて授業を受けていたようにも思う(若干、記憶の改竄あるかも)。
倫敦から来た近代スポーツの伝道師
たしか一昨年のお台場
レガッタで参加賞にもらった新書。
明治時代に多数来たお雇い外国人のなかでもスポーツの普及に尽力し、日本人の信頼も厚かったがよく知られていなかったF.W.ストレンジについて紹介している。当時の大学文化や、英国留学生の雰囲気もわかってまあおもしろい。英国の大学の在籍記録を調べたり、新資料を掘り起こしたりと丹念に資料を調べていて、定年退職したビジネスマンがアマチュア研究者になる文化よいと思う。
COURRIER 2月号
昔は購読していたんだけどここ1,2年は内容が
自己啓発に傾きすぎているように思えて読まなくなっていた本書。同居人が買ってきてくれたので読んでみたという次第です。
「世界の人はこんな本を読んでいる」という特集では、未訳の本も多数紹介されていて興味深かったし、
ジャレド・ダイアモンド、ピケティ、
カズオ・イシグロのインタビューはあまり見る機会がなく人柄が見えておもしろい。
あと編集部が選ぶ2014年の翻訳書ベスト10のワンポイント解説は皮肉効いてて便利。日本で働く外国人社員の話はたいへん参考になったけれどたいていの日本企業はもうどうしようもないんじゃないかと思えた(小並感)
人を動かす情報術
もらいものだけど、
ライフハックっぽいタイトルで読む気も起きずに放置していたけれど棄てる前にめくってみるかと読んでみた。
タイトルは、人を動かす(ための)情報術ではなく、人を動かしている情報、が適切な気がする。語呂は悪いけれど。
本書では触れられていないもののここでの情報はintelligenceではなくinformationという意味。近年のスキャンダルを取り上げていて、情報とメディアってなんなんだというのをいろいろ引用して解説して、ちょっとはおもしろい。ただ、賢しらな表現が多いわりに情報がどう人に伝達されて受け止められるかというところが浅くて参考にはならないように思えた。
情報科学の父である
クロード・シャノンも情報という言葉を定義はしていないしおれおれ情報論みたいな本も多いしで難しいですよね。
マンガ
東京喰種 トーキョーグール
同居人から勧められ彼が
kindleで購入したものを彼の
iPadでひとまずのシリーズ完結までと新シリーズ1巻を読んだ。
人と同じ姿をして人と暮らしているが、人しか食べない種族、喰種(グール)。そして主人公は喰種に襲われ大けがをするが、すんでのところで事故に巻き込まれ喰種が死ぬ。そして入院している間に、死んだ喰種から臓器移植を受けてしまい、主人公は喰種になってしまう・・・。2つの種族の間で主人公はどうなっていくか。
という話。
ゾンビものというよりは吸血鬼もので設定は好みなんだけれど、伏線広げすぎていてちょっとつらい。おもしろいんだけれど短期的な盛り上がりを狙って全体の章立てがあまり練られていない感もある。
マンガにしろ小説にしろ、長期連載で話にまとまりをつけるのほんと難しいと思う。計画は実行していくたびに情報が増えて変わっていくし、どーするべきなんだろ。
ダンジョン飯
九井諒子さんの新作。
D&Dの古典から脈々と語られるモチーフであるダンジョン。ここを探索する冒険者たちが、現地調達で自給自足していく中で、モンスターの生態に肉薄していくという、架空
博物学誌的側面もあってめちゃめちゃおもしろい。これは、SFです。
九井諒子さんの作品どれも豊かな気持ちになれるよい話多いのでみなさま読みましょう。
学習漫画 世界の歴史 1-7
まあまあおもしろかった。世界史の授業でやって一度覚えていたこともけっこう忘れているなあと思った。
やっぱり世界史はおもしろいし、ためになる(気がする)。ちゃんと勉強しよ。
アニメ
同居人が借りてきて、ついつい一緒に観ているうちに引き込まれてしまった。
もう10年前のテレビアニメなんだけれどめっちゃいい作品で、これからは好きなアニメを問われたら間違いなくこれを答えると思う。
最初は、西部劇っぽいスタイリッシュなアニメかと思って期待せずに横目で見ていたんだけれど、1話の後半でなぜか巨大ロボットで戦う展開になって困惑。キャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」なんだという。ジャンル的にはよくわからない。
あらすじを簡単に書いてみる。
宇宙の吹きだまりの星の、ある少女が暮らす街は強盗団に占拠されているなか、通りがかった旅の男によって強盗団は退治される。それは最愛の妻を結婚式中に殺され、その復讐相手である鉤爪の男を探して旅する男、ヴァン。鉤爪の男に兄を誘拐された少女も彼とともに旅をはじめる。その鉤爪の男を追う旅の行く先々でトラブルに巻き込まれ、徐々に明らかになる鉤爪の男とその思想はいったい・・・。
コメディタッチな明るい部分がありつつ、ドラマをよくつくっていて、説教臭くなく、敵方のキャラの考え方が尖がりすぎなことがよい。あとキャラがたっていて、かつ(特に女性)キャラの服装がよく替わるのもよくできている。
ストーリーは探求と復讐の旅、英雄的で神話的ですらある。
あんまりアニメ詳しくないけれど、友人によればカウボーイビバップとスクライドとスタードライバーを足して混ぜたような作品。どれかひとつでも好きなら刺さると思うとのこと。
小説や実写だとこういう雰囲気、ストーリーをつくるの難しそうだしこういうのにアニメ強い気がする。
楽園追放
最近まで映画をやってた劇場アニメ。よくうちにくる友人が
blu-ray discを買ってきてくれた(
Amazonでうち宛に送ってきた)のでみんなでこたつにはいって観た。ストーリーは元気ガールとロボットアクションエンターテイメントでそこそこ楽しめた。ただ、主人公の服装がボディコンシャスで露出度高めで若干気になるところではあるのでご注意を。
あんまりネタバレは避けておくけれどSFな世界観は銃夢っぽい感じで共通のモチーフも多い。ああいう、荒野系SF好きだと想像が膨らんで楽しいかもしれない。ツッコミどころはあるけれど許容範囲内。
後輩の
kawaiiガールからもらった(自慢)
めちゃくちゃおもしろくて最高のインド映画。インドのエリート工科大学を舞台にどたばたしていくだけかと思いきや、生きることと愛(博愛・家族愛含む)に真っ向からぶつかってる。170分とめっちゃ長いんだけれど、適宜ミュージカルもはいるしひどすぎるコメディもあってテンション高いまま突っ走っているので飽きはない。
好きな作品「いまを生きる」の工学部版+コメディ+ミュージカル+いろいろみたいな感じでエネルギー量すごいし豊かな気持ちになれる。誰が観てもおもしろいと思うけど工学部の学生が観たら刺さるかも。
あと、DVDによくついているスペシャル項目にはトレーラーとかだけでなくミュージカルシーンの抜粋もあるし、ヒンドゥー語とカタカナの字幕がついていてたいへん便利。
ミュージアム系
機会があって東京国立近代美術館の工芸館にいってきた。
明治洋風レンガ建築の近衛師団司令部庁舎を利用しているそうで建物の雰囲気はとてもよい。
赤レンガの建物ってそれだけで雰囲気良くて、東大本郷キャンパスとか京大吉田キャンパスにあるような無骨な建物もいいし、東京駅丸の内側や軽井沢三笠ホテルの壮麗な感じもあざとい。
で、工芸というのは「Craft」ということで、職人による手作業での伝統品みたいな意味合いがあるみたい。
そのため、使用者を想定しない、観るための「置物」、「花器」、「着物」などが多かった。美術としてはすごく手間がかかっていて洗練されているんだけれど、インダストリアルデザインみたいなものを期待していたのですこし残念(よく調べておけば良かったん)。
海外にはよくあるみたいだけれど、日本だとあまりそういったものが無い気がする。そういう展示があったら行ってみたいので教えてください。
入館210円で30分くらいでまわれるしまあまあおもしろかった。北の丸公園から千鳥ヶ淵あたりは散歩しても楽しいと思うのでおすすめです(美術館・博物館の評価サイトあったら便利とおもうけど特設展もあるし見物者のリテラシーもあるしでなかなか難しいかな)
東京国立近代美術館-工芸館
ちなみにここの建物はポータルで、じつは千代田区内にもかかわらず15日ほどキープできていて、ガーディアンゴールドいけるか?と期待してしまっていたんだけれどあえなく破壊されてしまって悲しい。
自分の話
じつはこの年末年始で大きく環境が変わった。今年は挑戦の年です。
詳細はまたブログにでも書きますが、しばらく京都にいるのでもしお立ち寄りの際はご連絡ください。ご飯でも食べましょう。